キューティーハニーが再び実写映画化！ハニー役歴代ナンバー1は？【西内まりや】

昭和を代表する人気アニメ『キューティーハニー』が2004年に映画『キューティーハニー』（佐藤江梨子主演）として実写化されてから12年。2016年に『CUTIE HONEY -TEARS-（キューティーハニー・ティアーズ）』として再度、実写映画化された。

歴代作品はセクシーさをアピールしたものだったが、今回は人気ファッションモデルの西内まりやを主人公に起用し、スタイリッシュなアクション映画に仕上げた。

『キューティーハニー』は、昭和生まれの作品ながら、何度もリメイクされている息の長い名作アニメだ。初代テレビアニメの放映が終了した後も、新シリーズが放映された。また、アニメビデオ化、映画化、そして実写化もされている。ここでは、『キューティーハニー』の原作や、歴代リメイク版についての情報をまとめる。

『キューティーハニー』の主人公は如月ハニーという名の少女アンドロイドだ。如月博士によって作られ、体内に「空中元素固定装置」を内蔵し、自由にアウトフィットや所持アイテムを変えて、望む職業の人物に変身する能力を持つ。敵と遭遇すると「ハニーフラッシュ！」のかけ声とともにキューティーハニーという正義の味方に変身し戦う。変身時には一瞬、裸になり、テレビアニメの放映当時はテレビっ子たちをドギマギさせた。

『キューティーハニー』の原作は永井豪とダイナミックプロ。メディアミックス作品として1973年10月～74年3月に初代テレビアニメ（全25話）が放映され、1974年からは『週刊少年チャンピオン』誌上でも連載された。また、テレビアニメ終了直前の94年3月、劇場版が公開され、さらに、長岡康史監督によりオリジナル・ビデオアニメーション（OVA)『新・キューティーハニー』も制作されている。

数年後、テレビアニメ『キューティーハニーF（フラッシュ）』として1997年2月～98年1月まで全39話が放送された。2代目『F（フラッシュ）』の方は、初代アニメに比べて少女アニメ色が強くなっており、漫画も少年誌ではなく、少女漫画雑誌の『ちゃお』で連載された。

コミックは、秋田書店より『キューティーハニー』全２巻（少年チャンピオン・SFコミック）、『キューティーハニー』全１巻（秋田コミックス・セレクト）が出版されている。また、中央公論社から『キューティーハニー』中公文庫コミック版・全２巻、中公コミックライト・全３巻、中公愛憎版・全１巻が出版されている。双葉社からはアクションコミックス『キューティーハニー70’ｓ誕生伝説』全１巻も出ている。

上でも触れた劇場版を紹介する。初代テレビアニメ放映終了時の1974年3月に『キューティーハニー』がアニメ映画化。監督はキャラクターデザイン担当の荒木伸吾が務めた。1997年には、２代目テレビアニメ『キューティーハニーF』放映中に、同名のアニメ映画が上映された。

さらに、原作者の永井豪の画業50周年記念企画の一環として、2018年春に劇場版アニメ『Cutie Honey Universe（キューティーハニー・ユニバース）』が公開された。なお、同記念企画としてこの映画に先立ち、永井豪の他のアニメ作品である『DIVILMAN Crybaby（デビルマン・クライベイビー）』、『劇場版マジンガーZ/INFINITY（インフィニティ）』も公開されている。

実写版『キューティーハニー』だが、まず、2004年に佐藤江梨子主演で実写映画化された。このとき、倖田來未が主題歌を歌ってヒットした。次の実写化は特撮を駆使したテレビドラマ『キューティーハニー』（全25話）で主演は原幹恵が務めた。そして、2016年に上映された西内まりや主演の実写映画『CUTIE HONEY -TEARS-』だ。実写版については後ほど、もう少し詳しく紹介しよう。

昭和の人気アニメ『キューティーハニー』は何度もリメイク版が制作され、前章で紹介したようにアニメ映画化、アニメビデオ化、実写映画化が重ねられている。ここでは歴代のテレビアニメの声優と、実写版の歴代女優についてまとめる。

上の画像は、歴代ハニー役の声優だ。左から永野愛（キューティーハニーF役）、堀江由衣（キューティーハニー役）、増山江威子（キューティーハニー役）、根谷美智子（新キューティーハニー役）。『Re:キューティーハニー・コンプリートDVD』（2005）の特典スペシャルCDで共演した。

初代アニメ版『キューティーハニー』のハニー役の声優は増山江威子が担当した。増山江威子と聞いて思い浮かぶのは、まず『ルパン三世』の峰不二子、アニメ『天才バカボン』のママだ。ほか、アニメ『パーマン』のパー子、米ドラマ『草原の少女ローラ』のお母さんなど多数の役柄をこなしている。『オバケのQ太郎』のU子、『一休さん』の母上/ナレーターも増山の声だ。

２代目ハニーの声優は根谷美智子。1994年のオリジナル・アニメビデオ（OAV）『新・キューティーハニー』として制作された。

３代目ハニー役の声優は永野愛だ。テレビアニメ『キューティーハニーF（フラッシュ）』は1997年2月～98年1月までテレビ朝日系で放映された。この如月ハニー役が永野愛の声優としてのデビュー作となっている。永野愛は、その後、『プリキュア』シリーズのキュアミント役など、テレビアニメで数々の役柄を演じている。

4代目の声優は、OVA『Re:キューティーハニー』でハニー役を演じた堀江由衣だ。堀江由衣は、下で紹介する『キューティーハニー・ユニバース』（2018）では、主人公、如月ハニーの親友・秋夏子を演じた。

2018年3月にテレビアニメ化された『Cutie Honey Univese（キューティーハニー・ユニバース）』如月ハニー役を演じるのは坂本真綾（画像・上）。声優、ナレーターの他、女優としても活躍している。そして、ハニーが七変化した時の声は、レーサーの声を内田真礼、歌手を黒沢ともよ、カメラマンは田村ゆかり、ACを花沢香菜、デザイナー兼モデルを三森すずこら人気声優が演じている。

劇場版『キューティーハニー』は、1974年3月、テレビに先駆け東映まんがまつり内で上映された。如月ハニー役はテレビアニメと同じく増山江威子が担当した。主題歌は『ひょっこりひょうたん島』の前川陽子だ。

映画アニメ版の監督はキャラクターデザイン担当の荒木伸吾。内容はテレビアニメシリーズ第12話「赤い真珠は永遠に」で、テレビに先駆けて上映された。ストーリーは、人間によって妹を殺された人魚が、パンサーアンドロイドとなって復讐するというもの。同時上映は『きかんしゃやえもんD51の大冒険』、『飛び出す立体映画イナズマン』、『マジンガーZ対ドクターヘル』、『仮面ライダーX]』、『ミラクル少女リミットちゃん』。

劇場版『キューティーハニーF（フラッシュ）』の如月ハニー役もテレビアニメの『キューティーハニーF』と同じく永野愛が務めた。この映画は東映アニメフェアで公開され、上映時間は38分と短い。ストーリーはオリジナルだが、テレビアニメと同じ世界観が表現されている。

テレビアニメとアニメ映画でリメイクされてきた『キューティーハニー』だが、３度、実写化もされている。ここでは、実写版のキューティーハニー役の歴代女優をまとめた。

初代実写版『キューティーハニー』の如月ハニー役は佐藤江梨子。スタイル抜群で、コスチュームもカッコいいと評価されている。佐藤江梨子は元グラビアアイドルのタレント、女優。2015年にブラジル人男性と結婚した後、芸能界復帰を果たした。朝ドラ『半分青い』（2018）にも出演し、同年秋放映のNHK時代ドラマ『ぬけまいる～女三人伊勢参り』では、主演３人のうちの一人、お志花役を務めている。

実写映画『キューティーハニー』の監督は、『エヴァンゲリオン』、『シンゴジラ』の庵野秀明だ。アニメ独特の画を実写で実現するため、アニメ制作と同様にあらかじめ作画されたカットに従い、１コマずつ役者にポーズを取らせて撮影するという手法を取った。この方法は「ハニメーション」と名づけられている。出演俳優は敵役の及川光博、片桐はいりの他、松田龍作、京本政樹、倖田來未、原作者の永井豪が特別出演している。

主題歌『キューティーハニー』は人気歌手の倖田來未が歌い、話題を集めた。セクシーでクールなイメージを持つ倖田來未はこの主題歌の歌手としてはうってつけだが、主題歌の最後に入るセリフ「変わるわよ」がカットされているということで、昔からのファンの一部は残念がっている。

庵野秀明監督は、この実写映画に加えて、同じ2004年にビデオアニメ（OVA）『Re:キューティーハニー』を制作した。ハニー役の声優も、主題歌の歌手も、それぞれ佐藤江梨子、倖田來未と同じタレントを起用し、全３話で構成されている。映画では表現しきれなかった細かい設定を、アニメならではの表現で補完して完成させた。

最新の実写版『CUTIE HONEY -TEARS-』の主演女優は西内まりやだ。西内まりやは女子中高生に人気の雑誌『セブンティーン』の専属モデルとして人気を集めた。この映画もファッションモデルとしての彼女のスタイリッシュなイメージを前面に押し出した作品となっている。例えば、ハニーのコスチュームだが、他の作品がセクシーさをアピールしているのに比べ、『TEARS』では黒を基調にしたクールな印象だ。

『CUTIE HONEY -TEARS-』は西内まりやの初主演映画。西内は初めてのアクションにも挑戦している。共演は、ジャーナリスト役の三浦貴大、アンドロイド・ジル役の石田ニコルなど。監督はA.T./ヒグチリョウ。映像はCGを駆使し、近未来の日本を演出している。

２作目の実写版はテレビドラマの『キューティーハニー・THE LIVE 』だ。ハニー役はグラビアアイドル・原幹恵が演じた。ドラマ主演はこの作品が初となり、その後、2009年にミュージカル『シンデレラ』で初舞台を踏み、2012年には映画『アノソラノアオ』では主人公の姉を演じた。2018年に芸能界活動休業を発表している。

以上、歴代キューティーハニー役についてみてきたが、ここでは最新実写版『CUTIE HONEY -TEARS-』でキューティーハニーを演じた西内まりやについて紹介しよう。

西内まりやはモデル、女優、歌手と多彩なタレントだ。2006年、12歳でスカウトされ、モデルとして芸能界入りした。ローディーン向けのファッション雑誌『二コラ（新潮社）』の専属モデルとして仕事を始め、『Seventeen（集英社）』の専属モデルも務め、10代の女子を中心に圧倒的な人気を誇った。2008年から女優の仕事を開始し、テレビドラマ『正義の味方』（2008）に初出演後、2011年の『スイッチガール』で初主演を果たす。

西内まりやは2014年に『LOVE REVOLUTION』で歌手としてもデビュー。日本レコード大賞新人賞および最優秀新人賞を受賞し、日本有線大賞新人賞も受賞した。画像（下）は2017年にリリースされた７thシングル『Motion』のMVからのもの。人気タレントとしてバラエティ番組などテレビの露出が多かった西内まりやだが、近年は主にインターネット上のブログやツイッターなどで自身や仕事の情報を発信している。

過去に制作されてきた数々の歴代『キューティーハニー』シリーズを見てきたが、最後に、実写映画版を見た人の感想や評価を紹介しよう。(画像・上は西内まりや主演の『CUTIE HONEY -TEARS-』の一場面）

まず、佐藤江梨子主演の初代映画版キューティーハニー。商業的には奮わなかったが映画自体の評価が高い。佐藤江梨子がはまり役だという声や、庵野秀明監督のB級映画的なCGが面白いという声が多い。また、キューティーハニーを演じた頃の佐藤江梨子と現在の彼女の役どころを比べて、その変化に言及する声もあった。

西内まりや版の実写映画『CUTIE HONEY -TEARS-』を見た人の感想は、今までの『キューティーハニー』シリーズとは雰囲気が違う、という声が多く聞かれた。過去のシリーズはセクシーな明るいコメディ路線だったが、『ティアーズ』はシリアス路線だったという感想だ。過去のキューティーハニーを求めて『TEARS』を見た人の評価は微妙だ。しかし、主人公を演じた西内まりやの魅力について、また共演者たちの演技への評価は高い。

このページでは、西内まりや主演の実写映画『CUTIE HONEY -TEARS-』を紹介するとともに、歴代のキューティーハニー・シリーズの声優、女優、そして作品情報をまとめた。

実写版の主役は、佐藤江梨子（初代）、原幹恵（２代目）、そして西谷まりや（３代目）が演じた。佐藤江梨子と原幹恵が原作のセクシー・コメディ系のキューティーハニーを演じているのに比べ、3代目の西谷まりやはファッションモデルとして、映画『CUTIE HONEY -TEARS-』でスタイリッシュでクールなハニーを演じた。

コミカルでセクシーなキューティーハニー、クールでスタイリッシュなキューティーハニー。さまざまなキューティーハニーをさまざまなメディアで味わうことができる。ぜひ、比べながら観てほしい。