2019年02月27日公開
2019年02月27日更新
スプライスの感想・評価まとめ!映画のあらすじやラストの結末をネタバレ
映画『スプライス』はホラー映画にも分類されるモンスター・パニック映画ですが、大きなテーマは「生命の尊さ」です。新生物として生まれたドレンの複雑な心境、そして生みの親である科学者カップルの人間ドラマも描かれています。映画後半では驚きの結末を迎えるため、ラストシーンが脳裏に残る視聴者も多いとされています。この記事では、映画『スプライス』のあらすじ・結末のネタバレや感想を紹介します。
目次
スプライスは禁断の映画?感想やあらすじに迫る!
スプライスの作品情報
映画『スプライス』は2009年に公開されたカナダ・フランスの合同映画です。ジャンルとしてはモンスター・パニック、ホラー、SF、ドラマなどに分類されます。主人公のエルサとクライヴは科学者同士のカップルで、驚異的な早さで成長する新生物を生み出します。2人は人間が踏み入ってはならない禁断の領域に到達し、新生物・ドレンを育てていくことを決心したのでした。
スプライスの監督情報
『スプライス』の監督を務めたヴィンチェンゾ・ナタリは、独特な世界観で視聴者を魅了し続けている監督です。彼の作品の特徴として挙げられる点は「どこにも逃げ場のない世界」です。映画内では登場人物が密室に閉じ込められたり、大きな秘密を抱えていたりと、誰にも頼れない状況が発生します。『スプライス』でもそれは同様で、登場人物達が秘密裏に新生物を生み出します。
スプライスのキャスト①サラ・ポーリー
スプライスのエルサ役を演じたサラ・ポーリーさんはカナダ出身の女優です。女優業の他にも映画監督や脚本家としても活動しており、多才な面を見ることができます。映画デビュー作は1986年の『クリスマスに届いた愛』で、カナダのテレビ番組でも子役として活動していました。スプライス以外の代表作としては、自身が監督した2006年の『アウェイ・フロム・ハー君を想う』などがあります。
スプライスのキャスト②エイドリアン・ブロディ
スプライスでエルサの恋人・クライヴ役を演じたエイドリアン・ブロディさんは、アメリカ出身の俳優です。代表作には主演を務めた『戦場のピアニスト』があり、アカデミー主演男優賞を獲得しています。テレビ映画でデビューをした後、1988年に公開された映画『Home at Last』に出演し、その後も俳優として活動を続けています。
スプライスの映画あらすじをネタバレ
あらすじネタバレ①ジンジャーとフレッドの誕生
科学者のエルサとクライヴは、DNA実験を行う研究室で新種の生物を発明することに成功します。そこで誕生した新生物は、オスのフレッドとメスのジンジャーでした。フレッドとジンジャーは芋虫のような見た目をしており、元気に動き回ってお互いに好意を示していました。エルサとクライヴは実験成功に大きな喜びを感じました。
フレッドとジンジャーは3年越しにようやく誕生した結合生物(スプライス)でした。新種の生物2匹は遺伝子由来の病気を治すヒントを有していました。エルサとクライヴは、病気を治す鍵である新生物の存在をニューステッド製薬の上役・ジョアンにプレゼンします。
2人は新生物と人間のDNAを結合する研究を行う予定でしたが、上役のジョアンからは偉大な研究よりも結果を生み出すことを求められます。ジョアンが望んでいたのは、すぐに製品化できる魔法の医療製品で、DNA研究には目も向けていませんでした。
あらすじネタバレ②人間と新生物のDNAを融合
新生物のDNA研究によって不治の病を治すヒントを得たエルサは、その先へ続く実験をどうしても諦めきれません。人類と新種の生物をかけ合わせることは危険な行為そのものでした。冷静になったクライヴは「モラルの問題がある」と語り、実験を止めるようにエルサに指示します。しかし、その制止も空しくエルサは人間のDNAと新生物のDNAを強制的に結合させます。
あらすじネタバレ③新生物が誕生
エルサがDNAを結合させた新生物は、人工子宮の中ですくすくと育っていき、予定よりも早く破水します。エルサは人工子宮の中に手を入れ、新生物を助け出そうと奮闘しますが、手を針のようなもので刺されてしまいます。クライヴはエルサを助けるために人工子宮の装置を壊し、痙攣発作を起こす彼女の脚に注射を刺します。
クライヴが打った注射によってエルサは何とか意識を取り戻します。クライヴは新生物の処分に取りかかりますが、エルサによってそれを制止されます。その後、新生物はH-50の仮名でエルサ達に育てられ、急速な成長を見せます。H-50は胎児のような姿から人間の子供程度の大きさに成長し、エルサ達から教育を施されました。
あらすじネタバレ④成長していくドレン
エルサと小さなH-50がアルファベットの勉強をしている時のことです。H-50はエルサのTシャツに書かれていた「NERD(オタク)」という文字を理解し、自分でパズルを組み立てます。エルサはその文字を反対から読み、「DREN(ドレン)」という名前をH-50につけます。一方、クライヴはドレンを実験体として考えていたため、母性を表面に出しているエルサと意見がぶつかることがありました。
ある日、クライヴの弟・ギャビンがエルサ達の研究室に入ると、ギャビンを敵だと思ったドレンが彼を襲ったため、彼女の存在がバレてしまいます。ギャビンを何とか説得した2人は何とか事なきを得ます。ある日、ドレンが原因不明の高熱に苦しむと、エルサはひどく動揺し、クライヴに助けを求めます。クライヴは熱を下げるためにドレンを無理矢理水風呂に浸からせ、エルサをさらに混乱させます。
ドレンは両性の肺を持っていたため、水中で穏やかに呼吸を始め、熱も下がりました。その後、ドレンはますます成長し、美しい女性の姿へ変わりました。エルサはドレンに愛情を注ぎ続け、ある夜彼女にプレゼントの人形を送ります。その夜、しばらく体を重ねていなかったエルサとクライヴはドレンの寝室の隣で愛し合います。しかし、ドレンはこっそりと2人の様子を観察していました。
あらすじネタバレ⑤ジンジャーとフレッドの研究が失敗
エルサとクライヴはドレンを育てる傍ら、新生物のジンジャーとフレッドの研究結果を総会で発表します。オスとメスの恋人同士だった2匹でしたが、ジンジャーの女性ホルモンが低下し、性別がオスに変わったことで、2匹は争いを始めます。2匹はお互いを殺し合い、会場には彼らの血液が飛び散り、エルサ達のプレゼンは大失敗に終わります。
エルサとクライヴは、ジンジャーとフレッドをもう一度再生させる決意を表明しますが、製薬会社からはそんな時間はないと言われてしまいます。研究の失敗を嘆いたクライヴは研究室で弟・ギャビンに辛く当たります。しかし、ギャビンはクライヴから仕事を大量に押し付けられていたため、彼に反抗します。
クライヴ達が作り出すピリピリとした気まずい空気の中で、エルサは悲しそうな表情をしているドレンに寄り添っていました。実験の失敗によって研究室を立ち退くことを迫られたエルサ達は、ドレンを違う住居へ移すことを決意します。
あらすじネタバレ⑥様々な変化を見せるドレン
エルサの亡くなった母は農場を持っており、そこにドレンは住むこととなりました。農場に入る際、ドレンは怯えた様子を見せましたが、本当は空腹に耐えられなかっただけで、ウサギを捕まえて食べました。農場の納屋の中にはドレン用の大きな水槽があり、彼女は勢いよく水中へ飛び込んで行きました。水槽の中で悠々自適に泳ぐドレンを残し、エルサとクライヴは研究室に向かいました。
あらすじネタバレ⑦退屈さと寂しさを覚えるドレン
エルサとクライヴは納屋に戻り、ドレンの様子を見ます。彼女は納屋の中でとても退屈な生活を強いられており、外に出たいと意思表示をしていました。しかし、エルサがそれを許しません。すると、ドレンは怒りを露わにし、家具や窓を壊して無理矢理外へ出ていってしまいます。
ドレンを追いかけ、足場が安定脚内屋根の上までやってきた2人は、何とかドレンが屋内に戻るように声をかけ続けます。クライヴが「愛している」と語り、ドレンとクライヴは固く抱きしめ合いました。ドレンの表情は切なさで満ちていました。
ドレンは寂しさから、納屋に迷い込んできた猫を大切な友達として扱っていました。しかし、エルサにその猫が見つかり、「猫アレルギーかもしれない」という理由で、ドレンは猫と無理矢理引き離されてしまいます。ドレンは心が悲しみでいっぱいになり、落ち込んだ様子を見せました。
ドレンとの時間を持ちたかったエルサは、仕事を休み、ドレンの魅力を引き立てるメイクを施しました。ドレンは数枚の似顔絵を描いていましたが、そこにエルサの絵はなく、全てクライヴの絵でした。
あらすじネタバレ⑧ドレンとエルサのDNAの繋がり
一方、クライヴはタンパク質を抽出する仕事に取り掛かっていました。クライヴが納屋に訪れると、そこには落ち込んだドレンの姿がありました。化粧をしてドレスを着ているドレンを観たクライヴは、彼女に「綺麗だよ」と声をかけます。クライヴは気分転換に陽気な音楽をかけ、ドレンの手を取ってダンスを始めます。
ドレンはとても楽しそうに笑っていました。そんなドレンを見て、クライヴは彼女をとても魅力的な存在に感じました。クライヴがそう感じた原因は、ドレンの体にエルサのDNAが組み込まれているためでした。エルサのやり過ぎた行動にクライヴは怒りと戸惑いを覚え、彼女を責めました。
あらすじネタバレ⑨ドレンを虐待するエルサ
猫を飼うことを反対していたエルサでしたが、ドレンと距離を縮めたかった彼女は、先日取り上げた猫をドレンにプレゼントします。しかし、ドレンは喜びませんでした。ドレンは無表情で猫の首に尻尾の毒針を刺すと、猫を殺してしまいました。エルサはドレンの態度に腹を立て、彼女の頬を叩きますが、逆にドレンから反撃を受け、納屋の鍵を奪われてしまいました。
ドレンはドアを開けて納屋から出ていこうとしましたが、エルサに後ろから強く殴られ、気絶してしまいます。自分に対して攻撃的且つ反抗的なドレンに怒りを感じたエルサは、彼女を台の上で拘束すると、尻尾の毒腺を切除する手術を行います。ドレンは切除された際の痛みで、もがき苦しみました。偶然その場面に居合わせたクライヴは、ドレンに強い同情を示し、エルサの行動に驚きを隠せませんでした。
あらすじネタバレ⑩体を重ねるドレンとクライヴ
その後、クライヴは納屋にいるエルサを訪ねると、そこには発情状態のドレンが待っていました。ドレンはクライヴを父親ではなくオスとして認識しており、彼に激しいキスを浴びせます。クライヴは最初こそドレンに抗いましたが、彼女の美しさに魅了され、理性を保つことができなくりました。ドレンとの行為によってクライヴは久しぶりの快感を手に入れますが、それと同時にドレンの毒針付きの尻尾が復活します。
その時、運悪くエルサがその場面に出くわしてしまい、クライヴは行為を中断して慌ててエルサを追いかけました。クライヴは自宅まで戻ると、エルサと気まずい雰囲気の中会話を始めました。自分のDNAでドレンを生み出したエルサ、そしてそのドレンと体の関係を持ってしまったクライヴ、どちらも禁忌を犯していました。
スプライスの映画ラスト・結末をネタバレ
ラスト・結末ネタバレ①死にかけているドレン
どうしてこうなってしまったのか、2人はその苦しみを抱えたままドレンのいる納屋に再び訪れます。2人は全てをやり直したいと考えていました。2人は納屋の水槽でドレンを見つけましたが、彼女は死に直面していました。
耐え切れなくなったエルサは悲しみから涙を流し、クライヴはドレンのために墓を作りました。エルサが納屋の物を整理していると、ドレンが描いた絵を見つけました。その絵はエルサの似顔絵で、エルサは切なさを隠せませんでした。
ラスト・結末ネタバレ②オスに変化したドレン
ドレンを土に埋め、納屋から立ち去ろうとした時、ギャビンが製薬会社のウィリアムを連れて2人の元へ訪れました。ギャビンはドレンの存在はとっくにバレていたと告げます。ウィリアムから「ドレンは製薬会社の物だ」と主張されたものの、ドレンはもう既に亡くなっているとエルサは告げます。しかし、ドレンは生きており、ウィリアムを殺害します。
ドレンの性別はメスからオスに変わり、凶暴性が強調されていました。エルサ達が凶暴化したドレンに脅威を感じていると、今度はギャビンが襲われ殺されてしまいます。クライヴは池に潜んでいたドレンに水中に引きずり込まれ、エルサはドレンの未知の行動に恐怖します。クライヴを何とか水中から引き上げたエルサでしたが、ドレンに捕まってしまい、服を破かれてしまいます。
ラスト・結末ネタバレ③ドレンの最期
ドレンの狙いはエルサとの交尾でした。エルサは恐ろしさを感じながら必死に耐えていました。ドレンがエルサと行為に及んでいると、鋭い棒を持ったクライヴがそこに現れ、ドレンの背中を突き刺して攻撃します。解放されたエルサもドレンを石で殴りました。しかし、クライヴは毒針で殺されてしまいます。エルサは複雑な心境の中、ドレンを再び石で殴り殺害しました。
ラスト・結末ネタバレ④エルサの妊娠
ドレンの死後、エルサはジョアンのオフィスに招かれていました。ジョアンはドレンから摂取したタンパク質を高く評価し、エルサに高額な商談を持ち掛けます。ドレンに犯されたエルサは妊娠しており、お腹が大きくなっていました。ジョアンはエルサを気遣い、中絶の選択も提示しますが、全てを失ったエルサはもう何も怖くありませんでした。
スプライスに関する感想・評価は?
スプライス感想・評価:エルサとクライヴは毒親
科学者が倫理に反し、人間のDNAを取り入れた生命体を作り出してしまう『スプライス』は人間のようで人間では無い絶妙な気味の悪さを放つ生命体に対し、それを作り出した親たちの毒親っぷりのフルスロットルで人間の貪欲さと醜さが垣間見える作品で面白いよ pic.twitter.com/Ks40fLRQym
— 共食いゾンビ (@MOGUMOGU_shark) February 21, 2019
スプライスはSF描写よりもドラマ描写の方が重要視されていると言われています。スプライスの感想には、「エルサとクライヴは毒親」という感想がたくさん寄せられています。毒親とは子供に悪い影響を与える親のことを指します。娘を物のように扱う2人は、感想で述べられている通りまさに毒親だといえます。ラストでエルサが妊娠してしまった結末は、その罪なのかもしれません。
スプライス感想・評価:人外ファンには心にくる
スプライス見たのだけど、あらすじだけでも癖に刺さりそうで、実際見てめっちゃ刺さった、人外がしっかり人外として出てるの好きで、ストーリーも好きだった、しんどいけど
— カクリ (@kakuri88) February 24, 2019
人外モノの映画は数多くあり、スプライスもそれにカテゴライズされています。スプライスのドレンは人間と新生物のハーフで、人間らしい点とモンスターのような凶暴性の両方を持ち合わせています。ドレンの見た目は成長すると共に人間側に近づきますが、大きく離れた目や脚の形などを見ると、人間にはない独特の神秘的な雰囲気を感じさせてくれます。
人間か人間ではないかの絶妙なラインが良いという感想もあり、人外ファンからは好意的な感想が多く寄せられています。ラストではメスからオスへ性別が変わり、人智を超えた力を見せてくれます。
スプライスのドレンはかわいい?
スプライスのドレンはかわいい
最初の赤ちゃん時のドレン、美しく成長したメスのドレン、ラストでオス化したドレン、どれも個性的な姿をしています。ラストのオスのドレンは恐ろしい凶暴性を秘め、奇妙な姿をしています。しかし、赤ちゃん期から青年期のドレンはかわいいと言われることもあります。ドレンは人間ではないけれど人間のようなかわいらしさを持っており、とても個性的な魅力を持っています。
スプライスのドレンは可哀相?
ラストで死んでしまうドレンですが、生まれてしまった時点で幸せになる結末などなかったのかもしれません。エルサとクライヴは自分達なりにドレンの親として努力していたのかもしれませんが、ドレンがもし違う親を持っていたら結末も変わっていた可能性があります。スプライスでは未知の生物に対するSF的恐怖も描かれますが、虐待など社会問題も示唆していると考えられます。
スプライスの感想や結末ネタバレまとめ
スプライスでは人間が踏み入ってはならない未知の領域に達し、その上で生じる悲劇が描かれていました。人間達とドレンが苦悩に苛まれる姿は悲しさと切なさで満ちていました。この記事を読んでスプライスが気になった方は是非視聴してみてください!