沈黙の映画あらすじと評価!スコセッシ監督の傑作作品のキャスト・感想まとめ

マーティン・スコセッシ監督が手がけた遠藤周作の小説「沈黙」を原作をしたハリウッド映画「沈黙 -サイレンス-」は、2016年に全世界へ向けて公開されました。神父と日本に住む隠れキリシタンたち、そして幕府との対立を描くこの映画は、非常にユニークで興味深いと話題になったそうです。この記事では、映画「沈黙」についての評価や感想、その他にもキャストやあらすじの紹介をしています。

沈黙の映画あらすじと評価!スコセッシ監督の傑作作品のキャスト・感想まとめのイメージ

目次

  1. 沈黙の映画あらすじと評価が気になる!
  2. 沈黙とは?スコセッシ監督も紹介!
  3. 沈黙の映画キャストとは?
  4. 沈黙の映画あらすじをネタバレ紹介!
  5. 沈黙の映画の伏線や設定などを解説!
  6. 沈黙の映画を観た人の感想や評価とは?
  7. 沈黙の映画あらすじと評価まとめ!

沈黙の映画あらすじと評価が気になる!

映画「沈黙」は、2016年にスコセッシ監督により製作された日本の小説を題材とした映画です。窪塚洋介や小松菜奈など、日本で人気なキャストも多数出演したことから日本でも世界的にも大きく話題となった映画です。ここでは、映画「沈黙」のあらすじや、映画への評価・感想、そしてキャストなどを説明していきます。

映画『沈黙‐サイレンス‐』公式サイト

沈黙とは?スコセッシ監督も紹介!

映画「沈黙」は、本題は英語「Silence(サイレンス)」となっています。超有名映画監督・マーティン・スコセッシにより、遠藤周作の小説「沈黙」を原作として製作されました。配給は、アメリカでは超巨大配給会社パラマウント、日本ではKADOKAWAが務めました。アメリカでは2016年12月、日本では2017年の1月に公開されました。内容は江戸時代初期のキリシタンを題材としており、過激な拷問のシーンや処刑のシーンなどもあり、日本ではPG-12に指定されています。

スコセッシ監督によると、本作の構想は1991年から練られていたと言われており、スコセッシ監督念願の作品だったそうです。製作は一旦始動するものの一時企画が棚上げされ、その間にスコセッシ監督は「シャッターアイランド」と「ヒューゴの不思議な発明」という2本の映画を制作するほどその棚上げ期間は長期に渡りました。

しかし、他映画のインタビュー時に記者から「沈黙」について聞かれた際「製作を楽しみにしている」と述べるほど、その熱意は確かなものだったようです。興行収入は制作費が膨大だったもののそこまで伸びませんでしたが、有名アメリカ雑誌「タイム誌」の「2016年に公開された映画のトップ10」に選ばれるほど、映画好きからは人気を集めた話題の映画となりました。第89回アカデミー賞にも撮影賞でノミネートされました。

原作者である遠藤周作は、戦前の日本で主流だった私小説、短編小説への回帰を狙った「第3の新人」と呼ばれる作家の一人として知られており、数多くの歴史に残る小説を書きました。その一方で、遠藤周作は日本人にとってキリスト教とはどのような意味があるのか、という疑問を持ち続け、キリスト教をテーマにした作品も多数残しています。作品は20カ国語以上に翻訳され世界中で親しまれていて、スコセッシ監督もその一人です。


スコセッシ監督は「沈黙」を呼んだ際神父になることを志していたそうですが、その頃から映画化を夢見ていたそうです。資金が足りなかったり、キャストの変更があったりと度重なる不運に見舞われましたが、2016年にようやく映画「沈黙」はスコセッシ監督の手により製作・公開されることとなりました。

映画「沈黙」の監督であるマーティン・スコセッシは、アメリカの有名映画監督で、数々の有名映画を監督してきました。もともとイタリア移民の家庭に生まれ、マフィアの支配するイタリア移民社会の中で育ったため、彼の作品にはその経験が色濃く反映されています。「矛盾に満ちた現実世界の中で、人間としての道徳や倫理観を貫けるのか」という非常に難しく重たいテーマへの苦悩などを描く映画を作ることが多いと言われています。

スコセッシ監督自身映画が大好きであり、中でも黒澤明の映画をよく好んで見ていたそうです。また、ロックの黄金期に育ったこともあり、ローリング・ストーンズやエリック・クラプトン、ボブ・ディランなど、よくその時代のロック音楽を映画の中でも使用することがあるそうです。マイケル・ジャクソンの人気曲「Bad」のミュージックビデオの監督も務めました。

スコセッシ監督の有名作品は、「沈黙 -サイレンス-」の他にも、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」、「シャッターアイランド」、「ヒューゴの不思議な発明」や「タクシードライバー」など数多くあります。ハリウッド作品にあまり見られない、低予算で映画を製作することも度々しており、1997年の「クンドゥン」では、出演者のほぼ全員を素人亡命チベット人が務めるという異例のキャスティングも行いました。

遠藤周作 『沈黙』 | 新潮社

沈黙の映画キャストとは?

映画「沈黙」には、有名ハリウッド俳優だけでなく、日本の俳優も多数キャストとして出演しています。そのキャストがハリウッド映画さながらとても豪華だと公開当時は話題になったそうです。ここでは、あらすじだけでなく映画「沈黙」に出演したキャストたちについて紹介していきます。

キチジロー/窪塚洋介

「沈黙」の重要な鍵を握る役であるキチジローは、日本の俳優である窪塚洋介がキャストを務めました。1995年にテレビドラマ「金田一少年の事件簿」に出演したことから活動を開始します。その後も人気テレビドラマ「GTO」や「池袋ウエストゲートパーク」などに出演し俳優としての経験を重ねていきます。現在はドラマではなく、舞台や映画を中心に活動していて、2017年の映画「沈黙」でハリウッドデビューを果たしました。

現在も、俳優としてだけでなく、歌手や、ミュージックビデオ監督、カメラマンなどとしても精力的に活動しています。また、窪塚洋介の息子である愛流(あいる)が、俳優として活動することも2018年の夏に発表され話題となりました。

通訳/浅野忠信

俳優の浅田忠信は、映画の中で神父と隠れキリシタンを繋ぐ通訳のキャストとして出演しました。浅田忠信は実はおじいさんが北欧系アメリカ人でクオーターにあたるそうです。小さい頃から目立ちたがり屋で、いつもテレビに出たかった浅田忠信は、父親に薦められた「3年B組金髪先生」のオーディションを受け、タレント・俳優デビューを飾りました。

1990年にある映画で映画デビューをし、その後も岩井俊二、是枝裕和など有名な映画監督の作品に出演し、知名度を高めていきます。1996年に映画初主演を果たした後、活動の場を日本だけでなく世界に広げ、国際的にも知名度を高めていきます。人気ハリウッド映画「マイティ・ソー」に出演したり、日本アカデミー賞やヨコハマ映画祭主演男優賞も受賞する実力派俳優です。

セバスチャン・ロドリゴ神父/アンドリュー・ガーフィールド

ポルトガルからやってきた神父の一人であるロドリゴ神父の役を務めたキャストはアンドリュー・ガーフィールドです。アメリカで生まれましたが、母親がイギリス人だそうです。16歳の時に演技に興味を持ち、高校を卒業した後に演劇学校で演技を学びます。

最初は舞台俳優として活躍していて、2004年、2006年と大きな演劇の新人賞を受賞します。その後2007年に「大いなる陰謀」で初の映画デビューを飾りました。その後は続々と映画に出演し、「ソーシャル・ネットワーク」や「わたしを離さないで」などに出演し、数々のヒット作品を生み出します。

2012年に公開された大ヒット映画「アメイジング・スパイダーマン」では、主人公のピーター・パーカー/スパイダーマンのキャストに大抜擢されました。2017年にはアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされていて、これからも大注目のキャストだと言われています。

フランシス・ガルペ神父/アダム・ドライバー

同じくポルトガルからやってきた神父であるガルペにキャストとして選ばれたのは、アメリカの俳優であるアダム・ドライバーです。彼は、2015年から新たに始動した大人気シリーズ「スター・ウォーズ」シリーズの主要キャストとして一番知られているようです。

有名な音楽学校であるジュリアード音楽院にて演劇を学んでいます。その後は2012年から放送されていた「GIRLS/ガールズ」で、主人公のボーイフレンド役を演じて話題となりました。このドラマで、2013年から2015年のエミー賞に続けてノミネートされるという快挙を成し遂げました。

その後も精力的に映画に出演し、2014年に出演した主演作「ハングリー・ハーツ」という映画が人気映画祭であるヴェネツィア国際映画祭に出品され、そこで男優賞を受賞します。そして、2015年から始まった「スター・ウォーズ・シリーズ」にて、悪役のカイロ・レンのキャストとして大きな注目を集めます。

井上筑後守/イッセー尾形

イッセー尾形は、日本において一人芝居というスタイルを確立した、一人芝居の第一人者として有名な俳優です。日本テレビにて放送された番組「お笑いスター誕生!!」で金賞を獲得した直後「意地悪ばあさん」に出演し、知名度を一気に広げます。彼も国内に限らずアメリカやヨーロッパなど海外でも活躍していて、その他にも俳優業だけでなく小説の執筆や絵画など、ジャンルを問わずに活躍しています。

モキチ/塚本晋也

モキチ役のキャストは塚本晋也で、俳優のみならず世界中にファンを持つ映画監督としてもその名を知られています。彼の映画は、製作、監督、脚本、撮影、美術、編集、また出演までもすべて自分で行うという特殊なスタイルを持っています。小さい頃から映画に興味があり、中学生の頃から自主映画を撮り始めます。高校時代に作った映画は映画祭で入賞も果たしています。

高校生の時には友人から薦められた黒澤明を観て、そこから映画の脚本の書き方や映画への向き合い方を勉強します。大学に入学してから劇団に入りますが、卒業後はCM会社に務めることとなります。しかしその後も映画への情熱が冷めず、退社して作った作品がある映画祭のグランプリを獲得します。それから制作する映画が数々の映画賞でグランプリを獲得するという快挙を成し遂げその名が一気に広がることとなります。

モニカ/小松菜奈

隠れキリシタンの一人であるモニカとしてキャストに選ばれたのは大人気モデル・女優の小松菜奈です。2008年に小・中学生に人気の雑誌「ニコ☆プチ」でデビューし、色々な雑誌で活躍します。2014年に公開された映画「渇き。」のオーディションで監督にその才能を発掘され、初めて本格的な演技に初挑戦し女優としてデビューします。その後「近キョリ恋愛」「バクマン。」といった人気漫画を映画化した作品でヒロインに選ばれます。

2016年に「溺れるナイフ」にて映画初主演、そして今作品「沈黙 -サイレンス-」でハリウッドデビューもも果たします。独特の存在感と圧倒的な透明感で沢山の映画に出演し、男性だけでなく女性にも大人気で、若い人たちの間で人気の映画だけでなくテレビやCM、モデル等、幅広く活躍している人気絶頂の女優です。

クリストヴァン・フェレイラ神父/リーアム・ニーソン

リーアム・ニーソンは、映画の中で重要な鍵を握るキャストとして出演しています。リーアム・ニーソンはアビーシアター劇団の一員となり、舞台俳優として活動を始めます。舞台を中心に活躍する中、映画監督のジョン・ブアマンに高く評価されて1981年に映画デビューを果たします。

1993年に有名映画監督のスティーヴン・スピルバーグ作品「シンドラーのリスト」で主演のオスカー・シンドラーを熱演し、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされます。また、同年にはブロードウェイデビューを果たし、エミー賞にもノミネートされます。その後も「スター・ウォーズ エピソード1」や「96時間」、「フライト・ゲーム」など、数々の人気映画に出演しています。

沈黙の映画あらすじをネタバレ紹介!

ここでは、「沈黙 -サイレンス-」のネタバレを含むあらすじを紹介しています。ネタバレを含んだあらすじとなっているので、難しい内容である「沈黙 -サイレンス-」をもっと深く知ることができるかもしれません。

「沈黙 -サイレンス-」は、日本でキリスト教が禁止されていた時代の長崎を舞台にした映画です。あらすじは、神父と修道士たちが長崎の雲仙で拷問に必死に耐えている、という報告の手紙を受け取ってから、フェレイラ神父の消息が耐えるところから始まります。フェレイラ神父の弟子であるロドリゴ神父とガルペ神父は、フェレイラ神父がキリスト教を捨てたという噂を聞きつけて、日本に行って確かめることを決意します。

鎖国が行われていた時代、日本でキリスト教は固く禁止されており、唯一外交が認められていた長崎でも例外ではありませんでした。厳しくキリスト教を禁止している日本にキリスト教の神父が渡るのは並大抵なことではありませんでしたが、マカオで密漁船とキリシタンだと言い張る英語を話せる日本人・キチジローを見つけます。キチジローは汚い酒飲みで、ガルペ神父はキチジローのことを疑いますが日本に上陸することにどうにか成功します。

日本に着いたロドリゴ神父とガルペ神父でしたが、その二人を残してキチジローはどこかへ行ってしまいます。二人は奥深まった海辺の崖に古びた小さな家を見つけて、そこで息をひそめることにします。その家にある一人の老人が近づいてきます。彼の名はイチゾウといい、キリスト教を隠れて信仰している隠れキリシタンの村・トモギ村の村長でした。イチゾウは、キチジローから話を聞いたということでやってきたのでした。

トモギ村のキリシタンたちは、いつか神父がやってくることを心待ちにして、密かにキリスト教を信仰していたということでした。そしてロドリゴ神父とガルペ神父は、トモギ村の隠れキリシタンたちに大歓迎を受けます。二人は神父としての職務を全うすることを決意し、山にある小屋に移動し、昼はその小屋に隠れ、夜は罪の告白を聞いたり、ミサを執り行う生活を始めます。

村人たちの深い信仰心に感動する神父の二人でしたが、キリスト教が厳しく迫害されているために他の隠れキリシタンやフェレイラ神父の情報を得られることはありませんでした。ある日、村人が小屋を尋ねる時に使う合図なしに誰かが小屋を訪ねてくる声がします。誰かの罠かと警戒するロドリゴ神父とガルペ神父でしたが、それは五島にある他の村から来た隠れキリシタンたちで、彼らの村にも来てほしいとたずねてきたのでした。

考えた末、ガルペ神父はトモギ村に残り、ロドリゴ神父は五島へ行くことになります。実はその村は通訳者であるキチジローの故郷であり、キチジローが五島の人たちに神父がトモギ村に来たことを伝えたのでした。キチジローは、昔彼の家族が踏み絵を踏むことを拒否して殺されるのを目撃するという悲惨な体験をし、キチジローは踏み絵を踏んだことで生き延びましたが、その体験にうなされていたのでした。

五島でロドリゴ神父は多くの隠れキリシタンに出会い、その中にはフェレイラ神父に会ったことのある人もいました。その後ロドリゴ神父はトモギ村に戻りますが、イチゾウが幕府に捕らわれたということを知ります。幕府の役人はトモギ村の中から4人の人質を決め、踏み絵をさせると言い、4人の中にキチジローも選ばれます。ロドリゴ神父は踏み絵を踏んででも生き延びるべきだと言いますが、ガルペは踏んではいけないと言います。

4人の人質は踏み絵を踏まされ4人とも踏みますが、役人はさらに十字架に唾を吐くように命令します。4人の中でそれができたのはキチジローだけでした。キチジロー以外の3人の人質は海辺にはりつけにされ、満潮時の高波にさらされて死んでしまいます。ロドリゴ神父とガルペ神父はそれを黙って見ることしかできませんでした。

役人たちが山に隠れキリシタンを探しに行くという噂を聞きつけ、ガルペ神父は平戸へ、そしてロドリゴ神父は五島に逃げ隠れることにします。ロドリゴ神父が行き着いたのは猫ばかりが住む廃村でした。人がいる村を求めてさまよい歩いていると、キチジローに出会います。川の水を飲んでいると、ロドリゴ神父は役人たちに取り囲まれます。キチジローが銀貨を受け取っているのが見えます。ロドリゴは、キチジローに騙されたのでした。

どこかに連れて行かれるロドリゴ神父は、モニカという洗礼名を持つ娘に食べ物をもらい、他の隠れキリシタンとも知り合います。彼らは役人に捕まっているにも関わらずとても落ち着いていて、なぜかと問うと、死んだ後に天国に行けることを信じているからでした。ロドリゴ神父が連れて行かれた場所はキリスト教を迫害している第一人者の長崎奉行・井上筑後守と初めて対面することになります。

彼らは長崎にある牢屋に閉じ込めれられます。筑後守に棄教するよう勧められるロドリゴ神父ですが、ロドリゴ神父はそれを頑なに拒みます。ある日、キチジローが自分はキリシタンだと叫びロドリゴ神父たちと同じ牢屋に入れられます。弱いキチジローに愕然とするロドリゴ神父ですが、罪の告白を受け形だけでもそれを受け入れます。

ロドリゴ神父の目の前で5人の隠れキリシタンたちが踏み絵を踏むよう言われています。5人とも踏むことなく、さらにその中の一人が唐突に首をはねられることにショックを受けるロドリゴ神父。さらにキチジローも踏み絵を踏むように言われそれに早々と従うキチジローはまた牢屋から解放されます。

ある日、ロドリゴ神父は海辺に連れて行かれ、そこで見たのは簀巻きにされ海に投げられる隠れキリシタンたちと、囚われていたガルペ神父でした。役人たちは、ガルペ神父が棄教すれば彼らは助かると言いますが、ガルペ神父は棄教することなく海に飛び込み、彼らを助けようとして一緒に死んでしまうのでした。

寺に連れて行かれたロドリゴ神父が見たのはフェレイラ神父でした。感動の再会でしたが、フェレイラ神父は噂通り棄教して日本名を名乗っていました。フェレイラ神父は、ロドリゴ神父に棄教してキリシタンたちを助けよと促します。キリシタンたちが拷問されて苦しむ声にうなされるロドリゴ神父は、その時キリストの声を聞きます。踏み絵を踏んで、彼らを助けよと言われたロドリゴ神父は、その通りにして棄教することを決めます。

ロドリゴ神父はフェレイラ神父と共に輸入品を振り分ける仕事をし、踏み絵を定期的に踏まされ、何度も棄教を宣言する文書を書かされます。キチジローは彼の召使いとなり再会しますが、彼はなおキリスト教への信仰を捨てきれず、もはや神父ではないロドリゴ神父に罪の告白をするのでした。1667年に、踏み絵をしていたキチジローは胸に隠していた聖母マリアの絵に気づかれ役人に連れて行かれます。

それから長い時間が経ち、ロドリゴ神父は棄教し、キリスト教を迫害する活動に加担したまま亡くなることとなります。燃やされるロドリゴ神父の手の中にあったのは、小さな十字架でした。ロドリゴ神父が何を考えていたのか、最後まで誰も知るものはいませんでした。

沈黙 サイレンス : 作品情報 - 映画.com

沈黙の映画の伏線や設定などを解説!

ここまで「沈黙 -サイレンス-」のあらすじを紹介してきましたが、ここではあらすじよりもさらに詳しく「沈黙 -サイレンス-」の伏線や設定、原作や実際にあった出来事との対比などを紹介していきます。

ロドリゴのモデルは?

主人公である宣教師・ロドリゴ神父のモデルはジュゼッペ・キアラという人物だと言われています。彼はイタリア出身のイエズス会宣教師で、物語はほぼ事実に忠実であるそうです。彼は数多くの取り調べと拷問を受け、ある取り調べの際には有名な将軍の徳川家光も実際に検分をしたと言われています。

彼は棄教した後に岡本三右衛門という名前を与えられ、隠れキリシタンや宣教師についての情報を幕府に提供する仕事をしていたと言われています。また、フェレイラ神父のように、キリスト教の教義について記した本を出版しています。

1685年に亡くなり、彼の墓石は子孫が持ち去ったため行方不明になってと言われています。その後1943年に墓石が発見され、現在は調布市にあるサレジオ学院に墓碑があります。この墓碑は2016年に有形文化財に指定されました。

フェレイラ神父は実在した?

映画に登場する重要人物であるフェレイラ神父は実際に存在していた人物です。本名はクリストヴァン・フェレイラで、ポルトガル出身のカトリック宣教師でした。日本語が堪能で、日本のイエズス会の中心として活動していましたが、1633年に長崎にて捕らわれてしまいます。同年に他の神父たちと拷問を受けます。他の神父はみな殉教しますが、フェレイラ神父のみ棄教します。

棄教したフェレイラ神父は沢野忠庵という日本名を名乗り、他の棄教した人と共にキリシタンの取締りにあたりました。1644年には、キリスト教を批判する本も書いています。その他にもキリスト教のことではなく天文学書や医学など、西洋科学を日本に伝える本も書きました。

地位が高かったフェレイラ神父の日本での棄教はイエズス会とヨーロッパのカトリック教会に大きな衝撃を与え、映画のロドリゴ神父やガルペ神父のように、沢山の宣教師が日本に行きたいと志願したそうです。ある古い書には、フェレイラ神父は亡くなる直前にキリスト教に立ち帰ったと書いてありますが、事実は定かではありません。また、原作者の遠藤周作は、フェレイラ神父の子孫だと名乗る女性に会ったとある書に記しています。

井上筑後守は実在の人物?

「沈黙 -サイレンス-」のあらすじでも悪役として登場していた井上筑後守は、フェレイラ神父と同じく実在した人物だとして有名です。井上筑後守は井上政重と言い、1632年に大目付という位につき、有名な島原の乱を鎮圧するのに参加し、1640年から隠れキリシタンを弾圧する中心人物となりました。

しかし、井上筑後守はキリシタン弾圧をする前は元々キリシタンだったとして知られており、1614年に禁教令が出た時に棄教したと言われています。映画では、ロドリゴ神父に井上筑後守が元々信者であったことを語りつつ棄教を勧めるシーンがあります。

沈黙の映画を観た人の感想や評価とは?

ここでは、あらすじだけでなく映画「沈黙 -サイレンス-」を観た人の評価・感想をツイッターと併せて紹介しています。評価は高いものが多く、感想もこの映画によって考えさせられた、というものが多かったようです。それだけではなく、この映画の残酷も綺麗な映像美、音楽の効果的な使い方等にも高い評価が多く見受けられたようです。

俳優の演技力を高く評価する感想が多く見受けられました。また、モデル等俳優が本業ではない人が出演した映画の感想にはその演技力にマイナスな感想が挙がることも多々ありますが、映画「沈黙」に出演した小松菜奈に対するネガティブな評価は見受けられなかったので、それだけ演技が素晴らしかったということが言えそうです。

「沈黙 -サイレンス-」は日本を題材とした映画ではありますが、日本で撮影されていないという特徴を持っている映画です。しかし、製作者の力により昔の日本の雰囲気を感じられるものとなったようです。また、遠藤周作の「沈黙」をテーマとしたものだったので、キリスト教の信仰について等難しいテーマを題材としていましたが、それも分かりやすく説明されていたという感想が多く見受けられました。

「沈黙 -サイレンス-」は平和について深く考えることのできる良い映画だという感想がありました。「沈黙 -サイレンス-」を観てから、平和についてや戦争、日本の歴史について見つめ直すきっかけになったという感想が多く見受けられます。映画に対して高い評価が多かったので、それほど映画の内容に集中できて、平和についての感想が多くなったと言われています。

「沈黙-サイレンス-」は良い映画として高く評価されていますが、あらすじにもあったように原作である遠藤周作の小説「沈黙」と少し内容が違うという感想も少しながら見られました。原作は映画と比べてラストシーンが未来のあるものに変更されていたようです。なので原作が好きな人には理解しがたいラストだったかもしれません。

「沈黙 -サイレンス-」はあらすじにもあるように長崎に存在していた隠れキリシタンをテーマにしたものですが、それ以上に、キリスト教のみならず様々な題材について描いている作品となっています。宗教観や、異文化観など、難しいながらも人生において大切なことを表現している映画だと評価されているようです。

「沈黙 -サイレンス-」を観た人の中には、あらすじにもあったように内容が衝撃的過ぎて頭から離れないという人もいたようです。感想の中には、映画に出てきたある絵が頭から離れないというものも見られました。映画に対する評価はどれも高いものばかりで、どの感想もやや意見は違いつつも、感動したという感想が多かったようです。

「沈黙 -サイレンス-」は内容が難しいので、原作「沈黙」を併せて読むのも良いという感想も見られました。原作を読むことによって、さらに理解が深まると言われています。映画の雰囲気を高く評価している感想が多く見られました。「沈黙 -サイレンス-」を作ったスコセッシ監督の力量が高く評価されたようです。

沈黙の映画あらすじと評価まとめ!

ここまで映画「沈黙 -サイレンス-」のあらすじや、映画への感想・評価を紹介してきましたがいかがだったでしょうか。この作品が気になった人は是非映画を見てみてください。またあらすじを読むだけではなく、原作である遠藤周作の小説「沈黙」を読むと、世界観への理解がさらに深まるかもしれません。

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