2019年03月25日公開
2019年03月25日更新
ノー・マンズ・ランドのあらすじと結末をネタバレ!感想は緊張感のない戦争映画?
映画ノー・マンズ・ランドは2001年にボスニアが制作した戦争映画です。映画ノー・マンズ・ランドはボスニア戦争を題材にした映画であり、戦場中央に取り残された3人の兵士が抱える苦悩を描いたあらすじの物語となっています。そんな映画ノー・マンズ・ランドは様々なな賞を受賞したにも関わらず、物語の結末まであまり良い感想を集めることができませんでした。本記事ではそんな映画ノー・マンズ・ランドについて結末までのあらすじネタバレや映画に関する感想のネタバレなどをまとめてご紹介してきます。
目次
ノー・マンズ・ランドとは?
ノー・マンズ・ランドの映画作品情報
映画ノー・マンズ・ランドは2001年にボスニアヘルツェゴビナで制作された戦争映画です。映画ノー・マンズ・ランドは1992年から1995年の間で実際に起こったボスニア紛争を題材にした作品となっており、映画界で非常に好評な感想を集めた作品です。題材となったボスニア紛争は3年半にかけて死者20万人を超える被害を出し、難民やレイプなどが多数発生してしまった悲惨な戦争です。
映画ノー・マンズ・ランドはそんなボスニア紛争をボスニア軍とセルビア軍に所属する2人の主人公を通して戦争の悲惨さや愚かさを表現しています。映画ノー・マンズ・ランドの物語のあらすじの中で本来敵国同士の主人公二人は共に協力し合って平和な空気が流れるのですが、結末ではお互い憎しみ、争ってしまいます。この場面は特に戦争という愚かな行為の残酷さを非常に感じられるものになっています。
また戦争の残酷さのほかに映画ノー・マンズ・ランドは物語の結末までのあらすじを通して戦争を利用して私腹を肥やす人間も浮き彫りにしています。悲惨で多くの犠牲を出したボスニア戦争で国連はただ傍観者となり、マスコミもスクープを獲得することしか頭にありません。この国連やマスコミの姿を見ると、映画ノー・マンズ・ランドの結末で描かれる主人公の姿に、戦争という行為の愚かさを再認識させられます。
上記のように戦争という行為がいかに愚かな行為かを見事に表現した映画ノー・マンズ・ランドは世界中から高評価を多数集めることになり、第54回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞しました。さらに第74回アカデミー賞では外国語映画賞を受賞するなど多数の功績を世に残し、今現在でも語り継がれている数多く制作されている戦争映画の中でも不朽の名作映画といっていいでしょう。
しかし映画を観た日本人の方からは映画ノー・マンズ・ランドの結末までのあらすじの中で描かれている平和なシーンに緊張感が無い戦争映画だという感想が寄せられており、このことから常に銃撃戦が繰り広げられる戦争映画が好きな方にはおすすめできない作品です。逆に戦争をテーマに人間の愚かさなどを描いた映画が好きな方は是非一度チェックしてみてください。
本記事ではそんな映画ノー・マンズ・ランドについて結末までのあらすじネタバレやキャストのネタバレ情報を映画に関する感想を交えてご紹介していきます。これから映画ノー・マンズ・ランドをチェックしようとお考えの方にとってご参考になる記事となっていますで、是非最後まで本記事をご覧ください。
ノー・マンズ・ランドのタイトルの意味
本作のタイトルであるノー・マンズ・ランドは一般的に誰も所有していない土地や無人地帯、荒地といった意味の英熟語です。映画ノー・マンズ・ランドにおいては一般的な意味ではなく、軍事的意味である軍事勢力同士の中間にあるどこの国も所有していない領域といった意味になっています。またノー・マンズ・ランドという意味は第1次世界大戦に成立した英熟語であり、本来は軍事的用語として出来た言葉といわれています。
ノー・マンズ・ランドの監督
映画ノー・マンズ・ランドで監督を務めたのはユーゴスラビア出身の映画監督ダニス・タノヴィッチです。ダニス・タノヴィッチはボスニア紛争にボスニア軍のカメラマンとして参加しており、今でも使用されているボスニア紛争の映像を記録しました。そして2001年に映画ノー・マンズ・ランドで監督デビューを果たし、アカデミー外国語映画賞など合計42個の賞を受賞し、注目を集めました。
ダニス・タノヴィッチは映画ノー・マンズ・ランドがアカデミー賞を受賞した際、映画ノー・マンズ・ランドはボスニアのためにある映画だと述べました。その後ダニス・タノヴィッチはアメリカ同時多発テロ事件を題材にした「11`09"01/セプテンバー11」や「鉄くず拾いの物語」などの名作映画を世に輩出し、ベルリン国際映画祭銀熊賞など世界的賞を獲得している人物です。
ノー・マンズ・ランドの予告編動画
映画ノー・マンズ・ランドの予告編動画ではボスニア紛争に従軍している主人公達が戦争を傍観する国連軍や戦争をネタとして取り上げる記者たちに翻弄される姿が描かれています。ではここからはノー・マンズ・ランドについて簡単な物語のあらすじをネタバレ紹介していきます。1993年の6月、ボスニア紛争の霧に満ちた最前線でボスニア軍の兵士たちは行軍を続けていました。すると誤って敵陣に入り込み、セルビア軍に襲撃されます。
セルビア軍の奇襲でボスニア軍は壊滅状態に陥り、唯一生き残ったチキは塹壕に身を隠します。そこはボスニアとセルビアの中間地点であるノー・マンズ・ランドでした。するとセルビア軍の兵士であるニノと老兵士が偵察に訪れ、老兵士は死体の下に地雷を埋めようとします。その瞬間にチキが攻撃を仕掛け、老兵士は死亡し、ニノが怪我を負います。チキとニノが睨み合いを続ける中、死亡したはずのボスニア兵が意識を取り戻すのでした。
ノー・マンズ・ランドの映画あらすじをネタバレ
あらすじネタバレ:塹壕
ここからは映画ノー・マンズ・ランドについて結末に至るまでのあらすじをネタバレ紹介していきます。ボスニア紛争時のボスニアヘルツェゴビナではボスニア軍とセルビア軍の両軍が対峙していました。ある日ボスニア軍の交代要員8人がセルビア軍に攻撃を仕掛けるために闇夜に紛れて最前線へ行軍していました。しかし行軍した日は深い霧があたり一面を包んでおり、ボスニア軍の兵士たちは道に迷ってしまいます。
そしてボスニア軍の兵士達は誤って敵軍であるセルビア軍の陣地に踏み込んでしまいます。するとボスニア軍を発見したセルビア軍が攻撃を仕掛け、チキとツェラ以外戦死してしまいます。生き残ったチキとツェラは無人の塹壕に撤退し、セルビア軍の攻撃から逃れます。しかしセルビア軍の砲撃を受けたことでチキは塹壕の中に飛ばされ、ツェラは塹壕の外に吹き飛ばされてしまいます。
あらすじネタバレ:銃撃
一方セルビア軍の新米兵士であるニノと老兵士は偵察を行うために塹壕へ向かっていました。塹壕の中で生き残っていたチキは偵察に訪れたセルビア兵の動向を伺います。するとセルビア軍の老兵士が塹壕の中にジャンプ式の爆弾を仕掛け、ツェラを爆弾の上に寝かします。老兵士はボスニア軍がツェラを動かすと自動的に爆発する罠を仕掛けていたのです。
その瞬間、様子を伺っていたチキが二人を銃撃し、老兵士は即死してしまいます。そしてチキは負傷したニノの服を脱がし、塹壕の外で降伏を意味する白いシャツを振らせます。すると塹壕を監視していたセルビア軍が敵味方分からず砲撃を開始します。すると突然ツェラが意識を取り戻します。しかしツェラを救うためにはツェラの下に仕掛けられた爆弾を取り除くしか方法がありませんでした。
あらすじネタバレ:打開策
塹壕内にいるチキとニノはお互い睨み合いながらも協力することにします。そしてチキとニノは打開策として二人で白いシャツを振り、両軍を困惑させます。チキとニノの行動で頭を抱えた両陣営は国連軍に連絡を入れます。この連絡を受けたフランス国連軍軍曹のマルシャンはサラエボ本部にいるデュボア大尉に上官と相談するという理由で待機するよう命じます、
しかしマルシャン軍曹はデュボア大尉の命令に背き、両軍の検問所に攻撃をしないよう要請することにします。一方塹壕内にいるチキとニノはお互いの身の上話などをし、敵軍同士でありながらも友情が芽生えはじめるのでした。
ノー・マンズ・ランドの映画結末をネタバレ
結末ネタバレ:救出
ここからは映画ノー・マンズ・ランドについて結末のあらすじをネタバレ紹介していきます。デュボア大尉は上官であるソフト大佐に相談するものの、面倒なことに関わりたくないことから国連の任務は人道救助であるとし、国連決議が行われないと手出しができないと告げられます。一方命令違反を犯したマルシャン軍曹は塹壕でチキたちと接触しており、地雷処理班の出動を拒否した本部はマルシャン軍曹に戻ってこいと命令します。
そこでマルシャン軍曹はチキとニノを連れて帰ろうとします。しかしチキはツェラを見捨てることが出来ないと語り、マルシャン軍曹と帰ろうとしたニノの足を撃ち抜きます。チキはセルビア軍から攻撃をされないためにニノを撃ち、マルシャン軍曹は一人帰ってしまいます。その後マルシャン軍曹は無線を傍受したテレビカメラマンとリビングストン特派員がチキたちを救助しないかと詰め寄られます。
そこでチキたちを救出したいマルシャン軍曹は今現在の状況を逆手に取り、再度上官にチキたちを救出してほしいと懇願します。その後テレビでボスニアの中間地点でチキ達が取り残されている映像が流れ、ソフト大佐は重い腰を上げて現場に向かいます。一方デュボア大尉もドイツの地雷処理班を呼んで現場に駆けつけます。そして多くのマスコミと国連軍はチキたちがいる中間地点に集まっていくのでした。
結末ネタバレ:退去
その頃塹壕ではチキに足を撃たれたニノがナイフでチキを殺害しようとします。ニノは国連軍に取り押さえられることになるものの、二人の間に大きな亀裂が入ってしまいます。一方ドイツの地雷処理班はツェラの下に配置された地雷は撤去することが出来ないと語ります。するとソフト大佐がヘリで現場を訪れ、国連軍のイメージアップのためにマスコミに撤去作業をするフリだけしろと命令します。
その頃ニノは見張りをしている若い兵士の隙を突き、銃でチキを殺害しようとします。するとチキは集まるマスコミに「お前らはみんな同類だ。俺らの悲劇がそんなに儲かるのか。」と叫び、怒りをぶつけます。そしてチキを撃とうとしたニノはチキに射殺され、チキは国連軍の兵士に撃ち殺されてしまいます。その後ソフト大佐は地雷処理が完了したと嘘をつき、撤退します。
マルシャン軍曹はこの卑劣な行為に反対するものの、最後は諦めて撤退してしまいます。チキとニノが死亡した中間地点にある塹壕にはツェラが一人取り残されてしまうのでした。こうして映画ノー・マンズ・ランドは結末を迎え、戦争の悲劇を描いた物語は幕を下ろしていくのでした。
ノー・マンズ・ランドの登場人物・キャスト
チキ/ブランコ・ジュリッチ
チキは映画ノー・マンズ・ランドにおいて主人公にあたる人物です。チキはボスニア軍に所属する兵士であり、最前線に向かう途中でセルビア軍の襲撃を受けます。セルビア軍の攻撃を受けたチキは親友のツェラと共に塹壕に吹き飛ばされてしまいます。その後生き残ったチキは敵軍の兵士であるニノと出会い、協力して塹壕から脱出しようと試みます。
映画ノー・マンズ・ランドでチキを演じたキャストはボスニアヘルツェゴビナの俳優であるブランコ・ジュリッチです。ブランコ・ジュリッチは1980年に放送されたコメディシリーズ「シュールレアリストのトップリスト」で人気を博し、2001年に映画ノー・マンズ・ランドで主人公を演じたことで世界中から注目を浴びることになりました。
ソフト大佐/サイモン・キャロウ
ソフト大佐は映画ノー・マンズ・ランドにおいて国連軍に所属する将校の一人です。ソフト大佐は部下のデュボア大尉にチキたちを救出するようお願いをされ、当初は拒否します。その後マスコミの注目を浴びたことでチキ達を救出するために塹壕へ向かいます。しかしソフト大佐はチキ達を救出しようとは思っておらず、国連のイメージアップのためにチキたちを救出するフリをするよう命令します。
映画ノー・マンズ・ランドでソフト大佐を演じたキャストはイギリスの俳優であるサイモン・キャロウです。サイモン・キャロウは元々舞台で活動していた人物であり、1984年の映画「アマデウス」で俳優デビューを飾ります。またサイモン・キャロウは1991年に映画「悲しき酒場のバラード」で映画監督デビューを果たし、俳優業のほかに監督として活動をしています。
ジェーン・リヴィングストン特派員/カトリン・カートリッジ
ジェーン・リヴィングストン特派員は映画ノー・マンズ・ランドにおいて戦争をネタにしてお金を得ようと企むマスコミです。リヴィングストンはチキたちが塹壕内で取り残されていることを知り、国連軍のマルシャン軍曹に独占映像を撮るために取引を持ち掛けます。
映画ノー・マンズ・ランドでリヴィングストン特派員を演じたキャストはイギリスの女優であるカトリン・カートリッジです。カトリン・カートリッジは1985年に女優としてデビューする前、英国国立劇場やテレビ番組で活躍していました。女優としてデビューをしたカトリン・カートリッジは個性的な作品を制作する監督達の映画でキャストを務めるものの、2002年に肺炎と敗血症で起きる合併症が原因でこの世を去ってしまいます。
ノー・マンズ・ランドに関する感想や評価は?
ボスニア映画ということでノー・マンズ・ランド見たー。
— トム (@tomtan916) March 22, 2019
戦争に加担するバカたちとそれを止める無能たち、そして最終的に見捨てられる傍観者。戦争に対する皮肉たっぷりな映画でした。
ドイツ人、時間を守る。
映画ノー・マンズ・ランドに関する感想では戦争の皮肉さが描かれているといった感想が多数寄せらていました。映画ノー・マンズ・ランドは戦争を餌にしてお金を儲けようとするマスコミや兵士を助けようとしない国連軍の愚かさが描かれた作品となっており、上記の感想の通り戦争の愚かさや残酷さを見事に表現した作品となっています。
あとなにより「ノー・マンズ・ランド」。
— レッドアフガン@3・31浅草Vショー (@narod47) November 25, 2018
コレは見ておいたほうがいいです。
しっかりエンターテインメントしていてわかりやすい。
ネットの映画評を見るとなぜかわかりにくいという感想が目立ちますが気にしてはいけません。
この作品はユーゴ内戦映画では一等わかりやすい部類です。
間違いない。 https://t.co/Jk6jcL5W0K
映画ノー・マンズ・ランドに関する感想では一度でもいいので観たほうがいいといった感想も見受けられました。映画ノー・マンズ・ランドは本記事の冒頭でご紹介した通り、面白くない映画だという酷評がネット上でされている作品です。しかし映画ノー・マンズ・ランドは戦争の愚かさや悲惨さを皮肉たっぷり描いた作品であり、戦争映画好きの方以外でも映画の世界に入り込んでしまう名作映画となっています。
ノー・マンズ・ランドの映画ネタバレまとめ
本記事では映画ノー・マンズ・ランドについて結末までのあらすじや映画に関する感想などをまとめてネタバレ紹介させて頂きました。映画ノー・マンズ・ランドは短い映画にも関わらず非常にメッセージ性が強い作品となっており、戦争の愚かさや残酷さを改めて感じることが出来る作品です。老若男女問わず様々な世代の方が飽きずに観ることが出来る名作映画となっていますので、是非映画ノー・マンズ・ランドをご覧ください。