博士と彼女のセオリーのあらすじと感想をネタバレ!ホーキング博士の半生を描いた実話

世界的にも有名な宇宙理論物理学者、スティーヴン・ホーキング博士の伝記映画「博士と彼女のセオリー」。この映画は、ホーキング博士と博士を支えた妻とのラブストーリーでもあり、博士の半生を描いた実話でもある作品です。今回は「博士と彼女のセオリー」のあらすじについてネタバレを含めて解説し、実際に映画を見た人の感想や映画のトリビア情報、作品情報についてもご紹介していきます。

博士と彼女のセオリーのあらすじと感想をネタバレ!ホーキング博士の半生を描いた実話のイメージ

目次

  1. 博士と彼女のセオリーとは?
  2. 博士と彼女のセオリーのあらすじネタバレ解説
  3. 博士と彼女のセオリーの結末ネタバレ解説
  4. 博士と彼女のセオリーは実話?トリビアを紹介
  5. 博士と彼女のセオリーに関する感想や評価は?
  6. 博士と彼女のセオリーの映画ネタバレまとめ

博士と彼女のセオリーとは?

博士と彼女のセオリーの映画作品情報

「博士と彼女のセオリー」は2014年に制作されたイギリス映画で、日本での公開は2015年3月でした。映画の原題は「The Theory of Everything」で、2018年に亡くなったイギリスの有名な理論物理学者、スティーヴン・ホーキング博士の半生と彼と生きる家族を描いた伝記映画でもあり、ラブストーリーでもあります。

「博士と彼女のセオリー」は、第87回アカデミー賞で5部門ノミネートされ、主演男優賞を受賞しています。第72回ゴールデングローブ賞では4部門ノミネートされ、最優秀主演男優賞と最優秀作曲賞を受賞しています。

ケンブリッジ大学で理論物理学を専攻するスティーヴン・ホーキングは、言語学を専攻するジェーンと恋に落ちますが、難病と言われるALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し余命2年と宣告されます。ジェーンはスティーヴンの病気を知った上でそばに居ることを決意。結婚し、子供にも恵まれ、子育てしながらスティーヴンと彼の研究を支え続けますが、2人の関係は不変ではありませんでした。

博士と彼女のセオリーの予告編動画

難病を患った天才物理学者の恋と苦悩の物語。予告から受け取れる印象以上に、切ないラブストーリーに感動したという意見が多い作品。そして難病を患ったスティーヴンを演じている俳優の演技力が絶賛されています。淡い色合いの優しい映像が魅力的な「博士と彼女のセオリー」は、愛の在り方を考える作品でもあります。

博士と彼女のセオリーの監督

「博士と彼女のセオリー」の監督は、2008年にドキュメンタリー映画「マン・オン・ワイヤー」でアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した、イギリスの映画監督ジェームズ・マーシュ。「マン・オン・ワイヤー」は、アメリカにあったワールド・トレード・センターのツインタワー間を1974年に綱渡りした大道芸人のドキュメンタリー映画で、全世界で絶賛された作品です。

博士と彼女のセオリーのキャスト

  • スティーヴン・ホーキング役/エディ・レッドメイン
  • ジェーン・ワイルド・ホーキング役/フェリシティ・ジョーンズ
  • ジョナサン・ジョーンズ役/チャーリー・コックス
  • エレイン・マッソン役/マキシン・ピーク

ホーキング博士役のエディ・レッドメインは、博士の生き写しのようだと言われるほど風貌も演技も博士そのものだと絶賛されています。アカデミー主演男優賞以外にも数々の賞を受賞し、博士自身からも、まるで自分をみているようだった、とコメントされています。エディは、世界初の性別適合手術を受けた「リリーのすべて」のリリー役や、「ファンタスティック・ビースト」でニュートも演じています。

ジェーンを演じたフェリシティ・ジョーンズの演技も絶賛されています。受賞は逃しましたが、「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞など数々の主演女優賞にノミネートされました。「インフェルノ」ではヒロインのシエナを、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」では主役を演じています。

博士と彼女のセオリーのあらすじネタバレ解説

あらすじネタバレ:ジェーンと再会

最初のあらすじネタバレ解説は、博士とジェーンの出会いと再会についてです。1963年イギリスのケンブリッジ大学に通い、物理学を専攻しているスティーヴン・ホーキング。ある日スティーヴンは自転車に乗り、友達と一緒にパーティ会場を訪れます。そこで、言語学を専攻しているジェーンと出会い声をかけ、お互いの話をします。2人は互いに好意を持ち、ジェーンは自分の電話番号をスティーヴンに教えます。

スティーヴンはとても優秀な生徒でした。教授から出された難解な宿題も解き明かし、教授から目をかけられます。そしてその教授から、ロンドンで行われる有名な数学者ペンロースの講演に同行しないかと誘われます。講演に行く前、スティーヴンはジェーンを誘い、舞踏会へ行きます。ダンスが苦手なスティーヴンでしたが、ジェーンと過ごすうちに楽しくなり、ついには苦手なダンスを踊りキスを交わします。

あらすじネタバレ:余命宣告

次のあらすじネタバレ解説は、博士が患う病気と余命宣告についてです。ロンドンで行われたペンロースの講演はスティーヴンに閃きを与えました。ペンロースの理論を宇宙理論に用いて研究するスティーヴンですが、体に違和感を覚え校内で倒れてしまいます。精密検査を受けALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたスティーヴン。

ALSは、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動神経細胞が徐々に壊されていく病気で、原因も分からず治療法が確立されていない難病でした。スティーヴンは、医者からもって2年ほどだと余命宣告を受けます。ALSは運動神経細胞は壊れていきますが、脳には影響が出ない病気です。思考力を保ったまま動けなくなり、いずれは話す機能まで失われることを医者から聞かされます。

目の前に絶望が広がり、ジェーンとも会うことを拒否するスティーヴン。体に起こる異変は広がっていきます。しかし、絶望に包まれるスティーヴンを救ったのはジェーンでした。

あらすじネタバレ:出産

次のあらすじネタバレ解説は、結婚と出産についてです。ジェーンはスティーヴンの病気も余命2年という宣告も受け入れ、自分と距離を置こうとしたスティーヴンを愛しているから一緒にいたいと説得します。周囲の反対する声にも動じず、スティーヴンとジェーンは結婚式を挙げます。病と闘いながらも2人は愛をはぐくみ、長男ロバートを出産します。

スティーヴンはジェーンの支えを受けながら、博士論文を作り上げ博士号を取得します。スティーヴンの研究はさらに進みます。体は歩けなくなり車椅子生活でしたが、充実した日々を過ごします。スティーヴンとジェーンの間には、2人目の子で長女のルーシーが誕生。スティーヴンが発表した研究成果は「ホーキング放射」と名付けられ、本が出版されるほどの評価を受けました。

博士と彼女のセオリーの結末ネタバレ解説

結末ネタバレ:声

最初の結末ネタバレ解説は、博士が声を失った出来事です。オペラ鑑賞中に肺炎のため倒れたスティーヴンは、昏睡状態になります。命を救うためには気管切開をし、人工呼吸器を取り付けなければなりませんが、声を出せなくなるとジェーンは医者から言われます。ジェーンはスティーヴンの命を助けることを優先し、手術を依頼します。

スティーヴンは命は助かりましたが、声を失ったことで笑顔も失いました。ジェーンは声を出せないスティーヴンのため、スペリングボードを取り寄せますがうまく教えることができません。ジェーンはスペリングボードの専門家であるエレインを、スティーブンの介護のため雇い入れます。エレインの対応に喜ぶスティーヴンは笑顔を取り戻し、会話だけではなく執筆もできるようになります。

結末ネタバレ:人生哲学

次の結末ネタバレ解説は、博士の人生哲学についてです。エレインと過ごす時間が長くなり、2人は好意を寄せるようになりました。そしてスティーヴンが執筆した本がベストセラーになり、アメリカで行われる授賞式に参加することが決まった時、スティーヴンはエレインを連れていく、後は全部エレインに見てもらう、とジェーンに別れを告げます。大丈夫すべてうまくいく、と。

ジェーンには想う人がいました。育児と介護に疲れたジェーンは母に勧められ教会へと足を向け、ジョナサンと知り合います。ジョナサンはホーキング一家と仲良くなり、家族のように過ごしますが、ジェーンが出産した第三子のティモシーが誰の子かと疑われます。ジョナサンはホーキング家から去りますが、別れ際ジョナサンはジェーンに告白。ジェーンもジョナサンのことを想う気持ちを伝えました。

スティーブンは2人の気持ちを知っており、仲を取り持つ行動に出ています。人工音声で別れを告げたスティーヴン。スティーヴンはエレインと、ジェーンはジョナサンと生きていく決断をしました。エレインとアメリカの授賞式に出席し講演を行ったスティーヴン。あなたの人生哲学は?と質問され、どんな不運に見舞われようとも人間の可能性は無限です、どんなに辛い毎日でも生きていれば希望はある、と答えました。

結末ネタバレ:手紙

最後の結末ネタバレ解説は、手紙です。別れから数年後、ジェーンの元に手紙が届きます。手紙はスティーヴンからで、エリザベス女王から贈られる名誉勲位受賞式にジェーンと子供たちを招待したい、という内容でした。招待を受け、宮殿で再会したジェーンにスティーヴンは言います。見ろよ、我々が作り上げたものを、と。視線の先には、宮殿の庭の日差しの中で遊ぶ成長した子供たちの姿がありました。

博士と彼女のセオリーは実話?トリビアを紹介

トリビア①実話がベース

「博士と彼女のセオリー」はホーキング博士の伝記映画とご紹介しましたが、原作は元妻のジェーンが執筆した「Travelling to Infinity:My Life with Stephen」という自伝であり、子育て、介護、研究の手助けを行った妻目線からの2人の関係を描いた実話が「博士と彼女のセオリー」のベースになっています。

執筆したジェーンと主人公であるホーキング博士が存命中に、ジェーンの自伝を読んだ脚本家が執筆を手掛け、実話としての映画化の話が進みます。執筆開始から「博士と彼女のセオリー」が公開されるまで、10年もの月日が流れました。そのうちの3年がホーキング博士から映画化の承諾を得るために費やされたということです。出来上がった「博士と彼女のセオリー」を見たホーキング博士が涙した、という話も伝わっています。

実話だからこそ、美談で終わる話になっていないことも理解できます。ジェーンの執筆本には、ホーキング家から結婚を歓迎されておらず、介護の援助も受けられなかったという話があります。しかし「博士と彼女のセオリー」では実話だからといって、全てを赤裸々に表してはいません。ホーキング博士の意見を聞きながら脚本を作り替えていったという話からも、実話を映画化する難しさがあるようです。

トリビア②離婚していた博士とジェーン

ALSを患い2年の余命宣告を受けたにもかかわらず、50年以上病と闘いながら研究活動を続けたホーキング博士。病気を知っても博士を愛し懸命に支えたジェーン。子供にも恵まれた2人の関係は、映画と同じように1991年に終わりを迎えていました。離婚した博士は1995年にエレインと再婚します。

トリビア③離婚の理由

博士とジェーンの離婚の理由は、全世界で1000万部発行されベストセラーにもなった「ホーキング、宇宙を語る」によるものと言われています。この本により有名になったことで富と名声が付きまとい、自分たち夫婦は以前のような幸せを感じることができなくなった、とジェーンは語っています。なぜ名声を得たことで夫婦関係が変わったのでしょうか。

それは、エレインの同居が夫婦間の溝を作り、彼女の態度によって傷つけられた、ともジェーンが語っていたことから、エレインの雇用が関係しているようです。3人の子育てと博士が有名になったことによりジェーンだけでは手が足りなくなり、さらに富を得たことでお手伝いや看護婦を雇うことができるようになりました。生活の変化により、以前のような夫婦関係でいられなくなったのです。

ホーキング博士はエレインと再婚して幸せな生活を送れたのでしょうか?調べてみると、博士はエレインとも離婚していました。離婚の原因ははっきりとは分かりませんが、エレインが博士に対し身体的虐待を行っていたことが原因とも言われています。

トリビア④音楽が凄い

「博士と彼女のセオリー」で使用された楽曲は、アイスランド出身で鍵盤楽器奏者のヨハン・ヨハンソンが担当しました。この楽曲は批評家に絶賛され、ゴールデン・グローブ賞で最優秀作曲賞を受賞する以外にも、多くの賞にノミネートされました。作曲家であり、ミュージシャンであり、プロデューサーでもあるヨハンソン。

電子音とクラシックのオーケストラサウンドを融合した、ポストクラシカルと呼ばれるジャンルの代表的な作曲家で多くの映画音楽や舞台音楽にも携わっています。2018年、48歳の若さで亡くなったときには、多くの著名な作曲家から追悼の意が表明されました。

博士と彼女のセオリーに関する感想や評価は?

普通のハッピーエンドとは違うけど、自分にとっては「博士と彼女のセオリー」はハッピーエンド、という感想です。他にも、ジェーンに自由に生きて欲しいと思うスティーヴンの愛が離婚を選んだ理由ではないか、という感想もありました。結果的には離婚し離れてしまった2人ですが、ラストシーンの2人と愛の証である子供たちの様子はハッピーエンドと受け取れます。

博士役のエディ・レッドメインの演技力を絶賛する感想も多く見られました。演技なのかドキュメンタリーなのか分からない、エディが完全にホーキング博士すぎ、という感想や、ALSで体の自由が無くなり話す事もできなくなり顔の表情のみで気持ちを伝えようとする演技が非常に素晴らしい、という感想がありました。

他にも、「博士と彼女のセオリー」は最強の夫婦の映画と感じるし新しい家族の在り方とも思っている、天才スティーヴン・ホーキングも彼を支えた妻のジェーンも我々と同じ人間なんだと再認識した、というような夫婦愛についての感想や、美しさと儚さと切なさがあってとても好き、というような「博士と彼女のセオリー」の映像美や音楽に関する感想も見られました。実話だと聞いて驚いたという感想も多くありました。

博士と彼女のセオリーの映画ネタバレまとめ

映画「博士と彼女のセオリー」の作品情報と、ネタバレを含んだあらすじ解説をご紹介しました。宇宙理論で有名な車椅子の物理学者ホーキング博士と結婚した、元妻ジェーンが実話に基づいて書いた自伝「Travelling to Infinity:My Life with Stephen」が基となった「博士と彼女のセオリー」。映画のあらすじ解説からも、博士の病気と闘いながら研究を続ける姿勢と博士を支え寄り添う妻の感動的な姿が浮かび上がります。

エディ・レッドメインの迫真の演技や映像、音楽の美しさに魅了され、涙したという感想が多い「博士と彼女のセオリー」。実話だからこそ手をかけ作り込まれた作品です。あらすじ解説を見て興味を持った方は、この機会にぜひ視聴してみてはいかがでしょうか?

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