チェンジリングのネタバレあらすじ・結末と感想まとめ!衝撃の実話映画?

『チェンジリング(Changeling)』は2008年公開のアメリカ映画で、監督はクリント・イーストウッドです。1920年代にロサンゼルスで起きた連続少年誘拐殺人事件の、被害者家族の実話が元になっています。第61回カンヌ国際映画祭出品作品で、第81回アカデミー賞では主演女優賞、撮影賞、美術賞にノミネートされました。この記事では『チェンジリング』の感想や結末までのあらすじを、ネタバレ込みで紹介します。また実際の事件との差異なども、ネタバレした上で触れていきます。

チェンジリングのネタバレあらすじ・結末と感想まとめ!衝撃の実話映画?のイメージ

目次

  1. チェンジリングとは?
  2. チェンジリングのあらすじネタバレ
  3. チェンジリングの結末ネタバレ
  4. チェンジリングは衝撃の実話映画?
  5. チェンジリングの登場人物とキャスト
  6. チェンジリングに関する感想や評価
  7. チェンジリングのネタバレまとめ

チェンジリングとは?

チェンジリングの作品情報

『チェンジリング(Changeling)』は2008年に公開されたアメリカ映画です。1920年代にアメリカのロサンゼルスで起きた連続少年誘拐殺人事件『ゴードン・ノースコット事件』の、被害者家族の実話を元にした物語です。題名の『チェンジリング』は『取り替え子』という意味で、ヨーロッパの伝承に基づいたものです。

制作と監督、そして音楽を務めたのは『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー賞の作品賞と監督賞を2度も受賞した名監督、クリント・イーストウッドです。『チェンジリング』は第61回カンヌ国際映画祭出品作品で、第81回アカデミー賞では主演女優賞、撮影賞、美術賞にノミネートされました。

チェンジリングの予告編動画

こちらは映画『チェンジリング』の予告編です。主人公のクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)の息子ウォルターを名乗る少年は誰なのか?本当のウォルターはどこにいるのか?など、物語の大きな謎に迫った予告編です。

「観ていて辛かったが、母親クリスティンの姿にとても感動した」「実際にあったことだと知って驚いた」など、さまざまな感想が寄せられた映画『チェンジリング』。どういった映画作品であったか、物語の序盤から結末まで、あらすじを紹介していきます。

チェンジリングのあらすじネタバレ

あらすじネタバレ①消えたウォルター

序盤のあらすじを紹介します。時は1920年代。主人公クリスティンはひとり息子のウォルターと、ロサンゼルスで暮らしています。電話局の主任として働いて収入を得ています。ある休日、クリスティンは息子ウォルターと出かけようとしていましたが、そこで急な仕事が入ります。ウォルターは母と映画に行けなくなったと、落ち込んでしまいます。クリスティンは「映画は明日行きましょう」と息子と約束して、仕事へ向かいます。

しかしクリスティンが帰宅すると、自宅にいるはずのウォルターはどこにもいませんでした。クリスティンはすぐ警察に連絡しますが「24時間は捜索しない方針だ」とあしらわれてしまいます。翌朝から警察の捜索が始まりますが、ウォルターの行方はまったく掴めませんでした。教会のブリーグレブ牧師は、ラジオ演説でウォルターの無事を祈り、そしてロス市警の体制を訴えます。

あらすじネタバレ②戦い

それから5か月後。クリスティンはロス市警のジョーンズ警部から「ウォルターが見つかった」という知らせを受けます。クリスティンはジョーンズ警部に涙ながらに感謝し、すぐにウォルターに会いに行きます。しかしそこでクリスティンを待っていたのは、ウォルターとは違う少年でした。クリスティンは人違いだと主張しますが、ジョーンズ警部はそれを無視して、少年を連れ帰るようクリスティンに命じます。

翌朝、ラジオで演説をしていたブレーグリブ牧師が、クリスティンに協力を申し出ます。ブレーグリブ牧師はロス市警の不正を暴こうと、日々活動している人物です。クリスティンは牧師の協力のもと、少年がウォルターではないという証拠を集めます。学校の担任からも「別の子供だ」という証言を得ました。しかしロス市警はそんなクリスティンを疎ましく思い、「精神が錯乱している」とみなして、精神科病棟に追いやります。

クリスティンは収容された病棟で、キャロルという女性に出会います。そして警察に逆らった女性たちが「コード12」として病院に送り込まれていると知ります。病棟の主治医はクリスティンに「警察の捜査にミスがないと認めれば、すぐにここから出してやる」と持ちかけます。しかし事件の不正を暴くと決心したクリスティンは、その申し出を断ります。そして治療という名の拷問を受けることになるのです。 

あらすじネタバレ③悲しい真実

起承転結の『転』の部分にあたる部分の、あらすじを紹介していきます。クリスティンが病棟に収納されていたその頃。警察では別の事件で捕まったクラークという少年が、衝撃の事実を語っていました。「従兄のゴードン・ノースコットという男に脅されて、彼と共に少年を何人も誘拐して殺した」と、警察に打ち明けたのです。警察はクラーク少年とゴードンの牧場に向かい、そして多くの人骨を発見します。

ゴードン・ノースコットはすぐに指名手配されました。ウォルターを名乗っていた少年は別人で、家出少年であったことも判明しました。クリスティンは病棟から解放されますが、ウォルターが殺害されたであろうことを知って、崩れ落ちます。しかし「もう失うものはない」と立ちあがり、警察と最後まで戦う決心をします。

クリスティンはブリーグレブ牧師や、その友人であるハーン弁護士の力を借りて、警察を訴えます。クリスティンたちはまず、「コード12」として精神病院に拘束されている女性たちの解放を要求します。そして精神病棟でクリスティンに助言した女性、キャロルも無事に解放されます。次にクリスティンたちは、聴聞会を開くよう求めます。聴聞会の結果、ジョーンズ警部は永久停職、ジェームズ本部長は解任されます。

そして9月。指名手配されていたゴードン・ノースコットが、カナダで逮捕されました。ゴードンの裁判は聴聞会と並行して行われました。ゴードンは無罪を訴えましたが、裁判官は彼を有罪として、絞首刑という判決を言い渡しました。判決前にゴードンは「ウォルターは殺していない」と告げています。大勢の人々はそれを嘘だと考えました。けれどクリスティンだけは、ゴードンの言葉は真実かもしれないと、考えたのです。

チェンジリングの結末ネタバレ

結末ネタバレ①死刑執行

ではクライマックスから結末までのあらすじをネタバレしていきます。ゴードンに絞首刑という判決が下されてから2年、クリスティンはなお、息子ウォルターを探し続けていました。そんなクリスティンのもとに、ゴードンから電報が届きます。その内容は「ウォルターを殺していないと言ったが、あれは噓だった」「面会に来ればすべてを話そう」というものでした。

クリスティンはゴードンの死刑前日、彼のもとへ訪れます。しかしゴードンはクリスティンに「本当に来るとは思わなかった。もう懺悔を済ませたから話したくない」と言い放ちます。クリスティンは「息子を殺したのか」とゴードンの胸ぐらを掴みます。けれどゴードンは何も語らず、処刑されたのです。

結末ネタバレ②希望を胸に

結末までのあらすじを紹介します。ゴードンが死刑になってから、さらに数年の月日が流れました。ある日クリスティンのもとに、ゴードンの元から逃げてきたという少年が見つかったと、警察から連絡が入ります。クリスティンは警察のもとに駆けつけ、その少年がウォルターと共にゴードンから逃げ出していたと知ります。

しかし少年はウォルターと逃げ出したものの、途中ではぐれてしまったそうです。話を聞いたクリスティンはウォルターがどこかで生きていると希望を持ちました。そして、生涯をかけて、ウォルターを探し続けたのです。

チェンジリングは衝撃の実話映画?

チェンジリングは実話映画

『チェンジリング』は1920年代におこった連続少年誘拐殺人事件『ゴードン・ノースコット事件』に基づいた、映画作品です。実話をもとにした映画なのですが、クリント・イーストウッド監督は『実話』という言葉を、脚本から削除しようとしていました。『大切なのは実話かどうかではない。良い物語であるかどうかだ』という信念を持っていたからです。

けれど封切りされた映画『チェンジリング』は、”この物語は実話である” という字幕から始まります。最後は”事実を基にしているが、殺された子供の数などは一部フィクションである”という字幕で締めくくられています。ゴードンが死刑になってから結末までの物語は、創作の部分が多いと思われます。こういった配慮もあってか『チェンジリング』には、どこか淡々と物語が進むのが良かった、という感想も寄せられています。

チェンジリングの映画と事実の違い

違い①ゴードンの母親

映画『チェンジリング』では登場しなかったゴードン・ノースコットの母親ですが、実話では母親が深く関わっています。ゴードン・ノースコットの母親サラ・ルイーズは、少年の誘拐と殺害に関与しています。サラ・ルイーズには終身刑が言い渡されました。

違い②発見される少年

映画『チェンジリング』の結末では、息子ウォルターと共にゴードンの養鶏場から逃げた少年が、登場しています。ですが実話では、そのような少年はいなかったようです。ウォルターの生死については映画同様、不明のままです。なおクリント・イーストウッド監督は、ウォルター少年はゴードンの養鶏場で殺害されたと見ているそうです。

チェンジリングとヨーロッパの伝承の関係

題名の『チェンジリング』は『取り替え子』という意味です。『チェンジリング』とは妖精たちが人間の子を連れ去るとき、かわりに醜い妖精の子を置いていくというヨーロッパの伝承、またはすり替えに置かれた醜い妖精の子そのものを示します。この『チェンジリング』という伝承はよく知られているもので、1800年代には、実の子をチェンジリングされたと信じ込んだ親が、子を虐待・殺害したという事件も記録されています。

似た映画「白い沈黙」も人気

『チェンジリング』のように実の子が誘拐される映画は、他にもあります。そのひとつが2014年にカナダで制作された映画『白い沈黙』です。あらすじはこうです。主人公のマシュー(ライアン・レイノルズ)は娘のキャスを連れて買い物に出かけます。マシューはキャスを車に置いて食料品店に立ち寄りますが、戻ったときには、後部座席にいたはずのキャスがいなくなっていました。

マシューの日常は一転します。彼は妻からも警察からも、容疑者として疑われました。そして娘キャスの失踪から8年後、犯人からメッセージが届きます。マシューは家族の幸せを取り戻すべく、全力でキャスの捜索に乗り出すのでした。事件の真相については、ぜひ鑑賞して確かめてください。ひとつネタバレしますと、上記の画像で倒れているのは主人公マシューであり、『白い沈黙』の結末にかかる重要なシーンです。

チェンジリングの登場人物とキャスト

クリスティン・コリンズ役/アンジェリーナ・ジョリー

映画『チェンジリング』の主人公クリスティン・コリンズは、アンジェリーナ・ジョリーが演じています。クリスティンは9歳の息子ウォルターとロサンゼルスで暮らしている、シングルマザーです。家の外では電話局の主任として働き、高く評価されている女性です。クリスティンは仕事中に息子が行方不明になったことで自責の念を抱きます。しかしクリスティンは強い意思で不正に立ち向かい、愛する息子を探し続けます。

『トゥームレイダー』や『マレフィセント』では、ミステリアスでどこかコミカルな役柄を演じたアンジェリーナ・ジョリーですが、社会派ドラマにも多く出演しています。『チェンジリング』では息子のために警察に立ち向かう母親を、静かに熱演しています。アンジェリーナ・ジョリーは役作りの際、実の母を思い出し、イメージを膨らませたそうです。

グスタヴ・ブリーグレブ牧師役/ジョン・マルコヴィッチ

1920年代当時のロサンゼルス市警の問題を明らかにし、正そうとする牧師グスタヴ・ブリーグレブは、ジョン・マルコヴィッチが演じています。グスタヴ牧師はウォルター少年の事件を知ると、クリスティンに協力を申し出ます。グスタヴ牧師はクリスティンを支え、事件解決後も、ロス市警の不正を追求し続けたそうです。

J.J.ジョーンズ警部役/ジェフリー・ドノヴァン

主人公クリスティンと対峙するロス市警の警部、J.J.ジョーンズは、ジェフリー・ドノヴァンが演じます。ジョーンズ警部はクリスティンの息子ウォルターの事件を担当しますが、ウォルターとは違う少年をクリスティンのもとに連れてきます。そして「この少年は私の息子ではない」というクリスティンの主張を無視し、彼女を精神病棟に追いやります。ジョーンズ警部は事件が明るみになったあと、永久停職を言い渡されました。

ジェームズ・E・デーヴィス市警本部長役/コルム・フィオール

問題あるロサンゼルス市警の本部長、ジェームズ・E・デイヴィス役はコルム・フィオールが勤めます。ジェームズ・E・デイヴィスは、この事件により本部長の座を退きました。しかし実話では市長の後押しを受けて1933~1938年に本部長に復帰していたそうです。

ゴードン・ノースコット役/ジェイソン・バトラー・ハーナー

多くの少年を誘拐して惨殺した連続殺人犯、ゴードン・ノースコットは、ジェイソン・バトラー・ハーナーが演じます。ゴードン・ノースコットを演じたジェイソンには『実際の犯人と顔がそっくりだ』という感想も、多く寄せられました。ゴードンは法廷では反省することなく、ずっと微笑んでいたそうです。

チェンジリングに関する感想や評価

それでは『チェンジリング』の感想や評価を紹介していきます。こちらは「苦しいけれど最高です」と締めている感想です。主演、BGM、演出と、あらゆる面に感動されたようです。

こちらは実話を元にした『チェンジリング』に驚き、そして泣いたという感想です。2019年現在では90年以上も前の事件となるのですが、ずさんな警察の捜査や事件の残虐性は、過去のものと考慮しても、衝撃の実話といえます。とても驚いた、考えさせられたという感想は多くあがっています。

こちらの感想も高評価のもので、特にアンジェリーナ・ジョリーの演技を称賛されています。1920年代の時代背景なども良く描かれているとの感想です。

チェンジリングのネタバレまとめ

クリント・イーストウッド監督は、実話を元にした映画制作を好みます。2018年には列車テロを防いだ旅行者を描いた『15時17分、パリ行き』を、2019年には麻薬の運び屋をしていた老人の実話に基づいた『運び屋』を発表しました。『運び屋』では10年ぶりに、監督と俳優を同時に務めています。2020年にも実話であるアトランタ五輪爆破テロ事件を描いた「Ballad of Richard Jewell(原題)」を、公開予定です。

『チェンジリング』は1920年代に起きた実話に基づいた映画作品です。連続少年誘拐殺人事件『ゴードン・ノースコット事件』が背景にありますが、不正に立ち向かった主人公クリスティンに焦点をあてていることもあり、見るにたえないようなおぞましいシーンはありません。アンジェリーナ・ジョリーの静かな熱演も話題となりました。『チェンジリング』は実話をもとに、結末には一筋の希望も描かれた映画です。ぜひご覧ください。

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