2019年03月04日公開
2019年03月04日更新
陰謀のセオリーのあらすじをネタバレ!記憶のない男の結末とは?【メル・ギブソン】
「リーサル・ウェポン」のリチャード・ドナー監督とメル・ギブソンが再びタッグを組んだ映画『陰謀のセオリー』。ジュリア・ロバーツが共演したことでも話題となりました。また「陰謀論」というモティーフを扱った異色のサスペンスともなっています。この記事では『陰謀のセオリー』のネタバレあらすじはもちろんのこと、主人公である記憶を失ったジェリーの結末まで詳しく解説しています。この機会に是非ご覧ください!
陰謀のセオリーとは?
陰謀のセオリーの映画情報
『陰謀のセオリー』は1997年公開のサスペンス映画です。メル・ギブソンとジュリア・ロバーツという2大トップスターの競演で世界中から注目を集めました。映画は、タクシー運転手と司法省の女性弁護士が、ともに巨大な陰謀に巻き込まれていく様を描いたサスペンスとなっています。
事件が起きた時に客観的事実や一般的な説とは別に裏に大きな力による策略が働いているとする『陰謀論(コンスピラシー・セオリー)』をモティーフに、観る者を迷宮的な世界に引き込んでいくストーリー展開が評価されました。
陰謀のセオリーの監督情報
映画『陰謀のセオリー』の監督は「リーサル・ウェポン」シリーズでメル・ギブソンとタッグを組んだリチャード・ドナーです。彼は1930年4月24日生まれアメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク出身です。
ニューヨーク大学で演劇を専攻、一時は俳優をめざし舞台やテレビなどに出演しますが、自身の将来を見すえマーティン・リット監督のアシスタントになります。彼から演出を学ぶとテレビドラマ「拳銃無宿」や「ミステリー・ゾーン」などで演出を担当します。
その後映画界に転身、1976年映画「オーメン」の大ヒットで一躍脚光を浴びます。以後映画「スーパーマン」、「グーニーズ」などヒット作を連発します。メル・ギブソン主演の映画「リーサル・ウェポン」シリーズもその中の一つです。
陰謀のセオリーのあらすじネタバレ
あらすじネタバレ:ジェリー・フレッチャー
映画『陰謀のセオリー』の舞台はアメリカ・ニューヨーク。タクシー運転手のジェリー・フレッチャーは、乗客相手にいつも世界で起きる大きな事件には裏に隠された陰謀があるという「陰謀論」を話すのが常でした。
ジェリーは記憶喪失を患っていましたが、司法省の女性弁護士アリス・サットンを守らなければならないという記憶だけは彼の脳裏に残っていました。それゆえジェリーはタクシーを止めては部屋にいるアリスの姿を覗き見して安心するという毎日を送っていました。
一方でジェリーは異常なまでに用心深く、家に帰るにも遠回りしたり家のドアというドアには鍵をかけ終いには冷蔵庫にまで鍵をつける徹底ぶり。そんな彼は新聞を読みあさり陰謀の影が見える記事を選んでは『陰謀のセオリー』というタイトルでニュースレターを発行していました。
あらすじネタバレ:アリス・サットン
司法省の弁護士アリスは数年前に起きた、連邦裁判所判事だった彼女の父が殺害された未解決事件を未だに追っていました。そのことで上司に止めるよう忠告を受けましたが聞き流しました。そんな中、タクシー運転手のジェリーがアポなしで彼女に面会を求めて職場に尋ねてきました。アリスは警備員に追い返されそうになった彼を部屋に招き入れ入れると話を聞くことにしました。
ジェリーは部屋に入ると持論を展開、「NASAが地震兵器を使って大統領を暗殺しようとしている」とまくし立てます。アリスは熱弁をふるうジェリーを変人とは思いましたがなぜか憎めず、次来るときはアポを取るよう忠告して帰しました。
あらすじネタバレ:拉致されるジェリー
ある日ジェリーがいつものようにタクシーで街を走っていると、黒いコートを着た男が政府専用車に乗りこむところに遭遇。直感で何かあると察したジェリーは車の写真を撮ると追跡を開始します。車は刑事裁判所前で停まり男は建物に入って行きました。
ジェリーは男の後をつけますがカメラで監視していた警備員に見つかってしまいます。警備員は「奴が来ています…」と電話で報告、指示を仰ぎます。ジェリーはフロア内にCIA事務所があるのを目にするとすぐに外に出ます。ところがそこで先ほどの警備員に身柄を確保され、ある部屋に連れ込まれます。
ジェリーは車椅子に縛り付けられ別の男の尋問を受けます。その男はジェリーに近づき「誰に話したんだ?」と詰問します。ジェリーはその質問には答えずその男の鼻に噛みつくと腹を蹴り上げ逃走。外に停まっていたトラックの荷台に飛び乗り脱出に成功します。ところがトラックが着いたところは「ジャーメイン・O・精神病院」でした。
あらすじネタバレ:強制入院するジェリー
ジェリーはその場を後にするとその足でアリスの職場があるビルに駆け込みます。廊下で警備員に取り押さえられるとジェリーは銃を抜き警備員を威嚇します。尋常でないジェリーを目の当たりにしたアリスは彼に近づき話を聞くことにしました。ジェリーは男たちに拉致され逃げ切った事の顛末を説明しました。アリスはジェリーのために救急車を呼びます。
精神病院に入院したジェリーでしたが、睡眠薬の注射を見るだけでパニックになる始末。そこにアリスが面会に訪れます。ジェリーは「やつらに殺される」と窮状を訴えます。ようやく睡眠薬の注射を受け入れ穏やかに寝入るジェリーを見てアリスはその場を立ち去ります。ジェリーは手錠をかけられベッドに拘束されていました。
あらすじネタバレ:CIAのジョナス医師
翌朝アリスはジェリーに面会しに病院へ出掛けます。病院に入ったとき遺体が運ばれて来るのを目撃。アリスは一瞬ドキッとしますが遺体はジェリーではなくタトゥーの入った男でした。病室に入ってきたアリスを見るなりジェリーは「君は命の恩人だ」と言います。どうやらアリスが彼の頼みを聞きカルテを変えてくれたと思ったようでした。アリスはジェリーに「カルテは変えてないわ。呼ばれているから行くわね」と言い残します。
アリスが下の階に降りていくとそこにはFBI捜査官のロウリーがいました。彼の案内で遺体安置所に入ります。ロウリーはその部屋にいた男性をアリスに紹介します。「彼はCIAの精神科医ジョナスさんでジェリーのことを知っている」と。アリスはジョナスを見てまた驚きます。ジョナスの鼻にはバンソウコウが貼られていたからです。アリスは思います。もしかしたらジェリーの言ったことは妄想ではなく真実なのかもしれないと。
そのころジェリーは心臓発作を装い病院を抜け出そうと画策していました。偶然そこにアリスとジョナスが現れます。ジョナスとロウリーは逃げるジェリーを追いかけます。近くに身をひそめていたジェリーは警備員に捕まってしまいます。警備員を突き飛ばし逃げようとするジェリーでしたが手錠を外すことができません。アリスは倒れた警備員から鍵を奪いジェリーの手錠を外すと彼を逃がしました。
その後アリスは精神科医ジョナスに呼ばれ質問を受けます。彼女はジェリーが語った「NASAが大統領を暗殺しようとしている」という話を伝えました。ジョナスは、ジェリーがなぜ君を選んだのか?と尋ねますがアリスは答えに窮しました。
あらすじネタバレ:襲撃される2人
その夜アリスが車に乗り込むと後部座席に隠れていたジェリーが現れます。驚くアリスでしたがジェリーの案内で彼の隠れ家へと向かうことになります。ジェリーはアリスに自らが編集・発行している『陰謀のセオリー』を手渡し自分が狙われた理由はここに書いてあると説明します。その『陰謀のセオリー』には「オリバーストーンとブッシュの関係」などのタイトル通り巨大組織の陰謀を示唆する記事が書かれていました。
その時、突然大きな音がするとジェリーの自宅に催涙弾が撃ち込まれまました。ジェリーはアリスを守るようにいざないながら収集した情報の入ったファイルに火をつけると脱出口から外に出ます。その後消防士に変装するとアリスを肩に担いでその場から逃げ出すことに成功します。現場に到着したジョナスは脱出口から家に入ると壁に描かれているアリスの乗馬姿の絵を発見。すぐさま部下にアリスの調査を指示しました。
あらすじネタバレ:『陰謀のセオリー』読者の死
今度はアリスがジェリーを自宅に連れていきます。ジェリーはいつものように用心深くチェックしてからアリスの家に入ります。アリスはジェリーの自宅で見つけた自分の乗馬姿の絵について聞いてみましたが、話をそらされます。ジェリーはつい口を滑らせ、アリスが自宅室内で軽い運動をしている事を言ってしまいます。アリスは自分のプライベートが覗かれていたことに憤慨し、彼を家から追い出していまいました。
それから数日後、ジェリーはアリスの自宅を監視している車を発見、そっと近づくと車に細工を施しました。一方アリスは、ジェリーが手渡した『陰謀のセオリー』の購読者を調査します。すると調査した陰謀のセオリー購読者5人のうち4人までもがこの24時間の内に不審死を遂げていることが判明。そのときアリスのもとに花束が届きます。
アリスは花束に添えられていたメッセージカードに書かれていた指示に従います。まずアリスはバスに乗車しました。アリスを監視し会話を盗聴していたのはジョナスの部下でした。彼らはさっそくアリスの乗ったバスを追跡しますが、突然パトカーに行く手を阻まれてしまいます。それはジェリーが仕掛けた罠でした。ジェリーはアリスのバスに乗り込んでいました。そして彼女から『陰謀のセオリー』購読者たちの死を知らされます。
ジェリーは『陰謀のセオリー』購読者の死はすべて奴らの仕業だと怒りを露わにします。その後ジェリーはアリスをともない地下鉄の駅に立ち寄り、ここでアメリカ一の大富豪が殺されたと伝えました。そしてアリスに向けて突然愛の告白を始めました。アリスは落ち着いた態度でジェリーに「愛してなんかいない」と諭すように言うとジェリーは黙って地下鉄に乗り込み去っていきました。
あらすじネタバレ:父親を殺した犯人はジェリー?
アリスはジェリーが発行している『陰謀のセオリー』の購読者フィンチに会うため、彼の勤務先である企業合併国際基金事務所に向かいます。事務所の受付でフィンチさんに会いたいのですがと用件を伝えると、現れたのは何と精神科医のジョナスでした。
彼はアリスにかつてCIAに所属したことを告げます。一般人を洗脳して暗殺者に仕立て上げる「MKウルトラ計画」を推進したことや中止になった今もなお研究を続けているとも。ジョナスはさらに続けて、誰かに研究成果を盗まれてしまいジェリーはその被験者になっていると付け加えました。その犯人を挙げるためにはアリスの協力が必要だとも。さらにジェリーは殺人を犯していると言うと、一枚の写真を差し出しました。
その写真を見るとアリスは驚きの声を上げます。そこに写っていたのはアリスの亡き父だったからです。ジョナスはその写真がジェリーの貸金庫から見つかったことを明かしアリスの父を殺害したのはジェリーであると暗に仄(ほの)めかしました。それを聞いたアリスは、大きなショックを受け涙を流しました。
陰謀のセオリーの結末ネタバレ
結末ネタバレ:ジェリーを信じるアリス
映画『陰謀のセオリー』は結末へと向かいます。事務所にいたアリスにピザが届きます。中にはジェリーからの「大事な話がある」というメッセージがありました。その場にいたジョナスはジェリーから情報を聞き出すためアリスに協力を要請します。アリスが指定場所へ行くとジェリーが車で来てアリスを乗せると走り出しました。ジョナスの追跡をかわすためジェリーは橋で車を乗り換えアリスの父が殺害された現場へと向かいました。
ジェリーは失われた記憶を取り戻そうと必死に考えます。そして口に出た言葉は「あ父さんを殺しに裁判所に行った。しかしできなかった。君を見たからだよ…お父さんは死ぬとき君を心配していた。…」アリスはジェリーの目をじっと見つめました。そしてジェリーの話を信じることにしました。
結末ネタバレ:ジェリーが無実である確信
そこへジョナスたちが到着、ジェリーを拉致します。アリスは追っ手を振り切ると逃走、FBI捜査官ロウリーに会いに行きます。銃でロウリーを脅すと彼の正体を質(ただ)します。ロウリーはジェリーをおとりにジョナスをおびき出し彼の陰謀を暴こうとしていることを明かします。ロウリーはジェリー捜索に協力を申し出ますが彼女は拒否。ジェリーの無実を確信したアリスは単独で彼の所在を突き止めに向かいます。
結末ネタバレ:ジェリーの死
『陰謀のセオリー』の結末、続いては衝撃のジェリーの死です。アリスはジェリーの隠れ家に向かいます。そして壁にかけられた一枚の絵に注目するとそこに描かれた場所に急行します。その場所とはニコルズ精神病院でした。中に入るとジェリーのものと思われる服を発見、ジェリーの監禁されている場所と確信します。アリスは職員を買収し情報を得るとジェリーの居場所を特定し見つけ出します。
その後ジョナスや彼の部下たちとロウリー捜査官らの銃撃戦となります。ジェリーはアリスを助けようとジョナスに飛びかかりますが逆にジョナスに撃たれてしまいます。それを見たアリスはジョナスに銃を発射、撃ち殺しました。撃たれて瀕死の状態のジェリーはアリスに「愛している」と囁くと病院に運ばれていきました。
結末ネタバレ:ジェリーとアリスの絆
攻防戦から数日経ち、ジェリーの墓の前でアリスは悲しみに暮れていました。バッジを置くと愛馬にまたがり走り去ります。そんな彼女を木の陰から見ている男がいました。その男とは死んだはずのジェリーその人でした。彼はジョナスの陰謀を暴くためFBIの証人保護下にいました。
アリスは墓に置いたはずのバッジが馬の鞍に付いているのを見つけます。ジェリーが生きていることを知ったアリスは笑顔を取り戻し馬を走らせていくのでした。
陰謀のセオリーのキャスト・登場人物
メル・ギブソン/ジェリー・フレッチャー
『陰謀のセオリー』で過去の記憶を失った主人公のタクシー運転手を演じたのは、1956年米ニューヨーク州生まれの俳優メル・ギブソンです。
メル・ギブソンは1977年映画「青春グラフィティ」で俳優デビューすると1979年「マッドマックス」に主演し世界的スターとなります。1987年、リチャード・ドナー監督の刑事アクション映画「リーサル・ウェポン」シリーズに主演、大ヒットを記録します。1993年にはメル・ギブソン初監督作品「顔のない天使」が公開。1995年「ブレイブハート」でメル・ギブソンはアカデミー作品賞と監督賞を受賞しています。
ジュリア・ロバーツ/アリス・サットン
『陰謀のセオリー』で司法省の弁護士アリス・サットンを演じたのは、1967年米ジョージア州生まれの女優ジュリア・ロバーツです。
演劇学校を経営していた両親の影響で幼少より演技に興味を持ちます。1989年「マグノリアの花たち」でアカデミー助演女優賞にノミネート。1990年「プリティ・ウーマン」が大ヒットを記録、アカデミー主演女優賞にノミネートされ名実共にトップスターへ。以降「ペリカン文書」や「ノッティングヒルの恋人」などに主演。2000年「エリン・ブロコビッチ」ではアカデミー主演女優賞を受賞。その後も数々の話題作に出演しています。
パトリック・スチュワート/ジョナス博士
元CIA工作員で医師のジョナス医師を演じたのは1940年英ヨークシャー州出身のパトリック・スチュワートです。
出典: https://eiga.com
スチュワートは1959年に舞台俳優としてデビューします。その後渡米し1987年テレビシリーズ「新スター・トレック」に船長役で出演、人気を博します。以降劇場版4作にも主演します。2010年、大英帝国勲章を授与されました。
キルク・カザート/ロウリー捜査官
FBI捜査官のロウリーを演じたのは、1957年米テネシー州生まれの俳優キルク・カザートです。
カザードは学生時代からバスケットボールで活躍しプロバスケットボール選手となりますが、足の怪我が原因で現役を引退、俳優に転身します。代表作には、ブルース・ウィルス主演の『16ブロック』やスティーブン・スピルバーグの『イーグルアイ』があります。
陰謀のセオリーに関する感想や評価
メル・ギブソンの演技がよかった!
映画 陰謀のセオリー
— 尾台 航 (@OsarunoWatapo) September 21, 2017
何事も陰謀論につなげ、全ては盗聴されてる!みたいなヤバい人をメルギブソンが好演。
佳作。
DVでファシストでダーティーなイメージが強いが、どこが憎めないお茶目な陽の演技が光る。あとジュリアロバーツの若い時は完璧可愛い。高校の時のイケメンの同級生に似てる。 pic.twitter.com/4auLW5Qetf
『陰謀のセオリー』というタイトルにあるように陰謀論に取りつかれた主人公をメル・ギブソンが好演していたという感想です。どこかお茶目で憎めないキャラが光っていました。
ラストシーン(結末)が好き!
ラストがラブロマンス映画とはちょっと違う。死んだことになっているジェリーが、FBIとともに遠くからアリスを見守りつつ「Can't Take My Eyes Off You」を男3人で歌うラストはなんだかとても良い。これもラストシーンが好きな作品だ。
映画『陰謀のセオリー』の結末に伏線があり、単なるハッピーエンドとしなかったのが良かったという感想です。男3人で歌うシーンが特に印象に残ったようです。
くだらない陰謀論映画かと思いきや!
一般的な常識を視聴者が持つであろうことを計算にいれ、逆手にとっての物語の構成はなかなか凝っていて楽しめた。それでも現実的な話とは思えないのだが、これだけ真面目にされると映画の世界の中の話としては十分娯楽として面白い。
タイトルにあるようにくだらない陰謀論が展開されるのかと思ったのですが、実際には娯楽として楽しめる作品になっており楽しめたと言う感想です。
陰謀のセオリーあらすじ・結末ネタバレまとめ
ここまで異色のサスペンス『陰謀のセオリー』のあらすじや結末ネタバレをお届けしてきました。「陰謀論」という特異なモティーフを映画に取り込み極上のサスペンスに仕立て上げた腕前は、さすがリチャード・ドナー監督という感想を寄せた方もいました。この機会に『陰謀のセオリー』をDVDなどで実際に鑑賞してみることをおすすめします。