大日本人の評価はつまらない?松本人志監督作品のあらすじをネタバレ考察

『大日本人』は2007年6月2日に公開された人気芸人松本人志の第一回監督作品です。松本人志が5年の歳月を掛けて製作されたという話で、公開当初から注目を浴びていました。しかし、劇場公開された直後から、「つまらない」と酷評されはじめ、この映画の評価は、長きにわたって「不評」のままでした。果たして本当に「つまらない映画」だったのか。本作発表直後ではわからなかった大日本人評価の真相を、作品のあらすじ、ネタバレ再考、この作品を楽しむポイントも紹介します。

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目次

  1. 大日本人の評価はつまらない?その真相に迫る!
  2. 大日本人は松本人志監督作品!
  3. 大日本人の映画キャストを紹介!
  4. 大日本人の映画あらすじをネタバレ考察!
  5. 大日本人の評価はつまらない?映画を観た感想を紹介!
  6. 大日本人の映画評価まとめ!

大日本人の評価はつまらない?その真相に迫る!

映画「大日本人」は、監督・主演が大人気お笑いタレントの松本人志さんによる初の映画ということで、映画ファンのみならず、お笑いファンからも話題になった映画作品です。2007年6月2日に公開されました。当時松本人志さんはネタバレを恐れてほとんど内容については触れていませんでした。

公開直後の土日2日間で観客動員数15万6,700人、興行収入2億2,691万円を記録しました。松本人志さんも初日舞台あいさつで自信満々とコメントし、大日本人は、好調な出だしをきりました。

しかし映画公開からしばらくして評価が一転、ネットでは「つまらない」との評価が目につくようになりました。新しい試みが盛りだくさんで「今までの映画を壊す」とコメントした松本人志さんの気持ちが伝わってくる作品で、駄作だったのか、あるいは秀作だったのか、本当のところが気になるでしょう。

そんな、大日本人のあらすじから結末までを、ネタバレ要素も含めて、詳しくわかりやすく、紹介します。公開当時大日本人をご覧になられた方も、まったく初めて見る方も、細かいストーリー展開、当時の感想、評価の真相を含めて、楽しんでください。

大日本人は松本人志監督作品!

大日本人は松本人志さん第一回作品です。松本人志さんの活躍については誰もが知っていますが、ここでは松本人志さんのプロフィールとともに、超有名人になるまでの足跡を簡単に追っていきます。

松本人志さんは、1982年吉本総合芸能学院に入学して芸能界進出のきっかけをつかみます。入学当初からセンスの良い漫才師として周囲から注目されました。相方は人気者の浜田雅功。入学1年後には花月デビューし、あっという間に若手の有望株として人気タレントの仲間入りをし、当時の若者から支持を得ます。

ダウンタウンは吉本総合芸能学院、NSC1期生で、NSCからはその後もたくさんのお笑いタレントを生み出しましたが、30年以上たった今も、ダウンタウンがNSC一番の出世頭といわれています。当時の漫才では松本人志さんの無表情にクールで斬新なボケに対して、浜田雅功がすかさず怒りながらつっこむというスタイルでした。

ダウンタウンの人気を不動のモノにしたのが関西ローカルのテレビ番組「4時ですよーだ」です。1987年4月から1989年9月夕方4時から関西で放送されていた同番組の過熱ぶりは、未だに語り草になっています。最高視聴率は、平日夕方4時台では驚異的な16%、当時メイン司会進行のダウンタウンは関西の若手芸人でも別格になっていきました。

作った番組は軒並みヒット

笑っていいともの火曜日レギュラーになった後、東京進出、ダウンタウンの番組は「ガキの使いやあらへんで」などで人気を不動のモノにしました。この頃、人気は全国区になりました。「ガキの使いやあらへんで」はシリーズでDVD化され異例のヒットとなっています。

高視聴率を誇る「人志松本のすべらない話」もシリーズでDVD化

松本人志さんプロデュースの番組としては「人志松本のすべらない話」があります。フジテレビ系列で不定期放送されているトークバラエティ番組ですが、常に高視聴率を上げています。2004年からスタートし、不定期ながら放送すれば視聴率のとれる番組の一つです。関西地区では20%を記録するほどでDVDシリーズとしてもお笑いエンターテイメント部門でシリーズはほとんど上位に名を連ねています。

脚本は放送作家の高須光聖との共同執筆

大日本人の脚本は、放送作家高須光聖さんとの共同執筆です。高須光聖さんはダウンタウンの二人とは小中学校の同級生で旧知の仲です。高須光聖さんがまだ芸能界とは無縁だった頃、「4時ですよーだ」のスタッフに勧誘され放送作家になりました。大日本人の脚本でも松本人志さんの世界を広げるには適任者といえます。

大日本人の映画キャストを紹介!

大佐藤大/松本人志

監督自ら主役の大佐藤大を演じる松本人志さん。シュールな役で、一貫して笑顔がなく、心にモヤモヤを抱えながら生活しているヒーローを演じています。本来は正義のヒーローのはずが、周囲に理解を得られないポジションを、見事に演じきっています。

小堀マネージャー/UA

大佐藤のマネージャーを演じるのが歌手のUAさん。マネージャーとして大佐藤に対して、常にきびしい要求を突きつける立場をうまく演じられていました。実はUA本人は中学生の頃からダウンタウンのファンだったそうです。

取材ディレクター/長谷川朝二

長谷川朝二(はせがわ ともじ)さんは本来、放送作家・ディレクターさんです。大日本人の取材ディレクター役で声のみの出演です。当初の取材から話が進むにつれて、大佐藤の扱いが横柄な対応になっていくところを好演しています。

締ルノ獣/海原はるか

CGで登場する獣(じゅう)で、最初に登場するのが「締メルノ獣(しめるのじゅう)」。顔は関西の漫才師「海原はるかかなた」の海原はるかさん。CGで登場で顔のみキャプチャーされ、無表情で髪の毛だけたなびかせる獣の役です。

海原はるかさんは鉄板ギャグを一つ持っています。それがバーコード頭を相方に吹かれて、ザンバラ髪になったところを、連獅子のような動きで一瞬にして戻すというギャグです。このギャグ、関西で知らない人は居ないほどで、どの舞台でも必ずウケます。

跳ルノ獣/竹内力

夜中にミナミに現れた跳ルノ獣(はねるのじゅう)役で登場するのが竹内力さん。CGで獣の役をされています。竹内力さんはCGで顔のみ登場で、動きは一本足、それも常に下からにらみつける怖い獣の役だったので、不気味でした。獣としては一本足で跳ねるだけだったので、これも異様な世界観をもたらしていました。

二枚目俳優なのに、このCGで大俳優を贅沢にフィーチャーするというのも大日本人の作品では、多数見られました。

匂ウノ獣(オス):原西孝幸

匂ウノ獣(におうのじゅう)のオスは原西孝幸さんが起用されています。この獣は強烈な臭いを発するという設定で、巨大な獣同士が、求愛しあうという役どころでした。難しい演技ですが、これは顔だけではなく身体の動きもキャプチャーされており、これまた気持ち悪いアクションを見事に演じきっていました。

ちなみに原西孝幸さんは漫才師「藤原」のボケ担当。しかしその風貌とは裏腹に、某番組でIQ 135との結果が出て、一目置かれるようになりました。

匂ウノ獣(メス)/板尾創路

匂ウノ獣(におうのじゅう)のメスもCGでキャプチャーされた巨大モンスターとして出現しました。大日本人の大佐藤と、コミカルなやりとりがあったので、どういったシチュエーションで撮影されたのか不明ですが、映画のシーンはビルで動かずジッとしているものの饒舌で、大佐藤と話を交わす獣の役でした。

匂ウノ獣のメスを演じているのは板尾創路さん。メスの役ながら、普通に男性関西人のように大佐藤と会話していました。板尾創路さんはダウンタウンのテレビ番組ではおなじみのメンバーの一人ですが、若手時代はホンコンさんと漫才コンビ「130R」で活動された時期もあります。

童ノ獣/神木隆之介

東京ドームの屋根に急に出現した人畜無害の童ノ獣。ネタバレになるのですが、大日本人との攻防では、抱き上げられた際、大佐藤が手を離してしまい、童ノ獣は落下してあっけなく死んでしまいます。

童ノ獣を演じたのは神木隆之介さん。多くの映画、テレビドラマに出演している二枚目人気俳優が顔のみキャプチャーされCGで赤ちゃんモンスターとして登場してます。赤ちゃん体型に顔のみCGキャプチャーが不思議な雰囲気をかもし出していました。

ステイウィズミー/宮迫博之

この映画のネタバレになりますが、エンディングに進む「実写部分」が、他の映画には見られない展開です。実写部分ではアメリカのヒーローと称する五人が登場するのですが、画像左の着ぐるみヒーローが宮迫博之さん演じる「ステイウイズミー」です。完全にコント状態で、着ぐるみの中にも本人が入って演じました。

スクリーン上で「おしまい」と表示された後に、エンドロールとともにアメリカヒーローファミリーの家族会議のシーンが延々続きます。ステイウイズミーは関西のおばちゃん的突っ込み担当のようです。雨上がり決死隊の宮迫博之さんがアドリブでやり合ったと舞台挨拶で語っていました。

スーパージャスティス/宮川大輔

アメリカから来たヒーロー「スーパージャスティス」は画像の左の着ぐるみのヒーローという設定です。鬼との戦闘ではメインで戦っていました。着ぐるみだけでは全く想像できなかったのですが、着ぐるみに入っていたのは、テレビの人気者、宮川大輔さんでした。

映画では顔を出すことはなかったのですが、さきほどキャスト紹介した宮迫博之さんとで、映画のエンドロールの約10分近くにわたってアドリブを交えてのやりとりで楽しませてくれます。顔は出ていなくても宮川大輔さんの素の楽しさも十分味わえる仕上がりです。

あずさママ/中村敦子

あずさママは、大佐藤のお気に入りのスナックのママ。名古屋での夜は、大佐藤との親密なつきあいを感じさせるシーンも。どこのスナックでもありそうなやりとりを中村敦子さんが演じています。

大佐藤の元妻/街田しおん

大佐藤の元妻役は街田しおんさん。大佐藤に対して愛が冷めて、冷たく接するシーンは、大佐藤の孤独感を際立たせていました。どこにでもありそうなシングルマザーを演じた女優の街田しおんさんは元々モデルでスタイルも抜群、松本人志さんと同じく兵庫県出身です。

大日本人の映画あらすじをネタバレ考察!

では、大日本人のネタバレ覚悟であらすじを紹介します。冒頭いきなり登場する松本人志さん…いや、大佐藤大。インタビュアーからの取材中というのは徐々にわかってきますが、素の状態でロケが続いている感じで、単なるドキュメント番組のような導入の展開です。

大佐藤さんは孤独な独身男性で、部屋も散らかり、雑雑とした部屋で食事をしています。その間も取材を受け続けます。ここで、徐々に明らかにされてくるのが、主人公大佐藤大さんの正体です。

大佐藤は高圧電流を浴びることにより、大巨人に変身する「大日本人」だったのです。主に「獣」と言われるモンスターを退治するのが彼の仕事だったという、普段の質素な生活とはかけ離れた重大な任務を背負っていたのです。

モンスターを退治する大日本人は過去たくさんいたようですが、現在は大佐藤だけ。手強いモンスターを退治するという大役にも関わらず、接する人たちは大佐藤を粗雑に扱い、モンスター退治を放送する番組内容によっては、無責任な世論が容赦なく大佐藤バッシングを行います。

モンスターと対決する場面以外では、日常生活は過酷でした。私生活では介護が必要な父の世話をし、嫁と子供とは別居状態。孤独な一面も見せます。まるで、大日本人でありながら、等身大の日本人のつらさも一身に受けながら日々の生活を送っています。

獣との対決においては、視聴者の不満があると、それが世論となり、メディアからのバッシングを受けることになります。大佐藤のマネージャーからも、テレビ番組の視聴率低下、番組の深夜枠への移行と難題がもちあがり、大佐藤の身体に広告を入れると、マネージャーからきびしい命令が下されます。

ついに、身体に広告を入れられた大日本人。白い恋人や加ト吉など、現実にある企業、商品名を使用されたモノが使用されていました。余談ですが映画で公開された後、社会を賑わせることになった企業や商品名がここに出てくるというのも奇妙な偶然の一致です。

大佐藤の日常は、まさに普通の日本人で、つまらないどこにでもありそうな日本人の生活を送っています。大佐藤はたった一人の大日本人として大きな任務を背負うしかないのですが、それが彼の表情や話し方ににじみ出ています。まるで夢を失ったかのような覇気のない生き方が、インタビュアーとの会話から読み取れます。

大佐藤の変身するときは通常、電変所へ行って行われます。これが電変所へ向かうシーンなのですが、昔に比べ大佐藤バッシングは日増しに高まり、この場所にすら横断幕が出る始末。それを避けるためかのように爆音を響かせ疾走する大佐藤のバイクは、彼の心を解き放すかのような象徴的なシーンです。

電変所での変身するシーン場所まで移動。取材クルーが遠巻きに撮影。この後大佐藤が大日本人へと変身することになるのですが、ある日彼の眼前に最強の獣「鬼」が出現することに成り、大佐藤は窮地へと追い込まれていきます。

鬼は最強の相手であり、今までの獣とはレベルが違う強さを誇り、敵前逃亡した大佐藤。対決を避けるようになったのですが、無責任にも、その大佐藤に無理矢理対決を即すため、自宅で休んでいる大佐藤に直接電流を送り、強制的に巨大化させ、鬼との対決シーンへと展開していきました。

鬼から逃げる大佐藤…と、そこでブザー音とともに「ここからは実写でご覧ください」とのテロップが流れます。ストーリーは、比較的シリアスだったコメディーが180度違ったテイストに変貌します。これがこの映画最大のネタバレです。

ビルの影で逃げ惑う大日本人を尻目に、アメリカのヒーローファミリーが出現。急に円谷プロのウルトラマンのパロディーシーンが展開されながら、圧倒的な力で鬼を退治してしまいます。鬼退治には大日本人も仲間とばかりに攻撃に参加させられ、鬼を完膚なきまでにやっつけるのですが、大佐藤は違和感を感じ、戸惑いながらエンディングを迎えます。ネタバレを含めたストーリーは以上です

大日本人の評価はつまらない?映画を観た感想を紹介!

大日本人の映画の評価については、やはり「つまらない」という人は多くみられました。そして、意見も人それぞれ、つまらないという人なりの理由が書かれています。つまらないというコメントには「つまらないコント」というキーワードもたくさん見られました。

つまらないという人にコメントに、松本人志さんの作品だからもっとおもしろいモノだと思っていたという話もたくさんありました。最初からハードルをあげて見てしまった人にとっては、残念な映画だったのかもしれません。その一方で高評価のコメントもたくさんありました。

部分的に好きという人のメッセージはたくさんありました。テレビ的、コント的な部分がおもしろいと感じる人は高評価になっているようです。

映画として成立しているかはさておき、おもしろいという人もたくさんコメントがあったのは事実のようです。興味ある人は、上のように一度目にされても損はないという書き込みも見受けられました。

後年に評価が変わる可能性もある作品といえるかもしれません。つまらないという評価が、食わず嫌いを増やしてしまったとも考えられます。

大日本人の映画評価まとめ!

ここまで、大日本人のネタバレ覚悟で、キャスト、ストーリーを見てきました。最大のネタバレ部分ともいえる最後の「ここからは実写でお楽しみください」の部分は、特撮のパロディですし、それ以外にもパロディー、日本人ならわかる「あるあるネタ」が豊富に詰め込まれています。欧米人には理解しづらいはずです。

以上、ここまで大日本人をまとめてきましたが、映画館で一度だけ見て評価を下すよりは、DVDなどで自宅のテレビでリラックスして見るソフトと考えれば、違った感想もありそうです。まだご覧になられていない人も、今までにないスタイルの映画との予備知識があれば、一度ご覧になる価値は十分あるでしょう。

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