2019年03月08日公開
2019年03月08日更新
東京日和のあらすじと結末は?登場人物やネタバレ感想も【竹中直人監督・主演映画】
1997年10月18日公開のラブストーリー映画『東京日和』は竹中直人さんが監督・主演を務めた作品でキャスト陣も非常に豪華です。この作品は日本アカデミー賞を受賞しており、評価も非常に高い作品です。本記事では映画『東京日和』のあらすじをネタバレします。結末までネタバレしておりますのでご注意ください。あらすじや結末のネタバレの他にキャスト陣や映画『東京日和』の感想も併せて紹介いたします。是非最後までお楽しみください。
東京日和とは?
映画『東京日和』の作品情報
映画『東京日和』は写真家の荒木経惟(あらきのぶよし)さんと妻の陽子さんとの私的小説『東京日和』を原作、監督は竹中直人さんで映画化されました。竹中直人さんが監督としての映画作品は4作目となり、この作品は日本アカデミー賞では優秀作品賞の他、監督賞など多くの部門で受賞しています。愛情の深さを感じるという感想も多く、評価の高いちょっと切ないラブストーリーになっています。
『東京日和』の原作者は荒木経惟
「アラーキー」の愛称で親しまれている荒木経惟(あらきのぶよし)さんが『東京日和』の原作者です。ヌードや女性、少女などの人物を得意としており日常のエロスが切り取られることが多いです。過激な表現が社会問題にも発展しましたが、ヌードだけでなく東京の街並みや、愛猫の写真なども増えています。荒木経惟さんの持つ独特の世界観に魅了されるファンは多く、男女問わず世界的にも支持されています。
東京日和の映画あらすじをネタバレ
東京日和の映画あらすじをネタバレ1、ヨーコを探す
島津巳喜男(演-竹中直人)は本のタイトルを「東京日和」にすることを編集者である水谷(演-松たか子)に電話で伝えます。電話を切った後、巳喜男は妻のいない部屋を見渡しシャッターを押して過去を思い出します。1人暮らしの巳喜男の家に仕事仲間が集まって食事をしていましたが、妻のヨーコ(演-中山美穂)がキッチンから出てきません。ヨーコは水谷の名前を「谷口さん」と間違えたことで恥ずかしくなり顔を出すことができません。
名前を間違えてしまったことは気にしていないと巳喜男はヨーコを慰めますが、仲間たちが帰宅した後、ヨーコは家を飛び出したまま3日間も帰宅していません。巳喜男はヨーコを探すために職場を訪れると、「巳喜男が事故に逢ったから」という理由で欠勤しているのだと言います。そのことを聞き、巳喜男は自分が来たことは内緒にしてほしいと念を押し帰宅します。すると家にはヨーコが戻ってきていました。
ヨーコのそばにはテツオ(演-類家大地)という子供がおり、テツオは同じマンションに住む共働き夫婦の子供であり何故一緒にいるのかわからず、巳喜男はあれこれヨーコに尋ねますが全く答えません。その態度に怒りが増し、茶碗を叩き割ってしまいます。次の日からヨーコは職場に戻りますがどこかぎこちなくなっていました。ある日、巳喜男は結婚記念日に柳川へ行こうと提案しますが、ヨーコはどこか上の空でした。
東京日和の映画あらすじをネタバレ2、ヨーコの異変
巳喜男(演-竹中直人)は東京の風景を収めるためにカメラを構えシャッターを切っていました。電車の中で向かいの席の男性の寝顔を撮影していると隣の席の中年女性に盗撮と間違われてしまい警察へ連行されてしまいます。無事に釈放され帰宅した後、今日の出来事の愚痴を言うと、ヨーコ(演-中山美穂)は天真爛漫にふるまいます。しかし、ヨーコは先日から耳の周りで蚊が飛ぶような音が聞こえ気になっているのでした。
巳喜男は、ヨーコの耳の様子を見ていました。その様子に優しすぎると問い、そんなに自分を見ないでほしいと言います。巳喜男は優しく「見ないようにする」と答えるのでした。2人はジョギングをして、雨の中をはしゃぎます。ジョギング中にピアノの形をした石を見つけピアニストの真似事をし笑いあいます。日常を取り戻しつつあったある日、ヨーコは公園で祖母と一緒に遊ぶテツオに偶然出会います。
テツオは仕事が休みの時は同じマンションに住むテツオの面倒を見てあげています。テツオの両親は共働きで1人でいる時間が多いためヨーコと共に過ごすことがあります。テツオを公園で見かけた日に物音に反応しヨーコは玄関を飛び出しますが、そこにテツオの姿はなく彼のために用意したぬいぐるみをベランダに投げつけます。その後、ヨーコは耳がいつまで経っても良くならず耳鼻科へ足を運ぶと飛蚊症と診断されます。
東京日和の映画あらすじをネタバレ3、ヨーコとテツオ
飛蚊症と診断されたものの普通に生活しても良いと診断され安心します。ヨーコ(演-中山美穂)と巳喜男(演-竹中直人)は待ち合わせをして食事に行き、2人は柳川旅行を楽しみにし、仲睦まじく寄り添う姿がありました。ある朝、仕事に出たヨーコは線路脇に佇むテツオと出会いそのまま欠勤します。ヨーコの職場から欠勤したと連絡があり、彼女の上司は巳喜男に退職するようにやんわりと言われてしまいます。
そして柳川へ旅行に行く日に退職が決まります。そのことを聞いた後に巳喜男が家に帰るとテツオが行方不明になっており住人たちが騒いでいました。ヨーコは家にいないもののテツオといた形跡が残っており、巳喜男は思い当たる場所を探しに家を飛び出しました。そしてヨーコはテツオと一緒にあのピアニストの前をした岩で、テツオに勉強をしている姿がありました。そしてテツオはワンピースを着せられていました。
ヨーコはテツオを帰そうとしませんでしたが、巳喜男が説得し自宅まで送り届けます。自宅でヨーコは窓の外をぼーっと眺めているだけでした。そんな妻の行動を巳喜男は理解できずいつも不安に思っていました。自分の知らない世界があるのだとそう思うしかありませんでした。そしていよいよ柳川へ旅行に出ることになります。結末前のあらすじネタバレはここまでです。事項から結末をネタバレいたします。
東京日和の映画結末をネタバレ
東京日和の映画あらすじ結末をネタバレ1、柳川へ旅行
7月7日の結婚記念日に、計画通りに新婚旅行で訪れた柳川を訪れます。しかし、ヨーコ(演-中山美穂)は突然行きたくないと言い出しますが、それでも何とか柳川へと足を運びます。宿に辿り着くと、以前も新婚旅行で来たことを伝えると女将はすぐに思い出せない様子でしたが、その後、部屋を出てから思い出します。巳喜男(演-竹中直人)とヨーコは懐かしさを感じながら旅館の中を歩き回ります。
東京日和の映画あらすじ結末をネタバレ2、水谷が訪ねてくる
昔を思い出していると、水谷(演-松たか子)が訪ねて来ます。写真集の「東京日和」の打ち合わせに来ており打ち合わせを開始します。その打ち合わせの途中、写真をみながら再び回想が始まります。今度は2人で柳川で船に乗り、新婚旅行のように街を歩きつつ写真を撮ります。その途中で巳喜男は散髪屋に寄り髪を切り始めますが、眠り込んでしまいます。目が覚めるとヨーコの姿がなく慌てて探し始めます。
するとヨーコは船の上で眠り込んでおり、巳喜男はその様子をカメラに収めます。宿に戻り「自分と一緒にいて楽しいか」とヨーコに尋ねると彼女は「そんなことを聞かないで」と答えるのでした。その後、ヨーコは仕事を辞め、猫を飼っていましたが病気のため亡くなります。柳川の夏やひまわりを思い出しヨーコとの思い出に浸りますが、ふとヨーコが水谷の名前を谷口と間違えたことを思い出します。
東京日和の映画あらすじ結末をネタバレ3、名前を間違えた理由
水谷にお茶を出そうと湯を沸かしに台所へ向かうと、壁に貼られてあるガスの点検表のシールに目がいきます、そこには「谷口」という印鑑が押してありました。ヨーコは無意識にこれを眺めており、水谷を谷口と間違えて読んでいたのでした。間違えた理由がやっとわかり巳喜男は嗚咽するのでした。ラストシーンでは電車で2人笑い合いながら巳喜男の写真人生はヨーコと出会って始まったのだと実感するのでした。
東京日和の登場人物・キャスト
東京日和のキャスト・登場人物1、島津巳喜男/竹中直人
映画『東京日和』の主人公の島津巳喜男を演じ、また本作の映画監督を務めているのは竹中直人さんです。俳優、コメディアン、声優、監督などマルチな才能を発揮しています。コメディアンとして1983年にデビューし、横山やすしさんに絶賛されたことにより番組出演が増えます。翌年からは俳優業もこなすようになり、大河ドラマに出演し、豊臣秀吉を演じたことでより一層知名度が増しました。
【竹中直人さんの主な出演作品】
- 1996年『秀吉』豊臣秀吉役
- 2000年『三文役者』殿山泰司役
- 2006年『のだめカンタービレ』シュトレーゼマン役
- 2009年『坂の上の雲』小村寿太郎役
- 2015年『ようこそ、わが家へ』真瀬博樹役
東京日和のキャスト・登場人物2、島津ヨーコ/中山美穂
映画『東京日和』で巳喜男の妻のヨーコを演じているのは中山美穂さんです。「ミポリン」の愛称で親しまれています。1982年から1984年はモデルとして、1985年からは女優とアイドル歌手を両立して活動をスタートさせます。80年代後半のトップアイドルとして活躍していました。その後も「世界中の誰よりきっと」がミリオンヒット、『Love Letter』の主演映画などでは数々の賞を受賞しています。
【中山美穂さんの主な出演作品】
- 1996年『おいしい関係』藤原百恵役
- 1995年『Love Letter』ヘラルド・エース役
- 1998年『眠れる森』大庭実那子役
- 2002年『ホーム&アウェイ』中森かえで役
- 2018年『ママレード・ボーイ』松浦千弥子役
東京日和のキャスト・登場人物3、水谷/松たか子
『東京日和』の編集者の水谷を演じているのは松たか子さんです。演技力、歌唱力もありテレビ、ドラマ、舞台、声優と引っ張りだこです。木村拓哉さんと演じた『ロングバケーション』、『HERO』などに出演し数々の最高視聴率を打ち出しています。『アナと雪の女王』の劇中歌は異例の大ヒットを果たします。1993年に舞台デビュー、映画デビュー作品は『東京日和』です。今でも第一線で活躍しています。
【松たか子さんの主な出演作品】
- 2001年『HERO』雨宮舞子役
- 2006年『THE 有頂天ホテル』竹本ハナ役
- 2010年『告白』森口悠子役
- 2017年『カルテット』巻真紀役
- 2019年『マスカレード・ホテル』長倉麻貴役
東京日和のキャスト・登場人物4、外岡/三浦友和
『東京日和』で外岡を演じていたのは三浦友和さんです。1972年から芸能界で活動をはじめ山口百恵さんと共演しゴールデンコンビと呼ばれたのち1980年に結婚します。その後数々の役を演じ50代に突入してから映画で大きく活躍しています。1975年の『伊豆の踊子』でのブルーリボン賞新人賞を皮切りに数多くの賞を受賞、2012年には紫綬褒章を受賞しています。
【三浦友和さんの主な出演作品】
- 1975年『赤いシリーズ』相良光夫/新田秀夫/北村明夫役
- 2005年『ALWAYS三丁目の夕日』宅間史郎役
- 2009年『沈まぬ太陽』行天四郎役
- 2016年『64-ロクヨン-』松岡役
- 2018年『羊と鋼の森』板鳥宗一郎役
東京日和のキャスト・登場人物5、宮本/鈴木砂羽
『東京日和』で宮本を演じたのは鈴木砂羽さんです。1992年から活動をはじめ1994年に『愛の世界』で主演デビューを果たします。この作品で数々の新人賞を受賞します。また女優業だけでなく近年ではバラエティ番組への出演をしたり、エッセイ漫画の掲載経験もあります。番組で絵の才能を披露したこともあります。2018年には「港.ロッ区.」の演劇ユニットを主宰しています。
【鈴木砂羽さんの主な出演作品】
- 2000年『相棒シリーズ』亀山美和子役
- 2003年『大奥』近江役
- 2004年『新選組!』明里役
- 2011年『スイッチを押すとき』小暮葉子役
- 2017年『ブラックリベンジ』糸賀朱里役
東京日和のキャスト・登場人物~その他
【東京日和のその他キャスト陣】
- 高橋役…田口トモロヲ
- 篠崎役…温水洋一
- 平田役…利重剛
- 鈴木役…三橋美奈子
- テツオ役…類家大地
- 山田役…山口美也子
- 前田役…塚本晋也
- 警察官役…中田秀夫
- 若い男役…浅野忠信
- バーのママ役…中島みゆき
- 車掌役…荒木経惟(「東京日和」の原作者)
東京日和に関する感想や評価は?
竹中直人の「東京日和」は日本映画の傑作中の傑作だと思う。5回以上見ているが、見るたびに新たな発見がある。現実と幻想の交差、凝ったセリフや小道具、そしてすべてを纏め上げる美意識。https://t.co/EnDsTzdGkF
— 須藤岳史 (@Artssoy) June 12, 2014
映画『東京日和』を結末まで観た方の感想や評価はどのようなものだったのでしょうか。キャスト陣をみると中島みゆきさんや浅野忠信さんが主演していたことに驚いたという感想もちらほらありました。またキャスト陣の演技の感想として、精神的に不安定なヨーコを演じる中山美穂さんが大変魅力的であり、それを優しく見守る竹中直人さんの演技が非常に心地よかったという感想がありました。
竹中直人監督の『東京日和』を観に目黒シネマへ。
— ころやすゆうすけ☀️ (@KOROYASU) March 21, 2016
中1の時に初めて観て以来(この時は爆睡したけど)、何年かに1度は必ず観てる。歳を取るたびに印象が変わってくる大好きな映画。13歳の初見から、18年振りにスクリーンで。 pic.twitter.com/ICK3XCZ7g2
また他の感想では音楽が作品にマッチしており、物語に入っていきやすかったとの感想がありました。アラーキーのファンでなくとも、時間が経っても愛することの良さ、また日常風景シーンなどは美しく、竹中直人さんのこだわりを感じたようです。夫婦としてはどこか欠落した部分が感じられるものの、深い愛で繋がっていることが分かります。どこか懐かしい、現代と違う東京の雰囲気に酔いしれられる素敵な1本です。
東京日和の映画ネタバレまとめ
映画『東京日和』の結末までのあらすじをネタバレしましたがいかがでしたでしょうか。竹中直人さんが監督・主演を務め、日本アカデミー賞にも輝いた作品です。『東京日和』を観た視聴者の賛否両論の感想はあるものの、丁寧な愛が描かれており素敵だったという感想が多くありました。今度お時間があるときに『東京日和』の結末までしっかりと観てはいかがでしょうか。