映画シェーンのあらすじと感想!傑作西部劇をラストまでネタバレ解説

ラストシーンで「シェーン、カムバック」」とジョーイの叫ぶセリフが有名な映画「シェーン」についてまとめます。ネタバレすると、牧畜業者のライカー一家と開拓者が対立するなか、正義の味方のシェーンがやって来て悪者をやっつけるという勧善懲悪の西部劇らしいあらすじの映画作品です。近年の技術によって、画質を美しく、よりリアルな色合いの映画になったという感想も多い映画です。

映画シェーンのあらすじと感想!傑作西部劇をラストまでネタバレ解説のイメージ

目次

  1. 映画シェーンとは?
  2. 映画シェーンのあらすじネタバレ
  3. 映画シェーンのラストネタバレ
  4. 映画シェーンの登場人物・キャスト
  5. 映画シェーンに関する感想や評価は?
  6. 映画シェーンのネタバレまとめ

映画シェーンとは?

西部劇映画シェーンの作品情報

映画「シェーン」の原作は、1949年に出版されたジャック・シェーファーの小説でタイトルもそのまま「シェーン」です。原作者はジョンソン群戦争(1892年)を元に発想しこの小説を書いたと言います。監督:ジョージ・スティーヴンスによって1953年にアメリカで作られました。ラストシーンでジョーイの叫ぶ「シェーン、カムバック」は、多くの映画ファンの心に残っています。

シェーンの予告編動画

「シェーン」の予告編は、ラストシーンの「シェーン、カムバック」とジョーイが叫ぶシーンから、始まっています。この予告編の中で、マリアンが「銃なんかなくなってしまえば幸せになれるのに」とつぶやきます。するとシェーンは、「使う人間次第だ」といいます。使う人間次第と言っても、悪い人も善人も手に入れる事もできるアメリカへの批判だという見解もあります。

シェーンのジョージ・スティーヴンス監督

監督のジョージ・スティーヴンスは、1904年に生まれ、1933年、念願の監督デビューをします。1935年、キャサリン・ヘプバーンを主演に撮影された『乙女よ嘆くな』が、アカデミー作品賞にノミネートされ彼の名前を一躍有名にしました。第二次世界大戦がはじまるまでは、娯楽映画、戦争中は兵士の戦意が上がるような軍事映画、戦後は、人間の内面を描く映画へと作品の内容が変わっていきました。

映画シェーンのあらすじネタバレ

映画シェーンのあらすじネタバレ:一軒の小屋

映画「シェーン」はワイオミング州の西部に広がる開拓地を舞台にした西部劇です。南北戦争終結後、政府が作ったホームステッド法と言う法律で無償譲渡されたこの土地へ入植してきたスターレットの一家。荒れた土地を耕し、家と言うよりも小さな小屋と言う場所で暮らしていました。

そんな毎日の中、息子のジョーイは、視線の先にカウボーイハットをかぶり、腰に銃を下げた見知らぬ男、シェーンを見つけました。ジョー・スターレットは「早く出て行ってくれ」とシェーンを追い払おうとした時に、開拓者たちに嫌がらせをしているライカーの一味が近づいてきて来ました。

映画シェーンのあらすじネタバレ:土地の権利

昔からこの土地で牧場をやっていたライカーにしてみたら、国の政策でタダで土地をもらってやってきた入植者たちが気に入らないのです。「リンカーンの作ったそんな法律はしらない!出て行け!」と言うのが、ライカーの気持ちです。脅されているジョーの間に入って、ライカーの一味を追い払ってくれた強いシェーンをジョーは気に入り、用心棒としてしばらくいてもらうことになりました。

翌日、この街に唯一ある雑貨屋で、シェーンは日用品の買い物を頼まれました。グラフトンの店で買い物を済ませたシェーンは、ジョーイが頼んだソーダー水を買うために、隣の酒場に向かいます。酒場にはライカの一味が、集まっていました。シェーンにクリスと言う男がしつこく絡んできますが、シェーンは頼まれたお使いの品のために、抵抗せずにその場をやり過ごしました。

その夜、スターレットの家に入植者たちが集まっていました。ライカーの嫌がらせは、スターレット家だけではなく、入植者たちほとんどに向けられていました。中でもアーニーは、「耐えられない、この土地を出て行く」とまで言い出し始めました。南北戦争中の武勇伝をいつも自慢しているトーリーは「町でクリスが、シェーンは臆病者だ」と噂していたことを話します。

ジョーやマリアンは、シェーンが無抵抗で帰ってきたのは、理由があるのではと、顔を見合わせました。でも用心棒として雇いましたが、まだシェーンが実際強いのかどうかは、わかりません。それよりもジョーはアーニーに出て行かないように説得するのが先でした。「ライカーの嫌がらせや脅しには屈することなく頑張ろう」とみんなに言います。

映画シェーンのあらすじネタバレ:乱闘

その週末、入植者たちは、仲間・家族みんなで町へ買い物に出かけました。ソーダ水が好きなジョーイが酒場に買いに行こうとすると、シェーンはそれを止めて、自分が言ってくると言います。酒場にやってきたシェーンを見て、クリスは「この間は、抵抗もせずに逃げた」とシェーンを罵倒します。

すると今日のシェーンはクリスを思い切り殴り、迫力ある動作で一気にクリスを倒してしまいました。酒場で、シェーンの強さを観ていたライカーは、その強さに、「ライカーの仲間にならないか」と声をかけます。敵の側にいるシェーンを金の力で、仲間に引き入れようとするライカーに「卑しいおいぼれ」と罵りの声をかけます。そうなると、今度はライカーの手下全員が、シェーンの敵です。

けれど、ジョー達入植者仲間も黙って見ているわけではありません。みんなで力を合わせて酒場で大乱闘になってしまいました。しばらくこの大乱闘を見ていた店主のグラフトンがこの大乱闘を止めます。そして喧嘩の状況から、シェーンたち入植者の仲間に「君たちの勝」と勝敗を決めてくれました。

映画シェーンのラストネタバレ

映画シェーンのラストあらすじネタバレ:殺し屋

入植者たちは、気持ちよく家路につきますが、ライカーが黙っている訳はありません。もう少し大きな町シャイアンへ使いを出して、早撃ち名人のウィルソンという冷酷な殺し屋を雇います。ライカーの悪事の始まりは、独立記念日から入植者たちに向かいました。独立記念日当日、入植者たちは一緒に祝っていました。トーリーは、町に酒を買いに行くと、酒場でライカー一味と出くわしてしまいます。

すると見慣れない二丁拳銃の男がいました。その話をトーリーは、お祝いしているみんなの所に伝えに行きました。トーリーの話から、シェーンは、その男は有名な殺し屋のウィルソンではないかといいます。独立記念日のその日は、ジョーとマリアンの結婚記念日でもありました。みんなの祝福の中キスをする二人。その姿をジョーイが見ると、シェーンは何故か寂し気でした。

そして踊りの輪の中で、マリアンとシェーンが組んだ時のマリアンの表情を、ジョーは複雑な顔で見ていました。お祝いの宴が終わり、スターレット一家とシェーンは家に戻ると、そこにはライカーとウイルソンが、待ち構えていました。ライカーは、ジョーにライカーは、「自分の一味に入れ」と誘いますが、ジョーは承知しません。シェーンはウイルソンとにらみ合っていましたが、その時は何もなかったのですが。

仲間と街に出て酒を飲みに行ったトーリーでしたが、殺し屋のウイルソンの挑発にのって、先に銃を抜いてしまいました。早撃ちのウイルソン、トーリーが銃を抜いたのを確認してから銃口をトーリーに向け、発射します。トーリーには撃つことへの躊躇がありました。ウイルソンは、その心の弱みに付け込み、トーリーを撃ち殺してしまいました。

そして、先に銃を構えたのはトーリーということで、ウイルソンを罪に問えません。「次は自分かもしれない」他の入植者たちの心に広がった想いに、ジョーは「出て行くのなら、せめて、トーリーの葬儀に参列してからにしてやってくれ」ジョーは言います。

映画シェーンのラストあらすじネタバレ:ジョーイの声

トーリーの葬儀は、酒場の前から見える墓地でおこなわれました。それをウイルソンは、笑いながら見ています。ライカーの一味ですが、クリスはそんなウイルソンを嫌な顔をしてみています。シェーンは、葬式に集まったみんなに、子供達はこの土地で幸せになる権利があると話し出します。

すると、葬儀が終わったら出て行くつもりだったルイスの家から火の手が上がります。入植者の仲間たちは、みんなでルイスの家の火を消します。ルイスは、そんな仲間がいてくれるこの土地に残ることを決心します。その頃、ライカーは、入植者たちを追い出すのにはやはりジョー・スターレットを狙うしかないと考えています。

ジョーもまたトーリーが殺されたこと、ルイスの家の火事のことから、ライカーと話し合い、ダメならばライカーを殺すつもりでした。マリアンはそれに気が付きジョーを止めますが、ジョーの決意は固いです。そこにライカーの手下が、「ライカーが今回の事を穏便に済ませたい」と言っていると伝えに来ました。

ジョーはそれが、罠であることは十分承知して、装備を整え、ライカーの元へ向かおうとします。マリアンには、「俺がいなくなっても面倒を見てくれる人がいる」と言います。実はジョーはマリアンとシェーンが惹かれあっていることを薄々、気が付いていました。その時、シェーンはクリスと逢っていました。

ライカーやウイルソンのやり方に嫌気がさしていたクリスは、シェーンにライカーがジョーを呼び出していたのは罠であることを伝えます。クリスの言っていることは、本当だと理解したシェーンは、クリスと固い握手をします。そしてジョーの代わりにライカーの待つ酒場に向かおうとしますが、ジョーは自分が行くと言い張ります。二人はどちらが行くかで殴り合いになりますが、喧嘩はシェーンに分があります。

ジョーはシェーンに気絶させられてしまいます。それを見ていた何も知らないジョーイは父を殴ったシェーンに「大嫌いだ」と言いますが、マリアンは、シェーンが何故そんなことをしたのかわかっていて、酒場に向かうシェーンと握手をして別れます。母とシェーンの会話から、「大嫌い」と言った言葉に後悔したジョーイは、必死にシェーンのあとを追いかけます。

酒場では、ジョーを殺すつもりで、待ち構えていたライカーとウイルソンがいます。早撃ちの名人と言われたウイルソンよりもシェーンの早撃ちは早く、ウイルソンとライカー、二人を撃ち抜きます。シェーンの戦いを見ていたジョーイは、後ろからシェーンを狙う存在がいることを叫びます。ジョーイの言葉で、後ろにいた敵も倒し、ライカー一味は終わります。

ジョーイは、シェーンに駆け寄り、「大嫌いと言ってごめんなさい」と謝りずっと家にいて欲しいと頼みますが、シェーンはジョーイに「素直で強い男になるんだぞ」そう言って、どこかに向かって旅立ちます。そして西部劇で一番有名なシーン。去っていくシェーンに「シェーン、カムバック!」と叫ぶジョーイの姿でラストシーンの幕が下ります。

映画シェーンの登場人物・キャスト

シェーン/アラン・ラッド

映画「シェーン」の主役で、優しく強く、風のように現れて、幸せになるのを見届けてから、一人去っていく「男の美学が詰まっている」と言われたシェーンです。ラストシーンで、なぜシェーンはスターレット家を後にしたのかという感想や疑問がみかけられました。多くは、マリアンへの愛を成就させるよりも、スターレット家を守ることの方が、シェーンにとって重要だったという推察に賛同する意見が多いようでした。

シェーンを演じたアラン・ラッドは、学生時代は、水泳や陸上でオリンピックを目指すほどのスポーツマンでしたが、怪我により断念した後に俳優となりました。始めは無名俳優でしたが、2番目の妻の尽力でメキメキ、存在感を出してきました。シェーンに出演したのが40歳前後です。その後もたくさんの作品にでていますが、後半は自殺を繰り返し、50歳で睡眠薬と大量の飲酒により帰らぬ人となりました。

ジョー・スターレット/ヴァン・ヘフリン

シェーンと友情関係を築きながらも、妻とシェーンが気持ちの中で惹かれあっているのを感じ、自らが一人敵地に乗り込み、「自分に何かあったら、守ってくれる人がいる」そう妻に言って、家族や仲間の事を思うジョーを演じたのは、ヴァン・ヘフリンです。

ヴァン・ヘフリンは、1941年に「ジョニー・イーガー」でアカデミー賞助演男優賞を受賞した俳優です。彼の手形は、観光名所でもあるハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにも飾られています。西部劇だけではなく幅広い演技で観客を魅了しました。

マリアン・スターレット/ジーン・アーサー

スターレット家の優しく明るく美しい妻であり母マリアン。ある日ふらりとやってきたシェーンに心惹かれる妻役ですが、これについて、いろいろな感想がありました。「強くてカッコイイ男が身近に居れば、うっとりするけれど、夫への愛とは違う」という女性の感想もありました。「プラトニックなアイドルに憧れるような感じ」など夫への愛はきちんとあるという意見も多かったです。

マリアンを演じたのは、ジーン・アーサー。祖父母はノルウェーからアメリカにやってきた移民の家系だそうです。元々は舞台が中心の女優で、シェーンが映画女優としての最後の出演だったと言います。

ジョーイ・スターレット/ブランドン・デ・ワイルド

映画シェーンでの誰もが覚えているラストシーン。去っていくシェーンに「戻って来て」と叫ぶジョーイのシーンは、どんなあらすじネタバレを書くよりも、映画シェーンを表すラストシーンであり、一番印象的なシーンになりました。子役の彼は、その後も西部劇などの映画俳優を続けジェームス・スチュアートと共演した夜の道(1957年)の西部劇の出演作がありました。

しかし、ブランドン・デ・ワイルドは、その成長を30歳で止めてしまいます。自身で運転した車の交通事故で亡くなったという事です。主演作はありませんでしたが、悲しいという感想もたくさんありました。

映画シェーンに関する感想や評価は?

西部劇には、華麗な銃さばきがつきものですが、その銃によって、命を失う人がいるのも西部劇の宿命です。シェーンの主人公は、自分の手が誰かの血で汚れていることを知っています。だからこそ、安定した幸せに背を向けて、黙って立ち去るのです。これにはアメリカの銃規制の思いがあるという感想もありました。

西部劇の映画「シェーン」では、悪役が悪役らしい雰囲気を出して登場します。登場するだけで、野良犬が「野生のカン」なのか、危機を察知して逃げ出すという描写は、そこに悪役を最凶だとみている人の感想を与えます。

デジタルリマスター版になって、多くの映画館でのリバイバル上映がされました。新作映画もいいけれど、古典とも言われる作品を楽しむ映画館も増えています。現代の映画館の視聴にふさわしい画質にも変わって、新たな感動を与えてくれるという感想もあります。ラストシーンの少年の叫びのシーンしか知らないという人にも見てほしいという感想もありました。

映画シェーンのネタバレまとめ

西部劇を代表する作品とも言われている映画「シェーン」のあらすじ・ネタバレについてまとめました。悪者、健気な家族、正義の味方と言ったわかりやすいあらすじ構成の中で物語が進むので、ラストまで観た後の感想は、スッキリと晴れやかと評判の作品です。またラストシーンで、子供が「シェーン、カムバック」と引きとめるシーンも有名です。

一つ所にしばらくとどまり、悪を退治し惜しまれながらも去っていく強い男、日本の時代劇「水戸黄門」などに近いテイストがあるという感想もありました。南北戦争の結果アメリカの中でも有名な大統領エイブラハム・リンカーンの作った法律により進められる西部干拓時代。その風景の中の西部劇は、アメリカ映画の中でも数多く作られています。

千葉県浦安市にある有名なテーマパークにも、西部劇の風景を切り取ったような施設があります。映画シェーンの世界を知ることによって、世界各地にあるテーマーパークの西部劇の世界が、より楽しめるようになる作品です。現代の技術により当時のフィルムからデジタルリマスター版が作られ、美しい画像に生まれ変わったバージョンも発売されたり、名画として映画館でも上映されたりしています。

あらすじを楽しむだけでなく、西部干拓時代へのタイムスリップも楽しめます。「どこかで上映していたら、わざわざ足を運んでも時間もお金も惜しくない」という感想も多いです。古き良き時代の西部劇の世界が広がります。

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