柔らかい殻のネタバレ結末と感想!吸血鬼伝説をベースにした映画のあらすじは?

吸血鬼伝説をベースに、主人公の少年の性と罪の目覚めを描いたカルト映画「柔らかい殻」は、1950年代のアメリカを舞台に、空想と現実が入り混じった主人公の視点で、物語が進行します。日本では、知名度の低さからDVDの入手が困難で、知る人ぞ知る名作とも言われています。本文では、映画「柔らかい殻」の気になるあらすじや結末のネタバレ、本作品に関する考察や感想・評価、監督について紹介します。

柔らかい殻のネタバレ結末と感想!吸血鬼伝説をベースにした映画のあらすじは?のイメージ

目次

  1. 柔らかい殻とは?
  2. 柔らかい殻のあらすじネタバレ
  3. 柔らかい殻の結末ネタバレ
  4. 柔らかい殻の考察
  5. 柔らかい殻の監督は?
  6. 柔らかい殻に関する感想や評価は?
  7. 柔らかい殻のあらすじ・結末ネタバレと感想まとめ

柔らかい殻とは?

映画「柔らかい殻」は、アメリカの田舎を舞台に、主人公である1人の少年の性と罪の目覚めや、狂気に狂う大人たちの残酷な現実を写実的に描いたカルト作品です。以下では、映画「柔らかい殻」のネタバレを交えたあらすじや結末ラスト、作品の考察、監督フィリップ・リドリー、気になる感想や評価について紹介します。

柔らかい殻の作品情報

映画「柔らかい殻」の作品情報の紹介・イメージ画像

映画「柔らかい殻」は、1990年に公開されたイギリス映画で、主人公である8歳の少年の性と罪の目覚めを幻想的に描いたカルト作品です。本作品は、イギリス映画でありながら、1950年代のアメリカのある田舎を舞台に据え、カナダで撮影が行われた異色の映画とも呼ばれています。

柔らかい殻の配信サイト

奥の深いカルト映画でありながら、日本では知名度の低さから、DVDの入手が困難な状況となっています。しかし、映像配信サイト「U-NEXT」にて、映画「柔らかい殻」が配信されており、配信サイトを利用してみ視聴してみませんか。

柔らかい殻のあらすじネタバレ

映画「柔らかい殻」のあらすじネタバレ紹介・イメージ画像

映画「柔らかい殻」では、子どもたちの間で吸血鬼と恐れられる未亡人との関わりから始まった少年の妄想を軸にストーリー展開がなされます。以下では、映画「柔らかい殻」のあらすじネタバレを紹介します。

あらすじネタバレ:田舎の少年・セス

1950年代のアメリカのある田舎に住む8歳の少年・セスは、友達のイーブンとキムと共に大きなカエルを捕まえます。遠くから1人の女性が歩いてくる姿が見えた3人は、カエルのお腹を空気で満たすと、道端にカエルを置きました。しばらくすると、町に住む女性・ドルフィンが通りかかり、カエルの異様な姿に怪訝そうな顔をみせます。

あらすじネタバレ:未亡人に嫌がらせ

ドルフィンとは、近くに住む未亡人であり、いつも黒い服装にショール、サングラスの出で立ちから、子どもたちの間では不気味な存在でした。近くの稲穂に隠れながら、ドルフィンの様子を見ていたセス達は、ドルフィンの前に置かれたカエルにパチンコ玉を当てて、カエルを破裂させます。近くにいたドルフィンにカエルの血がついてしまい、3人はドルフィンの哀れな姿に笑いながら、その場から立ち去ります。

あらすじネタバレ:吸血鬼の話

ドルフィンへの嫌がらせを行なったセスは、ガソリンスタンドを営む自宅へ帰ってきました。セスの父親は、吸血鬼の本を読んでおり、セスは興味を示します。すると、そこへ4人組の男がガソリンの供給に訪れ、父親に頼まれたセスがガソリンを入れると、男はまた会う約束をして去っていきました。

あらすじネタバレ:未亡人・ドルフィン

セスによるカエルの嫌がらせは、町に出ていた彼の母親の耳に入ってしまい、母親はセスを怒りながら、ドルフィンに謝りに行くように指示します。ドルフィンの自宅を訪れたセスは、彼女の自宅に招かれ、椅子に座るように言われます。そして、ドルフィンは、セスの嫌がらせについて、カエルの事を怒っているのではなく、服についた汚れが気になったと話しました。

ドルフィンの家には、漁で使う槍や男性の写真が飾られていました。写真の男性は、ドルフィンの夫であり、結婚生活1週間で夫は小屋で自殺を図ったと話しました。そして、ドルフィンは、セスを怖がらせる目的で太陽が怖いことや年齢が200歳であることを説明し、悲しみで老いた姿になったことを語ります。亡き夫の歯や髪の毛、くしなどを小箱に保管して、亡き夫の香りがする香水を嗅いでは、哀愁に浸る日々を送っていることも話しました。

あらすじネタバレ:セスの誤解

父親が読んでいた吸血鬼に関する本や、昼間のドルフィンの説明から、セスはドルフィンの正体が吸血鬼ではないかと思い込みます。そして、セスは、吸血鬼が苦手とされる十字架を作るなど、対策を練り始め、就寝の時間を迎えてしまいます。しかし、就寝時間にも関わらず、ろうそくに火を灯し続けながら何かに没頭する彼に、母親は厳しく叱りつけます。

突然、セス父とイーブンの父が帰ってきて、イーブンが居ないことを話します。親たちはイーブンの行方不明を保安官に連絡しようか迷う中、セスとキムは、吸血鬼のドルフィンがイーブンをさらったと信じ込み、ドルフィンの自宅に侵入する計画を立てます。

あらすじネタバレ:再びドルフィンの家へ

ドルフィンの自宅に侵入したセスとキムは、部屋にある貝殻や本、カーテンなどを破壊して笑いながら、棺桶を探していました。すると、一階からドルフィンが帰ってきた様子が聞こえてきました。一階で様子を伺う2人の光景には、椅子に座りながら、自分の体を触り声を上げるドルフィンの姿を目撃します。その場から抜け出そうとした2人は、運悪くドルフィンに見つかってしまいます。

あらすじネタバレ:イーブンの死

ドルフィンに見つかった2人は、大声を上げながら家を脱出します。すると、道端で鶏を持ちながら奇声を発する奇妙な女性2人とセスはすれ違います。自宅に戻ったセスは、本を読んでいる父親に井戸水を汲んであげようした矢先、井戸の中で変わり果てた姿のイーブンを発見します。自宅に訪れた警察は、小児性愛を疑わせるセスの父親を尋問に掛けました。

あらすじネタバレ:父親の死

警察による尋問中も泣き続けていたセスの父親に対して、母親は情けないと怒りをぶつけます。そして、セスの父親は、自らの体にガソリンをかけると、そのまま火をつけてガソリンスタンドを巻き込んだ焼身自殺を図りました。しかし、この光景を見た母親は、嘆くどころが、意気地なしと最期まで彼を罵り続けていました。

あらすじネタバレ:兄の帰還

道に出ていたセスは、兄・キャメロンと再会します。帰還したキャメロンは、ずっとここに居てセスの面倒を見ることを約束します。そして、父親の墓参りに訪れたキャメロンは、セスに父親は養蜂家に成りたがっていたことを明かします。そこへ、保安官が表れ、セスと2人で話したいと言い放ちました。

保安官はセスに対して父親に関する秘密を問うと、セスの父親は大事な秘密を墓に持っていたことを悟り、彼をキャメロンの元へ帰しました。すると、同じく墓参りに来ていたドルフィンの姿が見え、キャメロンは、ドルフィンに夢中になってしまいます。異変を感じたセスが止めに入ると、2人の邪魔をするセスに対して、キャメロンは怒りを顕わにします。

あらすじネタバレ:納屋の赤ん坊

キャメロンとドルフィンの仲を察したセスは、危機感を覚えていました。そこで、セスはキムと共に納屋に侵入すると、異臭が漂ってきました。そして、大きな卵を発見し、中から赤ちゃんの形をした何かが出てきました。セスは、それらを天使だと考え、イーブンの生まれ変わりだと思い込み、自宅へ持ち帰ろうとします。しかし、キムとの口論の末、それらはセスが持ち帰ることとなりました。

自宅に戻ってきたキャメロンは、セスに先ほどの出来事について謝ると同時に、財布からある写真を取り出しました。その写真には、大人の女性と銀色をした日本人の赤ちゃんが映し出されていました。写真の人物について執拗に聞いてくるセスに困り果てたキャメロンは、別な写真を彼に与えました。その後、眠りから覚めたセスは、キャメロンがドルフィンの元へ行く声を聞きつけます。

柔らかい殻の結末ネタバレ

主人公・セスの周辺で起こる不可解な殺人事件や、兄・キャメロンの病弱、そして吸血鬼と恐れられた未亡人・ドルフィンの正体や、セスを襲う残酷な現実までを描いた映画「柔らかい殻」の結末ネタバレを紹介します。

結末ネタバレ:キャメロンとドルフィン

キャメロンの危険を察したセスは、ドルフィンの自宅裏口から侵入し、2人の様子を伺っていました。キャメロンは、戦争に行っていた時の話に、太平洋の島国で見た世界最大の爆撃についてドルフィンに語りました。そして、キャメロンはドルフィンにキスをし始めます。その後の2人の動向に驚きを隠せないセスは、その場から逃げ去ります。

そして、外に出たセスは、道の途中でキムの姿をみかけます。道の先では、4人組の男を乗せた黒い車がキムの前で止まり、彼を無理やり車に引き入れていました。しかし、セスは黙ってその光景を見ていました。

結末ネタバレ:衰弱する兄

衰弱するキャメロンの容態・イメージ画像

自宅で目を覚ましたセスは、洗面所にあったキャメロンのくしに目が留まります。彼のくしには、抜け毛がたくさんからみついており、キャメロンの異変にセスは不安を覚えます。そしてセスは、吸血鬼・ドルフィンによってキャメロンの老化が始まったのではと、危機感を覚えます。

その頃、酔っ払ったイーブンの父親が突然表れ、セスの自宅の窓ガラスを割り始める事件が発生します。イーブンの父は皆いなくなったと動揺し、セスの母親に突っかかってきました。そして、イーブンの父は、セスがドルフィンからもらった槍を手にして、止めに入ったキャメロンに襲いかかりました。しかし、キャメロンの反撃を受けたイーブンの父は気絶して倒れ込んでしまいます。

結末ネタバレ:キムの死

イーブンの父を大人しくさせることに成功したキャメロンは、手に傷を負ってしまい、セスが治療を行ないました。すると、キャメロンを心配するドルフィンの姿が見え、2人の仲睦まじい様子にセスは気分を害します。そして、道に出たセスは、気を狂わせてたキムの母親と遭遇します。セスの姿を見たキムの母親は、セスに当たりながら、息子が小屋で遺体となって発見されたことを聞かされます。

小屋にキムと一緒にいたセスは、保安官の問いに対して、本当に何も知らないと一点張りを通します。その一方で、キャメロンの体にも異変が生じ、歯茎から血が出て、髪の毛も抜ける中、体重も減り続けていました。キャメロンの様態を見たセスは、彼にドルフィンの正体が吸血鬼であり、キャメロンの血を吸ったドルフィンが若返って見えたことを話しますが、キャメロンは取り合おうとしませんでした。

結末ネタバレ:ドルフィンの言葉

ドルフィンの言葉・イメージ画像

ドルフィンの正体が吸血鬼だと言われたキャメロンは、セスの前でドルフィンと2人で町に行くと宣言しました。一方、セスは、道端で町に向かう車を待つドルフィンの姿を発見しました。ドルフィンは白い服を身につけており、訪れたセスに対して「キャメロンを愛している」と言います。同時に、人間は生きていれば必ず老いるけれど、愛されていれば若さを保てることを語ります。

キャメロンとの恋がドルフィンの姿を若返らせることに繋がったことを理解できなかったセスにとって、ドルフィンの若返りやキャメロンの不調は、吸血鬼の仕業だと思い込んでいました。そして、セスとドルフィンの前に、4人組の男が乗った黒い車が止まりました。町へ向かうことを知ったドルフィンは、彼らの正体を知らないまま車に乗り込み、セスは何も言わずに彼女を見送りました。

結末ネタバレ:セスの叫び

友達2人を失ったセス、夫が死んだ母親、太平洋の島国に落とされた爆弾の後遺症に侵されるキャメロンは、自宅近くに保安官がいることに気が付きます。異変を察したキャメロンが保安官の元へ向かうと、そこには殺害されたドルフィンの姿がありました。キャメロンは、死んだ彼女にすがりつくと声を上げて泣き叫びます。

町で起こった一連の殺人事件に、恋人を失ったキャメロンの哀れな姿を見たセスは、稲穂の中に走り去っていきます。そして、夕日が沈んでいくと同時に、セスは大声を上げて叫びます。

柔らかい殻の考察

映画「柔らかい殻」の考察・イメージ画像

吸血鬼伝説をベースに少年の成長を描いた映画「柔らかい殻」には、大人に成長する家庭で誰もが経験する恐ろしい現実を主人公・セスの動向を用いて巧みに表現しました。以下では、映画「柔らかい殻」で描かれた説明の無い連続殺人ストーリーや兄・キャメロンの病弱について考察します。

恐ろしいけど誰もが経験すること?

誰もが経験する恐ろしい出来事・イメージ画像

映画「柔らかい殻」は、一見すると何気ないストーリー展開にも思えますが、細部まで目を凝らしてみると、愛する人が死ぬことや、愛する者と生きる喜び、それを失う悲しみといった事象を通じて、少年・セスの心の成長を追った作品にも捉えることが出来ます。結末ラストで描かれたセスの叫びは、誰もが経験し、初めて知る死と性の事物の恐ろしさとその先で待つ成長を表現しているでしょう。

説明なしの連続殺人ストーリー

作中の連続殺人・イメージ画像

映画「柔らかい殻」では、連続殺人事件が描かれる一方で、作中では主人公・セスの視点を軸にストーリー展開がなされ、犯人探しの要素が一切登場せず、彼らが犯行に及んだ動機すら明かされていません。また、映画「柔らかい殻」では、主人公・セスを始めとする子供達が学校に通う描写がなく、街の教会すら朽ち果てているなど、子どもに対する教育が行なわれていないことを示唆させます。

キャメロンは何故衰弱したのか?

キャメロンのイメージ画像

セスが吸血鬼・ドルフィンの仕業だと思われていたキャメロンの衰弱の原因は、映画「柔らかい殻」でセスに見せた赤ちゃんの写真やドルフィンの会話から、原爆投下後の日本へ降りたち、そこで原爆症にかかってしまったことが推測されます。作中で描かれたキャメロンの様態は、原爆症の症状と一致していることも指摘されます。

柔らかい殻の監督は?

柔らかい殻の監督紹介・イメージ画像

映画「柔らかい殻」は、画家・小説家としても活動するフィリップ・リドリーが初監督を務めた作品です。以下では、映画「柔らかい殻」の監督フィリップ・リドリーについて紹介します。

フィリップ・リドリー監督

映画「柔らかい殻」の監督フィリップ・リドリーは、本作品で長編映画の監督デビューを果たしました。主な監督作品に「聖なる狂気」(1995年)「ハートレス」(2009年)があります。ここまで、あらすじや結末を紹介した映画「柔らかい殻」は、日本では、知名度の低さからDVDの入手も困難となっていますが、作品の神髄を知ることで本当の恐ろしさを観る者に感じさせるカルト作品です。

柔らかい殻に関する感想や評価は?

映画「柔らかい殻」に関する感想や評価を紹介・イメージ画像

知名度の低さから日本でもDVD入手は困難と言われているカルト映画「柔らかい殻」の気になる感想や評価について紹介します。

感想1:知る人ぞ知る名作映画

映画「柔らかい殻」では、主人公・セスの視点でストーリーが繰り広げられ、彼の目に映る大人たちは狂気に満ちたものでした。一見、狂った大人たちを子供の目線で追ったカルト映画のように思われる一方、細部まで目を凝らしてみることで、映画「柔らかい殻」は、子どもが大人に成長することで知る残酷な現実を表現した知られざる名作映画であると、一部の映画ファンの間ではこのような感想も寄せられています。

感想2:大人になることは自身が背負う罪を自覚すること

大人に成長する過程・イメージ画像

映画「柔らかい殻」のラストシーンにて描かれた主人公・セスの叫びは、あまりにも痛ましい光景であり、人間は何かしらの罪を背負って生きていることを改めて知らされたとの感想が多く見られます。現実世界でも、誰もが賞賛する立派な人々も、人知れずに何かしらの罪を抱えながら生きていることを表現した映画でしょう。


一切汚れのない人間なんて存在しないように、大人になることって、やはり何かしらの罪を背負って汚れていくことなのかもしれません。

感想3:無知ゆえに思い知られる残酷な現実

成長して自覚する自身の罪・イメージ画像

子供は、大人の複雑な現実世界を知らず、空想が入り混じった現実世界で知らずに罪を犯してしまうことがあります。無知ゆえに犯した罪は、やがて自我の目覚めと同時に現実世界へ突きつけられてきます。映画「柔らかい殻」のセスが犯した罪は、子どもゆえに許される行為であった一方、自我に目覚めたセスに過酷な現実という重い罪として襲いかかりました。

彼の世界は本当の現実からちょっとずつズレていく。しかしいつかは彼も大人にならなければならない。そのきっかけがとても残酷でキツかった。

柔らかい殻のあらすじ・結末ネタバレと感想まとめ

ここまで、映画「柔らかい殻」のあらすじや結末ラスト、作品の考察や監督、気になる感想や評価について紹介しました。日本では知名度の低いカルト作品ですが、知る人ぞ知る映画の世界を体感してみませんか。

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