2018年10月31日公開
2018年10月31日更新
バリー・リンドンの評価とあらすじ!結末の感想も紹介【キューブリック監督作品】
18世紀のヨーロッパを舞台にバリー・リンドンという男の人生を描いた作品、1975年公開スタンリー・キューブリック監督作「バリー・リンドン」。主演は「ペーパー・ムーン」でモーゼを演じたライアン・オニールと「キャバレー」で裕福なユダヤ女性ナタリアを演じたマリサ・ベレンスンをはじめとした豪華キャスト陣のこの作品をご紹介します。公開されて長い月日が経っているこの映画。見たことない方も分かるようにしっかりとあらすじを解説。「バリー・リンドン」の物語をご紹介します!
目次
バリー・リンドンの評価とあらすじまとめ!キューブリック監督作品とは?
1975年に公開された映画「バリー・リンドン」。ウィリアム・メイクピース・サッカレーの小説が原作になっている本作のキャストやストーリーのあらすじや結末をネタバレを含めて紹介します。まずはじめにあらすじを紹介する前に、この映画を撮ったスタンリー・キューブリック監督について簡単に説明します。
バリー・リンドンのキューブリック監督を紹介!
キューブリック監督は1928年7月26日にアメリカのニューヨーク州マンハッタンで生まれました。映画監督になる前に見習いのカメラマンとして写真雑誌に携わっていたこともあります。「バリー・リンドン」以外の彼の代表作は、1980年に制作されたホラー映画の名作「シャイニング」や1987年にベトナム戦争が題材に制作された映画「フルメタル・ジャケット」があります。
どちらも映画を見ない人でも聞いたことのある作品名です。それではお待たせしました。これからあらすじを紹介します。一体、バリー・リンドンはどのような人間でどのような結末を迎えるのでしょうか。
バリー・リンドンのあらすじをネタバレ!
主人公のバリーはアイルランドの農家
彼は18世紀の半ば、アイルランドの農家の家に生まれます。ある日バリーの父親は馬の売買上で生じたトラブルがきっかけに行われた決闘により殺害されてしまいます。未亡人となったバリーの母親は女手一つで育てることになりました。バリーの母は美しかったため、町の様々な男性に言い寄られ求婚されますが、それらを拒否し続けバリーを無事育て上げました。
バリーも10代になり恋に落ちる
バリーが10代になった頃、従姉のノラに恋心を抱き、二人は恋人関係になります。しかしノラは裕福な家の当主でイギリス軍のジョン・クイン大尉と結婚することになりバリーを振りました。それに嫉妬したバリーはジョンに決闘を申し込みます。結果はバリーの弾が当たり、ジョンが負けました。警察を恐れて村を出たバリーでしたが、実はノラ達の細工によりジョンは生きており、邪魔なバリーを村から追い出すための作戦だったのです。
逃げた先では波乱万丈なバリー
バリーは警察から逃れるために母からお金を受け取り、村を出てダブリンに向かいます。しかしその途中で追い剥ぎにあってしまい財産を全て失ってしまいます。警察から逃れるため、そこで引き返す訳にも行かなかったバリーは、途中立ち寄った村でイギリス軍の兵員補充をしていたため、仕方なく志願し大陸に渡ります。しかし、その後バリーは七年戦争に参加することになります。
軍に入った後、頭角をあらわしたバリーはグローガン大尉の部下になりますが、その後グローガン大尉は戦死してしまいます。バリーはひどく悲しみ、次第に軍を辞める事を考えるようになります。その後、軍による略奪などを目撃したため脱走の決意をし、馬や将校の制服などを盗みプロイセンに行きます。バリーはその後イギリス軍の将校を装い、中立国であるオランダを通り、アイルランドに帰ろうと考えます。
しかし、その道中にプロイセン軍のポツドルフ大尉に遭遇し職務質問をされます。バリーはその時偽物の身分証を見せブレーメンへの使者の任務を遂行中だと言い繕いました。しかし、ブレーメンとは向かっていた方が反対だったことやバリーとのポツドルフの間の会話に矛盾があったことから、ウソがバレてプロイセンの兵卒になるか逮捕されるかポツドルフはバリーに迫りました。逮捕を恐れたバリーはプロイセンの兵卒になることを選びました。
プロイセンの兵卒としてのバリー
プロイセン軍はイギリス軍よりも軍律が緩かったため、将校による私刑などにより厳しい兵卒生活を過ごしていました。そんなある日、バリーは戦地で将校を救出したことの功績を評価されプロイセン警察でスパイとして働くことになりました。その時調査対象になったのは同郷でギャンブラーのシュバリエでした。バリーはシュバリエの召使として潜入しますが、彼はプロイセン警察を裏切り、シュバリエの相棒となります。
その後、シュバリエの国外追放の処分と共にバリーはプロイセンを脱出します。そしてバリーはヨーロッパ各国の社交界で貴族を相手にイカサマを駆使して荒稼ぎを始めます。
そんなバリーに運命を揺るがす出会いが
社交界で貴族を相手にイカサマを駆使して荒稼ぎをするバリーですが、ある女性と出会います。とある伯爵の若い妻である、レディー・リンドンです。彼女の夫である伯爵は病弱だったので、バリーはレディー・リンドンを籠絡しました。間もなく伯爵はバリーの思惑通り病死し、バリーはレディー・リンドンと結婚し、バリー・リンドンと名乗るようになりました。その一年後に二人の間に子供が生まれブライアンと名付け溺愛します。
バリー・リンドンの華やかな人生にも不穏な気配が
華やかな人生を送るバリー・リンドンですが、レディー・リンドンと前夫の間に生まれた子供のブリンドン子爵に不信感を抱いていました。ある日、「レディー・リンドンが死んだ場合、財産が子爵の物になる。そうなると爵位を持たないブライアンとあなたは路頭に迷うことになる。」とバリーは母親のベルに忠告されます。以来バリーは爵位を授かるために貴族を招いてパーティーを開いたり、高価な絵を買うなど各方面にお金を使います。
出典: http://vamjp.com
お金を浪費し家の財産を食いつぶし、母親に借用書にサインをさせる日々を送らせているバリーに益々子爵は不信感を募らせていきます。そんなある日、バリーはブライアンの誕生日に馬を買うという約束をします。しかしブライアンは誕生日の前日に勝手に馬に乗り、落馬をし死亡してしまいます。そしてバリーはお酒に溺れる日々を送るようになりました。その事を知った子爵は家を再興するためにバリーに決闘を申し込みます。
ついにクライマックス、バリー・リンドンとブリンドン子爵の決闘の結末は!
決闘は1対1で交互に打ち合う形式で行われました。結果は子爵の弾がバリーの左足に当たり子爵の勝利。一方のバリーはというと、左足を切断する大怪我を負い城から離れた町の療養所で過ごすという結果になりました。その後の子爵は城を掌握し、さらにバリーに毎年500ギニーを払う代わりに、二度とイギリスに近づかない事を求めました。バリーは警察に逮捕されかねないので、拒否できず、これを承諾しました。
その後、すべてを失ったバリー・リンドンは母と共にイギリスを去り、アイルランドに戻りました。落ちぶれたギャンブラーとして過ごしたとも言われていますが正確なバリー・リンドンの人生の結末は誰も知らないのでした。
バリー・リンドンを観た人の評価とは?結末の感想も紹介!
さて、この作品や結末をを実際に見た人はどのような評価や感想を抱いたのでしょうか?これから簡単にまとめて紹介します。
「バリー・リンドン」は18世紀をしっかり再現している!
「バリー・リンドン」の評価されている所はやはり、いかに細かいところまで18世紀を再現されているかという事です。例えば、「バリー・リンドン」に使われている衣装や美術は18世紀の資料をを参考にされています。さらに音楽は18世紀のクラシック音楽しか使われていません。その他にロウソクの明かりのみで室内でちゃんと撮影が出来るように世界に二本しかないNASAが開発した大口径のレンズを取り寄せたりしています。
ちなみにこのカメラのレンズはしっかりと機械に取り付けられなかったらしく、隣のテレビカメラの映像を元に撮影したそうです。「バリー・リンドン」にかける監督の執念も評価されています。
「バリー・リンドン」は映像美がすごい!
「バリー・リンドン」は18世紀の世界観が作りこまれていることもあるのか、映像がとにかく美しいと話題になりました。最後の決闘のシーンは全てが美しい、「バリー・リンドン」屈指のシーンだと評されるほどの名シーンになっています。流石、世界に数少ないカメラのレンズを使ってるだけあると評判になりました。
こだわりがあり、大変だと思える制作過程を経ていますが、これらも全て完璧主義と評されるキューブリック監督が「18世紀を再現する」というこだわりが「バリー・リンドン」に詰まっています。このように美しく、細かい部分まで作りこまれている「バリー・リンドン」ですが、アカデミー賞の撮影賞、歌曲賞、美術賞、衣装デザイン賞など多くの賞を受賞し評価されています。
さらに、この作品「バリー・リンドン」は最後のナレーションで監督の仕掛けが分かるというサプライズが用意されています。是非、観てみてはいかがでしょうか。
バリー・リンドンの評価とあらすじまとめ!
以上、キューブリック監督のこだわり詰まった作品、「バリー・リンドン」を紹介しましたがいかがだったでしょうか。この記事でこの作品「バリー・リンドン」に興味を持っていただけたら幸いです。是非、18世紀の世界の雰囲気に浸りながら、ばりの波乱万丈で悲しい結末をたどる人生を目撃してみてはいかがでしょうか。