アンダーワールド ブラッドウォーズのネタバレあらすじ！シリーズの時系列・順番は？

吸血鬼と狼男の戦いを描いたケイト・ベッキンセイル主演の人気シリーズ5作目『アンダーワールド ブラッドウォーズ』この記事では、本作「ブラッドウォーズ」のあらすじと評価を掲載しているほか、公開順と時系列順で若干異なるアンダーワールドシリーズ全5作品を時系列順に紹介しています。「ブラッドウォーズ」未視聴で訪れた方はもちろんのこと、「アンダーワールド」が初めての方もぜひ最後までご一読よろしくお願いします。

一人の不老不死の人間から派生した2つの種族。吸血鬼のヴァンパイア族と狼男のライカン族の1000年以上にも及ぶ長き戦いの一幕を描いた長編物語です。ヴァンパイア族の戦士セリーンを演じるのは人気女優のケイト・ベッキンセイル。ライカン処刑人の彼女を軸に物語が展開。種族同士の戦いや裏切り、恋愛など吸血鬼・狼男・人類による複雑な人間模様が描かれています。

ケイト・ベッキンセイルが魅せる美しきヴァンパイアの派手なアクションシーンもアンダーワールドシリーズの見どころの1つです。CGには頼らず着ぐるみと特殊メイクで作り上げたライカン族の狼形態やヴァンパイア族。視覚効果やワイヤーアクションなどを駆使した剣戟シーンや激しい銃撃戦など手汗握る迫力のアクションシーンが全体的に暗くて重めの物語に刺激を与えて引き立てています。

原案・監督を務めたのはレン・ワイズマン（監督は2作目まで、3作目からは原案・脚本）。監督としての代表作に『ダイ・ハード4.0 』やリメイク版『トータル・リコール』といった話題作を手がけてます。ワイズマン初監督作品でもある2003年に公開の『アンダーワールド』は、批評家からのウケは悪かったものの、観客を魅了する演出と別作品の吸血鬼ブームの影響も相まって興行収入9億ドル以上の大ヒットを果たしました。

ちなみに余談ですが、セリーン役のケイト・ベッキンセイルと1作目と3作目の主要人物ルシアンを演じたマイケル・シーンは数ヶ月交際していたことがあります。マイケル・シーンとの破局後、レン・ワイズマン監督と2004年に結婚をして夫婦の関係だったことが一時期ありました（2016年に離婚）。

2009年公開。公開順では3作目ですが、時系列順だと一番最初の作品になります。1作目で明らかになるヴァンパイア族とライカン族の戦いの発端となったルシアン（ライカン族）とソーニャ（ヴァンパイア族）の種族を越えた悲恋のエピソードを掘り下げており、1作目よりも前の時代を描いたアンダーワールドシリーズの起原となる物語です。また、この作品ではセリーンが主人公ではなく、ライカン族のルシアンが主人公を務めてます。

公開順で視聴すると『アンダーワールド』で「ビギンズ」に関する大まかなネタバレを知ってしまうので、時系列順に「ビギンズ」から視聴したほうが余計な知識がないぶん純粋に物語を楽しむことができます。もちろん公開順から視聴したとしても、1作目で明かされたエピソードの補完作品として「ビギンズ」を楽しむことができるので、アンダーワールドシリーズ初めての方は、公開順か時系列順お好きな方で大丈夫です。

序盤のあらすじ紹介。人類初の不老不死から派生した2つの種族がいました。これまでライカン族は一度狼になると二度と元に戻れませんでしたが、のちに人間に戻れる初のライカン族ルシアンが誕生します。ヴァンパイア族のビクターは、奴隷の人間をルシアンで感染させてライカン族の奴隷を作ることを計画しました。新種のライカン族が続々と増えるなか、ビクターの娘ソーニャとの出会いが大きな戦乱を生むことになります。

2003年公開。記念すべき1作目であり時系列順だと2番目の作品になります。吸血鬼と狼男による長きに渡る戦争。ヴァンパイア屈指の実力者であるライカン処刑人セリーンとライカン族に狙われていた人間の青年マイケル、この二人の運命の出会いが戦争の原因とセリーンの両親殺しの犯人を明らかにし、やがて世界を巻き込む大きな戦いへと発展していく最強の吸血鬼セリーンの序章となる物語です。

序盤のあらすじ紹介。1人の死が原因で巻き起こった数百年以上に及ぶ戦い。ライカン族リーダーのルシアンが死亡したことでライカン族は衰退してヴァンパイア族の勝利で収まりかけてました。ある日、取り逃がしたライカン族の追跡を行っていたセリーンは手がかりを求めてライカン族に追われていた人間の元へと向かいます。ライカン族の部隊に襲われる中、狙われてた人間がライカン族に噛まれて感染してしまいます。

2006年公開。シリーズ2作目で時系列順では3番目の作品になります。長老を殺したことで同族からも追われる身となってしまったセリーンとマイケルの2人は逃亡を続け、やがて始祖たちとの戦いへと発展していきます。本作の冒頭では、2種族の始祖ウィリアムとマーカスにスポットが当てられており、作品自体は3番目の時系列ですが「ビギンズ」よりも前のエピソードが明らかになります。

実はアンダーワールドの1作目と2作目は、本来1つの作品として公開する予定でした。しかし次々とアイデアが膨らんで予定していた尺が足りなくなってしまったため、予定していた作品を2つに分けて制作。物語の前半部分が『アンダーワールド』、後半部分が続編の『アンダーワールド: エボリューション』として公開します。すると1作目2作目ともに大ヒットして戦略的に大成功。2作目は前作を上回る興行収入を叩き出しました。

序盤のあらすじ紹介。人間を見境なく襲うライカン族のウィリアムを側近のビクターに捕らえさせた双子の兄マーカス。危険性から一刻も抹殺したいビクターと弟を守りたいマーカスは対立しますが、老いていたビクターに吸血鬼の力を与え、弟を自分の知らない場所に幽閉するという条件で手を打ちました。それから時が経ち、復活した長老マーカスは、幽閉場所の鍵を握る逃亡中のセリーンたちに襲いかかります。

2012年公開。シリーズ4作目で時系列順では4番目の作品になります。2作目の始祖との戦いから12年後を舞台に、存在を知ったことでヴァンパイア族とライカン族を抹殺や研究対象として扱い始めた人類と、マイケルとの間に産まれた娘のイヴを救うため奮闘するセリーンの活躍を描いています。

ヴァンパイア族とライカン族の戦争に人間も加わり三つ巴の戦いとなった本作。内容も今までのファンタジー路線から打って変わって近未来感が増しています。批評家や従来のファンからは、お粗末な内容だったため色々と叩かれもしましたが、興行収入は16億ドルとシリーズ最高の大ヒット記録を叩き出しました。

序盤のあらすじを紹介します。ヴァンパイアとライカンの存在を知った人類は2つの種族の弱点を研究して殺し始めます。通常とは異なる種だったマイケルとセリーンの二人は捕らえられて研究対象として冷凍保存。それから12年の年月が流れ、世界は「非人類種」の選別によって人間以外の種族が抹殺が行われていました。その頃、冷凍保存されていたセリーンに研究施設を脱出するチャンスが巡ってきます。

2017年公開。シリーズ5作目で時系列順では5番目の作品になります。新たに誕生したライカン族リーダーのマリウスの出現によって劣勢を立たされたヴァンパイア族。これまで犯した罪を許す代わりに若い処刑人の教育係としてヴァンパイア族に戻ることになったセリーンの新たな戦いを描いています。

ライカン族を追っていたヴァンパイア族のセリーンは、ライカン族に狙われていた人間マイケルを尋ねますが、ライカン族リーダーのルシアンに噛まれたことでマイケルは感染してライカン族になります。死を偽装して生き延びていたルシアンとヴァンパイア族の長老代行クレイヴンは裏で繋がっており、「最愛の人を奪った仇」と「長老の座」二人は「ビクターの暗殺」で協力していました。

そのことに気づいたセリーンは最も信頼する3長老ビクターに報告しますが、全く信用されず監禁されてしまいます。その後、クレイヴンの手引きで3長老アメリアは死亡し、マイケルはライカン族に拉致されます。マイケルは始祖コルヴィナスの子孫で、ビクターを倒すのに必要な存在でした。ビクターは信頼する部下の離反に気づきライカンのアジトを襲撃。勝てないと悟ったクレイヴンはルシアンを裏切って銀の散弾銃を浴びせます。

鉢合わせしたクレイヴンにマイケルが撃たれます。そしてセリーンの両親を殺した犯人はビクターで、娘と似ていたから生かされたことを聞かされます。セリーンは瀕死のマイケルに噛みついて混血種にさせたその時、ビクターがやってきました。覚醒したマイケルがビクター戦ってるスキを突いてセリーンがビクターの頭部を切断して両親の仇を討ちます。しかし、事情を知らない同胞からは長老殺しの罪を着せられることになるのでした。

どさくさに紛れて逃亡したクレイヴンが最後の3長老マーカスの殺害を企てます。しかし、ビクターが殺したライカン族の血が流れ込んで混血種として復活したマーカスに全てを知られて逆に殺されてしまいます。その後、マーカスはセリーンたちを強襲。マーカスの目的はセリーンの記憶とルシアンのペンダント（ソーニャの形見）。ペンダントはビクターとの取引によって幽閉されてしまった弟がいる牢の鍵でした。

ヴァンパイア族の歴史記録係タニスから、セリーンの父親が幽閉されている牢の建設に携わっていたことを聞きます。セリーンは人間だった頃に訪れており、ビクター亡きいま唯一幽閉されてる場所の記憶を持ってる人物。二人はタニスのアドバイスでロレンゾ・マカロに会いに行きますが、再びマーカスの襲撃によってセリーンは噛まれて記憶を読み取られてしまい、マイケルが殺されてペンダントを奪われてしまいます。

マカロは人類初の不老不死コルヴィナス本人。マーカスは父親をも襲い、もう一つの鍵を奪って立ち去りました。重症を負ったコルヴィナスは自分の血をセリーンに与えたあと部下にセリーンを助けるようう言い残し自爆します。セリーンがマーカスと解放されたウィリアムと戦っていたその時、復活したマイケルが駆けつけウィリアムと戦います。セリーンはマーカスと死闘を繰り広げ、二人は始祖たちとの戦いに決着をつけるのでした。

二つの種族の存在が世に明るみになり人間による銀と紫外線の武器を使った狩りが始まります。セリーンとマイケルも人間に捕まり12年の歳月が流れました。脱走した別の被検体によって目覚めたセリーンは、研究施設アンティジェン社を脱出。脱走した被検体を探してるとき知り合ったヴァンパイア族のデビッドと協力して被検体の少女イヴを救出します。そしてイヴはマイケルとの間に誕生した自分の娘だと知るのでした。

デビッドの住まい（城）にライカン族が攻め込みデビッドが殺されます。デビッドの父親トーマスは被害を広げないためライカン族の要求に従ってイヴを差し出しました。セリーンはデビッドに自分の血を与えたあと、ライカン族が関わってると睨んでいたセバスチャン刑事とアンティジェン社へと向かいます。アンティジェン社はライカン族の強化研究施設で、混血種であるイヴの血を使って強化と銀を克服するのが目的でした。

イヴの血で強化されたレーン博士の息子との戦いが始まります。レーン博士（ライカン族）と交戦したセバスチャン刑事が負傷するも、救援に駆けつけたデビッドに援護をもらいつつ覚醒したイヴが博士を倒します。一方、博士の息子に苦戦するセリーンでしたが、機転を利かせて体内に手榴弾を爆破させて倒します。セリーンは移動途中で見つけたマイケルの冷凍保存カプセルへと向かいますが、マイケルは忽然と姿を消していたのでした。

ライカン族の強化研究施設アンティジェン社を潰して彼らの目的を阻止したセリーン。彼女はいまライカン族に追われプラハの市街をバイクで疾走していました。倉庫内へと追い込まれたセリーンは、グレゴール率いるライカン族と戦いますが、救援に駆けつけたデビッドがグレゴールに撃たれてしまいます。グレゴールはライカン族の新たなリーダーマリウスの指示でイヴを探しており、セリーンに居場所を聞き出そうとしました。

ライカンとヴァンパイアは血液から記憶を読み取ることが可能なため、イヴを自分の知らない安全な場所へと隠しています。セリーンはグレゴールを撃ち、「居場所を知らないから追っても無駄」と事情を説明をし、場所を移してデビッドを治療しました。以前セリーンに与えられたコルヴィナスの血で驚異的な回復力を見せるデビッド。彼は父親からの手紙をセリーンに渡すために訪れていました。

現在ヴァンパイア族はセリーンの力を必要としており、ある条件と引き換えにセリーンが犯したヴァンパイア族の長老殺害の罪を不問するという内容でした。セリーンの罪が許される条件とは、かつてライカン処刑人の実力者だったセリーンに若手処刑人の教育係を行ってもらうこと。ヴァンパイア族が優勢だった時代とは打って変わって、ライカン族との勢力が逆転するほどの異常事態が起こっていました。

マリウスがリーダーになってからライカン族は猛威を振るっており、マリウス率いる新生ライカン族に太刀打ちできずにいました。このままだとヴァンパイア族はあと数年で滅んでしまうことを恐れた元老院セミラは、以前セリーンと交流のあったトーマスを介して、これまで犯した罪を許すことを条件に最強の処刑人セリーンに若手処刑人の教育係を頼んだのでした。

元老院の中にはセリーンの犯した長老殺しの罪を許して連れ戻すことに難色を示した者もいました。トーマスも本来ならその中の一人でしたが、セリーンに息子デビッドを助けてもらった恩義があるため、反対派筆頭のカシウスを始めとした元老院を説得して全員の承諾を得ます。

セリーンは一族に戻って再び処刑人時代の生活を送ることを望んではいませんでしたが、デビッドから「ライカン族にコルヴィナス・ヴァンパイア族・ライカン族の混血種であるイヴの血が狙われている」と言われて考えを改めます。有望な処刑人が増えればいずれマリウスを倒してライカン族を縮小させることにも繋がるためセリーンは処刑人の教育係の条件を呑むことにしたのでした。

セミラに暖かく出迎えられたセリーンたち。後日セミラは部下（恋人）のヴァルガをセリーンの補佐につけて、若手の処刑人訓練が始まります。セリーンが訓練生にライカン族の倒し方のコツとして武器の使用ができなくなる狼形態が狙い目だと説明しました。するとヴァルガが「実際に戦いの手本を見せたほうがいい」と提案があり、セリーンとヴァルガによる模擬戦が行われます。

ところが模擬戦の最中にヴァルガは手のひらに仕込んだ特殊なナイフを使ってセリーンを麻痺させて気を失わせます。そこへセミラが訪れ「ビクターのことを許してはならない」と呟きました。そしてセミラの命令でヴァルガは目撃していた処刑人訓練生たちを次々と銃殺し、その場にいた訓練生全員を殺したのでした。

ビクターを敬愛していたセミラは、彼を殺したセリーンのことを恨んでいました。そしてセミラのもう一つの目的、コルヴィナス本人の血で混血種となったセリーンの血。セミラの計画は、ライカン族に対抗するための教育係としてセリーンを呼び戻し、油断した彼女を捕らえてコルヴィナスの血を入手することでした。

そして最後に血を抜いて用済みとなったセリーンに訓練生殺害の罪を着せて秘密裏に処分するのがセミラの本当の計画。血を抜くためセミラの部屋へと運ばれたセリーンは、血を抜き終わると死ぬよう設計された装置に拘束されてしまいます。その頃、セリーンの謀反を聞いて納得がいかないトーマス＆デビッド親子は、独自で調査を行うのでした。

セミラの陰謀に気づいてセミラの部屋に忍び込んだデビッドとトーマスの親子は、セリーンの拘束具を外して救出します。しかし、カシウスに報告していたセミラが戻ってきてしまったため、トーマスはデビッドに「セリーンを連れてヴァルドーに向かえ」と伝えてこの場から逃しました。トーマスは剣を抜いてセミラを足止めをしますが、ヴァルガにも加勢されて奮闘もむなしくトーマスはセミラに殺されてしまいます。

父の死に悲しみつつもデビッドは意識のないセリーンを抱えて窓から飛び降ります。コルヴィナスの血によってヴァンパイア最大の弱点である日光を克服しているため、セミラを含めたほかのヴァンパイア族は追ってこれません。支援者の協力のもと、デビッドたちは盗んだ車を走らせその場を立ち去るのでした。

デビッドは衰弱していたセリーンに自分の血を与えて回復させました。この時デビッドの記憶が流れ込み、トーマスが自分を助けたせいで命を落としたことを知り、デビッドに謝罪します。その頃、セミラは部下の処刑人アレクシアに追跡して処分するよう命令しました。アレクシアはマリウスと恋人関係であり、様々な情報を横流ししていました。今回の情報を聞きつけマリウスたちもイヴの手がかりを求めてヴァルドーへと向かいます。

ヴァルドーへと逃げ延びたセリーンとデビッド。そこで北部のヴァンパイア族の戦士レーナと出会います。レーナの父親であり北部の代表ヴィダルからデビッドの母親は3長老アメリアであり、デビッドは一族の正統後継者だと聞かされます。父親からも聞かされていなかった事実で戸惑うデビッドに、かつてトーマスがこの地に訪れた際に残した銀の剣とアメリアの血、二つの形見を渡しました。

セリーンはレーナに「セイクリッドワールド」（神聖な世界）について聞きます。彼女が幼き頃に父ヴィダルに連れて行ってもらった特別な場所で、初めて訪れたのをキッカケに何年も通い詰めて知識や読心術や瞬間移動などの特殊な力を会得しました。その頃アメリアの血を含んだデビッドは、彼女の記憶が流れ込んだことでヴィダルが言ったことが全て真実だと悟ったその時、マリウス率いるライカン族が攻めてきます。

デビッドとレーナは非戦闘員を守りつつライカン族と戦います。一方セリーンはマリウスと氷上で戦いを繰り広げていました。マリウスはコルヴィナスの血を得て強化された特殊なライカン族で、その強力な打撃技にセリーンは大苦戦。二人の戦いに加わったアレクシアに背中を斬られてセリーンは敗北してしまいます。

マリウスの目的はセリーンの娘イヴ。二人はセリーンを拷問して吐かせようとしますが、全く居場所を答えないためアレクシアは剣に付着したセリーンを血を口にします。イヴの居場所を知らないことが本当だったと知ったマリウスは、利用価値のないセリーンにとどめを刺します。そして目的を果たしたマリウスたちはヴァルドーを撤収するのでした。

セリーンの遺体は大至急レーナの元へと運び込まれて復活させるための儀式が施されます。その頃、僅かに採取できたセリーンの血を飲んで強化されたセミラの元に帰還したアレクシアからセリーン死亡の報告を聞きます。セミラは剣に付着した血を舐めて確認すると、用済みとなったアレクシアの喉を切り裂いて殺害しました。マリウスとの恋愛関係に気づいていたセミラは、自身の目的のためアレクシアを利用していたのでした。

元老院の会議中にヴァルドーに行っていたデビッドが戻ってきます。元老院たちに自分が長老アメリアの息子だと伝えて、形見の血を差し出しました。アメリアの血の記憶により事実だと分かり、元老院たちはデビッドをアメリアの後継者として認められます。事件の真相を知るデビッドが戻り、しかもアメリアの後継者だったことで計画が生じてしまったセミラ。彼女はヴァルガの手のひら返しもあって牢獄に入れられてしまうのでした。

ライカン族の襲撃に備えて準備を備えるヴァンパイア族。するとライカン族が夜明けとともに襲撃してきます。戦局はヴァンパイア族が優勢に見えましたが、ライカン族が壁や窓を破壊して弱点の太陽光を降り注がせたことで多くのヴァンパイア族の命が失われて不利な状況に陥ります。その頃、激しい戦いを繰り広げていたデビッドとマリウス。激しい銃の撃ち合いで二人の戦いは均衡していたとき、復活したセリーンが駆けつけます。

セリーンとレーナ率いる北部の戦士たちも駆けつけたことで戦局は大きく変わります。セリーンはセイクリッドの復活の儀式で生き返ったことで髪の一部が白くなり、レーナが使用していた特殊な力も扱えるようになってました。セリーンはマリウスと、デビッドは混乱に生じて警備兵を殺害して逃亡していたセミラとの物語最後の戦いが始まります。

武器庫内へと場所を移したセリーンとマリウス。マリウスに銃弾の雨を浴びせるなど戦いが激化する中、返り血がセリーンの口の中に入ったことでマリウスの記憶が流れ込みます。そこには行方不明だったマイケルの姿があり、マリウスによって殺されていたことが明らかになりました。殺された理由はマイケルが持つコルヴィナスの血。愛するマイケルが殺害されたことを知ったセリーンはひどく悲しみ動揺します。

その頃、別の場所ではデビッドと父親の仇セミラとの戦いが行われていました。セリーンの血を飲んで戦闘能力が大幅に向上していたセミラに苦戦するデビッド（マリウスとの戦いで負傷して万全ではない）。ところが戦いの最中、セミラは太陽光の中でも平気な自分に驚いて克服したことに喜びます。デビッドはその一瞬のスキをついて背後からセミラの口元に剣を突き刺して倒し、父親の仇を討つのでした。

マイケルの殺害場面とイヴの殺害シーンの予知?（相手の心を読んだ？）の場面がフラッシュバクで流れ込み、マリウスに対する怒りがこみ上げてきます。セリーンは狼化したマリウスの脊柱（体をささえる中軸の骨）を裂いて一瞬で決着をつけました。マリウスを断頭して、生き残ったライカン族の兵に切断したマリウスの頭を見せました。マリウスが死んだことを知ったライカン族は城から退却し始めます。

ヴァンパイア族とライカン族の長きに渡る戦争が終結を迎えました。この戦争で多く失われた命、お互いの種族は種の繁栄に乗り出します。ヴァンパイア族では新たな長老として、戦争終結の立役者であるセリーン、前長老アメリアの息子デビッド、北部からレーナの3人が選ばれ、一人の女戦士の戦いを描いた物語は幕を閉じるのでした（最後イヴらしき少女がたたずんでいるところで終わり、エンドロールに入る）。

約5年ぶりの公開となった『アンダーワールド ブラッドウォーズ』でしたが、批評家や視聴したファンからの評価はあまり芳しくなく、興行収入もシリーズ最低記録を叩き出してしまいます。この記録や評価の影響なのか次回作に主演女優であるケイト・ベッキンセイルが次回作を見送る考えをほのめかしており、今後の作品に大きな影響を与えることになりました。ここでは主に本作の低評価の理由について紹介しています。

グロテスクな演出や派手なアクションシーンが定評のアンダーワールドシリーズ。本作もアクションシーンが好評で、主演を演じるケイト・ベッキンセイルの美しくてかっこいいアクションシーンが多くの鑑賞者を魅了させました。また、前作は近未来要素が強かったせいで某大人気ゾンビアクション映画の二番煎じなど叩かれもしましたが、再びファンタジー路線に戻したことも評価されてます。

しかし、作品を称賛する声は少なく、その多くの批評家や鑑賞者からは厳しい評価が下されることになりました。「派手なだけ、ワンパターンで飽きる」などマンネリ化を指摘する声や「画面が暗くて見づらい」といった演出に対する不満など多くあがっていました。また、強引すぎる展開や雑なまとめ方などシナリオのデキの悪さについてや、「これ以上続編を作らず3作目で終わらせるべきだった」などもありました。

主要人物だったマイケルの死についても多くの批判的な感想がありました。これまでコルヴィナスの子孫としてセリーンの相棒として物語の重要な役目を果たしてきましたが、4作目では殆ど活躍せずラストで忽然と姿を消して行方が分からなくなるという続きが気になる終わり方を迎えていただけに本作の展開は多くのファンをガッカリさせる結果になりました。

ケイト・ベッキンセイル演じるセリーンの魅力も同シリーズを支える要因の一つです。しかし、本作でケイトが不老不死の吸血鬼役なのに老けてきたと一部の批評家やファンの間で指摘されました。1作目の出演時は29歳だったケイトも5作目で43歳です。

とはいえ年齢は1作品の制作期間が長いため年齢のことは仕方がなく、むしろ43歳には見えないぐらい若々しく感じるとの声も多いので、ずいぶん手厳しく失礼な一部からの指摘だとされています。

作品の評価もしくは年齢の指摘のせいなのか、公開前のケイトは次回作の出演に「ケース・バイ・ケース」と前向きな返答でしたが、公開後は「もう戻らない、やり尽くした」と次回作以降の出演を見送る発言をしています。本来シリーズ化の予定もなく1作品のみの出演予定だったのが、ここまで長期に渡る大作になるとは思ってなかった作品。今後の出演がどうなるか不明ですが、まだ重要な役目があるだけに残念な決断となりました。

前作の『アンダーワールド覚醒』は過去の実績もあってシリーズ最大のヒットはしたものの、あまりの酷さで酷評の嵐となりました。この結果が本作の期待度を減少させてしまい、ヒットしたとはいえシリーズ最低の興行収入になったのかもしれません。製作中の次回作では、作品をどのように立て直して盛り上げるのか今後の主演の件も含めて制作陣の手腕に期待したいところです。

低評価を下されている「ブラッドウォーズ」ですが、粗さはあるものの決して駄作と呼ばれる作品ではないので興味ある方はぜひご視聴してみてください。シリーズ未視聴の方は、時系列順や公開順で視聴したほうがより一層楽しめますが、冒頭でこれまでのダイジェストが流れるので本作からでも充分楽しめます。記事を読んでアクションホラー映画「アンダーワールド」に少しでも興味を持っていただけたのなら幸いです。