2019年04月08日公開
2019年04月08日更新
ダゲレオタイプの女のあらすじをネタバレ解説!黒沢清監督の海外作品の感想・評価は?
2016年に公開された黒沢清監督による、恋愛ホラー映画「ダゲレオタイプの女」。今回はフランス・ベルギー・日本の3国による合作である「ダゲレオタイプの女」の、気になるあらすじを結末までネタバレで解説していきます!さらに黒沢清監督による海外作品の紹介や感想・評価まで、たっぷりとご紹介いたします。黒沢清監督映画「ダゲレオタイプの女」がどのような結末を迎え、どのように評価されている作品なのか徹底解明していきます。
目次
ダゲレオタイプの女とは?
ダゲレオタイプの女の映画情報
出典: https://eiga.com
「ダゲレオタイプの女」は2016年に公開された、黒沢清監督・脚本による恋愛ホラー映画です。日本では9月15日にヒューマントラストシネマ渋谷でプレミア上映が行われ、10月15日に一般公開されました。「世界のクロサワ」としても知られている黒沢清監督が、オール外国人キャスト・全編フランス語で撮りあげた初の海外作品ということもあり世界中で大きく注目を集める作品となったようです。
ダゲレオタイプの女の映画予告
器具に身体を固定されたマリーが「今日は70分動くな」と言われる撮影のシーンからはじまり、“ダゲレオタイプ”という言葉の意味が映し出される映画予告。娘を拘束しながらも撮影し続ける父親の愛、そしてマリーを救おうとするジャンの愛…これら愛はどのような結末を迎えるのでしょうか?そして内容が気になる方は是非一度、ダゲレオタイプの女の予告動画を見てみてはいかがでしょうか。
劇場が映画好きでいっぱいに
映画評論家の蓮實重彦さんが「必見!」と称賛するコメントが書かれている「ダゲレオタイプの女」映画公開ポスターからも分かるように、映画公開前から本作の注目度は非常に高かったようです。それに加えて一般公開はミニシアター系の映画館が多かったようで大型シアターに比べれば狭いミニシアターが、黒沢清監督作品を見ようと詰めかけた映画ファンでいっぱいになったこともあるようです。
Blu-ray・DVDと動画配信情報
「ダゲレオタイプの女」は2017年5月にBlu-ray・DVDが発売されているため、自宅でも観賞する事ができます。またいつでも気軽に楽しめるデジタルビデオ配信サービス「Amazonビデオ」などの動画配信サービスを利用して作品を見ることも出来るので、テレビ以外でもパソコンや携帯電話・タブレット端末でも視聴することが可能のようです。
ダゲレオタイプの意味
タイトルにある、“ダゲレオタイプ”という言葉の意味をご存知でしょうか?ダゲレオタイプとはフランス学士院で発表された、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールにより発明された世界初の“実用的写真撮影法”のことを意味するようです。分かりやすく解説すると、「世界最古の写真撮影方法及びカメラ」という意味のようです。「ダゲレオタイプ」から黒澤監督がどのように本作の着想を得たのか、そのような点も注目されているようです。
ダゲレオタイプの女のあらすじネタバレ
あらすじネタバレ:大きい屋敷
再開発が進む駅前から離れたフランスのパリ郊外に、古風で大きな屋敷がありました。そこへ面接に来たジャン・マラシスは、老いた助手のルイに招き入れられ玄関ホールで待っていました。周囲を見て回りホールへ戻った頃、2階へ繋がる階段の中程にドレス姿の女性がいましたが、直ぐにその姿は消えました。間もなくしてルイに呼ばれたジャンは、“ダゲレオタイプ”な写真家のステファン・エグレーのスタジオで面接を受けました。
あらすじネタバレ:初仕事
実直な面が気に入られて、ステファンに採用されたジャン。彼の初仕事はキッチン奥にある長く急な階段を降りた地下室にあるスタジオで、等身大の重い銀板や巨大な旧式のカメラを注意深く運ぶというものでした。そのスタジオでモデルの全身を拘束する固定具を見たジャン。その技法は長い露光時間が必要なためモデルを長時間拘束する必要があること、有毒の水銀を使用するためガスマスクを着用することなどを知りました。
あらすじネタバレ:植物園
ドレスを着たステファンの娘・マリーを撮った写真がその日に仕上がり、「これこそが本来の写真だ。存在そのものが銀板に固定される」と彼は言いました。その頃マリーは、植物園の就職面接を受けていました。「自宅の温室で様々な植物を育てていて知識はある」と語って好印象を持たれたマリーでしたが採用にはならず、もっと彼女に向いているという「トゥールーズの植物園」の紹介状を書いてもらうことになりました。
あらすじネタバレ:マリーの心情
屋敷裏にある温室のさらに奥に、水銀など有毒廃棄物を貯めるタンクがありました。廃液を入れに行ったジャンは、「一滴でも植物が枯れるから注意して」と温室から出てきたマリーに言われました。その後も70分にも及ぶマリーの撮影を見て、ジャンは複雑な面持ちで見ていました。ある日植物園から良い返事を貰ったマリーはジャンに喜びを伝え、父親のステファンに反対されても自分の道を進むと言い二人はキスを交わしました。
あらすじネタバレ:青ざめる娘
亡くなった赤ん坊の写真撮影の日。動かぬ我が子を見つめた両親は、ステファンを芸術家だと讃えて去って行きました。マリーはその様子を見て「死者への冒涜」だと言い、ジャンに母親・ドゥーニーズの事を打ち明けました。長年ステファンのモデルを務めた母親は、長い入院生活を経て温室で首を吊って亡くなったということをジャンに告げ、さらに「パパは写真と現実が混同して、生者と死者も区別できていない」とマリーは言いました。
あらすじネタバレ:怯えるステファン
「パパの心を治すべきだ」と言ったマリーに対し、ジャンは彼女を抱き締めて「哀れむのは無駄、誰にも救えない」と言いました。丁度その頃、ステファンは屋敷の書斎にいました。「あなた…ステファン…」という声が突然聞こえてきたステファンは、庭で青いドレスの女性がいることに気付きました。以前面接の日にジャンが見た人と同じドレス姿の女性を見たステファンは、怯えながら「ドゥーニーズ…」と呟きました。
あらすじネタバレ:心の混乱
ある日街でジャンはカフェでヴァンサンと出会い、土地開発業者のトマを紹介されました。トマは再開発の中心地であるステファンの土地が約7~8億円で売れると言い、”ダゲレオタイプ”の今後を案じるジャンですが「屋敷を売って田舎に越す方が…」とトマの直接交渉を勧めました。そして撮影時、ステファンのマリーに対する要求が更に難度を増す一方で、ジャンは”ダゲレオタイプ”に興味を持ちはじめました。
あらすじネタバレ:ジャンの変化
数日後、屋敷を訪ねたトマはジャンに書類を渡して帰りました。マリーも開発計画に前向きでしたが、ステファンは計画は詐欺だと言います。その夜…妻の幻覚を見たステファンの物音に気付いたマリーが、スタジオの階段から転落。ジャンはマリーを車に寝かせ病院に向かいますが、川べりに差し掛かった時後部座席からマリーの姿が消えている事に気付きました。ジャンは慌てますが、森からマリーが姿を現したのでした。
「家に帰りたい」と言うマリーに戸惑いつつ、屋敷へ戻ったジャンはマリーを寝室へ運びその日泊まる事に。マリーが死んだと思っているステファンは泥酔し、自暴自棄になっていました。それを見たジャンは「ステファンは君が死んだと思っていて、今なら屋敷を手放す」「彼と僕らのために屋敷を売ろう」とマリーに告げたのでした。その後ジャンの行動はあからさまになり、屋敷に古物商を呼んで装飾品の査定をさせたりしたのでした。
あらすじネタバレ:死の概念
マリーとの関係も、益々深まっていくジャン。そんなある日…書斎を調べていたジャンと、酔ったステファンは2人同時に「パパ」というマリーの声を聞きました。また玄関の扉が勝手に開いたのを見たステファンは、「マリーだ。見えないか?」と言うもジャンには何も見えません。奇妙な現象とステファンを見たジャンは「こんな家にいたら誰でもおかしくなる」と言い放ち、外へ出ていったのでした。
客間でうな垂れていたステファンでしたが、高齢の夫人から写真撮影を頼まれました。震える手で固定具を取りつけるステファンを見た夫人は「怖いのね?」と言い、「死は若い人にとっては恐ろしい現実」「死の直前にいる者にとってはだたの幻」だと言いました。その頃ジャンはマリーが消えた川へ行くと、警察が何かを捜査している姿を見ました。通りすがりの老人が「子供が何かが沈んでいると言う為、毎日捜査している」と言ったのでした。
あらすじネタバレ:薬の瓶
小さな銀板写真に話しかけるステファン。すると妻の写真だけが落ちてフレームが割れ、そこに落ちていた薬瓶を持って裏庭へ捨てに行きます。温室の中で背後に気配を感じて振り向いたステファン…ドゥーニーズがビニールカーテンの向こうから現れ、何か訴えかけるように迫って来るのでした。翌朝ジャンは温室近くで薬瓶を見つけ、さらに温室から出て来る青白い顔をしたステファンを見ました。
捨てようとしている薬瓶の中に入っている薬が、ジャンは何なのか聞きました。するとステファンは悪びれもせず「妻の姿勢を保つために使った筋弛緩剤」と答えました。さらに「少量なら害は無い。固定器具だけでは不十分だった」などと言い訳をするように言い、「マリーにも使った」とジャンに明かしました。「人として最低だ」とジャンは言いましたが、ステファンは「私も君もな」と言ったのでした。
ダゲレオタイプの女の結末ネタバレ考察
結末ネタバレ:広がる毒
ジャンは夜アパートで、ステファンのサインを真似て書き入れた書類を作成。そして一緒にいたマリーと抱き合います。後日、偽のサインをした書類をトマに見せると難色を示し、「ならば彼にここでサインさせる」とジャンは言いました。二人は屋敷へ行きましたがジャンは顔色が悪く息が切れ、マリーはそんな彼を優しく抱きしめました。しかしその直後マリーは、廃棄物のタンクが倒されて温室の植物が枯れ果てていることに気付いたのでした。
結末ネタバレ:ステファンの死
その頃こめかみに銃を当てていたステファンが、書斎にはカギが掛けて閉じこもっていました。異変に気付いたジャンが鍵を開けるように促し、マリーは生きていると告げました。そして「この屋敷を売れば3人でトゥールーズで暮らせる」「マリーは僕が一生面倒を見る」と訴えかけましたが、室内からは銃声が。扉をこじ開けるとそこには、頭を打ち抜いたステファンがデスクの上で息絶えていたのでした。
結末ネタバレ:戸惑うジャン
ステファンが自害した頃、玄関にはトマが来ていました。「ステファンと話したい、開けてくれ」というトマと、震えた血だらけの手でインターフォンを持つジャン。書斎の扉を開けて事態を把握したトマは、「君が殺したのか?」と銃を持って立ち尽くしているジャンに聞きました。それを聞いたジャンは「あんたがステファンを殺した」と言い放ちトマを射殺し、動揺したままマリーの部屋へ行きました。
結末ネタバレ:結婚式
取り乱すジャンの胸に手を当てて、マリーはそっと彼を抱きしめて優しく血を拭いました。そして2人は車でパリを後にし、田舎町へ。翌日通りがかった教会で「結婚式を挙げよう」と提案したジャンは、花瓶に活けてあった花をマリーに持たせました。そして針金の切れ端で作った指輪を持ってマリーと一緒に祭壇に立ちました。見よう見まねで結婚式を始めたジャンは指輪をマリーの指にはめ、微笑む彼女とキスを交わしたのでした。
幸せなひと時を過ごしたジャンの前に、平服の神父がやってきました。「開館は11時です」と声を掛けられたジャンは隣を見ると、さっきまで一緒だったはずのマリーの姿が無いことに気付きます。神父に促され教会から出たジャンは戸惑い、車の中で涙を拭いながら助手席や後部座席にマリーがいないか探します。やがてジャンはそこにマリーがいるかのように「家に帰りたい?」と問い、「楽しい旅だった」と微笑み車を走らせたのでした。
考察:不明確な死の真相
これまで「ダゲレオタイプの女」の、あらすじを結末までネタバレ解説していきました。協会で結婚式を終えた後「マリーはジャンが作り出した妄想」という結末に至りましたが、ジャンが妄想を見始めたのはいつからなのか解説・考察していきます。実直な青年だったジャンが少しずつ狂ってしまうきっかけとなったのは、“ステファンと共に行ったダゲレオタイプの撮影”が原因だと考えられているようです。
ステファンはダゲレオタイプで撮影することにより、「永遠の命が手に入るという」と言っています。その考えがジャンにも伝染してしまった事が、妄想を生み出すことに繋がったようです。それでは次の疑問、“なぜマリーは階段から落ちたのか”について解説していきます。この謎に関しては「足を踏み外した事故」という解説や、「誰かが突き落とした」という解説もされていて明確にはなっていないようです。
マリーが階段から転落し亡くなった後、ジャンはマリーを車に乗せて病院へ向かいます。しかし川で急に姿が消えるという不思議なシーンがありますが、その理由は「ジャンがマリーを川に捨てた」という解説が有力のようです。川を捜索する警察から身を隠し、ジャンが慌てている姿を見せるシーンからそのように解説・考察されているようです。
そして最後に、「ステファンは本当に自殺なのか」というの疑問の解説をしていきます。「ダゲレオタイプの女」はジャンの視点で描かれている作品の為、画面に映っていることが全て実際に起こった出来事ではなく、彼の“妄想”を見ているという可能性もあります。そのため、“ジャンがステファンを殺した”と解説・考察している方もいるようですが、全ての真相は明らかになっていないようです。
ダゲレオタイプの女の監督・黒沢清とは?
黒沢清の基本情報
映画監督、脚本家、映画批評家、小説家として活躍する黒沢清(くろさわきよし)。1955年7月19日兵庫県神戸市生まれの黒沢清は立教大学で、森達也や塩田明彦らも所属していた自主映画製作集団「パロディアス・ユニティ」に所属していたといいます。長谷川和彦との出会いにより「太陽を盗んだ男」の制作助手を務め、1981年に相米慎二の「セーラー服と機関銃」で助監督を経験し映画を学んだようです。
黒沢清の主要作品:回路
2001年に第54回カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した「回路」は、「幽霊に会いたいですか?」がキャッチコピーのホラー映画です。アメリカでは2006年に「回路」のリメイク版「パルス」が公開され、さらに「2」「3」続編も制作される注目作品となりました。
黒沢清の主要作品:叫
ヴェネツィア国際映画祭など多くの映画祭で上映され、日本では2007年に公開された黒沢清監督・脚本、そして役所広司主演によるミステリー・ホラー映画「叫」。顔を水たまりに押しつけて海水で窒息死させるという同様の手口で、東京湾岸の埋め立て地帯で3件の殺人事件が相次いで発生するという内容です。
黒沢清の主要作品:CURE
国際的なブレイクを果たすこととなった、1997年に公開された映画「CURE」。1997年日本インターネット映画大賞日本映画作品賞を受賞した「CURE」は、連続猟奇殺人事件に関わる謎の男と、その事件を追及する刑事を描いたサイコ・サスペンス・スリラー作品です。
黒沢清の主要作品:LOFT ロフト
黒沢清監督・脚本による、2005年に公開された日本・韓国合作のホラー映画「LOFT ロフト」。女優・中谷美紀や俳優・豊川悦司など豪華キャストが出演している映画「LOFT ロフト」は、スランプに陥っている小説家の春名礼子が考古学者の吉岡誠を目撃し、彼らが沼から1000年前のミイラを引き上げたということを知ることで物語が展開していきます。
高評価な2人目の「世界のクロサワ」
日本国内のみならず、海外でも多くの作品が高い評価を得ている黒沢清監督。今回あらすじを解説した「ダゲレオタイプの女」は彼にとって初めての海外進出作品であり、「羅生門」「生きる」などの代表作を世に残してアカデミー賞を受賞した黒澤明監督に次ぐ、二人目の「世界のクロサワ」となりました。「ダゲレオタイプの女」撮影時には、「汚れた血」などで知られるレオス・カラックスも見学に訪れたそうです。
深い思い入れ
多くのホラー作品を手掛ける黒沢清監督の作品が支持されている理由として、作品への“深い思い入れ”が挙げられているようです。不穏さや不気味さにも命が吹き込まれたように散りばめられ、常に見ているものを映画に惹き付ける魅力があるといいます。それも全て黒沢清監督の作品に対する強いこだわりや、妥協しない思いが結晶になっていると評価されているようです。
跨れたいつもの境界
黒沢清監督作品の注目されている点として、カメラワークも挙げられているといいます。見事な構図で撮影された上空から映像の数々に「黒沢清が撮るとどこでもあり、どこでもない異空間に感じる」という評価もあるようです。またダゲレオタイプの女では「主人公・ジャンが呪縛に足を踏み入れた様子がよく映し出されている」という評価もされているようです。
不穏さは変わらない
ホラー作品を多く手掛けている黒沢清監督ですが今回はキャストもフランス人、撮影現場も全てフランスという初めての挑戦となりました。しかし日本のホラーにも負けない“不穏さ”が、ダゲレオタイプの女では良く表現されていると評価されているようです。計算されたカーテンの揺らめきや、照明・鏡・階段などの描写により表面上では見えない「何か」が起こっている不穏さを感じられるようです。
ダゲレオタイプの女はホラー映画?
Jホラーとは違うゴシックホラー
Jホラー作品を多く手掛けている黒沢清ですが、“ダゲレオタイプの女はJホラーよりも古いゴシックホラーのようなもの”と解説しています。古い屋敷や古城、怪しい医学実験などが基本設定なゴシックホラーと言われているようですが、黒沢清は「Jホラーとの違いは日常から離れた場所で、怪しいことが起こる」ものがゴシックホラーと解説し、逆にJホラーは「日常から怪奇現象に入っていける」と解説しました。
黒沢清らしさが出たホラー映画
ダゲレオタイプの女で、初となるフランスでの撮影に挑んだ黒沢清。日本での撮影との違いとして、「これをやりたい」と言うとストレートに明確に形作られたといいます。逆に日本だと監督の細かいニュアンスを汲んで、アレンジや少し捻った表現に変えることもあるようです。そのため自身の言葉が直接形となって現れる事に驚き、「僕の願望や本音もきっとそのまま出ている」作品と自身で語っていました。
ダゲレオタイプの女の感想や評価
評価①徹底した美意識に彩られた映像!
黒沢清監督「ダゲレオタイプの女」試写を鑑賞。フランスロケ、外国人キャストの海外初進出作。隅々まで徹底した美意識に彩られた映像、不穏な空気漂う音楽、そして女優コンスタンス・ルソーの神秘的な魅力に引き込まれる。世界最古の写真技術が過去と現在を繋ぐ、静謐で幻想的な映画。10/15公開。
— 喜多義治 (@kosyodoris) August 24, 2016
「隅々まで徹底した美意識に彩られた映像」という評価や、「映像を重ねることで曖昧で意味不明な恐怖を生み出しているけど、絵画的な美しさがある映像」という評価、そして「やはり黒沢清監督作品。映像のつくりこみが素晴らしい」など、「ダゲレオタイプの女」の映像を高く評価するという声が多く寄せられていました。
評価②現実と妄想の境界線があいまいな結末が好き!
黒沢清監督作品『ダゲレオタイプの女』。ダゲレオタイプとは世界最古の写真撮影技術で、被写体は長時間身体を器具で拘束されたり。少しずつ日常とズレて不穏な空気が揺蕩う作風はいつもの通りですが、パンチは弱いかな。温室の向こう側に映る青ドレスの霊や、現実と妄想の境界線が曖昧な結末は好き。
— ユウジ (@YouZ1121) September 19, 2017
「日常とずれて不穏な空気が漂い、現実と妄想の境界線が曖昧になる結末が好き」という評価や、「結末が好みだった!惹き込まれる世界観とあまりの切なさに涙が出た」という評価、「どこからが妄想でどこまでが現実なのか、見終わったあとにもう一度見たくなるような結末で良かった」など、壮絶で衝撃的な結末を高く評価する声が多く上がっていました。
評価③さすが期待を裏切らない黒沢清作品!
「ダゲレオタイプの女」切り取って観るとフランス映画だな〜という感じだけど、映像は黒沢清そのもの。黒沢作品には常に「何か起こるのでは」という期待を持たずにはいられなくて、その期待を裏切らないところも流石。緊張感があるからただのラブストーリーで終わらなくて、とても良かった。
— 勹ノ→彡 (@liiiikeeee) September 16, 2016
「何か起こるのではという期待を持たずにはいられなくて、その期待を裏切らないところもさすが黒沢作品」という評価や、「黒沢監督はフランス作品でもやはり良い。ここまで愛憎劇をうっとりするような映像で撮れてしまうのはさすが」「恐怖や不可解さの感じさせ方がさすがとしか言いようがない。ホラーとラブストーリーの究極の融合」など、黒沢清監督作品は期待を裏切らないという感想が多く上がっていました。
ダゲレオタイプの女のあらすじネタバレや評価まとめ
今回は黒沢清監督映画「ダゲレオタイプの女」の、あらすじを結末までネタバレでご紹介いたしました!衝撃の結末を迎えた「ダゲレオタイプの女」ですが、映像の美しさやじわじわと押し寄せる恐怖感により「これが黒沢清監督作品」と評価されているようです。一度作品を見たことあるという方も、結末まであらすじを見たという方も、是非今一度「ダゲレオタイプの女」を視聴してみてはいかがでしょうか?