2018年12月10日公開
2018年12月10日更新
仄暗い水の底からのあらすじネタバレ!結末や原作との違いを比較紹介
2002年公開のジャパニーズホラー「仄暗い水の底から」。リングで有名な鈴木光司による小説を映画化した作品となります。この記事では、映画のあらすじや結末をネタバレでご紹介いたしますので、気になる方は是非ご覧ください。映画を観た人の感想や評価もまとめています。また、仄暗い水の底からの原作となる小説との違いもネタバレで比較します。どれだけ怖い映画なのか、この記事でネタバレをチェックして確かめてみてください。
目次
仄暗い水の底からのあらすじや結末ネタバレが知りたい!
出典: https://eiga.com
映画「仄暗い水の底から」は2002年に公開されたジャパニーズホラーです。「リング」で有名な鈴木光司の小説を原作とし、中田秀夫監督によって映画化されました。この記事では、仄暗い水の底からのあらすじや結末をネタバレでご紹介します。また、映画と原作小説の違いについても、ネタバレを交えつつ説明いたします!
仄暗い水の底からの作品情報
「仄暗い水の底から」は元々、鈴木光司が執筆したホラー短編集のタイトルになります。短編集の内の1編となる「浮遊する水」が、映画「仄暗い水の底から」の原作となります。ちなみに、小説の「仄暗い水の底から」は全て水をテーマとした物語で構成されています。他短編のネタバレは本記事では扱いませんが、水という身近なものから迫る恐怖を描いた原作の小説も是非ご覧になってみてください!
そして映画版「仄暗い水の底から」は中田秀夫監督の元で映画化されますが、中田秀夫監督は鈴木光司の代表作でもある「リング」でも監督をしておりました。まさにジャパニーズホラーを代表するコンビとなります。主題歌はシンガーソングライターであるスガシカオの「青空」です。
仄暗い水の底からの人気は日本国内に留まらず、2005年にはなんとハリウッドでリメイク。リングともども、ハリウッドでリメイクされたジャパニーズホラーとなります。タイトルは「ダーク・ウォーター」と改められて映画公開されました。リングのネタバレが気になる方は、是非そちらもご覧になってみてください。
仄暗い水の底からの登場キャスト
仄暗い水の底からで水の恐怖に苛まれる登場人物たち、ここからは仄暗い水の底からの映画に出演するキャストをご紹介いたします。
松原淑美/黒木瞳
仄暗い水の底からの主役となる松原淑美を演じるのは黒木瞳になります。元宝塚歌劇団の月組でトップ娘役だった事でも有名な女優です。1997年に公開された映画「失楽園」では、過激な不倫の恋を表現して大きな話題を呼びました。
映画の役柄である松原淑美は夫との離婚調停中。娘の郁子と一緒にマンションに引っ越して新しい生活を始めますが、そこで奇妙な現象が現れ始めます。最初は不穏を感じる程度でしたが、それが徐々にとてつもない恐怖へと変貌していきます。その結末がどうなるかは、この後のネタバレをチェックしてください!
松原郁子/菅野莉央
菅野莉央は仄暗い水の底からで映画初出演を果たします。役柄は、松原淑美の1人娘である松原郁子です。劇中では主に淑美から郁(いく)ちゃんと呼ばれています。
両親同士の不仲から、父親とは離れ母親・淑美との2人暮らしとなりますが、元気いっぱいな様子で淑美の支えとなります。幼稚園にも元気に通う日々、郁子はある日マンションの屋上でとある拾い物をします。それが2人を襲う恐怖の幕開けとなります…。
浜田邦夫/小日向文世
浜田邦夫は松原淑美と離婚調停中の夫になります。この役柄を小日向文世が出演しています。小日向文世は、木村拓哉主演の大ヒットドラマ「HERO」にメインキャストとして出演し、その後は様々な作品に出演するようになります。
多少ネタバレ的な説明になりますが、浜田邦夫というキャラクターは原作小説には登場しない人物となります。原作との違いについては、この後の項目で改めて詳しくご説明します!淑美とは既に不仲となっていますが、娘である郁子には愛情を持っているようです。
神谷/谷津勲
神谷は、淑美と郁子が新たに入居するマンションの管理人です。この役柄を、谷津勲が演じています。谷津勲は1970年代から多くの作品に出演しており、本作以外にも「リング2」「呪怨」といったジャパニーズホラー映画に縁があります。2008年に肺炎で亡くなられております。
神谷はマンションの管理人という立ち位置で、淑美たちが入居してくる前の事を説明する場面などで登場します。淑美たちが感じる恐怖も、彼は気付かずに過ごしてしまいます。マンションの管理人として困り事が起きはしますが、恐怖とは縁遠いという点では幸運なキャラクターなのかもしれません。
仄暗い水の底からのあらすじネタバレ
ここからは、仄暗い水の底からのあらすじをネタバレでご紹介いたします!淑美と郁子はどのような恐怖に巻き込まれていくのでしょうか。
新たな生活の始まり
夫との離婚調停中で、娘・郁子の親権を争っている淑美。2人でも生活していける事を主張するために、マンションに引っ越しをします。中古で薄暗い雰囲気のマンションですが、選り好みしている余裕のない淑美はここに住む事を決めます。外見とは裏腹に、室内はしっかり整備されていて明るい様子であり、淑美も新たな職を見つけて新生活を始める準備が整ってきました。
気がかりなのは、寝室のある部屋の天井から雨漏りがしている事。淑美はさっそく管理人や不動産会社に相談をしますが、対応は遅々として進みません。仕方なく上の階を訪ねてみますが、部屋から反応はなく留守のようで会う事ができませんでした。しかし、その後も上階からは子供が走り回るような足音が度々聞こえるのでした。
赤いバッグ、そして異変
家の蛇口から水に混じって髪の毛が出てくる事もあり、淑美はここに住み続ける事に不安を感じ始めます。そんなある日、淑美と郁子は屋上で子供向けの赤いバッグを見つけます。管理人の所へバッグを届けるも、マンションにはバッグを使いそうな年頃の子供は郁子以外には思い付かないという事です。淑美はそのバッグに言いしれない嫌悪感を抱きますが、郁子は逆にそのバッグをずっと気にするようになります。
行方不明になった少女
淑美は近所の電柱にあった張り紙から、美津子という少女が2年前から行方不明になっている事を知ります。美津子は郁子と同じ幼稚園に通っていた子供で、しかも淑美たちと同じマンション、それどころかちょうど真上の部屋に住んでいたのでした。美津子は母親が家から出ていってしまい、毎日幼稚園で父親の帰りを待つ孤独な日々を送っていました。
行方不明になった日も、父親の帰りを待っていたはずが、そのまま行方が分からなくなっていました。そして、美津子が普段よく身に着けていたものが、あの赤いバッグでした。その後、郁子が幼稚園で突然高熱を出してしまう出来事もあり、淑美は言い知れぬ不安に襲われます。美津子が郁子を連れ去ろうとしているのではないか、と。
水浸しの部屋
居ても立っても居られなくなった淑美は、再度上の階の部屋へ足を踏み入れようとします。施錠がされていない部屋の中は、辺り一面が水浸しという酷い有様でした。水道の蛇口が開きっぱなしだった事が原因のようですが、本当にそれだけとは思えない淑美の精神はどんどん不安定な状態に追い込まれます。
一度はマンションを出る事を考えた淑美ですが、何度も住居を変える事は離婚調停において不利になると弁護士に諭されてしまいます。しかし、理由を聞いた弁護士がマンションの現場を確認し、管理人と不動産業者に対して水漏れの件を解決してくれる事になりました。これで一件落着と思えましたが、淑美たちを取り巻く奇妙な現象は終わる事なく引き起ります。
仄暗い水の底からの結末ネタバレ
終わらない怪現象、美津子の陰におびえる淑美。そして郁子はどうなってしまうのか。ここからは仄暗い水の底からの結末を一気にネタバレでご紹介いたします!
美津子が貯水槽で溺死したと気づく淑美
以前に見知らぬ少女を見かけたマンション屋上。傍にある貯水タンクへと足を運んだ淑美は、タンクの点検記録を見つけます。そこには最後に点検された日が記録されており、その日はあろうことか美津子が行方不明になった日と一緒だったのです。美津子は貯水タンクに落ちてしまい溺れてしまった…そう確信した淑美に反応するように、突如として内側から激しく叩かれるタンク。淑美は恐怖のあまり屋上から立ち去ります。
一方その頃、部屋に1人残っていた郁子は、浴槽の蛇口から水が出しっぱなしになっている事に気付きます。蛇口を止めようと水が溢れ出る浴槽の前に立つ郁子。突如として浴槽から伸びてきた腕に掴まれた郁子は、水の中へと引きずり込まれてしまいます。
部屋からの脱出、そしてドアから現れたのは…
急いで部屋に戻った淑美が見たのは、風呂場で倒れている郁子でした。1秒でもこの場所にはいられないと感じた淑美は、郁子を抱えて部屋を飛び出しエレベーターへと逃げ込みます。しかしエレベーターはなかなか動こうとはせず、自分たちの部屋の扉がゆっくりと開かれるのを淑美は目にします。開かれるドアを凝視する事しかできない淑美ですが、扉から現れたのは母親を必死に探す郁子の姿でした。
自分が連れてきたのは…恐る恐るそちらに目を向ける淑美。郁子だと思っていたもの、それは腐敗して泥人形のようになった美津子であり、淑美の首を絞めながら襲いかかってきます。母親を助けようとエレベーターに駆け寄る郁子。しかし、淑美はこっちに来てはいけないと郁子を呼び止めます。
郁子と淑美の別れ
自分がこのまま犠牲になれば郁子は助かる。そう判断した淑美は美津子の母親となる事を受け入れて、淑美の事を呼び続ける郁子の前からエレベーターは動き去っていきます。
移動を始めたエレベーターを必死に追いかける郁子。到着した先の扉からは大量の水が溢れ出てくるだけで、淑美の姿も美津子の姿もそこにはありませんでした。
10年後の郁子、再びマンションへ
舞台は10年後に移り変わり、郁子は高校生になっていました。郁子は結局父親に引き取られ、母親といた事の記憶は曖昧にしか覚えていませんでした。ふとしたきっかけで、再びあのマンションの部屋に足を運ぶと、そこで昔と変わらない姿の淑美と出会います。また淑美と暮らしたい、郁子は思いを伝えるも淑美は微笑むだけ。そんな郁子の背後には、小さい少女のような影が佇んでいました。
何者かの気配を感じて後ろを振り返る郁子でしたが、そこには誰もおらず、再び前を向くと淑美の姿も消えていました。母親が自分を守ってくれたんだ、そう感じた郁子はそのままマンションから立ち去り、物語は幕を閉じるのでした。
仄暗い水の底からの映画と原作の違いは?
仄暗い水の底からのあらすじや結末のネタバレはいかがだったでしょうか?ここからは、原作小説と映画でどのような違いがあるか、小説のネタバレ部分にもふれつつ解説いたします。
原作では姿を見せない美津子
厳密なネタバレとしては、はっきりと姿を見せるわけではないという事です。淑美たちを取り巻く奇妙な現象は原作も映画も変わりはありません。しかし、映画では要所で姿を現す美津子が、原作では存在を仄めかす程度の演出に留まっています。もしかしたら霊の仕業なのでは?という疑惑が続く原作に対して、映画の方はかなり直接的に淑美たちに干渉する演出となっています。
原作と結末が違う
結末のネタバレ部分となりますが、原作では異変を恐れた淑美が郁子を連れてホテルに向かう所で物語が終わります。本当に美津子の霊の仕業だったのか、貯水タンクに美津子は落ちたのか、その辺りが曖昧なままとなってしまうので、映画を先に見た人にとっては、何も解決しない少し物足りないと思われる終わり方になります。
仄暗い水の底からを観た感想や評価は?
実際に仄暗い水の底からを観た方々はどのような感想や評価をしているのでしょうか?ネットにあるものを幾つかご紹介いたします。
身近にある水から迫る恐怖
ネタバレで仄暗い水の底からを紹介しているブログにも、実際に観た感想を記載しているものがありました。
水というのはある意味生活でなくてはならないものなので、お風呂に汚水が流れ込むだとか、コップの水に異物があるだとか、そういった生活に欠かせないところに怪異が紛れ込むのはなかなかに威力がある。個人的には、海外の派手なスプラッターよりもよっぽど怖いと感じる。肌に密接してくるような恐怖である。
蛇口や浴槽、そして貯水タンク。必ず生活の身近にある部分から迫ってくる恐怖は、リアリティを感じてしまう演出のようです。
淑美の姿に思う事
娘を守るために美津子と行く事を選んだ淑美。恐怖を煽る描写が仄暗い水の底からですが、その中にある母の愛を感じたとの感想もありました。
久々に仄暗い水の底からを見たんだけどやっぱいいなぁ...............昔は只管怖い!としか思ってなかったけど今見るとママの行動がとても胸にしみじみきちゃうよ...
— 谷崎 (@GLONll) December 8, 2018
公開当時と今改めて観た時で、自分の置かれている立場が違う場合、淑美の選択に対して抱く感想も違ってきます。
『仄暗い水の底から』を観た
— ひとで (@hitode_26) September 16, 2018
なんか 怖い話というより母娘の状況が世知辛くて
悲しい話だなぁという感想を抱いた
結果的に郁子は美津子の霊から守られたわけですが、それは母親と娘が離れ離れになってしまうという事実も意味します。そのような結末となっているだけに、作品そのものに抱く印象も怖さより悲しさが残るという感想です。
仄暗い水の底からのあらすじや結末ネタバレまとめ
この記事では、仄暗い水の底からのあらすじや結末をネタバレでご紹介しつつ、原作との違いもネタバレで触れてまいりました。これぞジャパニーズホラーという水をテーマにしたじわじわと迫りくる恐怖に巻き込まれる母と娘、そして子を想う母の姿も観る事ができる作品となっています。
出典: https://1geki.jp
また、ネタバレで触れた原作との違いについても、映画を先に観るか原作を先に観るかで印象が変わる事もあります。仄暗い水の底からが気になった方は、映画と原作どちらからでも是非ご覧になってみてください!