ブラウン・バニーのネタバレあらすじと結末!映画の感想は?【ヴィンセント・ギャロ】

2003年にアメリカで制作された映画『ブラウン・バニー』。鬼才ヴィンセント・ギャロの監督第2作で、自ら主演し脚本や撮影まで制作のほとんど全てを担当しています。また、カンヌ映画祭で上演されると賛否両論を巻き起こした問題作でもあります。これから『ブラウン・バニー』の結末までのネタバレあらすじと映画を観た方の感想までまとめてお届けします。この機会にぜひご覧ください!

ブラウン・バニーのネタバレあらすじと結末!映画の感想は?【ヴィンセント・ギャロ】のイメージ

目次

  1. 映画『ブラウン・バニー』とは?
  2. 映画『ブラウン・バニー』のあらすじネタバレ
  3. 映画『ブラウン・バニー』の結末ネタバレ
  4. 映画『ブラウン・バニー』のキャスト
  5. 映画『ブラウン・バニー』に関する感想や評価
  6. 映画『ブラウン・バニー』についてまとめ

映画『ブラウン・バニー』とは?

映画『ブラウン・バニー』の基本情報

2003年にアメリカで制作された映画『ブラウン・バニー』。主演のヴィンセント・ギャロが監督から脚本、撮影まで制作のほとんど全てを担当。カンヌ映画祭に出品されると激しい論争を巻き起こした問題作です。

バイクレーサーのバド・クレイは、次のレースが開催されるカリフォルニアへ向かう道中さまざまな女性たちに出会います。しかし、彼の心は愛していながら別れてしまったデイジーへの思いを断ち切れないでいました。共演は「ボーイズ・ドント・クライ」のクロエ・セビニーほか。

映画『ブラウン・バニー』の予告編

次に映画『ブラウン・バニー』の動画をご覧いただきます。全編セリフのない映像が続いていきます。

オープニングのバイクにまたがり果てしなく道を進んでいくシーンに、女性との抱擁シーンや1人寂しく物思いに耽るシーンが被ります。映像を通して映画の雰囲気は感じて頂けたのではないでしょうか。

監督はヴィンセント・ギャロ

映画『ブラウン・バニー』で監督を務めているのは、1961年アメリカ/ニューヨーク州出身のビンセント・ギャロです。彼は、俳優・ミュージシャン・画家・映画監督と多彩な顔を持っています。街頭パフォーマンスやバンド活動からキャリアをスタートさせたギャロですが、1980年代以降は俳優としての活動が主となっています。

ヴィンセント・ギャロの最初の映画監督作品は、1998年の「バッファロー’66」。本作『ブラウン・バニー』は監督第2作目となります。彼は、監督を務める作品では主演から脚本、音楽まで制作プロセスのほぼ全てに携わることから完璧主義という世評もあります。

2010年には、7年ぶりの監督・主演作品「Promises Written in Water」と主演の「エッセンシャル・キリング」がベネチア国際映画祭で上演され、後者で主演男優賞を受賞しています。

映画『ブラウン・バニー』のあらすじネタバレ

あらすじ①悲しみを背負ったバド

ここからは映画『ブラウン・バニー』のネタバレあらすじをお届けします。主人公バドは、ロサンゼルスで暮らすバイクレーサーです。

愛する恋人デイジーと別れて数年経った今もなお、悲しみから立ち直ることができません。ひとり孤独な日々を過ごし、デイジーを思い出しては涙ぐみます。そんなバドは次のバイクレースが開催されるカリフォルニアに向かうため、車にバイクを積み込むとロサンゼルスを出発します。

あらすじ②ヴァイオレットとの出会い

『ブラウン・バニー』のあらすじ、続いては女性との出会いについて。途中ガソリンスタンドに立ち寄ったバドは、隣接する店に入っていきます。暇を持て余していた店員ヴァイオレットに話しかけるバド。ヴァイオレットは、バイクレースの話を始めるバドに興味を抱きます。

そんなヴァイオレットを見て、バドは今から一緒にカリフォルニアまで行こうと誘います。ヴァイオレットはすぐに了解すると、店の経営者である叔父夫妻宛てのメモを残しバドの車に乗り込みました。

バドはヴァイオレットの自宅の前までくると車を停めます。そして必要な荷物を持ってくるようヴァイオレットに伝えます。バドはヴァイオレットに愛を語り、彼女にキスをしました。家に入ったヴァイオレットが荷物をまとめている間に、バドは一人で出発してしまいます。

あらすじ③デイジーのウサギ

バドはかつての恋人デイジーの実家に立ち寄ります。すると家にはデイジーの母親がいました。幼少期バドとデイジーの家は隣合っていました。さらに数年前にはデイジーの恋人として会っているにも拘らず、彼女の母親はバドを覚えていません。

茶色のウサギ

家の中に入ったバドは、ペットとして飼われている茶色のウサギを目にします。かつて同棲していた時、デイジーが同じようなウサギを飼っていたのをバドは思い出しました。

デイジーの家を後にすると、バドはペットショップへ立ち寄ります。先ほど見たウサギが以前デイジーの飼っていたウサギなのかどうか確かめたかったのです。店のスタッフにウサギの寿命を尋ねます。その寿命から察するにやはり同じウサギではありませんでした。

あらすじ③リリーとの出会い

『ブラウン・バニー』次のあらすじも道中であう女性についてです。バドはその後もひたすら車を走らせます。そして、小さな公園の前に来ると車を停めました。ベンチに座って煙草を吸っている悲しげな女性が気になったのです。バドはその女性に声をかけます。

互いに自己紹介を済ませると、バドとリリーと名乗るその女性はいきなりキスをして抱き合います。バドが泣き出すとリリーは彼の頭を撫でます。暫くしてバドは静かに立ち上がると、再び車に乗り走り出しました。バドはデイジーを思い出し泣き続けていました。

あらすじ④ローズとの出会い

車がユタ州にさしかかったところで、バドはモーテルで一泊することにしました。翌日身なりを整えると再び車を走らせるバド。運転しながらも泣き続けています。しばらく道をひた走ると車は砂漠に入ります。バドは砂漠の真ん中で車を停め、誰もいない砂漠をバイクで走り回りました。

再び車に乗りこんだバドは、丸一日かけてラスベガスに入ります。道のあちこちで違法に客を取る娼婦たち。バドはゆっくりと運転しながら娼婦たちを物色します。そんな時でもデイジーの面影を探してしまうバドでした。

バドは声をかけてきたローズという娼婦を見て一旦は断りますが、思い直して彼女をランチに誘います。食事が終わるとバドはローズを車に乗せ、出会った場所で降ろしお金を払いました。一人になってしまったバドは、また寂しさから泣かずにはいられませんでした。

映画『ブラウン・バニー』の結末ネタバレ

結末ネタバレ①想いでの家

ここからは『ブラウン・バニー』結末のネタバレになります。ようやくカリフォルニアのレース会場に到着したバドは、翌日のレースに向けてバイクの整備をします。その後バドは宿泊先のホテルへ行き、荷物をフロントへ預けてから再び車に乗ると走り出しました。

バドは、かつてデイジーと一緒に住んでいた家に向かっていました。家に着いてみるとそこはすっかり寂れており、ペンキのはがれた扉や汚れた窓は全て閉まっていました。バドは家の扉を拳で叩くと、何度も何度もデイジーの名を呼びます。しばらくすると隣の人が出てきて、そこは現在誰も住んでいないと教えてくれました。

車に戻るとバドは、また泣き出しました。それから再び家の前まで行き、デイジーの名を呼びながら扉を叩きます。バドは誰も住んでいないと聞いたのに、デイジー宛に書いたメモを扉に挟みその場を後にします。

結末ネタバレ②デイジーとの再会

『ブラウン・バニー』次の結末ネタバレは、かつての恋人デイジーとの再会です。ホテルに帰ったバドは、自分宛に電話がかかって来なかったかフロントに訊きます。そして、もし電話が掛かってきたらすぐにつなぐこと、デイジーという女性がやって来たら自分の部屋に通すことをフロントに伝えます。

翌朝まだベッドでうとうとしているバドのところに、家に残されたメモを見てやってきたというデイジーが突然現れます。2人の間に一瞬沈黙の時間が流れます。そんな空気を破りデイジーがバドに問いかけました。今でも自分のことを愛しているかと。バドの所作でまだ自分を愛していると知ったデイジーは、以前していたようにバドの膝に乗ると抱きついてきました。

バドとの抱擁の後、デイジーは彼に隠れてトイレでマリファナを吸います。デイジーはバドにアルコールを注いだグラスを差し出しますが、バドは要らないとその手を遮ります。デイジーと別れてからバドは断酒していたのです。

結末ネタバレ③抑えられない衝動

デイジーは2人で写した写真を今も持ち歩いていました。その写真を見せて、デイジーはバドにやり直したいと伝えます。バド以外の男とは付き合うことができないとも。しかし、他の男と寝たデイジーをバドは信用することができません。

しばらくして相手を愛撫しているうちに衝動を抑えられなくなった2人は、ベッドに入ります。バドは、デイジーの浮気を気にしながらも彼女を激しく求めます。行為の後でバドは、体を使って関係を修復しようとしたと言ってデイジーを責めました。

結末ネタバレ④過去の真実

そこでデイジーは、2人が別れることになった本当の理由について語り始めます。それは、本当はバドも心得ている話でした。事件は数年前に遡ります。あるパーティーでバドは複数の男たちといちゃ付いているデイジーを目撃します。バドは、デイジーが自ら進んで男を求めていたと思い込んでしまいました。

しかし事実は違っていました。実は酒とドラッグの作用で意識が朦朧としていたデイジーは、男たちにレイプされていたのです。デイジーが自分を裏切ったと思ったバドはショックを受け、デイジーを残したままその場から立ち去りました。

結末ネタバレ⑤デイジーの死

その後、デイジーは意識が無いまま吐いた物を喉に詰まらせて窒息死してしまいます。バドはデイジーの遺体に縋りついていつまでも泣き喚きました。バドはデイジーの死を受け入れられず、デイジーが自分を捨てて出て行ってしまったと思い込もうとしていたのです。

ベッドで目を覚ましたバドの前にデイジーの姿はありません。ゆっくりと起き上がったバドは車に乗り込むと、再び行く当てもない旅へと1人出発して行きました。以上が『ブラウン・バニー』の結末ネタバレでした。

映画『ブラウン・バニー』のキャスト

キャスト①バド/ヴィンセント・ギャロ

『ブラウン・バニー』の主人公バドはネバダ州出身のバイクレーサー。かつては幼馴染みの恋人デイジーとロサンゼルスで同棲生活を送っていました。デイジーと別れた悲しみから立ち直れず、彼女のと幸福な日々を思い出してはすぐに涙を流します。次のレース会場であるカリフォルニアへ向かって出発するのですが…。

『ブラウン・バニー』でバドを演じたのは1961年アメリカ/ニューヨーク州出身のビンセント・ギャロです。作品紹介の欄で書いた通り、彼は俳優・ミュージシャン・画家・映画監督とさまざまな肩書を持ちそれぞれの分野で活躍しています。ここでは主な映画出演作品を紹介します。

  • 1994年 モスクワ・ゼロモスクワ・ゼロ
  • 1994年 愛と精霊の家
  • 1997年 アリゾナ・ドリーム
  • 1998年 気まぐれな狂気

  • 1999年 バッファロー'66(兼監督・脚本・原案・音楽)
  • 2000年 トリック・ベイビー
  • 2003年 ガーゴイル(兼監督・製作・脚本・撮影・編集)
  • 2005年 ブラウン・バニー(兼監督・製作・脚本・撮影・編集・衣装)
  • 2011年 狼たちの鎮魂歌(レクイエム)
  • 2012年 エッセンシャル・キリング
  • 2013年 テトロ 過去を殺した男テトロ
  • 2013年 ニューヨーク、恋人たちの2日間
  • 2014年 人類資金人類資金

キャスト②デイジー/クロエ・セヴィニー

バドの幼馴染みの元恋人デイジー。ある日、バドの前から突然姿を消してしまいます。幼い頃からウサギに囲まれた生活をしており、バドと同棲していた時にも茶色の子ウサギを飼っていました。薬物依存症を抱えています。アレルギー症のため抗生物質を常に携帯しています。

「ブラウン・バニー」でデイジーを演じたのは、1974年アメリカ/マサチューセッツ州スプリングフィールド出身の女優、デザイナーのクロエ・セヴィニーです。

セヴィニーは、1995年映画「KIDS/キッズ」で女優としてデビュー。1999年の「ボーイズ・ドント・クライ」ではアカデミー助演女優賞にノミネートされ、全米映画批評家協会賞助演女優賞やロサンゼルス映画批評家協会賞助演女優賞を受賞。2006年のテレビシリーズ「ビッグ・ラブ」に出演し、ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞。また、デザイナーとして映画「ガンモ」の衣装デザインを担当しました。

キャスト③ヴァイオレット/アンナ・ヴァレスキ

カリフォルニアへ向かって車を走らせるバドが、最初に出会う若い女性ヴァイオレット。道路沿いのガソリンスタンドの店の店員でバドとは顔なじみです。

『ブラウン・バニー』でヴァイオレットを演じたアンナ・ヴァレスキとキャスト⑤のエリザベス・ブレイクはプロの女優ではありません。詳細なデータは不明ですが、企画当初予定していたクリスティン・ダンストとウィノナ・ライダーがオファーを断ったため、急遽オーディションで起用されました。

キャスト④リリー/シェリル・ティーグス

カリフォルニアに向かう途中のバドが2番目に出会う中年の女性。道路沿いにある小さな公園のベンチに物悲しげな様子で座っていて、バドの目を引きました。

『ブラウン・バニー』でリリーを演じたのは、1947年アメリカ/ミネソタ州出身のモデルでファッションデザイナーのシェリル・ティーグスです。

彼女は主に「Vogue」や「Harper's Bazaar」などファッション雑誌の表紙を飾るモデルとして活躍しました。映画主演は、『ブラウン・バニー』の他に2007年のアメリカ映画「ウォーク・ハード ロックへの階段」があります。

キャスト⑤ローズ/エリザベス・ブレイク

カリフォルニアに向かうバドが3番目に出会う女性ローズ。ラスベガスの場末で、昼間から道に立って客を取る無許可の売春婦です。バドに声を掛けたことで2人は一緒に食事をすることに。

ローズを演じたエリザベス・ブレイクもアンナ・ヴァレスキ同様にプロの俳優ではなく、公式のデータはありません。

映画『ブラウン・バニー』に関する感想や評価

感想や評価:ラスト20分で面白くなる!

最後に『ブラウン・バニー』を観た方の感想や評価を紹介します。最初は、ラスト20分で面白くなるという方から。こうした評価や感想は多くありました。前半はひたすら車を運転するシーンが続き退屈だったようですが、すべては最後の伏線になっていたとの感想でした。

感想や評価:ラストで高評価に!

ラスト近くまで観ているのが結構きつくて時間を気にしながら観た。(中略)最後までなんとか見続けたら、ラストで今までの混乱が回収されることになり一気に高評価になった。

次の感想・評価も前の方と同様、ラストでそれまでの伏線が回収され、この映画に対する評価も高くなったということでした。

感想や評価:ラストは最低な気分!

映像は良かったしなんかもう死にたい気分で観ていたので、退屈だろうが映像がいちいち長いだろうがなんでもよかった。ただラストは今までの虚無感のせいか寂しくなったかな、最低な気分になった。

次の感想・評価は今までの方とは逆にラストで最低な気分になったということです。同じ映画でも見る人、見る時で印象は異なるのでしょうか。カンヌ映画祭上映時から賛否両論あるこの映画にふさわしい感想でした。

感想や評価:孤独と絶望が伝わってきた!

大切な人を失うストーリーとか散々やり尽くされてると思うけど、全然カッコつけてなくて、孤独と絶望の深さがそのまま伝わった。現実より妄想の方がリアルに感じるとこも、なんかわかるよーと感傷的になりました...。

最後は、ラストだけではなくこの映画全体を通しての感想・評価になります。ギャロの創る映像が孤独と絶望の深さをストレートに伝えてきたと言います。そうしたものは現実より妄想の世界の方がリアルに感じられるとも。

Thumb映画バッファロー’66のあらすじをネタバレ!レイラの魅力や感想も紹介 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

映画『ブラウン・バニー』についてまとめ

ここまで映画『ブラウン・バニー』の結末までのネタバレあらすじと映画の感想をお届けしてきました。カンヌ映画祭で上映されたときには、賛否両論巻き起こり観客が途中で退席してしまったという逸話まであるこの映画、皆さんはどう感じられたでしょうか。もしまだ観ていない方がいましたら、この機会にDVDなどで鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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