炎のランナーのテーマ音楽・曲は?映画のあらすじや感想、続編も紹介

炎のランナーは、1981年の映画で、もう30年以上経っているため、知らないという世代も多いのですが、「炎のランナー」のテーマ曲でもあるヴァンゲルスの「タイトルズ」は曲の題名を知らなくても曲自体は広く認知されている音楽です。映画のあらすじの中のクライマックスを盛り上げるこのテーマ曲は、心地よい調べという感想もおおく、観た人を魅了しています。今回このまとめでは、「炎のランナー」のテーマ音楽を中心に、あらすじや、2016年に作られた続編「最後のランナー」についてまとめます。

炎のランナーのテーマ音楽・曲は?映画のあらすじや感想、続編も紹介のイメージ

目次

  1. 炎のランナーとは?
  2. 炎のランナーのテーマ音楽・曲
  3. 炎のランナーの映画あらすじネタバレ
  4. 炎のランナーの続編
  5. 炎のランナーに関する感想や評価は?
  6. 炎のランナーのテーマ音楽やあらすじまとめ

炎のランナーとは?

炎のランナーの映画作品情報

「炎のランナー」は、1981年に公開されたイギリス映画です。監督はヒュー・ハドソン。脚本はコリン・ウェランドにより実在の人物を元に、フィクション部分も加えながら作られました。第54回アカデミー賞は7部門ノミネートされ、作品賞はじめ4部門受賞しています。英国のアカデミー賞では、8部門ノミネート3部門受賞しています。アカデミー賞で作曲賞を受賞したヴァンゲルスのテーマ曲は、日本でも広く愛される音楽です。

ユダヤ人の父を持つイギリス青年ハロルド・エイブラハムズは、陸上競技に天性の才能をがあり、希望をもって、ケンブリッジ大学に入学しました。彼のライバルは、ラグビー選手としても有名なエリック・リデル。二人の間には、人種の偏見もなくお互いを高め合い、成長していきます。ハロルドはユダヤ人という偏見にさらされながら、エリックは宗教の厳しい戒律の中の壁がありました。

そんな二人が、オリンピックのそれぞれの競技で優勝するまでのあらすじを描く映画です。ヴァンゲリスの流麗な美しいメロディに乗せて友情・人種問題を音楽の中に包み込むような仕上がりの映画だという感想も多い作品です。

炎のランナーの予告編動画

「炎のランナー」が製作されてから30周年を記念して、ブルーレイが作られました。「炎のランナー」は、映画だけでなく、音楽もとても評価が高かったこともあり、ヴァンゲルスのテーマ曲が収録されたCDも付いていました。スポーツのシーンや、スポーツバラエティ、大きなところでは、ロンドンオリンピックの開会式でも奏でられたテーマ曲は、多くの人が、知っていると言われています。

「炎のランナー」の映画のあらすじを飾るその音楽は、優しく美しく、感動的に心を揺さぶるように流れるという感想が多いです。予告動画の中で流れるその曲を聞くだけでも、「この曲、知っている」とわかる人も多いと言われています。

炎のランナーのキャスト

  • 役名/俳優
  • ハロルド・エーブラムス/ベン・クロス
  • エリック・リデル/イアン・チャールソン
  • サム・ムサビーニ/イアン・ホルム
  • アンドリュー・リンゼイ卿/ナイジェル・ヘイヴァース
  • オーブリー・モンタギュー/ニック・ファレル
  • ジェニー・リデル/シェリル・キャンベル
  • シビル・ゴードン/アリス・クリーグ
  • ヘンリー・スタラード/ダニエル・ジェロル
  • サンディ・マクグラス/スチュアート・ロジャー
  • 皇太子/デイビッド・イェランド

「炎のランナー」は、二人のオリンピック選手を中心に描かれる映画で、物語のあらすじの中心にいるのは、ユダヤ人を父に持ち、偏見や差別と闘うハロルドと、宣教師で、神の教えに従順なエリックとなります。二人のキャスト、サムというハロルドのコーチなども、この映画の見どころを引っ張る配役です。続編も作られていますが、この作品はエリックの宣教師としての人生を描いています。

「炎のランナー」が1981年、「最後のランナー」が2016年に作られた映画という事で、エリックを演じた俳優は、まったく別の人が演じています。「炎のランナー」でエリックを演じたイアン・チャールソンは、1990年にエイズで亡くなっているので当然出演できませんでした。

2016年の「最後のランナー」のエリックはジョセフ・ファインズが演じました。映画「恋に落ちたシェイクスピア」では、シェイクスピアを演じているなど、様々な作品に出ているイギリス人の俳優です。

炎のランナーのテーマ音楽・曲

炎のランナーのテーマ音楽はVangelisの曲

荘厳な音楽名から始まり、ピアノソロに続く、この映画「炎のランナー」のサントラに入っている最初の曲「タイトルズ」は、多くの人が耳にしているといいます。スポーツバラエティなどで、必死に努力してゴールするシーンや、スポーツを通じて芽生えた友情のシーンなどで、元々「炎のランナー」のテーマ曲という事も知らずに、覚えている人も多いと言われています。

炎のランナーの映画あらすじネタバレ

あらすじネタバレ:入学

映画「炎のランナー」のファーストシーンは、この映画の主人公ハロルド・エーブラムスの追悼式典から始まり、ハロルドの青春時代への画面が切り替わっていきます。1919年ケンブリッジ大学に入学したハロルドは、裕福で、才能があり、希望にあふれていました。けれど彼にはユダヤ人であるという事で、ひどい差別をうけていました。けれど、彼の魅力と負けん気の強さで、周りを自分の味方にする力がありました。

あらすじネタバレ:才能

多くの仲間に恵まれる中で、ハロルドは陸上競技にのめり込むようになっていきます。そして、記録を伸ばし才能を開花させていきます。同じころ、スコットランドの宣教師のエリック・リデルもまた、陸上競技に魅せられていました。エリックは、「神様から与えられた恩恵で勝つことは、信仰のひとつ」と言って伝道師として競技に参加していました。

ハロルドとエリックは、同じ短距離走(100m・200m)で競います。結果はエリックの圧勝でした。エリックにあってハロルドにないもの、それはフォームの美しさでした。負けん気の強いハロルドは、コーチにサム・ムサビーニを雇います。大学の理事たちは、そんな勝手なことをするハロルドはもちろん、招かれたサムにも嫌な顔をします。けれどハロルドはそんな理事たちを気にせず、練習に励みます。

練習の結果、ハロルドは、エリックと共に1924年のパリオリンピックに出場する事が出来ました。しかし、競技の日が、キリスト教の安息日にあたる日で、エリックは、100・200mに出ないと言い出します。エリックの信仰心は強く400mなら、安息日ではないため、急遽エリックの出場は400mに変更されました。

あらすじネタバレ:オリンピック開幕

エリックが100・200mを安息日という事で辞退したため、期待はハロルドに大きく寄せられました。けれどコーチのサムは英国貴族達がアラブ系イタリア人である自分を毛嫌いしていることを感じていました。サムはスタジアムにすら入ることを躊躇し「ホテルでハロルドを応援する」といってハロルドを送りだします。

200mの試合では、アメリカ人の選手たちに大きく差をつけられ、ハロルドは、負けてしまいました。そんなハロルドをサムは懸命に叱咤激励してくれます。

あらすじネタバレ:優勝

この頃のイギリスは、アメリカがいろいろな点で力をつけていたことを脅威という感想がありました。そのアメリカにハロルドは敗れました。ユダヤ系イギリス人であるハロルドは、100mでは、負けられないと思っていました。アラブ系イタリア人という事で、スタジアムにすら入れないサムののアドバイスを胸に、100mにハロルドは挑みます。サムのアドバイスを頭に浮かべ、自分のフォームを整え走るハロルド。

サムがくれたアドバイスの通り走ったハロルドは、予選では負けていたアメリカの選手よりも先に、ゴールのテープを切ることが出来ました。ハロルドの金メダルに、応援団は沸き上がります。1位で到着したというイギリスの旗をホテルの窓から見たサムは、ホテルの部屋で大喜びしますが、ハロルドの気持ちは一緒にスタジアムで喜び合いたかったという感想でした。

そしてエリックの400mも脅威に感じ始めていたアメリカですが、もともとエリックは、短距離の選手であり、予選から何回も走った事で、もう体力もないだろうとエリックを見くびっていました。会場には、エリックの陸上を反対していた妹のジェニーの姿もスタジアムにありました。「神から与えられた脚」をもつエリックは、アメリカの予想に反し、独特のフォームで、ゴールテープを切りました。

兄の陸上を反対していたジェニーでしたが、笑顔でエリックに手を振ります。そしてパリオリンピックで活躍した選手たちをイギリスの人たちは、大歓迎で出迎えますが、ハロルドは、ひっそりと、列車を降ります。壁には、ハロルドをたたえるポスターも貼られています。ハロルドは出迎えた恋人と一緒に「もう偏見と闘う必要はないという笑顔で、微笑みました。

翌年ハロルドは、足の怪我が元で陸上を引退します。エリックは、妹との約束通り、中国にわたり布教活動に向かいます。この中国に向かったエリックの事を描いた作品が続編である「最後のランナー」です。

炎のランナーの続編

炎のランナーの続編は最後のランナー

「炎のランナー」の続編である「最後のランナー」は、宣教師のエリックが、宣教師として中国にわたるところから始まります。この続編は、舞台が中国だったこともあり、製作はイギリス・中国・香港となっています。オリンピックでランナーとしての栄光を手にしたエリックですが、結婚して宣教師としての身分で仕事をします。

続編である最後のランナーの時代は、第2次世界大戦の少し前、日本占領下の中国が舞台です。この続編に於いて日本軍は、悪役の立ち位置になるため、感想の中には、「日本軍のしたことひどくて、見ていてつらい」という感想もありました。続編の中でもエリックは、敬虔なクリスチャンとして、人のために祈る姿勢は、失くしません。敵である日本軍のために祈ることもまた、エリックの神の定めの仕事でした。

続編の中でも、ランナーとしてのシーンもあり、健脚自慢の日本兵と走るシーンがあるのですが、捕虜として捕まっている立場で、同じ条件で競いたい日本兵がエリックにだけよい食べ物をよこすのですが、弱っているほかの捕虜にそれを与えてしまうため、対決の最後に、エリックは倒れてしまいます。どんな時も優しい、エリックですが、日本軍の敗戦が濃くなり、捕虜への食事もほとんど出せなくなります。

戦争がはじまる前に、エリックの妻子は、妻の故郷であるカナダに返していたのですが、エリックは、捕虜としてこの地で、脳腫瘍のために亡くなり、死ぬ前に妻子に会う事は出来ませんでした。けれど死ぬまでのエリックの生き様が、神から遣わされた人物として美しく描かれているという感想もおおいです。続編である「最後のランナー」は、2016年に公開されました。

炎のランナーに関する感想や評価は?

2019年の大河ドラマ「いだてん」を見て、映画「炎のランナー」やテーマ音楽を思い出す人も多いようです。感想レビューの中には、「人が走るそれだけで、なぜ泣けるんだろう」と言う感想には、練習シーンからを丁寧に作り込んでいるからという意見もありました。

映画「炎のランナー」を自分のこれまでに見た映画の中でも、大切な作品と感想に書く人も多いです。映画を知らなくても、「テーマ曲の音楽が、耳に残る」のというつぶやきも多いです。

「汝の敵を愛せ」聖書に書かれている言葉ですが、戦時下の過酷な状況下にあって、この言葉を実践できる人がどれほどいるか、と言うテーマは話題になりました。「炎のランナー」の続編である「最後のランナー」では、エリック・リデルの生き様が、それを伝えてくれます。一番の解決策は争わないこと、特に戦争などという悪事は避けるべきと言う思いは多くの感想の中にありました。

「炎のランナー」の音楽が素晴らしいことから、ヴァンゲルス本人が「炎のランナー」のセルフカバーをしている音源をツイートしている人もいます。映画のテーマ曲として聞くのとは違う感覚ですが、このアルバムも大変評価されているということです。

「炎のランナー」と2012年のロンドンオリンピックの開会式もコラボも、当時ツイッター上でも話題になりました。「もうコメディ俳優はやりたくない」とミスタービーンを演じたローワン・アトキンソンが言ったことは日本でも話題になりました。コメディアンであり、映画俳優でローワン・アトキンソンより8つ年上の北野武は「俺はこの年齢でもまだお笑いやっている」ととつぶやいたこともネットニュースになりました。

炎のランナーのテーマ音楽やあらすじまとめ

「炎のランナー」は、イギリスを代表する映画でもあり、日本でもスポーツバラエティなどで良く聞くことのある映画のテーマ音楽「タイトルズ」。2012年ロンドンオリンピックの開会式で著名なコメディ俳優ローワン・アトキンソン(ミスター・ビーンの俳優)が、このテーマ曲をオーケストラに囲まれた中で、演奏して話題になりました。

映画「炎のランナー」は、スポーツや友情を描いた音楽も美しい映画です。しかし、美しいものばかりでなく、この映画の舞台になった当時のイギリスは、アメリカなどのほかの国の勢力が伸びてきた頃です。アメリカに脅威を感じていたことが、人種差別や宗教的な問題なども、主人公たちの生き方に影響を与えたとも言われている映画です。

ヴァンゲリスのテーマ曲と一緒に、この「炎のランナー」では映画の冒頭に歌われる聖歌「イェルサレム」も心に残ると言われています。「炎のランナー」のあらすじには、人種差別や宗教問題なども考えさせられる辛い部分もあります。それをカバーするように美しい友情や、選手たちの頑張りを音楽が包み込んでいます。

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