リングの山村貞子の正体とは?生い立ちや母親・父親など原作シリーズを解説

ジャパニーズホラーの金字塔「リング」!今ではネタキャラとしても愛される恐ろしいホラーヒロイン山村貞子の生い立ちや母親についてネタバレ徹底解説します。今や日本のみならず世界で活躍するホラーアイコンですが、そんな貞子の映画では語られない、原作に秘められた思いもよらない彼女の正体とは一体なんなのか。1990年代のJホラーブームを巻き起こすきっかけとなったリング原作シリーズの、貞子の生い立ちや母親についてネタバレ解説していきます。

リングの山村貞子の正体とは?生い立ちや母親・父親など原作シリーズを解説のイメージ

目次

  1. リングの山村貞子の正体とは?生い立ちや母親を徹底解説!
  2. リングには原作シリーズがある!
  3. リングの山村貞子の生い立ちや母親をネタバレ紹介!
  4. リングの山村貞子の正体をネタバレ紹介!
  5. リングの山村貞子を演じた歴代女優は?
  6. リングの山村貞子の正体まとめ!

リングの山村貞子の正体とは?生い立ちや母親を徹底解説!

貞子と言えば日本を代表するホラーアイコンです。たとえ映画を見たことがない人でも、長い黒髪に白い服の女がテレビから這い出てくる…そのイメージは知っているのではないでしょうか。その貞子こと山村貞子の正体とは一体なんなのか。彼女の生い立ちや母親についてネタバレ解説していきます。

映画「ザ・リング/リバース」公式サイト 2018年1月26日公開

リングには原作シリーズがある!

貞子の生い立ちや母親についてネタバレする前に、リングの原作シリーズにして紹介します。リングは映画のイメージが強いですが、もともとは鈴木光司の小説『リング』シリーズが原作です。シリーズは刊行順に『リング』、『らせん』、『ループ』、『バースディ』、『エス』、『タイド』の計6冊があります。

リングシリーズはホラー、ミステリ、SFというジャンルを飛び越えた画期的な小説として人気となり、映画『リング』が火付け役となって、1990年代後半からJホラーブームが巻き起こりました。『リング』と並んで日本ホラー映画の二大巨頭『呪怨』もこの時期に作られたものです。

本編となるのは『リング』、『らせん』、『ループ』の3作で、『バースディ』は関連する短編集です。現在映像化されているのは『リング』、『らせん』、『バースディ』の3作となり、本編完結編にあたる『ループ』は映像化されていません。こちらが映像化されないのと同じ理由で、本編第2期として刊行された『エス』、『タイド』も映像化する予定はないようです。

『ループ』が映像化されない理由の一つとして、前編の2作が恐怖小説であったのに対し、『ループ』は全く雰囲気が異なるという理由があります。また映像化では活かせない内容でもあります。この完結編の『ループ』にこそ貞子の正体が隠れているのですが、まずは前編2作、そして短編集『バースディ』のなかで描かれた貞子の生い立ちや母親についてネタバレ紹介していきます。

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リングの山村貞子の生い立ちや母親をネタバレ紹介!

『リング』では、呪いのビデオに残された手がかりから、伊豆地方で起きた事件、そしてそれを予知した山村志津子という千里眼を持つ女性が浮かび上がります。貞子はこの山村志津子と、志津子の力を研究していた伊熊平八郎との間に生まれました。

貞子の母志津子はもともと超能力などない普通の女性でしたが、連合国統治下で神仏対策として海に沈められた役小角の像を引き上げたことで、予知や透視などの能力が身に宿りました。役小角とは伊豆島に流刑となった呪術者で、鬼神を従えていたという伝説があります。志津子は伝説的な呪術者であった彼の影響を受け、超自然的能力を身につけたのです。

しかし生まれ持った力ではないためか、志津子の超能力はやや不安定なものでした。伊熊博士が行なった公開実験では能力が思うように発現せず、彼女はインチキだと責め立てられます。そのことで精神を病み、最終的に三原山の火口に身を投げてしまいました。

志津子の娘である貞子は、母親より強い力を生まれながら持っていました。三原山の噴火を予知し、校内の有名人となります。またその後念写実験を行い、実験成果を三浦哲三という研究者に送っています。この時実験した念写が、呪いのビデオにも反映されています。貞子の母志津子が偶然身につけた超能力により、貞子は恐ろしく強い超能力者として生を受けたのです。

貞子の驚くべき秘密をネタバレ!

大人になった貞子は東京の劇団に入り、女優となります。魅惑的な容姿を備えた彼女は主演女優に抜擢されますが、しかし演出家の変死など様々な怪現象を引き起こしてしまい、劇団を後にします。短編集『バースディ』に収録された「レモンハート」では、彼女の女優としての姿、生前劇団で過ごした日々が描かれています。

華やかな容姿と才能に恵まれながら、人目を避ける生活を強いられる貞子。劇団を退団した後、父親の伊熊博士が結核にかかり、彼の看病のため訪れた病院で父の担当医長尾に強姦されてしまいます。その時長尾は貞子の秘密を知ることになります。貞子は見た目は女性ですが、女性の特徴の他に男性器を備えていたのです。

貞子は男性仮性半陰陽でした。女性として育てられ、性認知も女性ですが、生物学的には男性だったのです。秘密を知られた貞子から、殺してやるというテレパシーを長尾は受け取ります。恐ろしくなった長尾は貞子を井戸に突き落としました。またその時長尾は天然痘にかかっており、貞子は井戸で死を待ちながら、病にも侵されていきます。

リングウィルスと新たな誕生

そして貞子が死んだ病院の跡地にはコテージが建ちます。井戸の真上に設置されたVHSとそのビデオに、貞子の超能力と絶滅しかけている天然痘というウィルスが働きかけ、呪いのビデオが生まれました。このビデオを見た人はリングウィルスというものに感染します。天然痘から貞子が新たに作り出した新しいウィルスです。

呪いのビデオを見た人は7日後に死にます。それを回避するためにはビデオをダビングし、他の人に見せる必要があります。媒体と呪いがどんどん増殖していくわけです。ダビングして人に見せた人はそれで死からは逃れられますが、呪い、リングウィルスから解放されるわけではありません。貞子が新しく生まれ変わるために協力することになるのです。

リングウィルスは貞子の遺伝子情報を組み込んだウィルスで、男性の場合ウィルスは精子状になり、女性を感染させます。女性の場合はウィルスが卵子に受精します。妊娠した女性はわずか1週間で臨月を迎え、新たな貞子を生み出すのです。子供を作ることのできなかった貞子は、こうした形で自身の分身を生み出していくことに成功しました。

貞子は男性仮性半陰陽であり、見た目は女性でありながらも子供は産めない体でしたが、新たしく生み出された貞子は半陰陽としての特徴を備えながらも受胎ができるようになっていました。そうして自分で自分を作りさせるようになり、貞子は更に増殖を繰り返していきます。

ここまでが『リング』、そして『らせん』での貞子の生い立ちから死、そして復活までの流れです。『リング』は古典的ホラー・ミステリとして、そして『らせん』では医学的要素を交え、更に内容を昇華させていきました。では完結編『ループ』ではどのような結末を迎えるのか。貞子とは一体何者だったのかをネタバレ紹介します。

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リングの山村貞子の正体をネタバレ紹介!

『ループ』では舞台が近未来となり、生命の変化や進化をシュミレートする「ループ」というプログラムが存在しました。その中にはプログラム生命体「ヤマムラサダコ」や「タカヤマユウジ」「アサカワカズユキ」などが存在し、前作『リング』と『らせん』の世界が仮想現実世界だということが明かされます。

ここでリングシリーズはホラーミステリからSFへと一気に飛躍します。呪いのビデオやリングウィルスは、「ループ」プログラムの中に起きた不具合ということで説明されます。そして貞子の正体とは、なんとコンピューターウィルスだったのです。

これまでの呪いや怨念といった作品の流れは『ループ』で一気に崩壊し、増殖するリングウィルスはコンピューターウィルスということで説明されます。コンピューターウィルスとして増殖していく貞子はやがて仮想現実世界を埋め尽くし、プログラム「ループ」は停止状態に追い込まれます。

「ループ」は生物の変化や進化をシュミレートするプログラムですから、その中での増殖は必然的に性行為によるものとなります。そのためコンピューターウィルスも特殊な体と能力を持ち劇的に増殖していく「ヤマムラサダコ」という形をとったのです。

ビデオを見た者を自身の遺伝子情報が組み込まれたウィルスに感染させ、子供を作らせる。新しく生み出された貞子は自身で受精し出産を繰り返し、増殖していく。現実的にありえないこの恐ろしい展開は、まさしく世界の不具合と言えるのでしょう。

以上が完結編『ループ』のネタバレでした。山村貞子の正体はコンピューターウィルスであり、これまでの世界は仮想現実世界だった。こうした『ループ』での展開は映像化するには難しく、シリーズ完結編でありながらも映像作品はありません。しかしこのどんでん返しこそがリングシリーズの面白さであり、山村貞子がホラーキャラクターとして完璧な存在を誇る所以なのでしょう。

リングの山村貞子を演じた歴代女優は?

三浦綺音/スペシャルドラマ

リングシリーズはJホラーブームを巻き起こした伝説的作品であり、その映像作品は映画やドラマなど国内だけで10作品にも上ります。ホラー映画のヒロインは若手女優の登竜門でもありますし、貞子は恐ろしくも美しい容姿を持つキャラクターです。そこで貞子を演じた美しい歴代女優について紹介していきたいと思います。

2時間のスペシャルドラマ「リング〜事故か! 変死か! 4つの命を奪う少女の怨念〜」で貞子を演じたのは三浦綺音さんです。『リング』の初めての映像作品で、彼女が初代貞子となります。三浦綺音さんはヌードルとして話題になった人でもあり、ドラマでも裸体を惜しげも無く披露しています。

伊野尾理枝/『リング』『リング2』

『リング』『リング2』では舞台女優、そして舞踏家の伊野尾理枝さんが貞子を演じました。『リング』『リング2』では長い髪で顔を隠し、まさに幽霊といった出で立ちでしか貞子は登場しません。舞踏家である伊野尾理枝さんはその独特の動きなどパフォーマンスから貞子役に抜擢されたようです。また貞子の目のアップのシーンでは、監督助手の宮崎紀彦さんが演じています。

佐伯日菜子/『らせん』

映画『らせん』で貞子役を演じたのは佐伯日菜子さん。元Oliveモデルで、透明感がありつつ中性的な雰囲気を持ち、数々の賞を受賞した実力派女優です。DVや離婚問題でテレビではあまり姿を見かけなくなってしまいましたが、『らせん』のほかに『うずまき』や『蛇女』など数々の1990年代のJホラーブーム作品に出演しています。

木村多江/連続ドラマ

連続テレビドラマ「リング〜最終章〜」と「らせん」のドラマで貞子役を演じたのは木村多江さん。純和風なキツネ顔で、着物の似合う幸薄な印象の女優さんです。この時木村さんは貞子役と、その母志津子役の二役を演じています。

仲間由紀恵/『リング0』

『リング0バースディ』で貞子役を演じたのは仲間由紀恵さん。仲間さんはこれが映画初主演で、この映画がきっかけでドラマ『TRICK』に出演するなど、彼女の出世作となりました。この映画を撮影する時、仲間さんは鶴田監督に泣くほど厳しい指導を受けたとのことです。この『リング0バースディ』では貞子の幼少期も垣間見ることができます。

橋本愛/『貞子3D』

石原さとみヒロインで話題になった『貞子3D』で貞子役を演じたのは、若手実力派女優の橋下愛さん。九州出身のはっきりした顔立ちで、若いながら神秘的な雰囲気を持つ女優さんです。橋下さんはその他ホラー映画『アナザー』でもミステリアスなヒロインを演じています。

七海エリー/貞子vs伽倻子

もともとはエイプリルフール企画として登場した『貞子vs伽倻子』で貞子を演じたのは七海エリーさん。劇中では残念ながら顔は出てきませんが、素顔はとても可愛らしい女優さんです。女優業のほかにモデルやキャスターのお仕事もされています。

『富江』や『エコエコアザラク』など恐ろしい美女が活躍するホラー映画は若手女優の登竜門として数多く存在します。そうした美女の発見をする上でも、リングシリーズは非常に楽しめる作品だと言えるでしょう。まだまだリングシリーズの映像作品は出てくる可能性がありますし、今後出演する女優さんにも注目です。

リングの山村貞子の正体まとめ!

それではここまで解説した貞子の生い立ちや母親について、そして完結編で明かされた驚くべき正体についてまとめていきます。

『リング』での貞子の正体は半陰陽であり、強い超能力を持つ不幸な生い立ちの女性。『らせん』ではウィルスとなった貞子が感染者の体から復活し、無限に増えていく新たな生命体として描かれます。そして原作完結編『ループ』では、貞子の正体はなんとコンピューターウィルスだと明かされます。

おそるべき能力を持ち、ウィルスとなって世界を蝕み増殖していく貞子。そんな貞子は生物の進化をシミュレートするプログラムの中で発生したコンピューターウィルスだったのです。ホラー小説として始まり、SF小説として完結を迎えたリングシリーズ。日本に旋風を巻き起こした恐るべきホラーヒロインは怨霊ではなく、恐ろしいコンピューターウィルスでした。

リングシリーズは映像作品が非常に有名ですし、映像化のできなかった完結編で明かされる貞子の正体を知らないという人も多いのではないでしょうか。しかし原作の流れを考えると、怨霊としての貞子がこれだけメディアに広められ、人々に認知される現状は、仮想現実世界で貞子が増殖していく状況へのアイロニーにも思えます。

日本を代表するホラーアイコン山村貞子の生い立ちや母親、そして彼女の恐るべき正体についてのネタバレ解説、いかがでしたでしょうか。映画では明かされなかった貞子の正体、それはコンピューターウィルスでした。まだ映画でしか『リング』知らないという方は、ぜひ一度原作を一読してみてください。伝説的ブームを巻き起こした本作は、現在でも遜色ない鮮やかさをもってあなたを恐ろしい世界へ導いてくれることでしょう。

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