オーバーフェンスでの蒼井優の演技がすごい！映画のあらすじや感想もネタバレ解説

2016年に公開された映画、オーバーフェンスでは蒼井優やオダギリジョーなどの実力演技派女優、俳優が多数出演している作品でも有名だ。オーバーフェンスのあらすじとしては「壊してしまう男」と「壊れた女」が出会ったことでお互いにどんどん変化していく内容となっている。お互いに闇を抱え、心の葛藤なども見事に描かれているのだ。気になるオーバーフェンスのあらすじや、実際に見た人の感想なども一挙公開。

2016年に公開された「オーバー・フェンス」映画の原作は小説である。佐藤泰志氏の執筆した「黄金の服」の小説の中にある短編小説の1つがオーバーフェンスだ。「黄金の服」には、1981年に発表された「撃つ夏」なども入れて、1991年に一冊の本として書籍化されている。

オーバーフェンスと同じように、佐藤泰志氏藤の執筆した作品である「海炭市叙景」や「そこのみにて光輝く」も映画かされており、オーバーフェンスは「函館3部作」の最終章だと言われている。オーバーフェンスは映画公開後に最優秀作品賞や最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞も受賞しており、非常に高い評価を受けている作品だ。

オーバーフェンスの主人公で「壊してしまう男」。彼は妻と離婚し、かけがえのない娘の親権も取られてしまった。最初は幸せだったのに、自分といたことで妻が壊れてしまったのだ、と心の中で葛藤していた。職業訓練所で知り合った代島に連れていかれたキャバクラで、キャバ嬢の聡と出会いどんどん変化していく。

白岩義男を演じているのは、1976年生まれの俳優であるオダギリジョーだ。実は彼は映画監督を目指していたようだが、俳優として現在は活動をしている。既に結婚しており、奥様は女優の香椎由宇。「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」「蟲師」など数多くのテレビドラマや映画などに出演している。

オーバーフェンスでキャバ嬢と遊園地スタッフを掛け持ちする女性。非常に明るく、すぐに誰とでも仲良くなれる彼女だが、ヒステリックな面も持ち合わせており、さっきまでニコニコしていたのに、突然発狂したりする「壊れた女性」だ。聡という名前は男と間違われるのだが、自分の中で気に入っているようだ。

田村聡を演じているのは、1985年生まれの女優である蒼井優だ。彼女は元々「ニコラ」のモデルを勤めていたのだが、女優として花を咲かせるようになる。「花とアリス」や「ニライカナイからの手紙」や「ハチミツとクローバー」など数多くのテレビドラマや映画に出演している。また、CMにも多数出演している。

オーバーフェンスで白岩の職業訓練所の先輩で、白岩に聡を紹介した張本人。彼はお酒や遊びが大好きで、キャバクラの女の子ともすぐに身体の関係を持つなどチャラい男性。彼は一緒にキャバクラの経営をしようと白岩に話をもちかける。

代島和久を演じているのは、1985年生まれの俳優である松田翔太だ。彼は日本を代表する俳優である松田優作と、女優の松田美由紀の間に生まれた。兄には、俳優の松田龍平だいる。彼は「花より男子」や「LIAR GAME」など数多くのテレビドラマや映画に出演している。CMではauの三太郎シリーズで桃太郎を担当。

オーバーフェンスで白岩と同じ職業訓練所の後輩。彼は無気力でやる気がなく、常にダラダラしており、職業訓練所の人たちからも暴言を吐かれたり、いじめられているような描写もある。彼は職業訓練所の人たちを嫌っていたのだが、白岩だけには嫌な気持ちを抱いていなかった。

森由人を演じているのは、1989年生まれの俳優である満島真之介だ。姉には、女優の満島ひかり、妹にはモデルの満島みなみ、そして弟はプロバスケットボール選手の満島光太郎である。彼自身は俳優として活躍しており、「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」や「夏目漱石の妻」など数多くのテレビドラマや映画などに出演している。

オーバーフェンスで白岩の職業訓練所の先輩なのだが、結婚しており子供もいる。彼は元々ヤクザとつるんでおり、周囲の人間はみんなその道にいったのだが、自分は足を洗ってまともな人生を生きようとしている。白岩のことを常に気にかけており、優しくて面倒見のいい先輩だ。

原浩一郎を演じているのは、1974年生まれの俳優である北村有起哉だ。彼の父は俳優である北村和夫で、姉は女優の北村由里だ。また、彼は既に結婚しており、結婚した妻は、女優の高野志穂だ。彼h「CONTROL〜犯罪心理捜査〜」や「ジウ 警視庁特殊犯捜査係」など数多くのテレビドラマや映画に出演し、現在も活躍している。

オーバーフェンスで白岩の元妻。彼女は白岩と結婚して最初は幸せだったものの、どんどん白岩の自由さについて行けず、寂しさから壊れていってしまった。そして白岩を見放して、子供と一緒に実家へ戻ったのだ。

尾形洋子を演じているのは、1980年生まれの女優である優香だ。彼女はグラビアアイドルとして人気が高かったのだが、テレビでの露出も増え、志村けんのバカ殿などにも出演している。テレビドラマや映画へは、「ハクバノ王子サマ 純愛適齢期」や「地獄先生ぬ〜べ〜」など多数の作品に出演している。

蒼井優が演じる女性は、メンヘラと呼ばれてしまうような情緒不安定な設定だ。機嫌がいいと思えば、ちょっとした発言により機嫌が悪くなって発狂したりするのだが、女性から見ても「気持ちがわかる」という感想が多く寄せられている。あらすじでも全く違う裏表を演じ分けている蒼井優の演技力にさすがだという感想も奥寄せられていた。

蒼井優が演じる聡は、キャバクラ嬢と遊園地キャストのアルバイトを掛け持ちしている。誰とでもすぐに仲良くなれる愛嬌と可愛らしさがありながら、一変して発狂するようなヒステリックさを持ち合わせいる。そんな彼女は場所を選ばずどこでも鳥の求愛ダンスを始めるのだ。そのダンスがぶっ飛んでいるという感想も多く、この役をこなす蒼井優がすごいという感想もあがっていた。

離婚をきっかけに真面目な人生を歩もうと決め、職業訓練所に通っている白岩。彼は離婚しても実家には戻らず、失業保険をもらいながら職業訓練を受ける生活を送っていた。職業訓練所のメンバーと仲良くしており、ソフトボールなども一緒にしているが、職業訓練所と家の往復だけの生活で、家では帰ってビールを飲んで寝るという単調な日々だった。

そんなある日、白岩は仕事帰りに車から降りてきた聡を見かける。彼女は、一緒にいた男性に何やら怒っている様子で突然ガチョウの求愛ダンスをし始める。男性は周りの目を気にして辞めさそうとするが、聡はそれに対してもイライラしているのだった。それから数日後、代島に誘われてキャバクラにいく。そこで代島は白岩にキャバクラの経営を一緒にしようかと話を持ちかける。

白岩はあまり乗り気ではなかったが、必死に口説こうとする代島。そんな中、キャバ嬢の一人が奇声を発していた。声の方に目を向けると、真っ赤なドレスを着た聡だったのだ。代島は聡に白岩と一緒にキャバクラを経営するなど話をしていたのだが、聡は突然白鳥の挨拶などを始めたりする。かと思えば少し苛立ったりするのだが、その自由奔放なキャラクターに少しずつ惹かれていく白岩。

帰りに代島から、聡が白岩を気に入ってること、そしてここのキャバ嬢はお持ち帰りできるよ、と白岩に話す。すると聡が出て来て、強引に白岩を家まで送るといい、車に乗るよう催促する。白岩は歩いて帰ろうとするのだが、聡はバツイチであること、子供はいるかなど色々質問をしつつ引き止め、最終的に白岩は車で送ってもらうことになってしまった。

家まで送り届けた聡は、少し寂しそうな表情をしつつ、代島からお持ち帰りできるって聞いていないかと白岩に聞く。白岩はそう聞いたと答え、聡を誘うこともなく、そのまま家に入っていった。聡は残念そうにしながらも車で去っていった。ビールを買い忘れた白岩は自転車で買いに行こうと外に出る。すると、聡は外で待っていたのだった。

職業訓練所の森は常にやる気がなく、人とも仲良くせず、ただダラダラしている。代島は白岩に昨日聡と何かなかったのか根ほり葉ほり聞こうとする。そして聡が一番簡単にお持ち帰りできると白岩に話すのだが、その時白岩は少し不機嫌な様子になるのだった。その日の夜も聡と白岩は一緒に買い物に行った。そこでこの間の男性は誰かと聞く。すると聡はお店の客だと答え、その時の様子を事細かに説明する。

ダチョウの求愛の話をすると、聡は駐車場でダチョウの求愛ダンスを始める。周囲に変な目で見られて少し恥ずかしくなった白岩はもういいよ、と伝えるが、その言葉で一気に表情が暗くなり、聡は先に帰ってしまった。翌日代島は「聡が会いたがっているからキャバクラに行こう」と白岩を誘うが、営業だと思い断る。しかし代島は、聡が遊園地で働いているからせめてそこに会いに行ってあげてほしいと伝えるのだった。

白岩は遊園地に会いに行くのだが、聡はぶっきらぼうな態度をとる。しかし会いたかったと白岩が言うと、嬉しそうな表情を浮かべるのだった。バイトが終わってから夜の遊園地で鳥を見る2人。そこでも聡はいろんな鳥の求愛ダンスをし始める。その様子を微笑ましそうに見つめる白岩。すると鳥たちは一斉に鳴き声をあげはじめる。思わずキョトンとする2人だったが、その時鳥の羽が綺麗に舞い降りてくるのだった。

鳥の羽を拾い集め、自転車を漕ぎながら撒いて楽しみ、そのまま聡の家に上がることになった。家に上がると聡は何も言わずに突然風呂場に行き身体を洗い始める。そして服も着ずに白岩の前に出て来て、2人は身体を重ね合わせるのだった。目が覚めた聡は白岩に「本当は結婚してるんじゃないのか？なぜ指輪を外さないのか」と聞く。そんなこと気にするんだと笑う白岩は「もう別れてるから」と伝える。

質問ばっかりしてくる聡に、お前が先に言えよ、代島と寝たんだろ、と聞く。すると流れで一回寝たと言う聡。そのままヒステリックになっていき、なんで離婚したのか、奥さんにひどいことしたのか、今日は落ち着いてたのにお前のせいでまたおかしくなりそう、死んだように生きなくていいと思ったのに、全部話してよ！と発狂しながら繰り返し何度も言い始める。

白岩は叫ぶ聡にうんざりしつつ、渋々離婚原因を話始める。自分が仕事で忙しく、なかなか帰れなかったが、ある日帰ると妻が子供の顔に枕を押し付けていたのを見てしまったとのこと。それを聞いた聡は白岩が最低だと言い、奥さんがどうしてそんな気持ちになったかわかってないくせに、など罵声を浴びせながら発狂しまくる。それに対し白岩は我慢の限界が来て、言い返してしまう。そして家を無理やり追い出されてしまった。

森は相変わらずダラダラと過ごしており、仲間からもうんざりされていた。その日、白岩が正門でタバコを吸って突っ立っている森を見つける。どうして帰らないのかと聞くが、親の迎えを待ってるとのこと。そして森は、職業訓練所のメンバー全員ムカつくこと、そして白岩が一番マシだと言う。その日の晩、20代の女の子と一緒に居酒屋で飲むことになった。しかしおじさんだとバカにされて白岩は不機嫌になる。

先輩の原は白岩に飲み直そうと言うが、白岩は若者に説教じみとことを言い始める。しかし若い女の子に「無職に言われたくないんだけど」とまたバカにされてしまう。そして原が2人で飲み直そうと連れ出した。白岩が目を覚ますと、原の家のソファにいた。奥さんが朝食を作ってくれており、子供も元気で素朴ではあるが賑やかな家庭。白岩は原の話を聴きながら一緒に職業訓練所まで行くこととなった。

その日も大工の仕事が終わってからソフトボールの練習をしていた。みんな楽しく練習している中、森は突っ立ってるだけで何もしない。その日は数日後に控えたソフトボールの試合に出る選抜メンバーの発表の日だった。森は選ばれても迷惑だろうからとメンバー入りはしていなかった。そして締めの挨拶をしよとした瞬間、森が木材を持って暴れ出したのだ。

森は全員に取り押さえられて、その場で泣き崩れる。その後喫煙所に集まったメンバーは森の話はあまりせずにソフトボールの話をし始める。そして白岩に聡をソフトボールに誘うように周囲に言われ、誘うことにする。その日は帰りにみんなで居酒屋に行き、楽しく飲んで帰宅した。家に着くと扉の前に聡が座っており、「ごめんんさい」とこの間のことを謝って来た。

白岩は元妻と会うことを話し始めるのだが、聡はその話を遮って今日同伴してくれないかとお願いする。白岩はそのまま同伴することになった。カウンターで飲んでいると代島もやってきて一緒に飲むことになる。代島には聡はやめといた方がいいと言われる。頭がおかしいこと、白岩さんに合わないこと、色々アドバイスされるのだが、その時聡は音を上げてと言い、音楽に合わせて鳥の求愛ダンスを始めた。

そして聡は白岩に一緒に踊ろうと誘う。キャバクラ内で自由に踊る聡に対して笑顔で抱きしめる白岩。そしてソフトボール大会に来て欲しいと伝えるのだった。聡は笑顔で行く、と答え、その後もキャバクラの店内で楽しく踊り続けていた。

白岩は元妻と会うことになる。そして自分自身が大工になるためにに職業訓練所に通っていることや、子供の懐かしい思い出話に花を咲かせる。その時、元妻は結婚していた時、自分は必要とされていないと思っていたことを告げる。そしt変わった、普通になった、と笑顔で伝えるのだった。そして、今後は娘のことも伝えたいし、連絡を取り合えないかと言われる。白岩はその言葉に思わず涙するのだった。

白岩は家族を幸せにできなかったこと、自分のせいで元妻が壊れてしまったことをずっと気にかけており、心に闇をかかえていたのだ。しかし、元妻からの言葉で一気に気が緩んでしまい、嬉しさと開放感から涙がでてきたようだ。しかしその様子を聡は見ていたのだ。

白岩は電話にでない聡を心配して遊園地まで会いにきた。しかし聡の表情は曇ったまま。聡は2人を見て自分が他人であること、しかし2人は家族であることを感じたと素直に伝える。白岩はもう家族じゃないと聡に言い、またソフトボールが来週の日曜であること、聡のためにホームラン打つから絶対見に来てほしいと伝えるが、「こないだがっつり泣いてたね」と話を切り替えられる。

そして突然「奥さんに謝れ！」と発狂してその場を走り去ってしまう。白岩が追いかけると、遊園地にいた動物の扉を全て解放して動物を逃がそうとする聡の姿があった。別の飼育員に取り押さえられる聡だが、発狂しながら動物に早く出ろ！と叫び続ける。そんな狂った様子を見ながら必死に捕まえる白岩。聡は私のことなんにもわかってないくせに！と言い、白岩の手をふりほどいて帰ってしまった。

翌日職業訓練所に行くと、森が退校することになったという報告があった。白岩は聡の留守電にメッセージを残す。俺は普通に働いて、普通に結婚して、普通に子供がいる人生だと思っていたが全然違ったこと、そして自分のせいで元妻がおかしくなったこと、そして聡は自分をぶっ壊れている人間だと言うが、俺は人をぶっ壊す人間だから俺の方がひどいと胸の内を言葉にするのだった。

ソフトボールの大会が始まっても聡の姿はない。聡の姿を探す白岩だったが、そのまま大会は始まってしまう。相手にコテンパンにやられてボロ負け状態の白岩たちのチームではあるが、そんな中、原のヒットによりチャンスが巡ってくる。

白岩がバッターボックスに立つと、聡が会場にやってきたのが見えた。遠くで鳥の求愛ダンスをする聡。そして白岩は見事フェンスを超えるホームラン（オーバーフェンス）を打ったのだった。

オーバーフェンスでは、あらすじの面白さはもちろん、蒼井優の演技力がすごいという感想が多い。職業訓練を受けている人たちの演技力も全員高かったという感想もあった。

あらすじの中で壊れている女性を演じた蒼井優の表現力がすごいという感想も。明るさとヒステリックさと、女性特有の寂しさを見事演じた蒼井優に圧倒されたという感想は多かった。BGMなどもついあらすじの中に引き込まれてしまう独特な世界観だったという声もあった。

オーバーフェンスのあらすじは、ある意味平坦だという感想もある。時間を超えたりせず、人間味に焦点をあてており、ある意味で蒼井優など俳優陣の演技力が非常に重要となる映画だったという感想もあった。

初デートでオーバーフェンスを見たという人もいた。あらすじより、何よりもオダギリジョーの演技力に魅了されてしまったという感想もあった。

オーバーフェンスのあらすじでは、「壊してしまう男」と「壊れた女」が出会ったことでどんどん変わって行く内容になっている。とにかくオーバーフェンスの映画が大好きだという感想もあった。

オーバーフェンスの映画では「壊してしまう男」白岩と、「壊れた女」聡が出会ったことで、2人の持つ心の闇などがぶつかり合って成長していく様子を表している。特に突拍子もないことをする聡に振り回される白岩の様子なども見事に表現されており、俳優陣の演技力の高さも伺える作品になっている。まだ見ていない人も興味があれば、ぜひ一度ご覧あれ。