アンチヴァイラルのあらすじや結末・感想ネタバレ【ブランドン・クローネンバーグ監督】

現代セレブへの信仰を批判的に描いた風刺劇・「アンチヴァイラル」は、セレブ信仰に過熱する近未来の世界を舞台に、有名セレブ・ハンナのウイルスを巡る主人公の動向を描いた映画作品です。本作品は、ブランドン・クローネンバーグ監督の長編映画のデビュー作であり、本文では、映画「アンチヴァイラル」のネタバレを交えたあらすじや結末、出演キャストや監督、作品に関する感想や評価について紹介します。

アンチヴァイラルのあらすじや結末・感想ネタバレ【ブランドン・クローネンバーグ監督】のイメージ

目次

  1. アンチヴァイラルとは?
  2. アンチヴァイラルのあらすじネタバレ
  3. アンチヴァイラルの結末ネタバレ
  4. アンチヴァイラルの監督は?
  5. アンチヴァイラルのキャストは?
  6. アンチヴァイラルに関する感想や評価
  7. アンチヴァイラルのあらすじ・結末や感想まとめ

アンチヴァイラルとは?

現代セレブに対する信仰を批判的に描いた風刺劇の映画「アンチヴァイラル」は、常識を逸脱したセレブ信仰に過熱する近未来を舞台に、セレブがかかったウイルスを巡る主人公の動向を描いたディストピアSF作品です。以下では、映画「アンチヴァイラル」のネタバレを交えたあらすじ結末、出演キャスト、監督クローネンバーグ氏、賛否両論が飛び交う作品に関する感想や評価について紹介します。

アンチヴァイラルの映画情報

映画「アンチヴァイラル」の映画情報・イメージ画像

映画「アンチヴァイラル」は、ブランドン・クローネンバーグ監督によって製作されたイギリス映画で、2012年に公開されたSF・ミステリー作品です。本作品は、ブランドン・クローネンバーグ監督の長編映画デビュー作にあたります。

アンチヴァイラルの予告編動画

上記は、主人公・シドの視点から、近未来のセレブ信仰の狂気を描いた映画「アンチヴァイラル」の予告編動画です。

アンチヴァイラルのあらすじネタバレ

セレブへの異常な信仰により、精神的に狂った人々に異様な恐怖心を感じさせる映画「アンチヴァイラル」のあらすじをネタバレを交えて紹介します。

あらすじネタバレ:セレブへの憧れ

セレブ信仰に異常な過熱を見せる近未来、セレブの体から採取されたウイルスに感染する奇妙な行ないが、セレブに憧れる庶民の間で流行していました。セレブの体内から抽出されたウイルスを自分の体内に取り込むことは、セレブ信仰者によって究極の商品であり、それらを開発・販売する業者の間では、激しい競争が巻き起こっていました。

あらすじネタバレ:ルーカス・クリニック

異常なセレブ信仰に便乗して、セレブから採取したウイルスの管理と販売を行なう会社が登場し、「ルーカス・クリニック」では、セレブのウィルスを注射を打つことで提供していました。ルーカス・クリニックに勤務するシドは、ウイルスを求めて訪れる客のカウンセリングに、それぞれに適したウイルスを注射で与えていました。

あらすじネタバレ:シドの秘密

ルーカス・クリニックでは、ウイルスの性質を人間の顔にイメージ化する端末を開発しており、ルーカス社の社員であるシドは、端末の管理を任されていました。この端末でウイルスのイメージを加工することで、ウイルスの遺伝子情報を自由に設計でき、シドは、会社での特権を利用してウイルスを違法的に培養・販売し私腹を肥やしていました。

そこで、自宅に非合法の端末を隠し持つシドは、ある日、セレブの代表格アリア・ノーブルのウイルスを客に注射した後、人目を盗んで自身にもアリアのウィルスを打ち込みました。そして、自宅で新たに作り出されたウイルスを違法に売買していました。

あらすじネタバレ:違法売買

ルーカス・クリニック社が所有するセレブウイルスの中には、自社独占のセレブから採取されたウイルス商品も多く取り扱っており、培養できるウイルスは高値で取引されていました。会社では、社員によるウイルスの持ち帰りや違法売買を禁じ、身体検査も行なわれていました。

しかし、シドのように会社の目を盗んでウイルスを自宅に持ち込み、自宅でウイルスの培養、裏ルートで転売する者も少なからず存在していました。

あらすじネタバレ:セレブ信仰の危険性

自宅で新たなウイルスを開発・違法売買することで私腹を肥やすシドは、過剰なウイルス摂取により、慢性的な体調不良に陥っており、シドは複数の薬の服用と不健康な食事で、やり過ごしていました。また、テレビでも、セレブ信仰によるウイルス摂取の危険性について、連日のように議論が交わされており、肉屋ではセレブの細胞から作られたクローンの食肉も販売されていました。

そして、シドも精肉店を訪れ、オーナーのアービットに新しく作ったサンプルを持ちだしました。しかし、アリアの新しいウイルスは既に出回っているため、断られてしまいます。

あらすじネタバレ:ハンナのウイルス

シドが勤務するルーカス・クリニックにて、彼の同僚デレクが違法ウイルスを製造した罪で逮捕される事件が起きます。デレク逮捕を受けて、彼の仕事を受け継いだシドは、ルーカス社と独占契約を結ぶハンナのウイルスを担当することになりました。そして、ハンナが新たにかかったウイルスの採取のため、シドは彼女が宿泊するホテルへ赴き、採血します。そして、駆け込んだトイレの中で、シドはハンナの血液を注射器で打ちました。

ハンナの血液を体内に入れたシドの体調は、悪化の一途を辿ります。そして、会社を早退し、自身の血液を調べ始めたシドは、自宅に隠し持っていた端末から、新たなウイルスを培養させます。そして、シドは、自分の体が端末と一緒になっている幻覚に襲われ、気絶します。

あらすじネタバレ:ハンナの死

ハンナの死・イメージ画像

翌朝になり気が付いたシドは、自身が隠し持っていた端末が故障していたこと、テレビの報道番組にて、ハンナが謎の奇病により死亡したことを知ります。大々的に報じられたハンナの突然死の影響は、彼女のクローン肉を求めて精肉店に人が殺到するほどの過熱を見せていました。

あらすじネタバレ:怪しい商人

アービットの元を訪れたシドは、彼に端末の修理部品を取り扱う業者を依頼しました。同時に、アービットは、ハンナの最後のウイルスの提供をシドに求めるも、彼はしらばっくれてその場をしのぎます。数日後、アービットの紹介で、闇社会の商人・レビンと対面します。レビンは、ハンナのウイルス提供を条件に、端末修理を請け負うとシドに突きつけます。

アービットとレビンは、裏社会で通じ合っており、シドがハンナのウイルスを盗んでいたことを知っていました。そこで2人は、レビンの交換条件を断わったシドを気絶・拘束させて、彼の体から大量の採血、皮ふ組織の一部を採取し、用が済むとシドを路上に放り出してしまいます。

あらすじネタバレ:アベントロス

目を覚ましたシドが、近くのカフェで休んでいると、ハンナの夫と名乗るポーランドともう1人の男が近付いてきました。そして、ポーランドの車に乗り込んだシドは、森の奥の屋敷に連れていかれます。その屋敷の中には、ハンナの主治医・アベントロスの姿がありました。

アベントロスの話によると、ハンナがかかった奇病のウイルス・シドが発見した新種のウイルスは、ハンナだけが感染するように作られたウイルスだったこと、新種のウイルスは、ハンナの古いウイルスを元に作り替えられたことが発覚します。

あらすじネタバレ:ハンナの死は嘘

ハンナの死の誤報・イメージ画像

アベントロスの話を聞いたシドは、その後、口から血を流して横たわるハンナの姿を確認します。世間で大々的に報道されたハンナの死は、誰かにウイルスを注入され殺されたことを隠すためだと話します。同時に、ハンナと同じ病気にかかってしまったシドにも死期が近付いていることを、アベントロスは、打ち明けます。

アンチヴァイラルの結末ネタバレ

人びとの常識を逸脱したセレブ信仰の裏で渦巻く陰謀や、有名女優・ハンナを信仰する主人公・シドの結末を描いた映画「アンチヴァイラル」の結末ラストをネタバレを交えて紹介します。

結末ネタバレ:ハンナの改造ウイルス

ハンナの真実を聞かされたシドは、彼女のマネージャーから、ルーカス・クリニックに潜むハンナの奇病のウイルスを製造した犯人を見つけ出す依頼を受けます。そして、ルーカス社の社員記録を調べ始めたシドは、ハンナの古いウイルスを持ちだしたデレクに目星を付けます。同時に、デレクと取引していたアービットに出会い、2人の裏の関係について問い詰めました。

結末ネタバレ:テッサー社の陰謀

テッサー社・イメージ画像

アービットから有力な情報を入手できなかったシドでしたが、侵入したデレクの自宅で、隠されていた端末からハンナのウイルスを発見します。そして、自宅に帰宅すると、ハンナの夫・ポーランドからシド宛てに端末の修理部品が届けられていました。

再びハンナの屋敷に赴き、アベントロスの診察を受けたシドは、ルーカス社のライバル会社・テッサー社にまつわる情報を聞きつけます。それは、テッサー社の女社長ミナが、デレクを誘い込み、ハンナにウイルスの注入と、新しいハンナウイルスの開発・売買することで、ルーカス社の独占契約を打ち破ろうと企んでいました。

結末ネタバレ:監禁されるシド

ハンナの奇病やその影に潜む陰謀を知ったシドは、帰宅後レビンの手下に捕まり、真っ白な部屋に監禁されてしまいます。そして、デレクと肉屋のアーベック・レベンは裏で共謀していたことを、シドは知ります。ある日、採血に訪れたレビンに襲いかかったシドは、隙を見て部屋から脱出し、タッセル社の社長・ミナとコンタクトを取り、シドは、女社長に協力することにしました。

結末ネタバレ:シドが感じた幸せ

ミナとシドは、ハンナの細胞を利用したハンナの肉を培養させるカプセルを開発しました。装置の中には永久保存されたハンナの死体が収められており、彼女の姿が元に戻りつつありました。そして、部屋に鍵を閉め2人きりになったシドは、ハンナの腕の部分をメスで切り、彼女の流れる血を飲み、官能に浸りました。

アンチヴァイラルの監督は?

ホラーやカルト作品とは異なる刺激の強さから、好みや評価が分かれやすい映画「アンチヴァイラル」は、ブランドン・クローネンバーグ監督によって製作されました。以下では、クローネンバーグ監督の経歴や父デヴィット・クローネンバーグ監督を紹介します。

ブランドン・クローネンバーグ

映画「アンチヴァイラル」の監督ブランドン・クローネンバーグは、本作品で長編映画の監督デビューを果たしました。「アンチヴァイラル」は、クローネンバーグ監督が抱く「セレブ崇拝主義に対する風刺劇」を面白ろ可笑しく描かれていますが、あまりにもショッキングな描写から、映画ファンの間では、変態映画とも言われています。

クローネンバーグの父も映画監督

映画「アンチヴァイラル」のブランドン・クローネンバーグ監督の父も、同じく映画監督として知られており、常識を逸脱した過激な映像描写が特徴の作品を生み出しました。父・デヴィット・クローネンバーグ監督の代表作には、「スキャナーズ」「ビデオドローム」「裸のランチ」など、一風変わった作風が挙げられます。

クローネンバーグ親子は変態?

憧れのスターやセレブと同じ物を身につけたい願望は、いつの時代も色あせることがないものの、映画「アンチヴァイラル」でのセレブに対する憧れは、度を超えた変態とも思えてしまうでしょう。このような作風は、クローネンバーグ親子の映画作品に見られ、一部の映画ファンからは、クローネンバーグ親子は変態ではとの感想も寄せられています。

アンチヴァイラルのキャストは?

無表情でミステリアスな雰囲気が魅力のシドを始め、「アンチヴァイラル」では、魅力的なキャストが出演しました。以下では、映画「アンチヴァイラル」のキャストを紹介します。

シド/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ

映画「アンチヴァイラル」の主人公・シドを演じたケイレブ・ランドリー・ジョーンズは、1989年アメリカ・テキサス州出身の俳優・ミュージシャンです。2006年から芸能活動を始め、17歳の時に映画「ノーカントリー」でスクリーンデビューします。2011年に公開された映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」でバンシー役に抜擢され、業界内外から一躍注目を浴びました。

アベントロス/マルコム・マクダウェル

映画「アンチヴァイラル」のハンナの主治医・アベントロスを演じたマルコム・マクダウェルは、イギリス出身の俳優であり、ロンドンでのサラリーマン時代を経て舞台俳優として活動を始めました。自身が主演を務めた1971年に公開された「時計じかけのオレンジ」では、作品のヒットと同時に、世界中に強烈な印象を残した俳優として知られています。

ハンナ/サラ・ガドン

映画「アンチヴァイラル」の人気セレブ・ハンナを演じたサラ・ガドンは、カナダ出身の女優で、10歳の頃から芸能活動を始め、テレビドラマ「ニキータ」でデビューを果たします。主にカナダのテレビドラマに出演する一方で、デヴィット・クローネンバーグ監督の映画「危険なメソッド」(2011年)に、エマ・ユングとして出演しました。

アンチヴァイラルに関する感想や評価

アンチヴァイラルに関する感想や評価を調査・イメージ画像

奇抜なストーリー展開でありながら、清潔さを感じさせる綺麗な映像で密かに人気を集める映画「アンチヴァイラル」に関する感想や評価を紹介します。

感想1:映像が美しい映画

映画「アンチヴァイラル」でも、クローネンバーグ監督作品らしい、過激なストーリー展開が視聴者にインパクトを与えた一方で、映画全体を通じて映像がきれいだったとの感想が多く寄せられています。作中では、食肉をはじめ、一見ぞっとしかねないセレブ関連商品が多数登場しますが、ホラーやカルト映画に比べて生生しさが無いところが、人気を集める要因となったでしょう。

感想2:主演女優の美しさが際立っている

セレブが感染したウイルスを巡る主人公・シドの動向を描いた映画「アンチヴァイラル」では、白を基調にした背景が清潔感がありきれいだったことに加え、出演する俳優陣も揃って美形であったとの感想も寄せられています。特に、ハンナ役のサラ・ガドンの美しさは、映画「アンチヴァイラル」にてひと際輝いていたとの感想も見られます。

感想3:クローネバーグ監督作品の中では比較的まともな作品とも

クローネンバーグ監督の作品と言えば、父・デヴィット・クローネンバーグ監督の代表作と合わせて常識を逸脱した過激な内容の物が多く、映画ファンの間では変態映画とも称されています。しかし、過激な内容が特徴のクローネンバーグ監督作品の中でも、息子・ラングドン監督の「アンチヴァイラル」は、比較的穏やかな作風で、刺激的な映画が苦手な方でも見やすいとの感想も寄せられています。

アンチヴァイラルのあらすじ・結末や感想まとめ

映画「アンチヴァイラル」のネタバレを交えたあらすじや結末ラスト、出演キャスト、作品を手掛けたクローネンバーグ監督や作品に関する感想や評価について紹介しました。奇抜な舞台設定でありながら、映像美が高く評価された「アンチヴァイラル」の世界を楽しんでみませんか。

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