ペリカン文書のネタバレあらすじとキャスト!原作や映画の感想・結末を紹介

1993年アメリカで制作されたジュリア・ロバーツ主演の映画『ペリカン文書』。ジョン・グリシャムの同名小説を原作とするいわゆる”法廷もの”リーガル・サスペンス映画です。ロースクールに通う主人公の学生が、最高裁判事暗殺事件について仮説を立てレポートにまとめたことで事件は思わぬ方向に展開します。これから『ペリカン文書』のネタバレあらすじやキャスト紹介、さらには原作本や映画の感想までまとめてお届けします。ぜひご覧ください!

ペリカン文書のネタバレあらすじとキャスト!原作や映画の感想・結末を紹介のイメージ

目次

  1. ペリカン文書とは?
  2. ペリカン文書の映画あらすじを結末までネタバレ
  3. ペリカン文書の登場人物・キャスト
  4. ペリカン文書の原作本
  5. ペリカン文書に関する感想や評価は?
  6. ペリカン文書の映画ネタバレまとめ

ペリカン文書とは?

ペリカン文書の映画作品情報

『ペリカン文書』(原題:The Pelican Brief)は、1993年ジョン・グリシャムの同名小説を原作としてアメリカで制作されたリーガル・サスペンス映画です。主演は「プリティ・ウーマン」のジュリア・ロバーツ。

ロースクールに通う学生、主人公のダービーは、最高裁判事暗殺事件についてある仮説を立てレポートにまとめます。そのレポートは彼女の知らない間にワシントンのホワイトハウスに持ち込まれます。すると彼女は何者かに命を狙われことに。ダービーは危険を顧みず、グランサム記者の協力を得て事件の核心に迫っていきます。共演はデンゼル・ワシントン、サム・シェパードほか。監督は「推定無罪」のアラン・J・パクラ。

ペリカン文書の予告編動画

次に映画『ペリカン文書』の予告編動画をご覧いただきましょう。こちらは今は亡き「サヨナラおじさん」こと映画評論家の淀川長治氏が解説するテレビ「日曜洋画劇場」の映像です。

ハイライトシーンをご覧になるだけでも、おおよその雰囲気は把握することができるでしょう。

ペリカン文書の監督

映画『ペリカン文書』を監督したのは、1928年アメリカ/ニューヨーク州出身のアラン・J・パクラです。

彼は名門エール大学卒業後ワーナー・ブラザースに入社しますが、すぐにパラマウント映画へ移ります。1969年「くちづけ」で監督デビュー。1971年監督作品「コールガール」では主演のジェーン・フォンダがアカデミー主演女優を受賞します。

1976年「大統領の陰謀」を皮切りに1990年「推定無罪」、1993年今回お届けしている映画「ペリカン文書」、1997年「デビル」など斬新な政治サスペンスを制作しますが、絶頂期ともいえる1998年に交通事故でこの世を去りました。

ペリカン文書の映画あらすじを結末までネタバレ

あらすじネタバレ:事件の調査

ここからは映画『ペリカン文書』のネタバレあらすじをお届けします。まず映画の始まりのシーンから。夕暮れの美しい湿原に水鳥が飛び交っています。最高裁判所の外では、判事を辞めさせろ!と大勢のデモ隊が叫んでいました。その声をバックにカメラは裁判所の中へと入っていきます。そこでは判事のローゼンバーグとジェンセンが深刻な顔で話をしていました。

海辺に上陸した見るからに怪しげな男。その後ホテルに現れた男は、ある部屋の前に来るとドアをノックします。その男の名はカーメル、出てきた相手にエドウィン・スネラーを探していることを告げます。相手が取り出した封筒を受け取り隣室へ入ります。カーメルは封筒から写真を取り出すと脳裏に刻み込むようにじっと見つめました。

その夜カーメルはローゼンバーグ、ジェンセン両判事を殺害すると国外に脱出します。FBIが警護していたにもかかわらず暗殺を許したことから、事件発覚後大統領はすぐさまヴォイルズFBI長官を呼び出します。そしてCIAや政府内部に関与した者がいないかどうか調べるよう命じました。

ローゼンバーグの下で事務官をしていたニューオーリンズ・テューレーン大学のトーマス教授は、愛する女学生のダービーと自室でそのニュースを聞きショックを受けます。ダービーの方はそのニュースに興味を持ち、2人の判事が共に関わった裁判がないかどうか調べ始めます。

ダービーは公判記録などを調べ上げ2人の判事殺害の動機や経緯をレポートにまとめると「これは私の考えで見当違いかもしれないけど…」といってトーマス教授に見せました。トーマス教授はレポートを受け取るとローゼンバーグの葬儀に参列するためワシントンに向かいます。

ワシントンに着いた教授は友人のヴァーヒークFBI法律顧問と久しぶりに再会、バーで酒を交わします。その時、学生が面白いものを書いたと言ってダービーのレポートをヴァーヒークに渡しました。

その頃、グランサム記者に男から電話が入ります。男はガルシア弁護士と名乗り、今回の暗殺者の件で伝えたい事があると言うと、突然口ごもり電話を切ってしまいました。しかし、グランサムは逆探知に成功、発信元の公衆電話を突き止めガルシアの写真を撮る事もできました。

一方ダービーの書いたレポートは、ヴォイルズFBI長官からコール大統領補佐官を経由して大統領の手に届きました。ダービーのレポートを読んだ大統領は自らが命じた捜査の中止を考えます。それはレポートの内容が自身やコール補佐官に及びかねない内容だったからです。

あらすじネタバレ:爆死事件

続いてのネタバレあらすじは「爆死事件」です。翌日、レストランから帰るため車に乗り込んだトーマスがエンジンをかけた瞬間、車は爆発。ダービーの目前での出来事でした。ダービーはすぐに警察に通報、ルーパートという警察官が駆けつけ彼女にいろいろ聞きます。その後ダービーが警察署に出向いた時そんな名前の警官は居ないことが判明、彼女は怖くなります。

ダービーはレポート「ペリカン文書」がFBI以外の者の目にも触れたとヴォイルズFBI顧問から聞くと、改めて自身の身にも危険が迫っていることに気付きます。そこでダービーは変装してホテルに身を隠しました。グランサム記者に会い自分がペリカン文書を書いたことを伝え、大統領の献金者リストを入手するよう要請します。その頃テレビのニュースでは、判事暗殺事件の容疑者としてカーメルの名前が伝えられました。

時を同じくして、カーメルにダービー暗殺指令が出されます。ダービーはヴォイルズFBI顧問と面会の約束を取り付けます。お互い面識がなかったので服装の特徴を教えておきました。しかし、指定場所のリバーウォークに現れたのはヴォイルズを殺害して彼に成りすましたカーメルでした。

ところがカーメルはダービー暗殺寸前で何者かの狙撃を受け死亡。命からがら逃げ出したダービーは記者のグランサムに電話してニューヨークで落ち合います。そしてこれまでの経緯と調査結果を伝えます。グランサムはその話を記事にまとめました。記事の概要は次のとおりです。

あらすじネタバレ:暗殺

事件は数年前に起きた湿原保護を訴え法廷で戦っていた若い弁護士の死亡に端を発します。弁護士は別荘で銃で頭を打ち抜いた状態で発見されます。彼が過去に鬱病を患っていたこともあり自殺と断定されます。訴訟の対象となった湿原で石油を掘り当てたヴィクター・マティースは大統領の有力な支持者であり献金者でした。掘り当てた油田開発は、環境保護団体「緑の基金」が起こした訴訟の影響で工事の中断を余儀なくされます。

緑の基金は絶滅危惧種ルイジアナ・ブラウン・ペリカンの保護を訴えて争っていました。被告マティースは一流法律事務所の弁護士を総動員して弁護団を結成、対する原告の緑の基金の弁護士はたった2人だけでした。裁判は陪審員が地元利益を優先したことで被告マティース勝訴の判決が下ります。ただし、判事は判決が確定するまで工事差し止め命令を続行すると決定。

グランサム記者は、油田開発業のマティースと大統領が山小屋の前で酒を交わしながら談笑している写真を入手していました。”ペリカン文書”が世に出れば大統領の再選は危うくなります。そこでホワイトハウスはもとよりFBIもCIAもこぞって文書の存在を否定していました。ところが大統領はペリカン文書の内容を真実だと考え、コール補佐官が表立った行動をしないよう手を回します。

グランサムとダービーは、先日密告電話をかけてきた「ガルシア弁護士」を名乗る男の身元を撮影した写真をもとに調査します。そして彼が石油ガス担当のカーティス・モーガンであることを突き止めます。しかしモーガンはすでに1週間前、通り魔に襲われ路上で射殺されていたことがわかります。

あらすじネタバレ:真相

ここからは、いよいよ『ペリカン文書』結末のネタバレあらすじとなります。グランサム記者はモーガンの遺品に不審な書類がなかったか彼の妻に聞きます。すると妻も知らない貸金庫の鍵があることを知ります。彼女の同意を得て貸金庫の中身を確認することができました。そこには宣誓供述書とビデオテープが入っていました。

モーガンはかつて訴訟の準備に追われている頃、法律事務所重役のヴェルマーノがウェークフィールドに宛てた極秘メモを入手。そこには「判事2人がいなくなれば依頼人に有利」と書かれていました。さらにこの依頼人とはマティースである事をビデオテープの映像で残していました。

法律事務所重役のヴェルマーノの極秘メモ、コール大統領補佐官が捜査を妨害した事、FBIは大統領の要請で捜査をしなかった事、グランサムはこの証拠を元にヴォイルズFBI長官や大統領補佐官に連絡を取りました。ヴォイルズFBI長官は、自らグランサムのいるワシントン・ヘラルドのオフィスに出向きます。

ヴォイルズ長官とグランサムは一連の事実関係を確認していきます。その中で長官はダービーがリバーウォークで落ち合ったヴァーヒークが実は殺し屋カーメルであったことを告げます。さらに彼女を監視していたCIAが射殺したとも。事実確認が終わると、長官はダービーに何か望みがないかと尋ねます。ダービーは国外に脱出したいと言いますが、長官が手配してくれた専用機の前に行ったところで気が変わったのか取りやめます。

その後、”ペリカン文書”が公表されるとコール補佐官は辞任、大統領の再選も絶望的になりました。グランサムはテレビのインタビューで”ペリカン文書”について語ります。ダービーは浜辺の近くのホテルでそのテレビで見ていました。

ペリカン文書の登場人物・キャスト

登場人物・キャスト紹介:ダービー・ショウ/ジュリア・ロバーツ

ここからは『ペリカン文書』の主要登場人物・キャストを紹介します。ロースクールの学生ダービー・ショウ。判事殺害事件を調べ上げ、そこからある仮説を導き出すとレポートにまとめます。彼女が書いたレポート”ペリカン文書”が事件を大きく動かすことになります。

そんなダービー役のキャストは、1967年アメリカ/ジョージア州出身の女優ジュリア・ロバーツです。1986年兄のエリック主演の「ブラッド・レッド 復讐の銃弾」で映画デビュー。1988年映画「ミスティック・ピザ」や「サティスファクション」で注目を集めます。1989年の「マグノリアの花たち」でアカデミー助演女優賞にノミネート。

1990年「プリティ・ウーマン」が大ヒット、アカデミー主演女優賞にノミネートされたことでトップスターの仲間入りを果たします。以降、今回の映画や「ノッティングヒルの恋人」など話題作に相次いで出演。2000年の映画「エリン・ブロコビッチ」ではアカデミー主演女優賞を受賞。近年では2011年「食べて、祈って、恋をして」などに主演。2013年「8月の家族たち」で2度目のアカデミー助演女優賞にノミネートされました。

登場人物・キャスト紹介:グレイ・グランサム記者/デンゼル・ワシントン

ワシントン・ヘラルド紙の記者、グレイ・グランサム。ダービーとともに判事暗殺事件の真相に迫ります。ダービーのレポートを”ペリカン文書”として世に出したのも彼でした。

グランサム記者役のキャストは、1954年アメリカ/ニューヨーク州デンゼル・ワシントンです。アメリカ・コンサバトリー劇団で演技を学び舞台俳優としてキャリアをスタートさせます。1981年「ハロー・ダディ」で映画デビュー。1987年「遠い夜明け」でアカデミー助演男優賞にノミネートされると1990年「グローリー」同賞を受賞。

1992年「マルコムX」と1999年の「ザ・ハリケーン」でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、2001年の「トレーニング デイ」でついに同賞を獲得。また2002年には「きみの帰る場所」で監督デビューを果たます。さらに舞台でも2010年ブロードウェイ劇「Fences」でトニー賞主演男優賞を受賞。同作を映画化した「Fences」では制作・監督・主演を務め、アカデミー作品賞など4部門にノミネートされています。

登場人物・キャスト紹介:トーマス・キャラハン教授/サム・シェパード

暗殺されたローゼンバーグ判事の弟子で大学教授のトーマス・キャラハン。交際しているダービーが書いたレポートを友人のヴァーヒャクFBI顧問に手渡したことで事件は急展開します。

トーマス・キャラハン教授役のキャストは、1943年アメリカ/イリノイ州に生まれ2017年この世を去った俳優で脚本家のサム・シェパードです。サムは高校時代に演技と脚本の執筆を始め、1962年劇団に入団。その後オフブロードウェイで脚本家として活躍します。そして1969年に映画デビューを飾ります。1971年からはイギリス/ロンドンに渡り演劇の脚本や演出を手がけるほか俳優としても活躍します。

1974年にアメリカに帰国、映画「レナルド&クララ」では、製作・監督・主演を務めたボブ・ディランと共同で脚本を執筆しました。1979年には戯曲「Buried Child」でピュリッツァー賞を受賞。その後映画「デイズ・オブ・ヘブン」出演を皮切りに1983年「ライトスタッフ」でアカデミー助演男優賞にノミネートされます。1988年「ファーノース」では監督を務めています。

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ペリカン文書の原作本

ペリカン文書の原作はジョン・グリシャムの小説

次にペリカン文書の原作本を紹介します。映画『ペリカン文書』の原作は、「評決のとき」や「法律事務所」などで知られる小説家ジョン・グリシャムの同名小説です。

原作小説の作者のジョン・グリシャムはミシシッピ州立大学で会計学を学んだ後さらに同大学のロースクールに進学。卒業後は弁護士事務所を開業し、刑事事件を中心にキャリアを積みます。その経験が彼の原作小説執筆の源にもなっています。

グリシャムは少女のレイプ事件の裁判を傍聴した時、あまりにも悲惨な犯行内容を知り犯人を銃殺してやりたいと思ったと言います。その事件をもとに3年の歳月をかけて書き上げたのが代表作「評決のとき」でした。この作品もその後制作された映画の原作となっています。巨悪を許さない彼の正義感あふれる作風は原作小説『ペリカン文書』にもよく表れていると言われています。

ペリカン文書に関する感想や評価は?

感想・評価① 主演2人が素敵!

ここまでネタバレあらすじやキャスト、原作本について紹介してきました。最後に『ペリカン文書』を観た方の感想や評価をお届けします。

サスペンス感が濃かった!ハラハラどきどき。若きデンゼル・ワシントンかっこよかったっす!ジュリア・ロバーツもめちゃめちゃキュート!

最初は、とにかく若き主役たちが素敵だったという感想です。またサスペンス自体も濃密な内容で満足できたようです。

感想・評価② 原作者の他の作品も観たくなる!

この作品で原作のジョン・グリシャムを知り、他の作品も映画を観るようになりました。

続いては、原作者の他の作品も観たくなるという感想です。ちなみに原作者グリシャムには、他にも「評決のとき」や「依頼人」など映画化された法廷サスペンス小説があります。

感想・評価③ ラストシーンの笑顔が絶妙!

笑顔のイメージ

デンゼル・ワシントンが少し考え、単身陰謀に立ち向かった彼女を想い描きながら、答える。「she is too good to be true」(中略)心の込もった労いの言葉に遂にジュリアの表情が晴れる!無言だが、はにかんだその笑顔といったら!全編塞ぎ込んだ表情だったから尚更効果的なのだ!

全編重苦しい雰囲気が支配しているサスペンスだけに、ラストシーンでのジュリア・ロバーツの笑顔がより効果的だったという感想でした。

感想・評価④ 極上のサスペンス!

普通なら一つの企業問題で片付く事件を、女子大生のイタズラな文書を加えることで、これほど多くの組織の利害関係を描くとは~。しかもムリなく、無駄なく、ズルズルと深みにハマっていく感じが最高です。

最後に紹介するのは、原作の構成の妙を評価する感想です。女子学生の自由な発想が果ては大統領まで巻き込んでいく異様な展開にも拘わらず、不自然さや無駄がなく極上のサスペンスだったとのことです。

ペリカン文書の映画ネタバレまとめ

ここまで映画『ペリカン文書』のネタバレあらすじとキャストや原作、映画の感想までまとめてお届けしました。20年以上前の映画になりますが今見ても色あせない映像美があり、ジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンの新鮮な魅力とハラハラドキドキ感を楽しめる”極上のサスペンス”といった評価が衆目の一致するところのようです。この記事で興味を持たれた方はDVDなどで鑑賞されてはいかがでしょうか。

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