フィルムノワールの傑作10選!おすすめの名作映画を厳選して紹介

フィルムノワールとは1940年代から1950年代の後期にかけてアメリカで制作された犯罪映画の総称です。このフィルムノワールは主に退廃的・悲観的・虚無的な作品が多く、アンチヒーローを主人公にした作品の先駆けといわれています。しかしフィルムノワールは多くの名作作品を生み出したものの1960年代に映画の暴力シーンが省かれることになり、そのブームは終わりを告げたのでした。本記事ではそんなたった20年間しか時代を築けなかったフィルムノワールについておすすめ傑作映画を厳選してご紹介していきます。

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目次

  1. フィルムノワールとは?
  2. フィルムノワールの傑作・名作映画10選
  3. フィルムノワールを年代別で紹介
  4. フィルムノワールを観た人の感想や評価は?
  5. フィルムノワールの傑作名作まとめ

フィルムノワールとは?

フィルムノワールとは

フィルムノワールとは1940年代前半から1950年代後半に制作された犯罪映画の総称です。ちなみにフィルムノワールのノワールという単語はフランス語で黒という意味が込められています。元々このフィルムノワールは第2次世界大戦中に制作された映画「マルタの鷹」や「飾窓の女」などの名作映画が暴力描写と性的描写が多数登場したことからこの名前が付けられることになりました。

またフィルムノワールの映画は犯罪者やギャングを主人公にしたアンチヒーロー作品が多く、退廃的で虚無的なこれまでにない作風で一気に注目が集まりました。しかしフィルムノワールは1960年以降暴力シーンや性的描写が規制されたことで姿を少しずつ消していき、今では影も残っていません。このことからフィルムノワールの作品は映画界の伝説になっています。

本記事ではそんな犯罪映画の総称であるフィルムノワールについて名作といえる傑作映画をまとめましたのでご紹介します。フィルムノワールは当時多くの人気を博し、映画界に大きな影響を与えた作品が多く、非常に面白く魅力的な映画が多数あります。是非映画好きの方は本記事を最後までご覧ください。

フィルムノワールの特徴とは

数々の名作映画を世に輩出したフィルムノワールの特徴としてまず挙げられるのがドイツ表現主義の影響を強く受けている点です。ドイツ表現主義とは1920年に栄えた芸術運動の総称であり、主に影やコントラストを多用した行き場のない閉鎖空間を表現しています。また上述でご紹介した通りフィルムノワールの映画は当時の時代背景からアンチヒーローを主人公にした作品が非常に多いです。

フィルムノワールの映画のアンチヒーロー的主人公達は皆疎外感や孤独感を抱えており、一筋縄ではいかないキャラクターとして描かれています。そして物語が進行するうちに主人公達は暗く閉鎖的世界に影響されていき、人生を破綻していきます。またフィルムノワールの映画には男を破綻させるファム・ノワールと呼ばれる女性が登場するのも特徴であり、その女性が主人公の人生を破滅させていく様子が描かれています。

フィルムノワール誕生の背景とは

フィルムノワールの映画が制作された時代は第2次世界大戦の戦中・戦後であり、世界に覆われていた絶望感や幻滅感といった時代背景をふんだんに取り入れています。またこの時代から女性の立場が向上したことにより、フィルムノワールの映画には自信の魅力を武器に男性を破滅に導くヒロインが多数登場しています。しかし時代が進むにつれてその絶望的で暴力的な世界は否定されていくことになり、映画界から姿を消しました。

フィルムノワールの作品が世界で否定されたものの、論理コードを回避しながら裏で多数の映画を制作し続けました。その後1960年代に入り、論理コードが緩和されたことによって暴力的表現や性的表現が緩和されることになりました。これによりフィルムノワールは大きく変化することになり、今現在制作されている映画作品に大きな影響を与えることになりました。

フィルムノワールの傑作・名作映画10選

おすすめ映画①アスファルト・ジャングル

1つ目のおすすめ傑作・名作映画はアスファルト・ジャングルです。アスファルト・ジャングルとは1950年に制作された映画であり、超有名女優マリリンモンローが出演したことで話題になりました。アスファルト・ジャングルはある宝石泥棒が彼らの予想に反して二転三転していく様子を描いた物語であり、スリリングな緊張感溢れるストーリーが展開されるのが特徴となっています。

またこのアスファルト・ジャングルはローアングルからの撮影や光の陰陽を見事に表現していることからフィルムノワールを代表する作品といわれています。さらにアスファルト・ジャングルは暗い空間でたばこを吸うことでアコースティックで芸術的な世界観を作り上げました。このことから映画アスファルト・ジャングルは人物の配置・世界観・撮影方法全てが完璧で美しい映画作品といえるでしょう。

おすすめ映画②飾り窓の女

2つ目にご紹介するおすすめ傑作・名作映画は飾り窓の女です。映画飾り窓の女は戦前のドイツを代表する監督フリッツ・ラングが制作した映画であり、犯罪映画の一級品と評価されている作品です。また映画飾り窓の女にはギャング映画に欠かすことが出来ない俳優のエドワード・G・ロビンソンが出演しています。この映画は主人公の大学教授が女性の肖像画に心奪われ、心酔していく様子を描いた物語が展開されます。

映画飾り窓の女はフィルムノワールの特徴である男性を惑わせる美女が登場する映画であり、主人公の大学教授が美しい女性の肖像画に心を奪われるうちにヒロインの幻を見るというまさにフィルムノワールらしい作品となっています。

おすすめ映画③狩人の夜

3つ目にご紹介するおすすめ傑作・名作映画は狩人の夜です。狩人の夜とは「ヘンリー八世の私生活」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したチャールズ・ロートンが1955年に制作した映画であり、ロバート・ミッチャムなどの有名俳優・女優が多数出演しています。映画狩人の夜は童話を聞く子供達のような場面から始まり、主人公の女性が大金を狙う殺人鬼の恐怖に侵されていく姿を徐々に描いた作品となっています。

そんな映画狩人の夜はフィルムノワールとファンタジーを融合させた世界観を表現した作品であり、ヒロインと殺人鬼が邂逅する場面は芸術性を感じさせます。さらに映画狩人の夜で流れる曲も美しく、芸術性に溢れた作品です。このことでフランソワ・トリュフォーやヌーヴェル・ヴァーグなど世界的映画作家から絶賛され、世界中の映画界で高く評価されることになりました。

おすすめ映画④キッスで殺せ

4つ目にご紹介する名作・傑作映画は1955年に制作されたキッスで殺せです。キッスで殺せの物語はキングコールの甘い歌声が流れる中ハイウェイを逃げる一人の女性が謎の男性たちに攫われ拷問されて死亡するシーンから始まり、冒頭から一気に世界観へ引きずり込まれます。そして男たちに同じく捕らえられて拷問されたハマーが警察の手を借りずに女性の身元を調査していくといったストーリーが展開されます。

この映画キッスで殺せはミッキー・スピレーンの作品を原作にした映画であり、性的描写と暴力表現が多数描かれています。また映画キッスで殺せは原作を忠実に再現さず、新たな世界観を作り上げました。これにより映画キッスで殺せは冒頭から緊張感溢れる映画となり、フィルムノワールを代表する作品になるのでした。

おすすめ映画⑤現金に体を張れ

5つ目にご紹介するおすすめ傑作・名作映画は1956年に制作された現金に体を張れです。現金に体を張れとは数々の名作傑作映画を世に輩出したスタンリー・キューブリックが初めてハリウッドで監督を務めた作品であり、ゴッドファーザーに出演したスターリング・ヘイドンやフィルムノワール作品に多数出演しているエリシャ・クックなどの俳優が多数起用されています。

映画現金に体を張れの主人公となるのは大量の負債を抱えて現金強盗を企む男達であり、一人の仲間が妻に計画を話したことで現金強盗が瓦解していく姿を描いた物語が展開されます。この映画は数々の出来事が全て伏線となっており、結末で全て繋がる様子は非常に美しいものになっています。また本作はキューブリックの作風が詰め込まれた作品となっており、今なお多数の人気を集めています。

おすすめ映画⑥サンセット大通り

6つ目にご紹介する傑作・名作映画は1950年に制作されたサンセット通りです。映画サンセット通りとは「深夜の告白」を手掛けたビリー・ワイルダーが監督を務めた作品であり、サイレント時代を代表する女優のグロリア・スワンソンや三大喜劇王のバスター・キートンなどが出演しています。本作は一人の変死体が発見される事件から半年後、売れない脚本家が借金から逃れるために屋敷に逃げ込むシーンから始まります。

その屋敷には大女優ノーマ・デズモントと執事のマックスが暮らしており、主人公がノーマと共に脚本サロメを手直ししていくことで物語が展開していきます。この映画の特徴はノーマを演じるグロリア・スワンソンの鬼気迫る演技力であり、アカデミー賞11部門にノミネートされることになりました。さらに映画サンセット大通りは英国映画協会が映画史上最高のベストテンに選出しており、世界中で高く評価されている映画です。

おすすめ映画⑦上海から来た女

7つ目にご紹介する傑作・名作映画は1947年に制作された上海から来た女です。映画上海から来た女とは「市民ケーン」を手掛けたオーソン・ウェルズが監督を務め、「ギルダ」のリタ・ヘイワースを主演に起用した作品です。映画上海から来た女は暴漢に襲われるある女性を助けた主人公がその女性の妻に船員として雇われることになり、ヨットで海に冒険へ出る姿を描いた物語が展開されます。

本作の結末で主人公がヒロインと対峙した際、遊園地の合わせ鏡に二人の姿が乱反射され、無数の鏡像が現れるという独特な表現を用いた作品です。このシーンは視聴者に現実世界か鏡の中の世界か分からなくなる錯覚を与え、多くの視聴者の脳裏に焼け付けることになりました。

おすすめ映画⑧深夜の告白

8つ目にご紹介する傑作・名作映画は1944年に制作された深夜の告白です。深夜の告白とは「七年目の浮気」や「お熱いのがお好き」など多数の名作映画を手掛けたビリー・ワイルダーが監督を務め、フレッド・マクマレイが主演を演じた作品です。映画深夜の告白はある保険会社のオフィスで主人公が自分の罪を録音機に告白する姿を描いた物語となっています。

この映画の見どころとなるのが主人公を惑わすファム・ファタールであり、これまでの映画界を覆す悪女といわれています。これはまさにフィルムノワールを代表する作品といっていいでしょう。また保険金目当ての殺人をテーマにした映画は全て本作が原点とされています。そんな映画深夜の告白は世界中で高く評価され、アカデミー監督賞や主演女優賞、脚本賞などを受賞し、アカデミー賞を総なめにしました。

おすすめ映画⑨マルタの鷹

9つ目にご紹介する傑作・名作映画は1941年に制作されたマルタの鷹です。映画マルタの鷹とは「キー・ラーゴン」を手掛けたジョン・ヒューストンがフィルムノワールを代表する俳優であるハンフリー・ボガートを主演に起用した作品です。マルタの鷹はある一人の探偵が美女の依頼を受けたことである事件に巻き込まれることになり、警察に疑念をかけられてしまいます。

すると主人公の前に再び美女が現れ、主人公は莫大な価値を持つとされる彫像品「マルタの鷹」の争奪戦に巻き込まれていくといったあらすじの物語となっています。映画マルタの鷹はフィルムノワールの先駆けとなった作品であり、ロマンスとダンディズムが見事に表現された作品と評価されています。

おすすめ映画⑩ローラ殺人事件

10つ目にご紹介する傑作・名作映画は1944年に制作されたローラ殺人事件です。ローラ殺人事件とは殺人事件を調べる刑事が死人のローラに惹かれてしまう様子を描いた作品であり、視聴者はサスペンス映画でありながら殺人事件の犯人の存在を忘れさせられます。なぜなら映画ローラ殺人事件は非常に複雑な物語が混在している作品であるからであり、その独特は世界観はアカデミー賞4部門にノミネートされました。

フィルムノワールを年代別で紹介

フィルムノワール〜40年代〜

1941年に映画マルタの鷹が制作されたことにより、フィルムノワールの作品は世に輩出されることになります。元々フィルムノワールは1932年に制作された映画「十字路の夜」が先駆けといわれているのですが、実際フィルムノワールが世界中で知られるようになったのは1940年代からです。そしてマルタの鷹が制作されたことで多数の名作映画が制作されることになるのでした。

フィルムノワール〜50年代〜

1950年代のフィルムノワールは自殺衝動や精神異常をテーマにした作品が多数制作されることになりました。元々フィルムノワールは社会主義をテーマにした作品だったのですが、1950年に入ったと同時に社会主義は姿を消してしまいます。そんな1950年代のフィルムノワールの作品は犯罪者や探偵が破滅していくか最初から破滅しているかのどちらかであり、物語を予想することが簡単になってしまいます。

フィルムノワール〜60年代以降〜

フィルムノワールの作品は1960年代に入り終わりを迎えることになり、世から姿を消すことになりました。この理由としては世界情勢によって監督やスタッフが亡命されたことやアメリカ人が暗い雰囲気より明るい世界を好んだからと考察されており、世から求められることが無くなりました。また暴力や性的な描写を無くす運動が起こり、フィルムノワールの作風は世界から否定されることになりました。

実はそんな世界の中でひっそりとフィルムノワールの作品が制作されていました。しかし1960年代以降のフィルムノワールの作品は元々あった芸術性が無くなっており、面白さが無くなっています。またフィルムノワールの作品を制作することは今現在も世界的に求められておらず、今後昔の姿のフィルムノワールは世に輩出されることはないでしょう。

フィルムノワールを観た人の感想や評価は?

フィルムノワールの作品は暴力描写や性的描写の中で芸術性を感じさせる映画となっています。これを証明するようにフィルムノワールに関する感想では美しいという感想が多く寄せられていました。

フィルムノワールは上述でご紹介した芸術を感じる暴力描写や性的描写の他に撮影方法や出演している俳優の優れた演技力も特徴の一つです。フィルムノワールは陰陽を表現した撮影方法をしており、俳優の演技力と併せることで美しい芸術作品に仕上がっています。このことでフィルムノワールの作品は素晴らしいという感想が寄せられることになりました。

フィルムノワールの作品はアジアの映画界にも大きな影響を与え、「ひき逃げ」など日本でもフィルムノワールの作品が制作されることになりました。日本で制作されたフィルムノワールの作品はフィルムノワールの作風を忠実に再現しており、上記の感想の通り好評な評価が多数寄せられていました。

フィルムノワールの傑作名作まとめ

本記事ではフィルムノワールについておすすめの名作映画を厳選してご紹介しました。フィルムノワールの作品はどれも芸術性を感じる映画となっており、多くの映画関係者に影響を与えました。今現在フィルムノワールは姿を消したものの、過去に制作された名作は世に残っています。フィルムノワールの作品は一度見ても損は無い映画ばかりとなっていますので、本記事をご覧の方は是非一度チェックしてみてください。

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