ヴァージン・スーサイズはソフィア・コッポラ初監督作品!あらすじや結末・感想まとめ

映画ヴァージン・スーサイズは近所の少年たちの憧れである美人な5人姉妹に起こる悲劇を、少年たちの目線を通して映していきます。監督はソフィア・コッポラで、このヴァージン・スーサイズが初監督作品となりました。映画のあらすじから結末まで、ネタバレ解説していきます。少女たちに起こる悲劇の裏に何があったのか、そして原作小説も解説していきます。未鑑賞の方はもちろん、鑑賞済みの方も何度でも鑑賞したくなる映画ですのでせひご覧ください。

ヴァージン・スーサイズはソフィア・コッポラ初監督作品!あらすじや結末・感想まとめのイメージ

目次

  1. ヴァージン・スーサイズはソフィア・コッポラ初監督作品
  2. ヴァージン・スーサイズの映画あらすじをネタバレ解説
  3. ヴァージン・スーサイズの映画結末をネタバレ解説
  4. ヴァージン・スーサイズの登場人物・キャスト
  5. ヴァージン・スーサイズは実話映画?原作も紹介
  6. ヴァージン・スーサイズに関する感想や評価は?
  7. ヴァージン・スーサイズの映画ネタバレまとめ

ヴァージン・スーサイズはソフィア・コッポラ初監督作品

ヴァージン・スーサイズの映画作品情報

ヴァージン・スーサイズは1999年に公開されたアメリカ映画です。フランシス・フォード・コッポラの娘、ソフィア・コッポラの監督作品ということで注目されました。原作はアメリカの作家、ジェフリー・ユージェニデスによる『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』です。こちらは後に結末のネタバレ解説していきますので合わせてご覧ください。

思春期の少女たちの危うい心の動きを瑞々しく映し出しており、またそれを少年たちからの目線で描く新鮮な内容の映画となっています。少女たちがどうなるのかも序盤で明かされており、視聴者はなぜそうなったのか、謎を追いながら見ていくことになります。思春期という誰しもが経験する時期に起こる現象や映像の美しさに、年代・時代を問わず魅了される人が多い映画です。

ヴァージン・スーサイズのソフィア・コッポラ監督

ヴァージン・スーサイズのソフィア・コッポラの初監督作品となりました。ソフィア・コッポラの父親は、『ゴッドファーザー』など数々の名作の監督である巨匠、フランシス・フォード・コッポラです。兄弟はロマン・コッポラとジャン=カルロ・コッポラ、祖父は音楽家のカーマイン・コッポラ、また従兄弟には名俳優のニコラス・ケイジ、ジェイソン・シュワルツマンがいます。

そんな著名な一家に生まれた彼女は、監督だけでなく女優としても活動していました。父の監督作品である『ゴッドファーザー』では洗礼を受ける男の子役で赤ちゃんの頃に出演しています。ティム・バートンの『フランケンウィニー』に出演するなど有名な映画に出ている一方、『Part III』ではゴールデンラズベリー賞のワースト助演女優賞とワースト新人賞を受賞してしまうという経歴も持っています。

ヴァージン・スーサイズの予告編動画

ヴァージン・スーサイズは大人になった少年の回想から始まります。少年たちの視点で進行していくため、視聴者も少年側の気持ちになっていきます。そして、起こる悲劇に戸惑い、なぜこんな美しい少女たちが、と悲しく切ない気持ちになるという感想が多くあります。しかしその内容に陰鬱とした気持ちで見終わるというよりも、その儚さと謎の虜になる人も多くいる映画です。

少年側の視線のため、実際の少女たちの気持ちの動きを直接感じることは難しくなっています。ですが、映画を見ていけば理由を予測していけますので、ここから内容を解説していきます。まずは、あらすじネタバレを見る前に予告動画もご覧ください。予告を見ていただけるとより、少女たちの美しさ、儚さがお分かりいただけてあらすじに入り込めます。

ヴァージン・スーサイズの映画あらすじをネタバレ解説

ヴァージン・スーサイズのあらすじネタバレ:自殺未遂

「最初はセシリアだった」、そんな大人になった少年の回想から始まります。美しさ、可愛らしさ、そしてどこか不思議な雰囲気を醸し出すリズボン家の5人姉妹は、少年たちの憧れの存在でした。そんな5人姉妹に全てのきっかけとなる事件が起こります。末っ子のセシリアが聖母マリアの写真を抱きながらお風呂場で腕を切り、自殺を図ったのです。すぐに発見したことで、セシリアは一命を取り留めました。

医者はなぜ自殺を図ったのか問います。その問いに、セシリアは「あなたは13歳の少女じゃない」と答えます。セシリアの自殺未遂の原因をみんなで探り、精神科医にも見せます。精神科医は、母親であるリズボン夫人の厳しさからではないか、その厳しさから逃げ出したくて切ったのではないかと推測します。実際リズボン夫人は姉妹にとても厳しく、男性との交流も認めず抑圧した生活を送らせていたのです。

ヴァージン・スーサイズのあらすじネタバレ:少年達

精神科医はリズボン夫人にもっと人との交流、少年たちとも交流を持たせるべきだと諭します。その助言に従って夫妻はピーターという少年を招きます。ピーターは、姉妹の中でも一際美しいラックスに一目ぼれします。ラックスも今まで関わってこなかった男性に対して新しい感情を持ち始めます。この交流から、少女たちの生活が変わっていきました。

ピーターを呼んだことで娘たちがいい方向に変わったと感じた夫妻は、娘たちのために今度はパーティーを開きます。姉妹を見ているだけだった少年たちもパーティーに招かれました。憧れの存在だった彼女たちとの交流に、少年たちも楽しく過ごします。そんな中、またしても悲劇が起こりました。セシリアが2階から飛び降りたのです。外の柵に刺さったセシリアはそのまま亡くなってしまいます。

ヴァージン・スーサイズのあらすじネタバレ:少女たちの生活を覗き見る

セシリアの悲劇から、リズボン夫人はふさぎ込んでしまい、父親もうわの空で日々が過ぎ着ていきます。一方、少年たちにはあのパーティーの日から変化が起こっていました。見ているだけだった姉妹たちの生活を、より深く知りたくなったのです。少年たちはセシリアの日記を見つけました。そしてセシリアの自殺の原因を探ります。日記には、姉妹の生活が書かれていました。姉妹の生活を覗き見る日々が始まります。

姉妹がすでに”女”として愛や死を理解している中で、自分達はただの子供だった、と回想の声が入ります。思春期を迎えた姉妹は、少年たちよりもずっと大人でした。新学期が始まります。セシリアの自殺の報道が繰り返され、周囲は心配しますが、姉妹は何事もなかったかのように生活を送ります。内面では何かしらかの感情が動いているように思われますが実際の考えや感情は少年たちには分かりません。

ヴァージン・スーサイズのあらすじネタバレ:ラックスの変化

少年たちは姉妹との直接の交流を図ります。心配する少年たちに、姉妹は元気だと返します。その頃、ラックスにはある変化が訪れていました。ピーターと交流以降、男性と接することの増えたラックスは多くの男子生徒と関わり始めます。その中に、女子生徒から絶大な人気を誇るトリップという少年がいました。トリップはラックスに夢中になり、熱烈なアプローチを始めます。

アプローチの甲斐もあり、トリップはラックスをダンスパーティーに連れていくことに成功します。他の姉妹も着いていくことになりました。姉妹は今まで経験することのなかったダンスパーティーを心から楽しみます。節度を守って楽しむ姉妹たちの一方、ラックスは抑圧からの反動が来ていました。トリップの影響でお酒や煙草に手を出していました。そして、とうとう朝帰りをします。

ヴァージン・スーサイズのあらすじネタバレ:悪化した抑圧

ラックスの朝帰りをリズボン夫人は許しませんでした。緩まりつつあった抑圧でしたが、ここから夫人の異常な監視が始まります。姉妹は外出禁止になってしまいました。学校にも通わせず、家中のカギを閉めます。リズボン夫人はラックスのレコードも燃やさせます。ロックな音楽は相応しくなく悪影響を与えると考えたのです。泣きながら燃やすラックスや他の姉妹はここから静かに壊れていくのでした。

ラックスは、抑圧の目をかいくぐって屋根の上で煙草を吸い、男子生徒と関係を持つ日々を送ります。姉妹たちとまたしても直接交流が出来なくなった少年たちは、望遠鏡で家を覗くことしかできません。少年たちはラックスの心の中を知ることはできませんでした。

ヴァージン・スーサイズの映画結末をネタバレ解説

ヴァージン・スーサイズの結末解説:SOS

一方、2週間も姉妹を学校に来させないリズボン夫妻に疑問の声が出てきます。不信感を持ち始める周囲に対し、父親は我関せずといった態度で接します。リズボン夫人も自分の行動の異常性は分からず罪の意識もないため抑圧の手を緩めることはありませんでした。外出禁止な姉妹の唯一の外との繋がりが持てるのはカタログでした。

少年たちは同じカタログを注文し、姉妹の行動と同化することで心の内を知ろうとします。そしていつしか、姉妹はカタログを使ってSOSを発信しているのではないかと思い始めます。受動的だった少年たちは、自ら動いて姉妹を助けようと決心するのでした。

ヴァージン・スーサイズの結末解説:手紙

そんな決意をした少年たちの元に、姉妹から助けを求める手紙が来ます。少年たちはバレないように姉妹に電話をかけます。そして、電話越しにレコードを聴かせるなど、外との繋がりを増やせるようにしていきます。姉妹もその少年たちの行動で安らぎを感じたように思えました。そんな中、再度姉妹からの手紙が届きます。ある合図を出すからそしたら家に来て欲しいというものでした。

姉妹を救いたい少年たちは合図を待ちます。その夜、リズボン家のライトが点滅しているのに気が付きました。少年たちはリズボン家に向かいます。すると家の前にラックスがいました。ラックスは車で出かけよう、といいます。姉たちを待っててほしい、と伝えラックスは1人で先に車に乗り込みます。姉妹と逃避行ができると思った少年たちは家に入り待とうとします。

ヴァージン・スーサイズの結末解説:少女たちの遺体

家に入った少年たちの前に飛び込んできたのは、3人の姉の遺体でした。すぐに警察が呼ばれます。車に乗っていたラックスも死んでいました。姉妹たちは、それぞれの方法で自殺していたのです。理由を問われるリズボン夫人、娘は愛に飢えていたわけではない、自分は十分に愛していたと語ります。その後、夫妻も去り家は競売にかけられました。

少年たちだけが残され、彼らも姉妹を忘れようとします。そしてまた大人になった少年は語ります。自分たちは姉妹を愛していた、しかしその声を届けることができなかった、と悔やみます。少年は大人になり、少女たちの心の中を知ることはもうできません。初めははっきり覚えていたのに、だんだん思いだせなくなった、という言葉で物語は物語は締めくくられます。

ヴァージン・スーサイズの登場人物・キャスト

ラックス・リズボン/キルスティン・ダンスト

ラックス・リズボンはリズボン家4番目の娘です。母親であるリズボン夫人の厳しさに嫌気がさし、反発心もある少女です。トリップと出会ったとこで今までの抑圧の反動が起き、トリップと別れてから不特定多数の男性と付き合い、お酒や煙草に手を染めます。

演じるのは『スパイダーマン』シリーズでも知られるキルスティン・ダンストです。子役の頃から活躍しており、1994年の『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』ではボストン映画批評家協会賞助演女優賞などを受賞、ゴールデングローブ賞では助演女優賞にノミネートされました。その後も活躍を続け、2011年の第64回カンヌ国際映画祭では女優賞を受賞しています。

セシリア・リズボン/ハンナ・ホール

リズボン家の末っ子のセシリア・リズボンは姉妹の悲劇のきっかけを作ります。思春期になったばかりで夢想家でもあったセシリアは自殺未遂を図り、一度は助かるもすぐに自殺してしまいます。演じるのはハンナ・ホールです。1994年公開、『フォレスト・ガンプ/一期一会』の少女の頃のジェニー役で映画デビューで果たしました。2007年のリメイク版『ハロウィン』などにも出演しています。

リズボン夫人/キャスリーン・ターナー

少女たちに厳しくし、抑圧していた母親のリズボン夫人は、自身の行為を悪いとは思っていません。娘を愛しすぎた故、悲劇を生んでしまいます。演じたキャスリーン・ターナーは『白いドレスの女』で映画デビュー後、様々な映画で活躍し2年連続でゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ部門主演女優賞を受賞しています。

トリップ・フォンティーン/ジョシュ・ハートネット

トリップ・フォンティーンは少女たちと同じ学校に通う少年です。学校の女の子たちの憧れの的であるトリップですが、ラックスに夢中になります。しかし、付き合ったのは一瞬ですぐに去っていきました。大人になってからは精神科に通っています。ジョシュ・ハートネットが演じており、コマーシャルやテレビの活動後、『ハロウィンH20』で映画デビューを果たします。

ヴァージン・スーサイズは実話映画?原作も紹介

ヴァージン・スーサイズは実話だった?

ヴァージン・スーサイズは実話と言われています。映画ヴァージン・スーサイズは悲しい物語ながらも思春期の謎めいた少女たちを美しく、儚く描いています。少年たちの目線ではあるものの、どこか幻想的な内容に仕上がっています。しかし、5人姉妹が自殺してしまうというのは現実として本当に酷く悲しい結末です。原作では、死へと向かう姉妹を取り巻く環境を現実的に語ることで描いています。

ヴァージン・スーサイズの原作

原作の『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』は映画と基本的なあらすじは変わりません。ですが少年たちの男性的な視線から書かれており、現実的に死を描いています。題名にあるヘビトンボは、6月に出てくる虫です。映画の印象から考えると蝶の様な美しさと儚さのイメージを持ちますが、実際は虫らしい虫です。また、その命は24時間と蝉よりも短く、思春期という短い期間に起こった少女たちの自殺を比喩的に表しています。

ラストにかけての描写も原作はより生々しいものでした。リズボン夫人からの外出禁止は、姉妹たちだけでなく一家そろって外との関わりを断ちました。父親は仕事をやめ引きこもり、リズボン夫人も家事を一切しなくなります。食事もままならなくなり、家は荒廃し得体のしれない臭いが漂います。美しさではなく、現実的に死へと向かっていく状況を映し出しています。少女たちの死を幻想的ではなく退廃的に表す内容となります。

ヴァージン・スーサイズに関する感想や評価は?

ヴァージン・スーサイズの感想:何度でも見たくなる

ヴァージン・スーサイズは虜になり、何度でも見ている人が多い作品です。特に思春期不安定さを経験したことのある女性に人気の作品です。見る時期によっても解釈が変わる、何度でも楽しめる作品です。

ヴァージン・スーサイズの感想:難しさもある

また、内容が難しいという感想もあります。雰囲気や映像に惹かれながらも、視点はあくまでもそれを見る少年たち側で描かれます。思春期の女の子の気持ちは分かっても、実際のこの姉妹たちの感情は分かりません。自殺の理由も詳しく解説されているわけではありません。特にセシリアは序盤で自殺し解説もないため他の姉妹以上にその気持ちが計り知れず難しさを感じる声もあります。

ヴァージン・スーサイズの映画ネタバレまとめ

ヴァージン・スーサイズのあらすじネタバレ、結末の解説をしましたがいかがでしたでしょうか。少女たちの自殺の原因ははっきりと語られることはなく、さまざまな解釈がされています。見る方の性別、年齢によっても解釈が変わっていく作品です。映画の内容ももちろん良く、また名監督の娘であるソフィア・コッポラの初監督作品としても一見の価値がある作品ですのでぜひご覧ください。

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