黒澤明監督映画のおすすめランキング!時代に埋もれない名作・傑作一覧

黒澤明監督のおすすめ映画をランキングでご紹介します。日本の映画監督のなかでも不滅の功績を残した黒澤明さんは生涯に30本の映画を残しており、そこにはおすすめできる幾多の名作があります。有名な映画からマイナーな作品まで含まれた、黒澤明監督のおすすめランキング30の結果はどうなるのか?時代劇から現代劇までいろいろな舞台で作られた黒澤明監督のおすすめ映画を、ランキング形式で詳しく解説していきます!

黒澤明監督映画のおすすめランキング!時代に埋もれない名作・傑作一覧のイメージ

目次

  1. 黒澤明監督映画とは?
  2. 黒澤明監督映画のおすすめランキングTOP30~21
  3. 黒澤明監督映画のおすすめランキングTOP20~11
  4. 黒澤明監督映画のおすすめランキングTOP10~4
  5. 黒澤明監督映画のおすすめランキングTOP3
  6. 黒澤明監督映画に関する感想や評価は?
  7. 黒澤明監督映画のおすすめ名作・時代劇一覧まとめ

黒澤明監督映画とは?

日本の映画史上で不滅の監督といわれることの多い黒澤明監督。スティーブン・スピルバーグ監督やジョージ・ルーカス監督など海外の多くの映画監督に影響を与えており、「世界のクロサワ」と呼ばれることもある黒澤明監督。そんな黒澤明さんは生涯に30本の映画を残しました。「七人の侍」など時代劇作品で有名な黒澤明監督ですが、現代劇やいろいろなテーマで作られた名作が多数あります。

この記事ではそんな日本を代表する黒澤明監督のおすすめ映画ランキング30をご紹介していきます。黒澤明監督の名作、傑作をランキングで知りたい方はどうぞ最後までこの記事をご覧ください。

黒澤明監督のプロフィール

黒澤明監督は1910年3月23日から1998年9月6日にかけて生きた日本の映画監督、脚本家です。黒澤明さんは矢口陽子さんと結婚しており、映画監督としての活動期間は1943年から1998年となります。黒澤明さんはこれまでの日本人映画監督がなしえなかった功績を残してきました。

黒澤さんは国民栄誉賞、従三位、文化功労者顕彰、東京都名誉都民に選出されるなどの実績を残しており、映画監督のなかで初めて文化勲章を受章した人物でもあります。

1990年には日本人で初めてのアカデミー名誉賞を受賞しました。また1999年にアメリカの週刊誌「タイム」のアジア版で、「20世紀で最も影響力のあったアジアの20人」に選ばれています。黒澤明さんは米国映画芸術科学アカデミーの会員でもあり、20世紀で名実ともに日本と世界で最も注目された映画監督の一人といっても過言ではありません。

黒澤明監督映画の特徴

黒澤明監督の映画の特徴は完璧主義なほどにリアリティを追求する点にあります。黒澤明監督は妥協を許さない徹底した演出を行う監督として知られています。例えば俳優が完璧に演技が行えるようになるまで、何度でもリハーサルを繰り返しました。これは映画の中で、キャラクターたちのリアリティをできる限り演出しようとする黒澤さんの施策でした。

また一つの映像シーンにおける完璧さにもこだわりを見せる監督でした。例えば時代劇の撮影中、映像として邪魔な家があれば、家自体を撤去するように指示をだしたこともあるそうです。黒澤監督は映像の雰囲気を壊すものは排除し、完璧なシチュエーションを求めるという特徴があります。そのくらい黒澤監督は良い作品作りに励む監督でした。

ほかにも黒澤明さんは俳優たちのセリフをアフレコ録音するのを避けていたといいいます。あくまで撮影現場での直録音にこだわり、映画にリアリティを施そうとしました。このように黒澤明さんは時代劇など様々な映画で、作品の迫力を何より大切にした映画監督だといわれています。

黒澤明監督映画のおすすめランキングTOP30~21

ここから黒澤明監督の数ある名作をランキング形式で30位から順番に解説していきます。なかにはマイナーな映画もあるかもしれませんが、どれも黒澤監督が残した真珠の作品となっています。

30位:白痴

黒澤明監督のおすすめ映画ランキングで30位にくるのは「白痴」です。黒澤明監督は海外の作家に影響を受けており、自身の映画にもその要素を取り入れていたといわれています。白痴はドストエフスキーさんというロシア人作家の同名小説に影響を受けて作られました。

白痴は上映時間が2時間40分ほどある長い尺の映画です。しかし元は4時間以上の長さであった映像をカットして、短くまとめて作られたといいます。白痴は短くしても2時間40分という長さなので、内容の詰まった映画です。

29位:一番美しく

黒澤明監督の映画にはモノクロ作品が多いですが、29位にくる「一番美しく」も白黒作品となっています。この映画は戦時中に公開されており、プロパガンダ映画といわれることもあるようです。滅私奉公することの大切さや、長い時間働く労働の重要さが説かれた内容となっています。日本が戦時中のころ、国民に伝えたいメッセージも込めた映画だといえるでしょう。

28位:生きる

黒澤明監督のおすすめ映画ランキングで28位にくるのは「生きる」です。生きるは市役所で働いている主人公が病気で余命宣告を受けるという内容になっています。残り短い自分の命と向き合った時の、複雑な人間心理が表現されている名作映画です。この映画で活躍した志村喬さんの演技は、世界から高評価を受けています。

27位:姿三四郎

黒澤監督のおすすめ名作映画ランキングで27位にくるのが「姿三四郎」です。姿三四郎は黒澤明監督が初めて監督した、記念すべき一本目の映画です。姿三四郎では柔道で戦うシーンがあるのですが、SEや挿入曲が全くないにも関わらず、映像の迫力だけで視聴者をクギ付けにする演出は一見の価値があります。またライバルである檜垣源之助との最後の戦いは迫力があり、映画の見どころ場面となっています。

26位:八月の狂詩曲

ランキングで26位にくるのが「八月の狂詩曲」です。八月の狂詩曲は印象的なシーンが多いといわれる映画です。例えば嵐のなかを老婆が傘をさして歩くシーンや、蟻がバラの花の上をはって上がっていくシーンなどが名場面とされています。八月の狂詩曲は黒澤明監督のメッセージ性も詰まった映画だといわれており、名シーンとともに映画内容の意味も考えながら楽しみたい映画です。

25位:わが青春に悔いなし

おすすめしたい黒澤明監督の映画ランキングで25位にくるのが「わが青春に悔いなし」です。わが青春に悔いなしでは、格式の高い家柄の娘が学生運動にかかわっていく物語が描かれます。やがて名家の娘は農村にたどりつくのですが、周囲の人たちからいじめを受ける事になります。
 

このように見てくると一見暗いイメージのある映画ですが、最後の30分の内容はとくに映画の見どころといわれています。ラストの展開で主人公の魅力が際立っていくので、最後まで目の離せない作品です。
 

24位:續・姿三四郎

おすすめランキングで24位にくるのが「續・姿三四郎」です。この作品は姿三四郎の続編であり、前作で敵役として死んでいった檜垣源之助の仇を打とうとする弟が登場します。檜垣兄弟を1人2役で演じているのは月形龍之介さんです。續・姿三四郎の主人公は月形さんではないですが、この映画で実質的に主人公といえるキャラクターといわれています。

23位:どん底

ランキングで23位にくる名作映画「どん底」の舞台は貧乏な住民たちが住む街であり、彼らの生きざまが描かれた群像劇となっています。どん底では一見明るい雰囲気のキャラクターが登場しますが、報われることのない悲しい人々の物語です。

まさにどん底にある人たちの物語なのですが、苦しくても一生懸命生きようとする人の姿が印象的な作品でもあります。またこの映画では音楽が全く流れないという特徴があります。

22位:醜聞

ランキングで22位にくる「醜聞」という作品は、いまでいう「文春砲」の騒ぎを思い出させてくれるような内容の映画だといわれています。醜聞はモノクロでとても古い映画ですが、作品内で描かれる社会の様相はそれほど現代と変わっていないという意見もあるようです。

醜聞は今から70年以上も前に公開された映画です。にもかかわらず現代との共通点を感じる人がいるとすれば、社会の本質的な部分で現代とつながりのある作品なのかもしれません。

21位:素晴らしき日曜日

黒澤明監督のおすすめ映画の21位は「素晴らしき日曜日」です。この映画では貧しい男女が恋愛をする様子が描かれていきます。素晴らしき日曜日は一見地味な作風に見えるかもしれませんが、ラストでは驚きの展開が用意されています。素晴らしき日曜日はラストのどんでん返しが魅力なので、これだけのために見ても価値のある映画だといえます。
 

黒澤明監督映画のおすすめランキングTOP20~11

20位:羅生門

数ある黒澤明監督のおすすめ映画のなかで20位にくるのは「羅生門」です。芥川龍之介さんの小説でも有名な羅生門を題材にしたこの映画は、ベネチア国際映画祭にて金獅子賞を受賞しました。映画羅生門の内容は芥川龍之介さんの2つの作品が組み合わされています。1つは羅生門であり、もう1つが藪の中です。とくに藪の中のその後の展開と思われる内容が映画羅生門では描かれるので、小説に興味がある人も見ておきたい映画です。

19位:静かなる決闘

おすすめ映画ランキングで19位にくるのが「静かなる決闘」です。静かなる決闘は日本の戦時中が舞台となっており、梅毒で苦しむ医者が主人公です。静かなる決闘は古い映画なので、共感できる部分が少ない人がいるかもしれません。しかし静かなる決闘は人間ドラマとして、深く考えさせられるテーマを持ちあわせた作品です。

18位:野良犬

18位は「野良犬」です。野良犬は黒澤明監督が刑事ドラマ的な内容で制作した映画で、拳銃が盗まれる事件から物語が始まります。黒澤明監督の映画にはたくさんの名シーンがありますが、この野良犬にも忘れられないシーンがありました。野良犬で有名な階段のシーンは、多くの視聴者の関心を引いた名シーンだといわれています。

17位:影武者

17位にくるのは「影武者」です。この映画は海外でも評判の高い作品で、1980年に公開されたカラーで楽しめる時代劇です。影武者では武田信玄が死んだ後の武田家の物語が描かれており、上映時間が3時間を超える大ボリュームとなっています。

この時代劇映画では作品にリアリティを出すために、演技したことのない素人をあえて登場させたといわれています。またカラーの時代劇なので、モノクロとは違う黒澤映画の魅力が楽しめる内容となっています。

16位:酔いどれ天使

おすすめする黒澤明監督の名作映画で16位は「酔いどれ天使」です。この映画は黒澤明監督と三船敏郎さんが初めて組んだ映画として有名です。黒澤監督と三船さんはこの映画以降タッグを組んで数々の名作を生みだしていきました。

酔いどれ天使で三船さんが演じているヤクザの迫力や、志村さんが演じる医者の魅力など、見どころの多い映画となっています。その後の黒澤さん&三船さんタッグの始まりとなる映画なので、ぜひ見ておきたい一本です。
 

15位:隠し砦の三悪人

15位にくる「隠し砦の三悪人」は、スター・ウォーズの元ネタになったともいわれる時代劇映画です。隠し砦の三悪人は娯楽要素の多い作品で、アクションあり、笑える場面もありで、エンターテインメントとしての魅力が詰まった映画です。

この作品の影響がスター・ウォーズ誕生につながったという、それだけでも大きな功績のある映画だといえるでしょう。隠し砦の三悪人とスター・ウォーズで、どのような共通点があるのかを探しながらみるのも面白いかもしれません。

14位:虎の尾を踏む男達

黒澤明監督の名作映画で14位は「虎の尾を踏む男達」です。この映画が1945年に作られた当時、日本は太平洋戦争のただ中にありました。虎の尾を踏む男達のモチーフになった作品は歌舞伎の「勧進帳」という作品です。勧進帳は源義経や弁慶が取り上げられた作品となっています。虎の尾を踏む男達は上映時間が1時間ほどと短いので、黒澤明さんの映画をコンパクトに見たい方におすすめです。

映画では昭和の喜劇役者といわれたエノケンこと榎本健一さんが登場しており、漫画のキャラクターのようなコミカルな演技が印象的です。また映画で弁慶役となる大河内傳次郎さんのセリフが聞き取りづらいという意見があります。そのため虎の尾を踏む男達は日本語字幕で見ることをおすすめします。

13位:まあだだよ

ランキングで13位にくる映画「まあだだよ」は黒澤明監督の遺作であり、内田百聞という随筆家が主人公の作品です。内田百聞夫婦やその周辺にいる人たちの交流が描かれる、ほのぼのとした作風が特徴となっています。

まあだだよは、おじさんたちがひたすら飲み会で会話をしているという内容の映画なので、人によって好みは別れるかもしれません。しかしほとんど飲み会での会話だけで一本の映画にまとめられる構成力がすごい作品でもあります。

百聞の教え子や「まあだ会」の人たちの会話は愉快な雰囲気があるので、映像を見ているだけで楽しく感じる人がいるかもしれません。まあだだよではキャストで所ジョージさんも登場しています。映画の見どころであるラストシーンは、黒澤明監督作品の中でも指折りの美しさだといわれています。

12位:どですかでん

12位にくる名作映画「どですかでん」の舞台は貧しい住民たちが住む街です。どですかでんは貧しい人々の生きざまが描かれた群像劇の映画となっています。どですかでんは黒澤明監督の初めてのカラー映画となりました。映画の初めから独特な色彩が印象的な映画で、タイトルクレジットも派手な色彩に満ちています。貧しい街が舞台なのにそれを感じさせないのは、独特な黒澤監督の色彩感覚が原因にあると考察されています。

映画にははっきりした物語の筋はないのですが、彩り豊かな色彩の映像が魅力の作品です。人によっては好き嫌いは分かれるものの、このような映像主体の作風が好きな人にとっては貴重な映画となるでしょう。
 

11位:悪い奴ほどよく眠る

黒澤監督のおすすめ映画で11位にくるのが「悪い奴ほどよく眠る」です。この映画は社会派系の重厚な物語が特徴です。主人公の西は、汚職事件で自殺することになった父親の仇を討つために行動していきます。父を自殺に追い込んだ者たちに西が仕返ししていくという、復讐がテーマの内容となっています。

この映画に登場する三船敏郎さんはポマードをつけた髪型で眼鏡を着用し、いつもとは違う雰囲気で視聴者を魅了します。また西と相方の板倉が、父のうらみを次々に果たしていく姿が痛快でもあります。またラストではまさかと驚くどんでん返しも用意されているので、最後まで目が離せない映画です。

黒澤明監督映画のおすすめランキングTOP10~4

10位:デルス・ウザーラ

黒澤明監督のおすすめ映画で10位にくるのが「デルス・ウザーラ」です。デルス・ウザーラはシベリアが舞台となっており、測量士でロシア人の将校ウラジミールが主人公です。ウラジミールは、シベリアで自然と共生しているデルスという狩人と出会います。

ウラジミールとデルス、両者の関係が映画のなかで描かれていきます。この映画の見どころは自然の美しさと、物語の面白さにあります。シベリアに広がる緑豊かな自然の光景が、黒澤さんによって美しく撮影されています。ウラジミールとデルスがツンドラ内で二人きりになる映像もあり、映画でも印象的なシーンの一つとなっています。

またシベリアの少数民族であるゴリド族の狩人デルスにスポットを当てた物語も映画の魅力です。デルスがシベリアの森で慣らしたハンターの腕はすさまじく、主人公のように存在感のあるキャラクターです。おじさんであり、顔がかっこいいわけでもないのですが、デルスは映画のなかで強烈な存在感を放っています。

 

9位:夢

9位にくる「夢」は黒澤明監督の映像的美しさが発揮されており、8個の短編が集まったオムニバス形式の映画です。黒澤明さんはもとは画家志望であったようで、監督の色彩表現が映画と折り重なっているところが魅力です。映画で黒澤明監督の個展を見ているような気がするという感想があるほどです。夢では物語の筋がほとんどないエピソードも多く、まるで寝ながら夢を見ているような感覚で映画は進んでいきます。

漠然としたシーンがあったり、状況が詳細でリアルなシーンがあったりして、タイトル通り夢を見ているような感覚で楽しめます。6話の「赤富士」では、放射能の様子が色彩で表現されて霧となった映像が登場します。夢は内容的に不条理な展開もあるのですが、その不思議な感覚が映画の見どころでもあります。また5話ではオランダの画家ゴッホが登場します。

名作「アルルの跳ね橋」なども出てきて、ゴッホ自身が自分の絵画のなかに入っていく様子がユニークです。また最後には麦畑からカラスが飛び立つシーンも登場します。ゴッホの絵画にも同じような場面の絵があるので、映像と絵画が映画の中で繋がってくる面白さがあります。夢は黒澤明監督の芸術的側面が発揮された映画だといえるでしょう。

8位:赤ひげ

黒澤明監督の名作映画で外せない傑作が8位にくる「赤ひげ」です。赤ひげは上映時間が3時間以上と非常に長い時代劇の作品です。映画の舞台は江戸時代で、赤ひげという医者が小石川養成所の局長をしています。養成所にやってきた青年医者の苦難と成長の物語が、赤ひげで描かれます。赤ひげで若い医者、保本を演じているのが加山雄三さんです。映画のタイトルは赤ひげですが、実質的には保本が主人公だといえるでしょう。

保本は裕福な家柄で、トントン拍子で出世してきた人物です。そんな保本が体験したのが養成所での厳しい現実でした。貧しさや病気、医療の厳しい現実を突きつけられながら、保本は成長していきます。映画には連続殺人を犯した女性や、子供の時に売られてしまった少女、泥棒の少年など、個性豊かなキャラクターが登場します、赤ひげは重厚な人間ドラマが楽しめますが、三船さんが演じる派手なアクションシーンも見どころです。


 

7位:生きものの記録

ランキングで7位にくる「生きものの記録」は、原爆を扱った内容の映画です。原爆という重いテーマがある事からホラーのような怖さのある、サスペンス形式の社会派映画です。黒澤明監督の怖い映画が見たい人に特におすすめしたい作品です。三船敏郎さんはこの映画に出演当時30代でしたが、70代の老人を見事に演じています。

生きものの記録では世界各国が原爆を装備していく様子が描かれており、主人公一家はブラジルに移住しようとします。

しかし段々状況は過激に進み、ラストでは恐ろしい展開が待ち受けています。地球には原爆を保有した国がたくさんあるのに、それを気にかけていない人々の方が狂っているのでは?という内容のメッセージを老人が語っています。原爆というテーマの作品ですが説教臭いところはなく、社会の問題に向き合った傑作映画だといわれています。
 

6位:用心棒

6位にくる「用心棒」はイタリア製西部劇の「荒野の用心棒」にも影響を与えていえる映画で、西部劇のような面白さもある時代劇です。治安の悪い町にやってきた浪人の桑畑三十郎が、街を牛耳る2つの勢力の争いに関わっていく物語となっています。主人公を演じるのは三船さんで、キャラクターの個性が非常に立っているところが面白さの秘密です。

桑畑はどこから来たか分からない流れ者で、刀の腕は超一流ですが、誰側の仲間なのかもわかりません。映画では仲代達也さんが時代劇らしいちょんまげ姿で、拳銃も装備して登場します。用心棒はまるで時代劇と西部劇が合体したような印象がある映画です。用心棒に出てくる、ヤクザにしても一人一人個性があります。なかには身長が2メートル以上もあって、大木槌を持ったヤクザの男も現れます。

5位:天国と地獄

5位にくる名作映画が「天国と地獄」です。この映画はサスペンス形式の作品で、ナショナルシューズという会社常務の子供がつかまってしまいます。三船さんが演じる主人公の子供にかけられた身代金が3000万円でした。しかし映画の途中で、捕まったのは主人公の車を運転手をしている、ドライバーの子供であることが判明します。3000万円のお金がない主人公は困った末に、重要なある決断を下しました。

誘拐犯とのやりとりや、身代金を渡すときの緊張感あるシーンが映画の見どころといわれています。天国と地獄というタイトルには黒澤明さんの世の中に対するメッセージが隠されており、社会派的な内容の映画でもあります。黒澤明さんの映画によく登場する三船さんと仲代さんは、敵同士としてキャスティングされることが多くありました。しかしこの映画で両者は、仲間として活躍することになります。

4位:乱

4位にくる黒澤明監督の名作はカラー映画の「乱」です。乱はシェイクスピアの「リア王」という戯曲を元ネタにしており、一文字秀虎という戦国武将が苦難の末に没していく様が描かれます。秀虎は一番身近な家族からの裏切りにあって没落していきます。

乱は映像の美しさが際立つ映画です。映像の美しさに反して、乱の物語はやや単調な感があるといわれており、黒澤明監督の私小説的な内容も含まれているといわれています。乱には映像美が活きるたくさんのシーンがあります。

例えば、城が燃えるシーンで秀虎が発狂する場面や、一文字一家の没落を表現したかのような落日の夕日が出るシーン、壁に血が飛び散るシーンなど、見どころは多々あります。乱は一文字家が没落していく様を広大なスケールで描いた、映像美が魅力の時代劇映画です。

黒澤明監督映画のおすすめランキングTOP3

3位:椿三十郎

黒澤明監督の名作映画ランキングで3位に輝いたのが「椿三十郎」です。この映画は用心棒の続編となる映画ですが、椿三十郎単体でも十分楽しめる作りになっています。椿三十郎の魅力は脚本の面白さにくわえて、映像の美しさにあります。主人公は身元不明の浪人です。

藩の経済面を握る老人たちが汚職事件を起こすのですが、若い侍たちは家老たちの失敗を告発しようとします。椿三十郎は若侍と家老との争いに、主人公の浪人が巻き込まれていく内容となっています。用心棒では刀などのアクションシーンが多くありましたが、椿三十郎では頭を使った知能戦が繰りひろげられます。

用心棒でヤクザ役を担当した仲代達也さんも敵役として登場しており、室戸という家老の仲間役にキャストされました。椿三十郎は忘れらない名シーンが度々登場します。例えば椿が使われたキャラクターの運命が語られるシーン、アクションシーンの迫力と速さ、有名なラストの決戦シーンなどがあります。椿三十郎は脚本の面白さだけでなく、映像美や印象的なシーンの多い名作映画となっています。

2位:蜘蛛巣城

黒澤明監督の名作映画で2位にくる「蜘蛛巣城」の原作となった作品は、シェイクスピアの戯曲「マクベス」です。蜘蛛巣城は時代劇であり、舞台は戦国時代。鷲津武時という主人公の武将は森で老婆からお告げを受け、予言が的中されながら鷲津の人生が描かれていきます。

やがて主人公は権力の欲望などに溺れて精神の均衡を失っていきます。蜘蛛巣城は上映時間が110分です。黒澤監督の映画のなかでも短めに楽しめるところも、蜘蛛巣城のおすすめポイントとなっています。また蜘蛛巣城は、公開された1950年代の映画界のすごさが垣間見れる内容でもあります。

蜘蛛巣城はモノクロの映画なので奇妙な演出が活きてきます。特に鷲津によって殺された幽霊が登場するシーンはとても不気味で、映画の見どころです。また老婆の予言が次々に的中していく物語にも、怖さが感じられます。蜘蛛巣城は脚本がとても面白い作品ですが、それを映像でより魅力的に演出できる黒澤明監督だからこそ作りえた映画なのかもしれません。

また蜘蛛巣城はリアリティを出すため、三船さんに向かって本当の矢をうち放たせたというラストシーンも見逃せません。蜘蛛巣城は映画全体から漂う怖さが特徴の映画となっています。

1位:七人の侍

黒澤明監督といえば「七人の侍」といわれるくらい有名な時代劇映画が1位に輝きました。七人の侍は上映時間が3時間30分以上あるので、非常に尺の長い映画です。七人の侍は長い映画ではありますが、時間を感じさせないくらい夢中にさせてくれる面白い時代劇だといわれています。

1954年に公開された七人の侍は、悪い野武士を倒すために雇われた七人の侍が登場し、両者の戦いが描かれていきます。モノクロの時代劇である七人の侍ですが、エンターテインメント性豊かな面白さもあります。

七人の侍はこれまでの時代劇とは一味違う作風となっており、その最大のポイントは映画のリアリティにあります。七人の侍では作品にリアリティを持たせるために時代考証の正確さを盛りこんだり、演技経験のない人物を出演させたりなどの演出をしていきます。またこの映画のアクションシーンも俳優たちの本気度が画面から伝わってくるような迫力があります。

映画に迫真性を出すために、人に害を及ぼすくらい強力に炎を燃やすこともありました。これら七人の侍で行われた演出には黒澤明監督特有の完璧主義が見えてくるようです。また七人の侍は海外の映画にも影響を与えており、荒野の七人という西部劇は七人の侍が元ネタになったといわれています。日本のみならず世界中で評価されている名作です。

黒澤明監督映画に関する感想や評価は?

ここではツイッターに投稿された黒澤明監督に関する評価や感想について見ていきます。まず、黒澤明監督は日本のあらゆる監督のなかで一番好きだという感想がありました。

とくに「天国と地獄」という映画が良かったという評価で、この映画が公開されていたころが黒澤明監督の最盛期だという感想となっています。また黒澤明監督は完璧主義なことから、撮影現場ではワンマンで怖い印象があったという感想もあがっています。

良い映画を作るための執念が凄まじい黒澤監督は、撮影現場でも怖い存在となっていたようです。撮影のために邪魔であれば家一軒をどかそうと指示するほどの監督なので、その完璧主義が人柄にでていたのかもしれません。また黒澤映画の迫力あるアクションシーンがすごいという感想もありました。たとえばチャンバラシーンにしても役者たちの素早い動きや気合が、映像からも感じられます。

このようなアクションシーンの面白さも、黒澤明監督の高い評価につながっています。ほかには映画羅生門の映像が美しかったという感想もありました。黒澤明監督の映画は夢や乱など、映像美に焦点を当てた作品も多数あるので、物語の面白さだけではない点も大きな魅力のようです。芸術的感性を全面にだした黒澤監督の映画も視聴者をとらえるゆえんとなっています。

黒澤明監督映画のおすすめ名作・時代劇一覧まとめ

ここまで黒澤明監督のおすすめ映画のランキングを見てきました。黒澤明監督は日本の映画監督の中でも、歴史に残る人物のひとりであり、有名な海外の映画監督にも多くの影響を与えてきました。黒澤監督映画の面白さはリアリティを突きつめた完璧主義や、脚本の面白さ、アクションシーンの迫力などに支えられていました。

時代劇だけでなく現代劇にも多くの名作を残した黒澤監督。時代を超えて人々を楽しませてくれる黒澤監督の映画なので、この記事のランキングを参考に名作を楽しんでいきましょう。

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