君の名前で僕を呼んでの原作本のラストは?エリオとオリヴァーの20年後も?

アカデミー賞脚色賞受賞作品、アンドレ・アシマン著作『君の名前で僕を呼んで』の原作本をネタバレ紹介していきます。気になるラストも紹介していきます。映画では描かれていないエリオとオリヴァーの20年後も原作では綴られていました。映画「君の名前で僕を呼んで」を見たことのある人は要チェックです。また、作品に触れたことのない人でも十分楽しめるまとめになっていますので、アカデミー賞受賞作品をぜひ読んでみましょう。

君の名前で僕を呼んでの原作本のラストは?エリオとオリヴァーの20年後も? のイメージ

目次

  1. 君の名前で僕を呼んでの原作本のラストをネタバレ紹介!20年後とは?
  2. 映画で話題になった君の名前で僕を呼んでには原作本があった!
  3. 君の名前で僕を呼んでの原作本のあらすじをネタバレ紹介!
  4. 君の名前で僕を呼んでの原作本のラスト・結末をネタバレ紹介!
  5. 君の名前で僕を呼んでの原作本の結末まで読んだ人の感想を紹介!
  6. 君の名前で僕を呼んでの映画版も要チェック!
  7. 君の名前で僕を呼んでの原作本のラストについてまとめ!

君の名前で僕を呼んでの原作本のラストをネタバレ紹介!20年後とは?

アカデミー賞脚色賞受賞作品『君の名前で僕を呼んで』はご存知でしょうか。2018年夏に日本で上映され話題になりました。映画の原作『君の名前で僕を呼んで』は、2007年にアンドレ・アシマンが『Call by me your name』という題目で執筆しました。そして、2018年夏には、ティモシー・シャラメとアーミー・ハマーのダブル主演で日本でも公開され、こちらも大好評の作品となっています。

映画「君の名前で僕を呼んで」では、原作の途中で終わっており、重要なラストが語られていません。原作では主人公のエリオ・パールマンとオリヴァーの2人の20年後まで描かれているラストがあるのを知っていましたか?ここでは、原作本『君の名前で僕を呼んで』の結末を紹介していきますので、ぜひご一読ください。

映画で話題になった君の名前で僕を呼んでには原作本があった!

映画「君の名前で僕を呼んで」には、原作本『君の名前で僕を呼んで』があります。本作は、主人公のエリオからの視点だけで描かれ、純文学にも属する作品になっています。エリオの細かくリアルな心理描写が描かれており、原作本では、映画だけでは感じ取ることのできなかった2人の小さな気持ちの変化や関係性などを知ることができます。

君の名前で僕を呼んでの原作者は?

『君の名前で僕を呼んで』の原作本作者は、アンドレ・アシマンという小説家です。アシマンはエジプト出身のユダヤ人で、現在はニューヨークに住んでいます。『君の名前で僕を呼んで』でも、ユダヤ人という自らのルーツを取り入れており、文学としても文化人類学としての視点で読んでも面白い作品です。

アシマン初の日本語翻訳

アンドレ・アシマンは、『君の名前で僕を呼んで』以前にも本を出版しています。『Out of Egypt』では自伝本として高い評価を貰っていますが、アシマンの本は日本語訳はされていませんでした。ですが、今作『君の名前で僕を呼んで』は、初めて日本語訳版も出版され、日本でも好評の作品となっていますので、原作が気になる方はぜひ書店で本をゲットしてみてください。

君の名前で僕を呼んでの原作本のあらすじをネタバレ紹介!

それでは、原作本『君の名前で僕を呼んで』のあらすじを結末ネタバレ紹介していきます。ラストを知りたい方は是非読んでみてください。予備知識として、2人はユダヤ人であり、バイセクシャルでもあります。2人の共通点はそれ以外にも、好きな本や音楽について話し合うことのできる知識があります。そんな2人に訪れる、ひと夏の忘れることのできない恋物語です。

エリオとオリヴァーの出会い

物語はオリヴァーの回想から始まります。「あとで!」そう最後に言い残す癖のあるエリオのことを思い返します。舞台は1983年の北イタリアの田舎町、『君の名前で僕を呼んで』は、イタリアの田舎町に住む17歳のエリオ、アメリカから研究者のインターン生としてやってきたオリヴァーの物語です。エリオの父親は考古学を教える大学の教授で、毎年夏になると自宅にインターン生を住まわせるという習慣がありました。

この期間、オリヴァーは自分の部屋をインターン生に貸すため、6週間部屋を屋根裏に移動しなければいけないため、気持ちがブルーになっていました。その夏、インターン生としてやってきたのは、如何にもモテそうな風貌の好青年、知的でコミュニケーションも高く魅力的な研究者の卵でした。そんなエリオにオリヴァーは目が離せなくなります。

自分の感情に戸惑うエリオ

いつ、この気持ちが芽生えたのか、また、いつからお互いが意識しだしたのかを回想で悶々と語ります。エリオもオリヴァーも、性格は違えど知的さは似ていて、オリヴァーはいつしかエリオのことが頭から離れなくなるのです。水着を着るエリオ、テニスをするエリオ、色んなエリオを窓から眺めては物思いに耽るそんな毎日が続きます。

近所に、キアラという女の子が住んでいました。キアラは、オリヴァーと同じように英語もイタリア語も話せます。そんなキアラはオリヴァーにだんだん夢中になっていきます。キアラ以外にも、オリヴァーは魅力的な青年でした。テニスが上手で社交性もあり、風貌も良いオリヴァーは自然と人気者になっていきます。

オリヴァーに対しての想い

一方、エリオは、オリヴァーは魅力的だからみんなが好きになる、だから自分もオリヴァーを好きになるのは普通ではないだろうか、これは恋ではなく友人としての好意的な気持ちだ、など日に日にオリヴァーに対する気持ちに悩むエリオでした。また、他人に対して親切ではないエリオは、自分の気持ちを隠して相手と接することが得意だったので、この気持ちを上手に隠そうと努力します。

オリヴァーとキアラはだんだん仲良くなっていきます。ですが、エリオはそのことを良く思っていませんでした。自分の気持ちに気付き始めていたのです。ある日、「君がキアラを好きなことを僕は知っている」そうオリヴァーに言いました。すると、「君には僕の気持ちはわからないよ」そう強く言われ、エリオは戸惑います。エリオを見つめるオリヴァーの目は妖艶でした。

お互いの気持ちに気付く時

数日後、オリヴァーとエリオの仲には一時平和な空気が訪れます。そんな時、エリオの近所に住む女の子、ヴィミニと出会います。ヴィミニは白血病でした。オリヴァーは音楽の話でヴィミニと仲良くなりました。ヴィミニと仲良くなることに対しては何の感情も抱かないエリオは、また自分の気持ちに悩み始めます。

自分のエリオを想うこの気持ちが何なのか、悶々とするある日、オリヴァーはエリオの部屋にこっそりと侵入するのです。そこで、オリヴァーはエリオの下着を履き、エリオがいつも過ごす部屋で言葉にならない気持ちになってしまいます。そんなときに、エリオがやってきます。

通じ合っても戸惑う感情

2人は、だんだんお互いの気持ちに気付き始めていました。話し合うべきだ、そう分かっていても、同じ部屋にお互いが想う人がいる、そんな雰囲気からお互いを求めてしまうのです。事後、エリオは、自分たちがしたことに対して再びモヤモヤしだします。気持ちは同じだと分かったのに、なぜだろう、そう悩むのでした。

そんなエリオのよそよそしい態度に気付いたオリヴァーはエリオを気遣います。「僕たちはするべきじゃなかった?」「反吐が出そうなんだろ?」「いやだった?」そうエリオに問いかけます。エリオは決して嫌ではなかったし、むしろ予想外の展開で複雑な気持ちに陥っていただけでした。

忘れたいけど忘れたくない記憶

オリヴァーは、自分の気持ちを押し付けたらエリオが悩む、そして後悔する、そう考えていたのでこれまでエリオには中途半端で曖昧な態度で接していたのです。ですが、エリオの行動が引き金となり、自分の気持ちを抑えることが出来ませんでした。複雑な気持ちを抱いているエリオを気遣い、「だから警告したんだ」そう静かにいいました。

自分のこの気持ちに戸惑うエリオは、オリヴァーとのあの一夜の事を忘れようと必死でした。固い友情を結べたらよかった、こんなことをするべきじゃなかった、そう思うエリオでした。嬉しいけど、忘れたい、それが本音でした。僕たちはもう終わりだ、そう徐々に思い始めたエリオは、オリヴァーと距離を置こうと決めたのです。

オリヴァーの気持ち

ある朝、朝食のためダイニングに行くと、オリヴァーはエリオの水着を履いていました。水着の貸し借りは普通の家庭だったため、特段誰も気に留めはしなかったのですが、エリオはオリヴァーのその行動に再び気持ちが駆り立てられてしまいます。そうすることでエリオの気持ちが自分に向くことをわかっていたオリヴァーは、エリオが距離を置き始めていたことを気付いていたのです。

気持ちがあるのにオリヴァーのことを忘れよう、距離を置こうとしていたエリオに対して、距離を置くことを許さなかったのです。そんなオリヴァーの気持ちを感じ取るエリオは、朝食後、外に出かけたオリヴァーを追いかけます。「会いたかった」そう素直に自分の気持ちを伝えます。「僕にはうんざりだったんじゃないのか?」そう聞き返すオリヴァーに、「一緒にいたかった」そう本心を言うのです。

すれ違う2人

オリヴァーと寝たことにモヤモヤしていたエリオでしたが、「嬉しかった」それだけは分かっていました。オリヴァーは、エリオに苦しんでほしくない、いやな思いをさせたくない、そう思っていたので、エリオの本心を聴き嬉しくなります。ですが、お互いの気持ちが通じあったのも束の間、再び2人はすれ違いを起こします。

想いが通じ合ってもすれ違いを起こす2人は悩み始めます。ですが、オリヴァーがイタリアにいるのは残りわずかなことに気付きます。オリヴァーはアメリカの大学に帰らなければならないのです。そんな時、2人は何気ない会話を楽しむ時間が訪れます。オリヴァーがアメリカに帰るまえ、オリヴァーはローマに用事がありました。その期間は2人が最後に過ごせる時間だったので、用事という口実でローマに旅行をすることが決まります。

オリヴァーとエリオの最初で最後の旅行

ローマ旅行には、エリオの父親が高級なホテルを予約してくれました。2人は、2人でいられる時間がとても幸せに感じていました。オリヴァーは哲学者としてパーティーに招待されていたので、2人で出席することにしました。そこでは、出版社の偉い人がオリヴァーを様々な業界の人に紹介したり、哲学について話すなど、新たな一面を見ることができたのです。

エリオとオリヴァーは、本や音楽について話すのがすきでした。ローマではたくさんのことを話し、自由にお互いについて話合いました。ですが、そんな幸せなひと時も終わり来ます。エリオの住む田舎町には、もうオリヴァーと一緒に帰ることはありません。オリヴァーはアメリカに帰る、初めから決まっていたことでしたが、エリオはまた暗い気持ちになります。

オリヴァーとの別れ

家に戻ると、エリオの母が旅行についてお土産話を聞かせてほしいと色々な質問をしてきました。一通り話しが終わると、エリオの部屋をオリヴァーが来る前の部屋に戻しておいたと言われます。エリオは、また悲しくなります。自分の部屋をオリヴァーが来る前の状態に戻すのには、オリヴァーの余韻を残しておきたかったため時間をかけたいと思っていたのです。

そんな気持ちになりながらも、オリヴァーからもらったオリヴァーがきていたシャツにオリヴァーを感じながら眠ることを楽しみしていました。オリヴァーがアメリカに帰ってからしばらく経ったある日、エリオはヴィミニと話しをしていました。ヴィミニには、自分の本音を話すことに対して抵抗なくするすると話すことができたのです。ヴィミニはオリヴァーが分かれの挨拶も言わずに出て行ってしまったことに不満がありました。

オリヴァーとエリオの距離

エリオは、自分だってもうオリヴァーとは会えないかもしれない。そういうと、ヴィミニは「私はもう無理かな」そういうのです。ヴィミニは重篤な白血病でした。そのことを考えると、エリオは何も言えなくなってしまったのです。そして、自分も二度とオリヴァーと会うことがないかもしれないことを想像し物思いに耽るのでした。

家に帰ると、オリヴァーから無事にニューヨークについたことを知らせる電話がかかってきました。ヴィミニが怒っていたこと、自分の部屋が戻ってきて嬉しいこと、他愛のない話をしました。そして、その夜、エリオは父親にローマに行ったときの話を聞かせてほしいと言われ、面白おかしくはなしました。すると、「お前たち2人はとても仲良くなった」そういわれたのです。

気付かれていた気持ち

エリオは、自分が動揺していることを悟られないように返事をしましたが、どうやた父親はオリヴァーとエリオ2人の関係に気付いているようでした。ですが、それは否定的な意味合いではありません。エリオがオリヴァーとの関係をなかったものにしようとする心に問いかけるのです。知的で文学的な言葉で。「何かを感じないために何も感じないようにするのは不毛なことだ」そう言われたのです。

実は、エリオの父親にも過去に見覚えがあったのです。大抵の親だったら、きっと2人の関係に激怒することでしょう。ですが、エリオの父親は違ったのです。その感情を抱くのは相手が誰であれ大切なことだ。そう言ってくれたのです。きっとエリオの母親も感づいてはたけど、触れないでいたのかもしれない、とも言いました。

君の名前で僕を呼んでの原作本のラスト・結末をネタバレ紹介!

それでは、『君の名前で僕を呼んで』の結末の紹介にいきます。一体2人はどうなってしまうのでしょうか。エリオとオリヴァーの関係性の変化、揺れ動くエリオの心情に注目してみてください。また、映画の続編と言われる部分にもなるので、映画の前に結末を知りたい方や原作を読む前に知りたい方も予習していきましょう。

結末・ラスト⓪それから

オリヴァーがアメリカに帰ってからも、エリオの心にはオリヴァーがいました。その年のクリスマスの前に、オリヴァーは再びイタリアの田舎町にやってきました。エリオと以前約束していたのです。オリヴァーは年明けまでいました。その期間、オリヴァーはエリオの家族とヴィミニと過ごすことが多く、エリオと過ごす時間はあまりありませんでしたが、ある夜、オリヴァーがエリオに話をしにやってきました。

オリヴァーは言いました。「結婚するかもしれない」と。その言葉を聞いたエリオは驚きを隠せずにいたエリオに、オリヴァーは続けます。エリオと知り合う以前からくっついたり離れたりしていた彼女の存在があったこと、エリオの父親は自分たちの関係に気付いていること、また、気付いた上で何も言ってこないことを零します。自分の父親だったら自分は刑務所行きだ、とオリヴァーは嘆きます。

結末・ラスト①最初からオリヴァーがよかった

そんな話を2人でしていると、再びあの頃のようにお互いを求めあうとしていまう空気を悟り、そうならないように意識するのですが、エリオはこの時、オリヴァーを離さなければよかったと後悔するのです。次のひ、リビングルームに行くと、父親が封筒を持ってきました。それは、次の夏にインターン生としてエリオの家に住まう人物の選定でした。

去年も同じように、家族とインターン生を選んだ記憶がよみがえります。オリヴァーの写真から目を離せなくなったことを思い出したのです。その夜、オリヴァーはアメリカに帰る支度をしている時に、エリオは「君が選ばれるようにしたのはぼくだ」と言いました。オリヴァーの写真は魅力的で、インターン生の選定からエリオにとってオリヴァーは特別な人だったのです。

結末・ラスト②もし、オリヴァーではなかったら...

オリヴァーは本の出版が決まり、本の装丁も申し分ないくらいに素敵なものとなったオリヴァーの本を見て、エリオは再び想いを馳せます。もし、インターン生がオリヴァーではなく違う人だったとしても、こんな関係になっていたのか、と考えます。そうしたら今の自分とは違う人生になっていたのではないか、もしオリヴァーじゃなかったら...と頭の中で考えます。

結末・ラスト③オリヴァーのいない日々

翌年の夏、オリヴァーが結婚したことを知ります。結婚祝いに家族とプレゼントも送りました。警句をつけて。オリヴァーの居ない日々を過ごすエリオは、オリヴァーに伝えたいことがたくさん溜まっていきました。手紙で知らせてもいいのに、エリオはできずにいたのです。ただ、初めて自分の気持ち以外の手紙をオリヴァーに送ったことがありました。それは、ヴィミニの死を知らせる手紙でした。

結末・ラスト④それぞれの道

エリオは、アメリカの大学に進学することになり、アメリカに渡りました。そのことをオリヴァーにも手紙で伝えたのですが、そのオリヴァーからの返信が最後の文通となったのです。オリヴァーの手紙を受け取った9年後の夏、エリオの元二父親から電話がありました。イタリアの田舎町の実家に、オリヴァーが滞在するというのです。内心エリオは動揺しましたが、悟られないように平静を保ちます。

父から受話器を変わったのはオリヴァーでした。オリヴァーは久しぶりのイタリアの田舎町とエリオに感極まっているようでしたが、エリオは胸が苦しくなりました。電話では他愛のない話をし、母親に受話器は変わりました。

結末・ラスト⑤オリヴァーとの再会

その電話から4年後、エリオはオリヴァーの大学がある付近を歩いている時に、思い付きでオリヴァーが講義をする教室へ足を運びます。席に着くと、エリオはオリヴァーを眺めます。授業の後、質問をしたい生徒の後ろにエリオは並びました。そして自分の番になると、「たぶん僕を覚えてないだろうね」と声をかけるのです。

オリヴァーは目を細め、誰だ?というような顔をしたあと、自分の目の前にいるのがエリオだと気づきました。ひげがあるから分からなかったよとオリヴァーは言いました。2人は15年ぶりにハグをしました。あの時、最後にできなかったハグを。オリヴァーは、自分の息子と妻にぜひ会ってほしいとテンション高めにエリオに提案してきました。

結末・ラスト⑥複雑な気持ち

エリオはそんな陽気な感情になるなんてできません。突然すぎて、心の準備もできず、叶わなかった過去の恋人が築いた家庭を見ることなんてできない、と様々な感情で溢れかえっていたのです。もう大丈夫だと思っていたけど、一度知ってしまった気持ちに再び触れると胸が苦しくなるのです。

オリヴァーの家族に会う自信がないこと、オリヴァーへの気持ちがまだあるかもしれないことをオリヴァーに告げました。オリヴァーは「バカだな」と言い、そのあと、オリヴァーのオフィスへ行き、同僚にエリオを紹介してくれたのです。オリヴァーはエリオのキャリアにとても詳しかったのです。そのことにエリオはとてもうれしくなりました。その夜、エリオとオリヴァーはお酒を飲みがら昔話を語らいました。

結末・ラスト⑦オリヴァーだけ

オリヴァーは、昔と変わりないオリヴァーのままでエリオは嬉しくなりました。どんなに歳を取っても、エリオに会うとあの時の24歳の自分に戻れる、人生の一部は昏睡状態だったと話してくれたオリヴァーに、言っておかなきゃいけないような気がして、エリオの気持ちを伝えます。「僕が死ぬときにさよならと言いたいのは君だけだ」と。エリオは17歳のあのときから変わっていなかったのです。

結末・ラスト⑧オリヴァー再びイタリアの田舎町へ

そして、オリヴァーはイタリアの田舎町に戻ってきました。ローマからフランスへ行く途中に1泊するために寄ってくれたのです。エリオは、初めてオリヴァーが家に来た時のことを思い出しながらオリヴァーを案内します。庭師のアンチーゼが亡くなったこと、ヴィミニが亡くなったこと、そしてエリオの父親も他界したことをなぞるように、2人で思い出の場所をめぐります。父親の遺灰はたくさんの場所に撒きました。

父の遺灰を撒いたところに来れば、父を感じられることをオリヴァーに話します。”二十年前は昨日で、昨日は今朝で、今朝は数光年昔に感じられる”、”そして、あの頃みたいに僕の顔をまっすぐに見て、視線をとらえ、そして、僕を君の名前で呼んで。”こうして原作本『君の名前で僕を呼んで』は終わります。

君の名前で僕を呼んでの原作本の結末まで読んだ人の感想を紹介!

原作本『君の名前で僕を呼んで』を読んだ人の感想を紹介していきます。あらすじを読んで感じた感情と少し違った印象を持つかもしれません。また、自分の感想との差異も楽しみながら見ていきましょう。

原作本を読んだ人の感想①

映画まだ観れてないけど、「君の名前で僕を呼んで」読み終えたよ。夏の終わりと恋の終わりが重なるときにだけ顕れるこの切なさの最高点みたいな感情、くるしいね。 お父さんの言葉が鎧のように心を少し強くしてくれた。 全世界の親に持ってほしい考え方だな、、、。

夏の終わりと恋という舞台が、またエモーショナルな感情を抱かせます。また、オリヴァーとエリオの関係に気付い父親の、2人の関係について激怒したり批難したりしない父親の寛大な心や柔軟な考え方に、同じような境遇の人もそうでない人も心を包まれた人も多いのではないでしょうか。原作で読み取れるエリオの父親の多様な考え方には脱帽です。

原作本を読んだ人の感想②

何かを感じたと思ったら否定したり、全く別のことを考えたりと、エリオの感情をそのまま書き写しているような文章なので少し読みづらかった。でも人の気持ちなんてそんなものなのかもしれない。オリヴァーの気持ちもエリオを通してしか描かれていないので、全てのエリオの妄想に過ぎないのかもしれないと少しだけ思った。少年のひと夏の恋を追体験できる小説。最初は意味のわからなかった「君の名前で僕を呼んで」というタイトルの意味が読後にじんわりとひろがった。

翻訳なので、分かりにくい表現がある部分もありますが、全体的に純文学的位置にある本作『君の名前で僕を呼んで』は、何度も読むと奥深い味わいが出てくるかもしれません。エリオの妄想、と見方によってはそうであるかもしれないという意見は、様々な状況を一変させる面白い意見です。ひと夏の恋というのが、また情緒的でいいのかもしれません。また、原作のラストまで読み結末を知るとタイトルの意味に感動を覚えます。

原作本を読んだ人の感想③

エリオの変態がすごいという感想でした。たしかに、原作本を読んで頂ければ分かりますが、エリオは自分の気持ちに素直で、衝動のままに行動ををしてしまう傾向にあります。自分の気持ちと葛藤する場面も多いですが、オリヴァーを想うがあまり、自己嫌悪に陥ったり自信喪失してしまったり、目を離せない人物として描かれています。こちらの方の感想を見る限り、映画のエリオは控えめな人物として描かれていたのでしょう。

原作本を読んだ人の感想④

原作『君の名前で僕を呼んで』は、最初からラストまでエリオの繊細で表現溢れる気持ちが表現豊かに描かれています。バイセクシャルであるエリオは、オリヴァーが初めて好きになった男性だったのかもしれません。甘酸っぱくだけど時に激しい青春ストーリーであるのと同時に、純文学でもあるこの作品は、結末を読んだ後、さまざまな感情が生まれたという感想もあります。

原作本を読んだ人の感想⑤

この方は原作『君の名前で僕を呼んで』の冒頭部分を読んですぐの感想です。表現豊かなエリオの心情が現れていることが分かります。エリオの忘れることのできないひと夏の思い出ということが冒頭に描かれています。また、淡く純情な気持ちに、感想を呟かずにはいられなかったことが見受けられ、『君の名前で僕を呼んで』とはどんな話なのか好奇心が掻き立てられる感想でした。

原作本を読んだ人の感想⑥

映画を見る前に原作本を読む人も多いのではないでしょうか。原作『君の名前で僕を呼んで』は、LGBTの方以外にも、恋愛をしている人には共感できる部分もあり、切ない気持ちになるかもしれません。

オリヴァーとエリオと同じ立場の人にも、心に感じるものがあると見受けられるというファンの感想もあります。胸が苦しいという表現通り、読み物としてはとてもリアルで、結末読了後、イタリアの田舎町に自分もいるかのような感覚に陥る方もいらっしゃるようです。

原作本を読んだ人の感想⑦

映画を見た後に原作を読んだ方でしょうか。映画「君の名前で僕を呼んで」の続編がどのようなものになるのかを想像し、切ない気持ちになったようです。結末を知ってしまったら切なくならいわけがないくらい、原作の結末はとてもいいものとひょうばんです。原作の結末を知ってから映画の続編を見るのもいいかもしれません。

君の名前で僕を呼んでの映画版も要チェック!

では、アカデミー賞脚色賞受賞した映画「君の名前で僕を呼んで」を紹介していきます。監督はイタリア人のルカ・グァダニーノ、脚本はジェームズ・アイヴォリーです。映画では、原作の途中までしか描かれていませんが、続編として「君の名前で僕を呼んで」が続くことが決まっています。また、原作では1987年の設定ですが、エイズ問題を取り入れるために1983年に設定したといいます。

映画「君の名前で僕を呼んで」のキャストや吹き替え声優は?

では、気になる配役を紹介していきます。主人公のエリオはアメリカの俳優でユダヤ系アメリカ人であるティモシー・シャラメが演じました。オリヴァーを演じたのは、ローンレンジャーに出演していたアメリカの俳優、アーミーハマーが演じました。アーミーの曽祖父がロシア系ユダヤ人ということもあり、「半分ユダヤ人」と語っています。

日本語吹き替え版では、エリオを入野自由さん、オリヴァーを津田健次郎さんが演じました。実力派人気声優ということもあり、様々なジャンル層の方々に『君の名前で僕を呼んで』を見てもらうキッカケにもなりました。続編では、原作の結末までやるかもしれないということですので、映画の方もご覧になってみてください。

続編がある?

続編については、原作にないエイズを扱うということが発表されています。原作の設定と少し違うので、批判を持つ人もいるかもしれませんが、エイズというリアルな観点からも語ることのできる『君の名前で僕を呼んで』は多様な作品であることがわかります。恋愛、バイセクシャル、ユダヤ人、文化、エイズと様々な要素を持つ『君の名前で僕を呼んで』は、続編も注目すべき作品であることがわかります。

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君の名前で僕を呼んでの原作本のラストについてまとめ!

原作本の結末・ラストをあらすじを含めネタバレしてきましたが、いかがだったでしょうか。原作の結末はオリヴァーとエリオが20年の時を経て交わす言葉や気持ちでラストをかざりました。原作『君の名前で僕を呼んで』は、LGBTやユダヤ人という文化的要素が含まれ、繊細な作品です。恋愛は男女でするもという概念を取っ払って読み進めて行くと、すごく味わい深い作品として評判です。

映画とはまた違った印象を抱く原作の結末は、まだ2人の関係は続いていくということを示唆しています。また、タイトルである『君の名前で僕を呼んで』という一見よくよくわからないようなタイトルも、原作を読むことによって、心にずっしりと落ちるものがあると言われています。男女間の恋愛ではここまで純粋に人を想うことがあるのか、という点でも議論ができるのはないでしょうか。

結末・ラストに向けての原作の良さ

”映画を見る前に読むべきか、映画をみてから原作を読むのか、どちらがいいのか誰にも分からない”と、ジェームズ・アイヴォリーが帯に書いている通り、どっちを先に予習するかは本当に自分次第なのです。どちらを先に読んだ方がいいというのは断言できません。気になった方から予習するという方法が1番かもしれないです。ファンからは結末を知っても、切ない感情にさせてくれる作品だと言われています。

また、アンドレ・アシマンが綴る原作では言葉一つ一つが繊細でリアルで、ロマンティックであるところも『君の名前で僕を呼んで』の魅力の一つです。ぜひ、原作を読んでいない方は読んでみてくさだい。そして、読んだことのある方も原作を読み直すとまた新たな気付きがあるかもしれません。映画の『君の名前で僕を呼んで』も要チェックです。

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