殯の森(もがりのもり)のネタバレあらすじと結末!映画の感想・評価も【カンヌ】

映画殯の森は日本の映画監督川瀬直美が手掛けた映画作品です。映画殯の森は監督を務めた川瀬直美が暮らしている奈良を舞台に、最愛の家族を失ったしげきと真千子の喪が明けるまでの姿を通して人間の生と死を描いた作品となっています。そんな映画殯の森はカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞するほどの評価を集め、様々な感想が寄せられることになりました。本記事ではカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した映画殯の森について物語のあらすじのネタバレや映画に関する感想のネタバレをご紹介していきます。

殯の森(もがりのもり)のネタバレあらすじと結末!映画の感想・評価も【カンヌ】のイメージ

目次

  1. 殯の森の映画とは?
  2. 殯の森の映画あらすじをネタバレ
  3. 殯の森の映画結末をネタバレ
  4. 殯の森の登場人物・キャスト
  5. 殯の森に関する感想や評価は?
  6. 殯の森の映画ネタバレまとめ

殯の森の映画とは?

殯の森の映画作品情報

映画殯の森は2007年の5月29日に日本で公開された映画作品です。殯の森は「萌の朱雀」でカンヌ国際映画祭カメラ・ドール賞を受賞した川瀬直美が監督を務めたことから公開前から話題を集めた作品となっており、多くの人気を博しました。そして殯の森はフランスで公式上映が行われ、第60回カンヌ国際映画祭において最高賞に次ぐ審査員特別大賞「グランプリ」を受賞することになり、非常に高い評価を集めることになりました。

そんな映画殯の森は監督を務めた川瀬直美が暮らしている奈良を舞台に、最愛の妻を失ったしげきという老人と家族を失った真千子という看護師のふれあいを通して人間の生と死を描いていくといったあらすじの物語となっています。この「殯(もがり)」という漢字は日本でかつて行われていた葬儀方法の名前であり、映画殯の森を観る際はこの「殯(もがり)」という意味をしっかりと理解する必要があります。

少し内容が難しい映画殯の森は実は監督の川瀬直美が実際に体験した物語を題材にしており、川瀬直美が認知症を患って介護を受けている自らの母の姿を描いた作品となっています。そして主人公のしげきも川瀬直美がかつてお世話になった老人を起用しており、俳優を使用しないことでより日常のリアルさや即興的演出に満ちた作品となっており、俳優を使用しないことで川瀬直美の心情を見事に表現した映画作品となっています。

本記事ではそんなカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した映画殯の森について、物語の結末までのあらすじのネタバレや映画殯の森に関する感想のネタバレをまとめました。また記事の後半では映画殯の森の登場人物や出演したキャストについてのネタバレもご紹介していきます。映画殯の森を観る際、ご参考にして頂ける記事となっていますので、是非最後まで本記事をご覧ください。

殯の森はカンヌ国際映画祭でグランプリ受賞

生と死について描かれたあらすじの映画殯の森はフランスで行われる世界的映画祭の第60回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルムドール賞に次ぐ審査員特別賞「グランプリ」を受賞しました。第60回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でノミネートされた中で唯一の日本映画となっており、川瀬直美は日本人として17年ぶりにカンヌ国際映画祭審査員特別賞「グランプリ」を受賞することになりました。

また映画祭の公式上映で殯の森は5分間のスタンディングオベーションがあったと記録されており、全世界の映画界で認められることになりました。これについて審査の際にすごいバトルがあったと日本で報道されました。そして第60回カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得したことにより、アメリカのニューヨークタイムズでは「大きな驚き」という感想が述べられました。

しかしカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した作品という理由だけで映画殯の森を観た方達からは物語が難しいといった感想が寄せられることになり、一般人には理解に苦しむ映画となっています。なので映画殯の森を観る際は、映画の予備知識として本記事をご覧になることをおすすめします。

殯の森の河瀬直美監督

映画殯の森で監督を務めたのは日本の映画監督である川瀬直美です。川瀬直美は1969年に奈良で生まれ、大学卒業時に制作した映画作品が数々の賞を受賞したことによって注目を集めることになりました。そして1997年に制作した映画「萌の朱雀」がカンヌ国際映画祭の新人監督賞であるカメラドール賞を史上最年少で受賞することになり、世界中の映画界で頭角を現すことになりました。

そしてカメラドール賞を史上最年少で受賞したことにより、映画殯の森が多数の注目を集めることになります。川瀬直美は映画殯の森に関する記者会見で「カンヌが私を待っていてくれる。この作品にとても自信がある」と発言し、この発言から川瀬直美はカンヌ国際映画祭で賞を受賞することを目標にして映画を制作したことがうかがえます。

そして映画殯の森が公開され、見事カンヌ国際映画祭グランプリを受賞します。カンヌ国際映画祭グランプリを受賞したことに川瀬直美は「日本人が誇りにしたい想いを込めた。カンヌ映画祭で評価されたことで日本が大切しなければならないことを発信できた」と感想を述べました。川瀬直美は今現在2020年東京オリンピック記録映画の監督に就任し、2021年の公開に多くの注目が集まっています。

殯の森の映画あらすじをネタバレ

あらすじネタバレ:老人ホーム

ある日山間部にある田畑が広がっている場所の真ん中で葬列が通り過ぎました。奈良の山奥には認知症を患っている人々が暮らすグループホームがありました。このグループホームは「ほととぎす」という名前であり、民家を改装した温かい雰囲気が満ちる施設です。映画殯の森において主人公の一人であるしげきという老人も軽い認知症を患っており、この「ほととぎす」という老人ホームに入居していました。

ある日しげきがいる老人ホームに新人の介護士として、物語のあらすじでもう一人の主人公となる真千子が配属されてきます。真千子は先輩たちに優しく出迎えられるものの、最愛の息子を事故で失ったことで常に暗い表情をしていました。その後老人ホームでは僧侶の説法が行われることになり、しげきは僧侶から人間の「生きる」という意味を学びます。

実はしげきは真子という最愛の妻を亡くしており、その日は真子の三十三回忌を迎えていました。しかししげきの心の中で真子は生き続けており、僧侶の三十三回忌を迎えると亡くなった人間は仏の道に入ってこの世には戻ることがないという発言にしげきはショックを受けてしまいます。

あらすじネタバレ:三十三回忌

老人ホーム「ほととぎす」に新しく新任介護士としてやってきた真千子はしげきが入居している部屋をかたずけていました。その中で真千子は自分の近くに置いてあるリュックを触ってしまいます。するとリュックを触ったことに気付いたしげきは真千子を突き飛ばしてしまいます。実はこのしげきが持つリュックには亡き妻真子の思い出の品が入っており、しげきにとって何よりも大事な物だったのです。

真千子はしげきに突き飛ばされたことで手首を痛めてしまい、手当を受けに病院を訪れます。その帰り道で真千子の付き添いをしていた和歌子は誰も悪くないと言いながら真千子を励まします。この和歌子の言葉に気持ちが励まされた真千子は和歌子を信用し、和歌子に従うようになります。その日の翌日真千子が老人ホームに出勤すると木に登っているしげきを発見します。

真千子に気付いたしげきは木から降り、逃げ出します。それを見た真千子はしげきを追いかけ、和歌子はしげきと真千子を自由にします。二人は追いかけっこのように茶畑を走り回り、自然と二人の表情は笑顔になっていきました。そして真千子としげきはこの追いかけっこがきっかけとなり、心を通じ合うことになっていくのでした。

あらすじネタバレ:迎える森

ある日墓参りをするためにしげきと真千子は森へ足を運びました。その途中で二人が乗る車が脱輪してしまい、動けなくなってしまいます。そこで真千子は助けを呼ぶためにしげきを車に残し、車から離れます。すると真知子が車に戻るとしげきは消えてしまいます。慌てた真千子は急いでしげきを捜索します。真千子はスイカ畑でしげきを発見し、しげきは真千子に盗んだスイカを食べさせます。すると二人は自然と笑顔になりました。

その後しげき達は森の奥深くまで足を運び、何もない場所に到着します。するとしげきは蝶の導きの元、さらに森の奥に進んでしまいます。一方老人ホームでは二人の安否を心配しており、真千子に電話します。しかし電波が悪い場所にいてることから通話することができませんでした。真千子は森の奥深くで不安に駆られてしまうのですが、しげきの歩みは止まることを知りませんでした。

すると天候が急変し、雷が鳴り始めます。森が少しづつ不穏な空気に包まれていき、真千子はしげきのリュックを持とうとします。しかししげきは意地でもリュックを真千子に渡そうとはしませんでした。

殯の森の映画結末をネタバレ

結末ネタバレ:焚き火

天気が急変したことで強い雨が降り始め、小川の水が溢れだします。しげきは溢れる小川を渡ろうとし、真千子は必死でしげきの歩みを止めようとします。するとしげきは泣き叫ぶ真千子に何かを感じ、泣き叫ぶ真千子を慰めます。その後、日が沈んだことであたりは暗くなり、しげきと真千子は焚火を囲います。大雨でずぶ濡れになったしげきはその寒さから眠りかけてしまいます。

しげきの体は真千子が体を摩っても震えが止まらないほど冷え切っており、真千子は服を脱いで地肌を密着させることでしげきを温めようとします。そして真千子としげきは人間が持つ体温を感じたことで、「生きる」という実感を得ます。その後夜が明け、しげきと真千子は歩みを再開し、お墓に到着します。二人が到着したお墓は一本の細い木で作られた墓標が目印となっていました。

結末ネタバレ:オルゴール

お墓に到着したしげきは持っているリュックから日記とオルゴールを取り出します。そしてしげきは救助のヘリが上空を舞う中でお墓の前に穴を掘ります。穴を掘ったしげきは土の中に身を投じ、真千子は感謝の言葉を言いながらオルゴールを鳴らします。穴に身を投じたしげきは笑顔を浮かべながら瞳を閉じ、真千子をしげきを成仏させるかのように天に向かってオルゴールを奏でるのでした。

そして映画殯の森は物語の結末を迎え、殯という意味が書かれたエンドロールを流しながら幕が下りていきます。殯という葬儀方法は、土葬をする風習を指す言葉であり、しげきはこの風習に則って自らの人生に幕を下ろしたのでした。

殯の森の登場人物・キャスト

しげき/うだしげき

しげきは映画殯の森において主人公の一人にあたる人物です。しげきは軽い認知症を患っており、老人ホーム「ほととぎす」に入居しています。しげきは妻を亡くしているものの、心の中で生きていると信じ、思い出が詰まったリュックを大切にしています。物語のあらすじの中で、しげきは真千子と出会ったことがきっかけで人間の生と死について知ることになっていきます。

映画殯の森でしげきを演じたキャストはライターとして活動しているうだしげきです。うだしげきは「ならまち文庫・古書喫茶ちちろ」を開業したり、奈良の地域雑誌を発行するなど文化活動を行っています。うだしげきはたまたま居酒屋で川瀬直美と出会ったことで、二人は縁を深めます。そして川瀬直美のオファーから一般人であるうだしげきが映画殯の森で主人公を演じることになりました。

真千子/尾野真千子

真千子は映画殯の森において主人公の一人にあたる人物です。真千子は最愛の息子を亡くしており、夫とも別れたことでその孤独から常に暗い表情をしています。しかし真千子は新任介護士として訪れた老人ホームでしげきと出会ったことがきっかけとなり、笑顔を取り戻していきます。

映画殯の森で真千子を演じたキャストは川瀬直美が監督を務める「萌の朱雀」でデビューした尾野真千子です。尾野真千子は映画「萌の朱雀」で出演した際、シンガポール国際映画祭主演女優賞や高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞し、注目を集めます。その後尾野真千子は「リアリズムの宿」など多数の作品に出演することになり、10年ぶりに川瀬直美が監督を務める作品に出演することになりました。

和歌子/渡辺真起子

和歌子は映画殯の森において真千子が働く老人ホームの介護士です。和歌子は物語のあらすじの中で真千子を励まして勇気づけます。また真千子としげきが心を通じ合うことになったのも和歌子のお陰であり、和歌子は映画殯の森で必要不可欠な登場人物です。

映画殯の森で和歌子を演じたのは日本の女優兼モデルの渡辺真起子です。渡辺真起子は1988年に「バカヤロー!私、怒ってます」で映画デビューを果たし、主演映画である「M/OTHER」でカンヌ映画祭国際批評家連盟賞を受賞しました。その後渡辺真起子は「ええじゃないか気仙沼伝説」など数多くの作品に出演し、映画殯の森では必要不可欠な役を見事に演じきりました。

殯の森に関する感想や評価は?

映画殯の森に関する感想では神秘的な世界観が描かれているといった感想が多く寄せられました。深い森の奥で人間の生と死を描いた物語は非常に哲学的であり、人間の在り方といったことを考えさせる映画となっています。しかし上記の感想にある通り、難しいという意見もあり、何回か繰り返し観ないと映画殯の森の世界観は楽しめないものになっています。

映画殯の森の感想では他に自然の雄大さを感じさせる映画だという意見も見受けられました。映画殯の森は人間の生と死を自然の雄大さを通して描いた作品となっており、山河などの自然の情景が美しく表現されています。生と死を通し、自然は人間に対して優しさと冷たさという二つの顔を持っていると考えさせられる映画となっています。

殯の森の映画ネタバレまとめ

本記事では映画殯の森について結末までのあらすじネタバレやキャスト情報、映画に関する感想などをまとめてご紹介致しました。映画殯の森は難しいストーリーの中に人間の生と死という哲学的な内容を描いた作品となっており、カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得するほど高い評価を集めている作品です。

また映画監督の川瀬直美も世界で認められている人物であり、映画殯の森は日本を代表する名作の一つとなっています。本記事を読んで映画殯の森にご興味頂けましたら、是非本記事をご参考に映画殯の森を一度ご覧ください。

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