マルサの女2のあらすじをネタバレ!キャストとラストの結末は?【伊丹十三監督】

伊丹十三監督作品『マルサの女2』のラストまでのネタバレあらすじや、キャスト一覧、見た人の感想などを紹介しています。『マルサの女2』は前作に引き続いて脱税を調査する国税局と脱税者の攻防が描かれたあらすじです。題材となっているのは都市開発や地上げといった利権の絡んだ日本社会の闇であり、ラストはビターエンドとなっています。そんな『マルタの女2』のネタバレあらすじをラストまで詳しく解説していきます。

マルサの女2のあらすじをネタバレ!キャストとラストの結末は?【伊丹十三監督】のイメージ

目次

  1. マルサの女2のあらすじが気になる!
  2. マルサの女シリーズとは?
  3. マルサの女2のキャストを紹介!
  4. マルサの女2のあらすじをネタバレ!
  5. マルサの女2のラストをネタバレ!
  6. マルサの女2を観た感想や評価を紹介!
  7. マルサの女2のあらすじネタバレまとめ!

マルサの女2のあらすじが気になる!

伊丹十三監督の代表作である『マルサの女2』のラストまでのネタバレあらすじの解説や、キャスト一覧、見た人の感想などをまとめました。『マルサの女2』は前作に引き続いてマルサと脱税者の戦いが描かれています。直接的には脱税者を追い詰めていくあらすじですが、その背後で利権を貪る権力者たちも描かれ、より難しい社会問題が描かれています。この記事ではラストまでのネタバレあらすじを中心に作品の魅力を紹介します。

Thumbマルサの女のあらすじと結末をネタバレ!宮本信子と山崎努などキャストも紹介 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

マルサの女シリーズとは?

シリーズの基本情報や監督について紹介

ラストまでのネタバレあらすじの紹介の前に、まずは『マルサの女』シリーズについて紹介します。『マルサの女』シリーズは伊丹十三監督による映画シリーズです。シリーズ2作品制作されており、第1作である『マルサの女』は1987年2月7日に公開されました。続く『マルサの女2』は1988年1月15日に公開された作品です。どちらも脱税をテーマにした作品であり、伊丹十三監督の妻である宮本信子が主演を務めています。

伊丹十三監督は1933年5月15日生まれの俳優・映画監督です。商業デザイナーとしても活躍していました。その後、俳優やエッセイストなどとして活動し、マルチタレントとして活躍します。映画監督に転身したのは1984年。初監督作品は『お葬式』でした。この作品は高く評価され、以降の作品もしたことにより、日本を代表する映画監督と評されます。1997年12月20日に亡くなりました。自殺と断定されています。

シリーズ第1作である『マルサの女』では税務署の職員である板倉亮子が、山崎努演じる実業家の脱税を暴く様子が描かれたあらすじでした。板倉がタイトルにある「マルサ」になるのはあらすじの中盤からです。脱税の方法や、その暴き方が詳しく描かれており、数ある伊丹十三監督作品の中でも特に高い評価を受けている映画です。また、ラストを含め、繰り返し流れるテーマ曲に高い人気がありました。

シリーズ第2作である『マルサの女2』では、板倉にもアシスタントが付き、新人だった頃の第1作よりも仕事に慣れている様子が描かれています。査察のターゲットは宗教法人を隠れ蓑に脱税をしている鬼沢鉄平であり、名優として知られている三國連太郎が演じました。前作よりも様々な利権が複雑に絡んだ都市開発を題材にしており、前作と合わせて伊丹十三監督の代表作と評価されています。

マルサの女2のキャストを紹介!

ラストまでのネタバレあらすじの解説の前に『マルサの女2』のキャスト一覧を紹介してきます。『マルサの女2』には伊丹十三監督の妻である宮本信子を筆頭に多くの常連俳優が出演していました。マルサのメンバー、直接敵対する鬼沢一味、さらに黒幕である政治家たちなど登場人物の多い作品ですが、ここでは各キャストの経歴や代表作をまとめて紹介しています。

宮本信子/板倉亮子

『マルサの女2』の主人公・国税査察官である板倉亮子のキャストを務めたのは宮本信子です。宮本信子は1945年3月27日生まれの女優です。高校を卒業してから文学座附属演劇研究所に入所して演劇を学びます。その後、劇団青俳で活躍した後、フリーとなりました。伊丹十三と結婚した後は伊丹十三監督作品に出演して人気女優となります。息子である池内万作も俳優として活動しています。

伊丹十三とはオシドリ夫婦として知られていました。しかし、伊丹十三の自殺後は映画出演から遠ざかっています。2007年の松嶋菜々子主演映画『眉山-びざん-』への出演は約10年ぶりに映画出演でした。以降の活躍には2013年のジブリアニメ『かぐや姫の物語』への声優としての出演などがあります。また、2017年には連続テレビ小説『ひよっこ』に出演した縁で『第68回NHK紅白歌合戦』のゲスト審査員を務めました。

津川雅彦/花村

『マルサの女2』で板倉の上司である国税局査察部統括官・花村のキャストを務めたのは津川雅彦です。津川雅彦は1940年1月2日生まれの俳優です。津川雅彦は芸能一家に生まれて子役としても活動してましたが、本格的な俳優としての活躍は16歳で出演した『狂った果実』がヒットしてからです。人気俳優となりましたが、スキャンダルをきっかけに仕事が減ることもありましたが、後に人気を取り戻しています。

代表作には大河ドラマ『葵 徳川三代』などがあります。時代劇では織田信長、豊臣秀吉、徳川家康を数度に渡って演じており、特に徳川氏を多く演じました。また、高橋克典主演の『サラリーマン金太郎』シリーズでの演技もよく知られています。また、映画監督マキノ雅彦として、中井貴一らが出演した映画『寝ずの番』などを制作しました。バラエティ番組などでも活躍しましたが、2018年8月4日に心不全で亡くなりました。

丹波哲郎/佐渡原

『マルサの女2』で国税局査察部管理課長である佐渡原のキャストを務めたのは丹波哲郎です。丹波哲郎は1922年7月17日 生まれの俳優・心霊研究家です。50年以上に渡って映画界で活躍した名優として知られています。若い頃にはGHQ通訳のアルバイトなどもしていました。後に俳優を目指し、1952年にセミドキュメンタリー映画『殺人容疑者』にてデビューしています。

以降、時代劇や任侠映画などに多数出演し、代表作には1963年の『三匹の侍』などがあります。また、1961年に出演した『太陽にかける橋』以降、外国映画にも出演するようになりました。人気スパイ映画シリーズの一作『007は二度死ぬ』にも出演しています。また、心霊学や霊界に関する講演や著作を多数残したことも良く知られています。2006年9月24日に肺炎で亡くなりました。

大地康雄/伊集院

『マルサの女2』で前作に引き続きマルサのジャック・ニコルソンとして活躍する伊集院のキャストを務めたのは大地康雄です。大地康雄は1951年11月25日生まれの俳優です。大地康雄は前作『マルサの女』への出演が注目を集めました。その他の代表作には『バカヤロー! 私、怒ってます』などがあります。俳優だけでなく企画や脚本まで手掛けた作品があり、『恋するトマト』や『じんじん』といった映画があります。

益岡徹/三島

『マルサの女2』で東京大学出身のキャリア官僚・三島のキャストを務めたのは益岡徹です。益岡徹は1956年8月23日生まれの俳優です。大学では演劇サークルに所属していました。卒業後、仲代達矢主宰の無名塾に応募して演劇を学びます。代表作には大河ドラマ『翔ぶが如く』や、『釣りバカ日誌』シリーズなどがあります。2018年には金田一耕助シリーズのNHKドラマ『悪魔が来りて笛を吹く』などに出演しています。

桜金造/金子

『マルサの女2』でマルサのメンバーである金子のキャストを務めたのは桜金造です。桜金造は1956年12月29日生まれの俳優・コメディアンです。コメディ集団「ザ・ハンダース」やお笑いコンビ「アゴ&キンゾー」として活躍した後、俳優となりました。桜金造という芸名の名付け親は松田優作です。俳優だけでなく、怪談タレントとしての活躍も知られています。俳優佐藤二郎に顔が似ていると言われています。

三國連太郎/鬼沢鉄平

『マルサの女2』で宗教法人「天の道教団」管長であり、地上げ屋の鬼沢鉄平のキャストを務めたのは三國連太郎です。三國連太郎は1923年1月20日生まれの俳優です。際立った個性を持つ実力派の名優として知られており、徹底した役作りから様々な逸話を残しています。役作りのために麻酔抜き歯を抜くなど、尋常ではない役作りの方法でした。俳優の佐藤浩市は長男であり、寛一郎は孫です。

代表作として長年に渡って出演した『釣りバカ日誌』シリーズがよく知られていますが、本人は釣りが嫌いだと語っていました。その他の出演作には、日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞した『利休』や『息子』、『三たびの海峡』などがあります。 2013年4月14日に急性呼吸不全で亡くなりました。

加藤治子/赤羽キヌ

『マルサの女2』で「天の道教団」教祖であり鬼沢の妻でもある赤羽キヌのキャストを務めたのは加藤治子です。加藤治子は1922年11月24日生まれの女優です。松竹少女歌劇学校などで学んだ後、様々な映画やドラマに出演するようになりました。『阿修羅のごとく』など向田邦子作品に多く出演しました。2013年にはジブリアニメ『ハウルの動く城』のサリマン先生の声優を務めました。2015年11月2日に心不全で亡くなりました。

柴田美保子/受口繁子

『マルサの女2』で鬼沢の家の女中である受口繁子のキャストを務めたのは柴田美保子です。柴田美保子は1948年5月31日生まれの女優・司会者です。『タンポポ』など、他の伊丹十三監督作品にも出演しています。女優だけでなく『ワイドサタデー』や『モーニングショー』といったワイドショーの司会として活躍していました。

上田耕一/猫田

『マルサの女2』で鬼沢の腹心である猫田のキャストを務めたのは上田耕一です。上田耕一は1941年4月2日生まれの俳優です。ゴジラシリーズに多数出演している他、仮面ライダーなど多くの特撮作品で怪人の声優などを務めています。近年の出演作には2016年の映画『殿、利息でござる!』などがあります。

不破万作/チビ政

『マルサの女2』でダミー会社「マサインターナショナル」の社長になったやくざチビ政のキャストを務めたのは不破万作です。不破万作は1946年7月29日生まれの俳優です。唐十郎主宰の状況劇場で活躍した後、伊丹十三監督作品に多く出演しました。他の代表作には渡瀬恒彦主演ドラマ『おみやさん』シリーズや、小林薫主演ドラマ『深夜食堂』シリーズなどがあります。

きたろう/サダオ

『マルサの女2』で国税局に忍び込むやくざのサダオのキャストを務めたのはきたろうです。きたろうは1948年8月25日生まれの俳優・タレントです。大竹まこと、斉木しげる、風間杜夫らと共に劇団「表現劇場」を結成して活動していました。多くのドラマや映画に出演する一方、バラエティ番組でも活躍しています。近年の出演作には2018年の沖田修一監督映画『モリのいる場所』などがあります。

洞口依子/奈々

『マルサの女2』で鬼沢の若い愛人である奈々のキャストを務めたのは洞口依子です。洞口依子は1965年3月18日生まれの女優です。1985年の映画『ドレミファ娘の血は騒ぐ』で主演を務め、伊丹十三と共演しています。その後、テレビドラマ『愛という名のもとに』などに出演して人気を得ました。子宮頸がんで闘病生活を送りますが、後に復帰しました。2018年には『特捜9』などに出演しています。

小鹿番/大衆食堂の主人

『マルサの女2』で地上げのターゲットである大衆食堂の主人のキャストを務めたのは小鹿番です。小鹿番は1932年6月18日生まれの俳優です。1期生として劇団東宝現代劇に入団後、森光子主演舞台『放浪記』などに出演しました。代表作には1990年版の『白い巨塔』などがあります。2004年4月29日に急性腎不全で亡くなりました。

石田弦太郎/清原

『マルサの女2』で地上げのターゲットである写真週刊誌のカメラマン・清原のキャストを務めたのは石田弦太郎です。石田弦太郎は1944年3月16日生まれの俳優・声優です。石田弦太郎は本名であり、石田太郎という芸名で活躍していました。声優としての活躍し、代表的な役柄は『ルパン三世 カリオストロの城』のラザール・ド・カリオストロ伯爵役などが知られています。2013年9月21日に心筋梗塞で亡くなりました。

南原宏治/米田

『マルサの女2』の地上げのターゲットである大学教授・米田のキャストを務めたのは南原宏治です。南原宏治は1927年6月7日生まれの俳優です。主に悪役を演じたことで知られています。代表作と知られているのが『警視庁物語』シリーズや『人間の條件』といった作品です。2001年12月20日に心不全で亡くなりました。

中村竹弥/漆原

『マルサの女2』の黒幕である代議士の漆原のキャストを務めたのは中村竹弥です。中村竹弥は1918年7月11日生まれの俳優です。歌舞伎役者の中村竹三郎の弟子となり、尾上菊五郎劇団や松竹移動国民劇、民衆座などで下積み時代を送り、テレビ開局に伴って映像世界で活躍しました。多くの作品に出演しましたが、代表作として知られているのが『大江戸捜査網』です。1990年5月28日に心不全で亡くなりました。

小松方正/猿渡

『マルサの女2』で漆原の腹心の代議士である猿渡をキャストを務めたのは小松方正です。小松方正は1926年11月4日生まれの俳優・声優です。元は大蔵省官僚という経歴の持ち主です。代表作と知られているのは大島渚監督作品『絞死刑』や、    今村昌平監督作品『神々の深き欲望』などがあります。また、『ドランクモンキー 酔拳』の師匠役などの声優を務めています。2003年7月11日に敗血症で亡くなりました。

マルサの女2のあらすじをネタバレ!

ここからは『マルサの女2』のネタバレあらすじを紹介していきます。『マルサの女2』の簡単なネタバレあらすじは「マルサと呼ばれる国税査察官たちが、宗教法人を隠れ蓑にしている地上げ屋の脱税の証拠を突き止める」というものです。ここでは終盤までのあらすじを詳しくネタバレ解説していきます。ラストの詳細なネタバレは次の項目でまとめています。ネタバレ情報を多く含むのでご注意ください。

都市開発のための地上げ

まずは序盤のネタバレあらすじの解説です。東京湾で腐乱死体が見つかります。それは都心の開発に絡む地上げ屋でした。その都市開発には政治家、建設業者、商社、銀行いった政財界の大物たちが絡んでいます。黒幕である代議士の漆原は腹心である猿渡に、代わりの地上げ屋の手配させました。地上げ屋はあくまで使い捨てに過ぎません。そうして白羽の矢が立ったのが、宗教法人「天の道」の管長を務めていた鬼沢鉄平でした。

その鬼沢鉄平は毎晩のように悪夢にうなされています。表向きは宗教法人の管長ですが、それは脱税のためであり、裏の顔はプロの地上げ屋です。妻である赤羽キヌを教祖に仕立て上げ、信者からのお布施でも儲けていました。そんな鬼沢を頼ってくる者もおり、ある男は金を工面してもらうように頼みました。その担保として娘の奈々が鬼沢に差し出されます。奈々は鬼沢の愛人となりました。

そんな鬼沢が地上げに着手します。宗教法人の幹部である猫田を使い、プレハブ小屋にやくざを集めさせました。そこで立ち退き一件に対し1000万円という巨額の報酬を与えることを告げます。やくざたちは大喜びします。そして、地上げのために会社を設立します。銀行から200億が融資が受けられるその会社の社長にはやくざのチビ政が就任しました。そんなやくざたちは鬼沢にとって使い捨ての駒です。

鬼沢たちの話を、小屋の屋根の上から板倉亮子が盗聴していました。板倉はマルサ通称で知られる国税局査察官です。板倉たちマルサの仲間たちは鬼沢が脱税していると睨んで調査を進めていました。

やがて、やくざたちの地上げ始まります。立ち退きを拒んでいる大衆食堂の主人や、写真週刊誌のカメラマンの家庭に激しい嫌がらせをしました。騒音や恫喝によってターゲットたちは衰弱していきます。鬼沢はあらゆる手段を用いて強引に立ち退きを迫っていくのでした。

調査を進めるマルサ

ある時、板倉に三島というアシスタントが着くことになりました。三島は東大出身のキャリア官僚です。板倉への挨拶で、早々に東大出身であることをひけらかします。しかし板倉に肩書は通用しません。一喝すると、三島を連れて外へ出ていきました。そして、鬼沢が所有しているホテルなどを紹介し、ダミー会社を使って金を宗教法人に隠していると説明しました。

地上げ対象となっている地域を案内していると、坂の上からトラックがやってきます。そのトラックは無人でした。進行方向には立ち退きを承諾しない食堂があります。板倉と三島は必至でトラックを止めました。その後、ふたりは高級な洋服の買い物をしていた赤羽キヌを尾行します。その先で板倉の税務署時代の後輩たちと出会いました。板倉は一緒に宗教法人施設へ入っていきます。

猫田に案内されて施設内を巡ります。そこで板倉はキヌが集めている高級毛皮を見つけました。しかし、教団信者の抵抗に遭い、一行は追い出されてしまいます。職場に戻った板倉は上司の花村から厳しく叱責を受けます。明らかな規律違反だったからです。罰として鬼沢の調査から外れるように命じられました。

一方、地上げを進める鬼沢たちは、ターゲットである大学教授の米田のもとを訪ねていました。米田は鬼沢に莫大な金額を要求します。鬼沢は取引を承諾するフリをして、米田をクラブに連れ出しました。鬼沢は女中の受口繁子を呼び出し、米田をホテルに連れ込むように命じました。米田はまんまと罠に嵌り、繁子と寝ているところを写真に撮られて脅されます。米田は立ち退きに応じざるを得ません。 

また、鬼沢は食堂に出向きます。以前に、やくざと大喧嘩した主人に対して詫びました。失礼をした若い者を死ぬほど叱ったと言って蛆虫の這った手首を見せました。これはよく出来てたニセモノでしたが、恐れを抱いた食堂の主人は立ち退きに応じます。こうして立ち退きを成功させた鬼沢は莫大な報酬を得ました。

一仕事終えた鬼沢は身内で祝い、代議士の漆原に脱税の方法を教えます。その後、愛人となった奈々に墓を買ってあげました。それは一生大事にするという鬼沢なりの愛情表現でした。鬼沢はすでに自分の墓も用意してあり、奈々に見せます。

いよいよ始まるがさ入れ

チームを外された板倉でしたが、ホームレスに扮してひとりで張り込みをしていました。板倉の情熱と責任感に感銘を受けた三島は協力を申し出ます。すると板倉は客を装って鬼沢の息が掛かったソープランドに行けと命じました。三島はソープ嬢から情報を聞き出します。ふたりは店から金を持ち出しているマリちゃんという女性を尾行します。

金の入ったバッグは女中の繁子の手に渡りました。そして板倉たちは鬼沢の隠し事務所を発見しました。さらに宗教法人について調べを進めていきます。ある程度情報を集めた後、板倉はDVを受けた主婦を装って鬼沢の施設に潜入しました。深夜に施設内を探った板倉は本尊の裏の隠し通路に入っていく鬼沢の姿を目撃します。

ついに鬼沢の施設へのがさ入れが決行されます。鬼沢は車で逃げようとしますが板倉や花村が止めます。やくざの事務所や愛人の家にもマルサが向かいました。板倉は祭壇の裏も調べます。隠し通路には階段があり、上ると頭が痛くなります。花村が上り、上の階に設置されていたスピーカーのスイッチを切りました。さらに奥で鬼沢の隠し部屋を見つけます。しかし決定的な書類は見つかりません。

花村は鬼沢の取り調べをしますが、鬼沢は手ごわく、地上げは日本のためにやっていると言います。そして、自ら顔を壁に討ちつけ血を流します。騒ぎ立てた鬼沢は家に帰りました。しかし、隠し部屋のものを押収されたと猫田から聞いて激怒します。

マルサの女2のラストをネタバレ!

あらすじの解説に引き続き、ここからは『マルサの女2』のラストをネタバレ解説していきます。マルサのがさ入れも虚しく、鬼沢の脱税の証拠は掴みきれませんでした。しかし、鬼沢の日記に隠された秘密に三島が気付くことで事態が一変します。鬼沢を追い詰める板倉でしたが、様々な利権の絡む都市開発の黒幕はラストまで罰を受けることはありませんでした。以下、『マルサの女2』のラストのネタバレを詳しく解説していきます。

マルサの女2のラスト

猫田は部下を引き連れて国税局を訪ねました。調べものをするフリをしてカギのコピーを作ります。その後、部下のサダオが倉庫にしました。必要な書類を回収したサダオでしたが、倉庫を出るためには暗証番号が必要でした。サダオは倉庫内に閉じ込められます。翌日になって板倉が倉庫に入りました。サダオと対峙した板倉は、逃走しようとするサダオを必死で止めました。

サダオが持ち出そうとした2冊の書類の一方は、数字が並んだ不可解なものでした。もう片方は鬼沢の日記です。三島が2冊の書類の関連に気付き、鬼沢や漆原たちの金の流れがわかります。花村は猿渡を呼び出して揺さぶりを掛けます。花村の巧みな話術に篭絡された花村は金を受け取ったことを認めます。漆原は激怒して猿渡を何度も蹴りつけました。

その後、チビ政はチンピラに撃たれて死亡します。鬼沢は悪夢にうなされ、その横にはお腹を膨らませた奈々がいました。後日、鬼沢は再度取り調べを受けます。板倉は鬼沢にご本尊を鑑定してもらったと言って見せます。それは10億の価値があると言われていましたが、実際にはただのガラス玉でした。鬼沢は激怒して板倉を突き飛ばします。そこをスコープで覗く人物がいました。

鬼沢を殺すため、スナイパーライフルの引き金がひかれます。間一髪気付いた板倉が鬼沢を救いました。ガラス玉は砕け散ります。鬼沢ですらトカゲのしっぽでしかないと板倉は言いました。「赤ちゃん生まれるんでしょう?お父さんいなくちゃ可哀そうよ」と板倉が説くと、鬼沢は涙しました。

その後、猫田が遺体で見つかります。鬼沢は奈々を連れて墓地に向かいました。鬼沢の墓の中には純金がありました。「獲れるもんならとってみろ!」と言い、鬼沢は高笑いするのでした。鬼沢が地上げした土地で地鎮祭が行われます。土地開発を進めた政治家たちは何食わぬ顔で出席していました。フェンス越しに、板倉たちは悔しそうに彼らの姿を見つめています。利権に絡んだ者たちの高笑いはいつまでも響いていました。

マルサの女2を観た感想や評価を紹介!

ネタバレあらすじをラストまで紹介したので、ここからは『マルサの女2』を見た人のネタバレ感想を紹介していきます。前作同様、伊丹十三監督の代表作として知られている『マルサの女2』ですが、その評価は賛否両論となっていました。ここでは、ツイッターやレビューサイトなどに挙げられている感想をピックアップしてまとめました。

前作に引き続き面白い!

『マルサの女2』を見た人のネタバレ感想には「前作に引き続いて面白い」という意見が多くありました。『マルサの女2』では前作よりも複雑でマルサでも手の届かない巨悪が描かれており、社会の実情に即しているといった意見が見受けられます。

前作が脱税について詳しく描かれた一方、今作ではその背後関係に焦点が当たっており、シリーズ合わせて楽しめるという感想もありました。

キャストの演技が素晴らしい

『マルサの女2』を見た人のネタバレ感想には「キャストの演技が素晴らしい」という声が多く挙がっていました。『マルサの女2』には多くの名優と呼ばれるキャストが出演しています。中でも特に評価されているのが三國連太郎の演技でした。鬼気迫る演技は怪演とも評されており、奈々との関係が描かれたシーンや、マルサや手下たちを恫喝するシーンの迫力に感銘を受けたという感想が多く挙がっていました。

また、前作に引き続き出演している津川雅彦の演技も称賛されています。終盤で津川雅彦演じる花村が、猿渡を巧な話術で口説き落とし、不正な金の流れを白状させるシーンは高く評価されていました。こうした名優たちの演技が魅力と言われていますが、どちらも亡くなっています。そのため、日本を代表する名優たちの演技が見られる作品として、映画を高く評価する感想もありました。

ラストがやりきれない

『マルサの女2』を見た人のネタバレ感想には「ラストシーンがやりきれない」といった意見がありました。映画のラストでは、板倉たちの努力も虚しく、都市開発によって利益を得た権力者たちに罰が与えられることがありませんでした。

あらすじのラストではやくざや地上げ屋がトカゲのしっぽ切りとして罰せられ、殺害されて終わりです。こういったラストの描き方から第1作に比べると低い評価を下している方もいました。

前作よりも社会派の作品

『マルサの女2』を見た人の感想には「前作よりも社会派の作品」といった意見が多くありました。前作は脱税を題材に、マルサとなった板倉と脱税者本人との心の交流も描かれたあらすじでした。しかし、『マルサの女2』では脱税者の背後にある黒幕の存在も描かれます。そこは板倉でも手が届かない世界でした。こうした都市開発の利権の問題は、東京オリンピックが直近に迫る現代にも通じるものがあると感じる方もいました。

また、脱税者の鬼沢が宗教法人を隠れ蓑にしていた、という点にリアリティを感じる人も多くいるようでした。『マルサの女2』が公開されたのは30年程前ですが、2018年現在においても宗教法人の不透明さに懸念を抱く方もいます。前作が娯楽性の高い作品だっただけに、今作のより社会問題を意識したあらすじや演出は賛否両論の感想が寄せられていました。

マルサの女2のあらすじネタバレまとめ!

『マルサの女2』のラストまでのネタバレあらすじやキャスト一覧、見た人の感想などについて詳しく解説しました。『マルサの女2』は脱税者とその裏で利権を貪る者たちの姿が描かれていました。ラストは黒幕たちが逃げおおせてしまう社会派の作品です。賛否両論ありますが、前作と合わせて伊丹十三監督の代表作であることは間違いないようです。まだ見ていないという方は、ぜひ一度ご覧ください。

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