結婚の映画あらすじをネタバレ!ディーン・フジオカ演じる結婚詐欺師の結末は?

2017年公開の映画「結婚」。主演は、NHK連続テレビ小説「あさが来た」で大人気となった、ディーン・フジオカ。その甘いマスクで次々と女を騙し、金を巻き上げたらさっさと消えるという結婚詐欺師、古海健児を演じています。映画の原作は、女性作家井上荒野の小説「結婚」。2016年に発売されました。古海が結婚詐欺をする理由、古海が抱える過去とは。ネタバレありのあらすじや、キャスト、世間の感想の声など、ご紹介いたします。

結婚の映画あらすじをネタバレ!ディーン・フジオカ演じる結婚詐欺師の結末は?のイメージ

目次

  1. 結婚の映画あらすじや結末を調査!
  2. 結婚の映画作品情報
  3. 結婚の映画登場キャスト
  4. 結婚の映画あらすじネタバレ
  5. 結婚の映画でディーン・フジオカが演じた結婚詐欺師の結末は?
  6. 結婚の映画の原作について
  7. 結婚の映画を観た感想は?
  8. 結婚の映画あらすじや結末まとめ

結婚の映画あらすじや結末を調査!

『「結婚しよう」-それが、彼の別れの言葉。』。なんだか矛盾を感じさせますが、これが映画「結婚」のキャッチコピーになっています。主人公はディーン・フジオカが演じる結婚詐欺師。嘘のプロポーズで結婚を匂わせ、律儀に女1人1人に対し違う理由で金を出させ、金を手に入れたら蒸発します。しかしこの結婚詐欺師には、実は知られざる過去が。映画「結婚」のネタバレあらすじやキャストなどなど、ご覧ください。

結婚の映画作品情報

映画「結婚」は2017年に公開。主演のディーン・フジオカは、日本中に「五代ロス」を巻き起こしたほど、NHK連続テレビ小説「あさが来た」で活躍した人気俳優です。この「あさが来た」で演出を担当していた西谷真一が映画「結婚」の監督を務め、再びディーン・フジオカとのタッグが実現しました。映画のエンディングテーマもディーン・フジオカが担当しており、その魅力があますことなく発揮された映画となっています。

結婚の映画登場キャスト

映画「結婚」のネタバレあらすじの前に、先にキャストをご紹介いたします。「結婚」の主な登場人物は、なんとたった8人ほど。映画の時間も118分と少し短めなのですが、この8人によって大変濃いあらすじが展開されていきます。こぼれネタバレですが、雨の中のディーン・フジオカと貫地谷しほりのキスシーンで、長身のディーンに合わせて貫地谷しほりは相当上を向く必要があり、口に大量の雨が入って「溺れそうだった」そうです。

ディーン・フジオカ/古海(うるみ)健児役

1980年生まれ、福島県出身のディーン・フジオカ。モデル、俳優、シンガーソングライター、映画監督と、多方面で活躍しています。元々の活動拠点は日本ではなく香港や台湾などで、そこから日本へと活躍の場を広げた「逆輸入俳優」として有名です。日本での初連ドラ出演となったのは、「探偵の探偵」(2015)。同年9月からのNHK連続テレビ小説「あさが来た」で、五代友厚を演じ更に日本での人気が確立されました。

貫地谷しほり/古海初音役

2002年に映画でデビューした貫地谷しほり。映画「スィングガールズ」(2004)で注目を浴び、2007年には連続テレビ小説「ちりとてちん」でヒロインとして活躍しました。2013年公開の映画「くちづけ」で映画初主演。この時知的障害のある女性を演じ、ブルーリボン賞を受賞しました。また、声優としても活躍していて、「プロフェッショナル 仕事の流儀」や「はじめてのおつかい」など有名な番組でもナレーターを務めました。

柊子/千石るり子役

2005年、中学2年の時に初舞台を踏んだ柊子(しゅうこ)。その2年後には映画「那須少年記」で、映画デビューも果たしました。その翌年にはドラマデビュー。更に、ガールズユニット「JK21」に1年ほど所属していた時代に作詞活動を始め、現在も「Shu」の名前で作詞を行っています。ちなみにディーン・フジオカが日本での初連ドラ出演となったドラマ「探偵の探偵」に、一部柊子も出演していました。

中村映里子/工藤麻美役

ティーン雑誌の「Hana* chu→」や「ラブベリー」での雑誌モデルから女優へとなった工藤麻美。1988年生まれで、山形県出身です。2006年から女優として活動しています。2010年公開の映画「カケラ」ではレズビアンのメディカルアーティストという個性的な役を演じ、主人公の女性を魅了する演技で注目されました。最近ではドラマ「ブラックリベンジ」(2017)や同じくドラマ「奥様は、取り扱い注意」(2017)で活躍しています。

安藤玉恵/穂原鳩子役

東京都荒川区出身の安藤玉恵。早稲田大学在学中に演劇サークル「早稲田大学演劇倶楽部」にて活動しました。大学卒業後は劇団「ポツドール」に所属し、そこでの舞台をきっかけに映画「ヴァイブレータ」(2003)でデビュー。その後数々の映画やドラマで活躍しています。映画「夢売るふたり」(2013)で、ここでも結婚詐欺で騙される気の毒な役なのですが、その演技で第27回高崎映画祭最優秀助演女優賞を受賞しました。

松本若菜/吉岡真奈役

高校1年生の時に地元鳥取で芸能事務所にスカウトされましたが、1度断っている松本若菜。しかし高校卒業後、自ら再度事務所に連絡を取り無事芸能界入りしました。「仮面ライダー電王」(2007)で女優デビューしています。映画「愚行録」(2017)では、美人で聡明だが裏のある女を演じ、第39回ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞。最近ではドラマ「チア☆ダン」(2017)や映画「コーヒーが冷めないうちに」(2018)で活躍しています。

萬田久子/柊泰江役

1980年、NHK連続テレビ小説「なっちゃんの写真館」で女優デビューの萬田久子。実はそれより前の1978年、ミス・ユニバース日本代表に選出されました。その抜群のスタイルを活かし、1981年の映画「夏の別れ」では大胆なヌードを披露し話題となりました。その後も数々の大河ドラマからサスペンスドラマなどで幅広い役を演じています。JUJUのミュージックビデオ「ラヴ・イズ・オーヴァー」(2016)にも出演しました。

古館寛治/矢島(探偵)役

個性派俳優として有NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013)での監督役から、段々と個性派俳優としてその名が知られるようになった古館寛治。元々はニューヨークで演劇を学んでいました。2000年に入ってから、日本のドラマや映画に出始め、俳優活動をスタートさせます。そして2010年代後半になると、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ 」(2016)やドラマ「コウノドリ」(2017)といった話題作で活躍しています。

結婚の映画あらすじネタバレ

映画「結婚」のキャストをご覧いただきました。いよいよここからは、ネタバレ有りであらすじを詳細にご紹介していきます。主人公はどんな手口で女を騙し、騙される女はどう変わっていくのか。そして詐欺師である主人公にはどんな過去があるのかも、全てネタバレしています。お楽しみください。

よろしければ予告編の動画もどうぞ。ディーン・フジオカが歌う主題歌に乗って、映画「結婚」の世界の一部が表現されています。

ネタバレあらすじ① 古海とるり子のタッグ誕生

主人公の古海(うるみ) 健児は、結婚して妻がいますが、結婚詐欺師をしています。妻はこのことを知りません。古海は偽名を使って次々と巧みに女を騙し、金を払わせたらすぐにその女の前から姿を消します。女に対しては「電磁波アレルギーだから」と、普通ならすぐバレそうな嘘をついて携帯を持っていないことにし、連絡先も教えていません。しかし、ある1人の女に、結婚詐欺師であることを見抜かれてしまいました。

千石るり子というその女は、あろうことか「警察に突き出されるか、自分を詐欺の仲間にするか」というとんでもない条件を突き付けてきたのです。一度はその場を立ち去る古海ですが、結局るり子を仲間にすることにしました。これを機に、るり子がカモとなる女を見つけて近づき、古海と合わせ、古海が金を巻き上げてるり子に少し分け前を与えるというスタイルが出来上がりました。

ネタバレあらすじ② 工藤麻美

そんな中るり子が見つけたカモは、家具店に勤める工藤麻美という女でした。日々、家具店にやってくる幸せそうなカップルを見つめては自分の幸せを思い描き、結婚願望が強い女です。そんな麻美が、知り合って1ヶ月も経たないのに古海からプロポーズされます。なんだかんだ「急すぎる、まだあなたのこと知らないことばっかり」と言いながらも、プロポーズを受け入れる麻美。

そしてすぐ2人で住むマンションを借りる話になります。部屋の内見の時にはとてもはしゃいで、麻美はどこに何を置くかとか、家具店に勤めていることを活かしていいベッドを社員割で買おうなど、ウキウキしながら古海に話します。そしてマンションを借りる費用の内、100万を払うと約束するのでした。

ネタバレあらすじ③ 吉岡真奈

次に古海が工藤麻美と会う予定の日、るり子は別の女をバッティングしてきました。その女の名前は吉岡真奈。バリキャリでプライドの高い女です。麻美との予定をずらし、古海は指定の場所で吉岡真奈に会います。カフェで真奈と話す途中、そのカフェの横を偶然工藤麻美が通り過ぎました。窓際の席だったため焦る古海。幸い麻美は気づかず、近くのドレスショップのショーウィンドウにあるドレスをぼーっと見ていました。

その姿を見た真奈の口から、結婚願望がないようなことを聞かされ、更に焦る古海。真奈の母親は、あまり幸せな結婚をしていなかったようです。しかしそこは狙った獲物は逃がさない古海。後々、やはり古海のテクニックで真奈はあっという間にその術中にはまっていきます。

ネタバレあらすじ④ 穂原鳩子

次に登場するのは、穂原鳩子。市役所で働いています。日々婚姻届を出しにくるカップルを相手にし、へきえきしている様子。そんな鳩子は、古海とはワインバーで知り合っていました。登場時点で既に古海と知り合ってから時間が経っているようで、既にお金を払ってしまった後。それ以降全く連絡の取れない古海に対しイラついています。そしてとうとう、ある探偵事務所に調査を依頼するのでした。

ネタバレあらすじ⑤ 古海の妻

ここで、古海の妻初音の話になりますが、彼女も元は古海のカモでした。古海は結婚指輪を渡すと同時に「結婚指輪の費用を一部出してほしい」と話し、お金を出させようとします。この時初音は承諾し、お金を払うことになるのですが、ついでに古海に妊娠を伝えました。しかし、その妊娠は続かず、後日流産してしまいます。それを聞かされた古海は改めて「本当に」プロポーズをし、「本当に」結婚することになるのでした。

ネタバレあらすじ⑥ 探偵の調査開始

「矢島探偵事務所」というところに、穂原鳩子が訪れます。探偵の矢島が話を聞くに、負けず嫌いなタイプの鳩子は、男に対してもガツガツ意見をいうタイプで、そのせいか男を求めても敬遠されがちでした。だからか古海の甘い言葉にコロっといってしまい、体の関係も重ねています。しばらくしてその古海から「田舎の母親が病気」と言われ、あっさり100万円を渡し、あっさり古海に蒸発されたのでした。

古海について鳩子が知っているのは「オウガイ ショウジ」という偽名だけで、他は連絡先も住所もわからず。どうやってアプローチしたらいいか…となる鳩子と矢島探偵ですが、その時鳩子は、古海といる時に何度か会ったるり子のことを思い出しました。るり子は酒の飲み方に特徴があり、ジントニックのジンとトニックを別々に注文します。鳩子は渋谷辺りで何度か会っていたので、矢島はその辺りの店を調べることにしました。

ネタバレあらすじ⑦ 順調に騙される女達

その頃、マンションの部屋の敷金として100万円を古海に渡した麻美も、古海と連絡が取れなくなっていました。鳩子と同じく、こちらも名前以外何も知りません。その時麻美は、以前古海から聞いた、「小説家をしていて、オオサワミクモという名前で活動している」という話を思い出します。

ネット小説家のようで、麻美はそのページの会社に電話をしてみました。すると、「オオサワミクモは2年程前からハワイを拠点に活動している」と聞かされます。本物のオオサワミクモは、古海とは全くの別人でした。ここでようやく、自分がずっと愛する男に騙されていたと気づく麻美。社員割で買ってしまったベッドの上で泣く麻美の痛々しい姿がありました。

麻美から金を巻き上げた古海は、次はバリキャリの吉岡真奈から金を引き出しにかかります。古海は、真奈には「自分は空間デザイナーだ」と言っています。レストランのデザインなどにも関わっていて、次に店を開く予定だという場所に真奈を連れていきます。もちろんそこは古海とは無関係の場所ですが、古海は裏ワザでも知っているのか、簡単に忍び込みます。

そこにあったピアノを弾きながら、新規出店は大変だなどと、少し真奈に愚痴を漏らす古海。そして「世間に対し、自分にも力があると証明したい」と思っている真奈から、まんまと「自分にも手伝わせてほしい」という言葉を引き出すのでした。そこからは明らかにアップテンポにピアノを弾き出す古海。獲物が完全に針にかかるまであと1歩です。

ネタバレあらすじ⑧ 被害者の会結成

鳩子からの依頼で古海の調査を進める探偵の矢島。調査の中で、鳩子と同じく古海に騙された工藤麻美に行きつきます。とうとう鳩子と麻美が探偵事務所で合流。そこで、被害者の会が結成されました。

ネタバレあらすじ 謎の女

一方順調に古海との付き合いが進んでしまっている真奈は、その日も古海と店を開く予定の場所で会っていました。その時古海からプロポーズされます。すっかり古海に夢中の真奈は受け入れました。しかしその時、突然その場所の本当のオーナーが入ってきたのです。不思議なことに、このオーナーである女性は、古海とも全くの初対面なのに、警察も呼ばず古海に話を合わせてきました。どういうことでしょうか?

古海はなんとかその場を取り繕って真奈をタクシーに乗せ見送り、改めてそのオーナーと話をします。オーナーの女性は柊木泰江といいました。なぜ警察に通報しなかったかというと、「警察を呼んで騒ぎになるより、女を口説く様子を見る方がおもしろいと思った」からだそうです。帰り際、泰江は古海に名刺を渡し、「また遊んで」と言い残して去っていきました。これを機に古海と泰江の奇妙な関係が始まります。

泰江は3年前に夫が死に、莫大な遺産を受け継いでいます。また、過去に生まれて半年の息子と生き別れていました。実は古海も、生後半年ではありませんが、幼い頃母親と別れています。母親の写真もなく、自分が唯一持っている、どこかの神社で撮られた男の子の写真が、自分なのかも確信がありません。しかしその写真を元に、泰江が調査をしてくれることになりました。

ネタバレあらすじ⑨ 矢島探偵の疑問

矢島探偵の調査は進み、次は工藤麻美が古海に騙されそうになっていることまで突き止めます。鳩子と麻美には、この女性に警告してあげなければ、と話しますが、この2人はあろうことか「騙されるバカな女を観てみたい」と、自分のことを忘れているのかただのささやかな八つ当たりなのか、そんなことを言い出しました。

呆れた矢島は調査を終えることにするのですが、疑問が残ります。「その詐欺師が、たった数百万を犯罪のリスクを取ってまで巻き上げるのはなぜなのか?もしかして、他に目的があるのではないか?」

ネタバレあらすじ⑩ 初音の消滅

古海の過去についての調査が終わったと、柊泰江から古海に連絡が入りました。そのお礼として泰江は、香港やニューヨーク、シンガポールなどを3か月ほどで巡る世界1周の船旅に付き合ってほしい、と言います。この時泰江は古海に結婚していないか聞くのですが、古海は「妻はいない」と泰江に言うのでした。後日泰江から古海の元に調査結果が送られてきます。その内容を見て、古海は静かに1人涙を流すのでした。

調査内容を読んでから、家で古海は初音に全てを話します。詐欺をしていたこと、初音に買った結婚指輪は実は3000円の安物であったことなどです。すると初音は「そんなこと知ってた。私の役目は終わったのね」と言います。

「結婚生活は楽しかった。でもあなたの頭の中にしかない。結婚詐欺でしか女と出会うことができないなんてかわいそうな人」と最後に言い残し、古海の目の前から一瞬で消えてしまいました。「古海初音」という人間は最初から存在せず、古海の頭の中だけの女性だったのです。出会い、騙し、結婚するまで、全て古海の想像の中での物語でした。

ネタバレあらすじ⑪ 結婚詐欺師vs被害者

一方、とうとうるり子含む被害者の女達が全員顔を合わせることになりました。その時点で、もう誰も古海と連絡が取れません。唯一古海に自ら連絡ができるはずのるり子でさえ、古海と音信不通になっていました。そんな時るり子が思い出したのは、古海がスマホで、あるクルーズについてのページを見ていたことでした。女4人は港に向かいます。

そしてとうとう柊泰江といる古海を発見。古海は海外に逃亡するところだからか、「君たちには幸せを提供したはずだ」と飄々と言ってのけます。もちろん女達は怒り、古海に対し「謝れ」と詰め寄ります。追い詰められた古海は「悪かった」の一言。そして「結局俺は誰も幸せにできなかった」とつぶやき、驚きの行動に出るのでした。

結婚の映画でディーン・フジオカが演じた結婚詐欺師の結末は?

映画「結婚」の結末までのあらすじをネタバレしながらご紹介しました。ここからは、1番重要なラストのネタバレに入ります。女に詰め寄られ、古海は何をしたのか?どうなったのか?そもそもなぜ結婚詐欺などしていたのか?ご覧ください。

結末ネタバレ① 古海の衝撃行動

古海に女4人が詰め寄りつつ、そんな女の間でも醜い争いが始まってしまいます。その隙に、古海はなんと海に飛び込むました。全く浮かんでもきません。その体は、翌日ダイバーによる捜索がされても見つかりませんでした。しかし実は、場所は明確には描かれていませんが、古海はおそらく日本のどこかと思しき場所に漂着。なんと生きていました。

フラフラと歩き出す古海。そこで古海は、母親の、もしくは初音の幻影を見ました。嬉しいのか哀しいのか、なんともいえない表情で古海を見つめています。その姿に、古海は「さよなら」と別れを告げました。するとその幻影はすーっと消えていきます。そして古海はまた歩き出すのでした。

結末ネタバレ② 古海初音とは結局誰だったのか

作品の途中までは、古海には初音という妻があたかも実在するような感じで描かれていました。しかしそれは古海の妄想。その女性が古海の中で生まれたのには、理由があります。その理由というのが、かつての古海の母親です。

実はこの映画の作中、何度も幼い少年が母親に海に突き落とされる同じシーンが描写されます。その時の母親の「私結婚するの、幸せになるの」というセリフが不気味に印象的です。その海に突き落とされる少年は、まだ幼い古海健児です。そしてその母親の顔は、後に古海が自分の中で創造した妻である初音と同じ顔でした。

柊泰江による調査で見つかった当時の新聞記事によると、古海の母親の名前は「古海佐知子」。顔写真は、やはり初音と全く同じ顔です。佐知子は元々シングルマザーで、1人で息子の健児を育てていました。しかし佐知子に新しい男ができ、その男と結婚するためにどうしても健児が邪魔になったようです。そんな理由で、桟橋に息子を座らせ、「私結婚するの、幸せになるの」と語り、抱きしめた息子を真冬の海に突き落としました。

息子を海に突き落とした後、佐知子は全く泣く事も、そこから走って逃げるようなこともありません。異様ともいえるほど晴れ晴れした顔で「あした浜辺を さまよえば 昔のことぞ しのばるる…」と、古海が映画冒頭でも口ずさむ「浜辺の歌」という童謡を歌い、ゆっくりその場を去るのでした。結果的に未遂ではありましたが、息子を自らの手で殺したことについて、一切の後悔を感じさせない様子でした。

海に突き落とされた古海少年は、幸いにも命は助かりました。母親の佐知子は傷害で逮捕となります。このことは小さいながらも新聞記事になり、後に泰江の調査で見つけることとなります。この事件のため、4歳から古海は施設で育つことになります。これが古海が抱える、壮絶な「過去」でした。

結末ネタバレ③ なぜ古海は結婚詐欺をするのか

矢島探偵が調査から手を引く際、古海について「犯罪のリスクを取ってまで、たった数人から100万足らずとって意味はあるのか」という疑問を残しています。実は作中、古海自身が詐欺の相方であるるり子に、結婚詐欺をする理由を1つ語っています。それは「結婚できるとわかった時の女の笑顔が好き」というものでした。それならなぜ最後に金を騙し取るという段階までいくのでしょうか?

古海の中の母親の最後の思い出は、「お別れね。私ね、結婚するの。幸せになるの」と語る幸せそうな顔でした。その幸せそうな顔で、母親はその胸にしっかりと息子を抱きしめます。しかしその直後、古海少年は海に突き落とされ、危うく命を奪われるところでした。古海の過去を調査した柊泰江は、「女に一時だけ幸せを感じさせて、そして消える。それを繰り返したのは、母親への復讐だったのでは」と、語りました。

結婚の映画の原作について

映画「結婚」の、ネタバレありのあらすじを結末まで全てご覧いただきました。なかなか衝撃の結末を迎える作品です。この原作は、2008年に直木賞も受賞している、井上荒野によって書かれた同名小説です。原作と映画では、最後の結末含め、いくつか違うところがあります。一部をご紹介いたします。

原作と映画のあらすじの違い

原作小説内では、主人公の古海健児は45歳の初老で、小柄な男性です。そして千石るり子は千石るりという名前で、なんと51歳というキャラクター。他に登場する人物達も似た世代で、映画の登場人物達よりももっと年上の人間達のストーリーがあらすじとなっています。

古海以外の他のキャラクターも、映画と原作では少し違うところがあります。千石るり子は映画では独身のようですが、原作内では元々結婚していました。しかし古海と出会ってしまい、夫を捨てて古海を選びました。しかし捨てられそうになり、古海にカモを紹介するようになります。

穂原鳩子も同じく原作内では元々結婚していて、バンドマンのヒモ亭主がいます。その亭主が浮気三昧のため、鳩子自身も男漁りをしている中、古海と出会います。そして夫と別れ、仕事(原作では市役所ではなく、家事代行会社の社員)も辞め、古海と暮らそうとしていた矢先、古海に蒸発されました。原作についての薄いネタバレになりますが、原作ではるり子と鳩子が際立って重要な登場人物となっています。

映画「結婚」での古海初音は、古海の想像の妻であり、その姿は自分を海に突き落としたかつての母親でした。しかし原作の「結婚」では、古海初音は実在します。しかも本当に古海の妻です。「妊娠した」と嘘をついて古海と結婚し、数日古海がいない間に流産したことにする狡猾なことをしています。映画版と小説版で共通しているのは、初音は元々健児のカモだったというところ。またネタバレですが、原作の結末は映画とは異なります。

結婚の映画を観た感想は?

映画「結婚」への感想でとにかく多かったのは、「ディーン・フジオカがかっこよすぎる!!」という声です。ストーリーも衝撃ですが、何より様々な表情や言動で次々と女を狂わせていくディーン・フジオカの姿。騙される女側からすると、絶対に許せないことをされたのに、最後までディーン・フジオカ演じる古海(うるみ)のことを憎み切れていないような雰囲気があります。映画「結婚」を見た人はどんな感想を持ったのでしょうか?

騙されても憎めないかっこよさ

ディーンスマイルを生で見られる機会というだけあって、映画公開時の舞台挨拶の募集は、一瞬にしていっぱいになったようです。2015年のNHK連続テレビ小説「あさが来た」の放送終了に伴い、日本中に「五代ロス」旋風を巻き起こしたディーン・フジオカ。一躍人気となりその流れの中で2017年に映画「結婚」公開だったため、映画は相当注目を浴びたようです。

むしろ騙されたい

「嘘でもいいからプロポーズされたい…」と言わせるディーン・フジオカのルックス。原作の古海健児は小柄な男性という設定なのですが、ディーン・フジオカの身長は180cm。映画に出てくるどの女性と並んでも絵になります。そのディーン・フジオカに対し貫地谷しほりは156cm。大雨の中のキスシーンで「溺れる!!」と思うのも納得してしまうかもしれません。

ミスター多彩

映画「結婚」の作中、ディーン・フジオカはピアノの腕前を披露しています。実は楽器は色々と使いこなせるディーン・フジオカ。ピアノだけでなくギター、キーボード、ドラムなど、1人でバンドができるレベルです。ちなみに語学も堪能で、日本語の他に英語、北京語、広東語、インドネシア語を話せます。「中国語」というくくりでなくちゃんと北京語と広東語を使い分けられる男、ディーン・フジオカです。

主題歌について

映画「結婚」のエンディングテーマは、ディーン・フジオカが歌っています。曲名は「Permanent Vacation」。「Permanent」は直訳すれば「恒久的な」といった意味です。この曲の歌詞に、「髪を乱す潮風 壮絶な最後を求めた 明日の形なんて きっと俺にはわからないまま」という部分があります。物語の最後に自ら海に飛び込み、どこかに漂着してフラフラ歩き出した古海には、あまりにピッタリな歌詞だと評判です。

貫地谷しほりがかわいい

古海初音を演じる貫地谷しほり。「実在しない人」という難役を演じました。古海との結婚生活を送る初音の様子は、とても幸せそう。つつましく、静かな結婚生活を送っています。初音を見る古海の目は、カモである女達に向けられるものとはまるで違い、とても優しい目。ディーン・フジオカのファンにとっては、それこそ様々な妄想を掻き立てられる目をしています。貫地谷しほりが羨ましい!という声もありました。

結婚の映画あらすじや結末まとめ

映画「結婚」のネタバレあらすじ、キャスト、世間の感想の声などご覧いただきました。原作あらすじとはまた違った衝撃的な最後、古海健児のそこまでの行動の理由まで、全てネタバレしております。女を騙して夢を見させるだけ見させ、最後は金だけだまし取って蒸発する結婚詐欺師。しかし騙された側もその犯罪に加担したり、また「他の女が騙されるところを見たい」とどんどん自己中心的になっていく様も、ある意味見ものです。

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