2018年10月24日公開
2018年10月24日更新
コンクリートの映画あらすじと感想は?実際にあった殺人事件を元にしている?
2004年に公開された映画「コンクリート」。みなさんはご存知でしょうか?この映画、実は実際にあった凶悪な殺人事件を元に作られた映画であり、当時から賛否両論を呼んでいました。コンクリート、そのタイトルは一体何を意味しているのでしょうか?この記事ではコンクリートという映画のあらすじと感想、そして映画の元となった1989年に起こったとある事件について、細かくまとめていきたいと思います。
目次
コンクリートの映画あらすじが気になる!
映画「コンクリート」は2004年に公開された日本映画です。みなさんはこの映画をご存知でしょうか?まず”コンクリート”と言われて思い浮かぶのは、地面に使われているような素材です。コンクリートというタイトルだけでは、どんな映画なのか想像がつかない方も多いのではないでしょうか。
映画コンクリートですが、実は製作している時から批判が殺到していました。映画が上映されることに対しても苦情、批判が相次いで、ついにはコンクリートの公開を中止することになりました。ですがその後、批判を受けながらもこの映画はたった1週間、公開されました。
コンクリートの映画あらすじをネタバレ!
映画「コンクリート」はたった5日間の撮影で完成しました。”17歳悪の履歴書”という犯行側の視点で書かれた小説を元に脚本家が構成していますが、実際の関係者には全くアポイントもありませんでした。更に、製作にああたって被害者の親族や関係者に承諾を得ることも一切なく、この映画は製作されました。
そんなコンクリートという映画、一体どんなあらすじなのでしょうか。たった1週間しか公開されなかった映画ですが、DVDなど映像化はされており、今でもコンクリートを観ることが可能です。ここではまずあらすじを紹介していきます。ネタバレになる部分もありますので、ご注意ください。
大杉辰夫という少年が主人公です。辰夫は高校を中退し、タイル張りの職に就きます。その頃、佳代子という恋人と同棲を始め、結婚まで約束をするのですが、辰夫は鑑別所送りになるような事件をおこすなど、荒んだ生活が続きました。そんな中、辰夫はタイル張りの仕事を辞めて、ヤクザの下請けとして働くようになります。
そして尾崎弘明、池田智巳などと共に、少年たちをまとめて、”龍神会”というヤクザの下部組織を結成するのです。ですが、組に自分が利用されているだけだと気付いた辰夫たちは苛立ちを覚え、はけ口のように行動をエスカレートさせていきます。そんな中で辰夫が目を付けたのは女子高生の美咲。帰宅途中の彼女を強引にホテルに連れ込み、辰夫はレイプするのです。
このレイプ事件が発覚するのを恐れ、辰夫は美咲を自宅へと連れ込み、監禁が始まります。そしてここから、辰夫とその周囲の少年らの暴行は更にエスカレートしていきます。美咲は地獄の苦しみを味わっていくこととなり、最後には女子高生は暴行の末に亡くなり、残酷なエンディングを迎える結果となってしまいます。
そして映画「コンクリート」のラストには”彼らは命の尊さに気づくでしょうか?”というようなモノローグが流れます。このモノローグ、なんだかとってつけたような問いかけにも思えます。とても人間が出来るとは思えないような残酷な行為を続けた加害者ですが、命の尊さに気づける心はあったのでしょうか?
コンクリートの映画は実際の殺人事件を元にしている?
「女子高生コンクリート詰め事件」とは?
みなさんは「女子高生コンクリート詰め殺人事件」を知っているでしょうか?1989年に実際に起きた事件で、日本の犯罪史上で最も凶悪だと言われている事件です。未成年が起こした事件で、当時はその恐ろしい行為で視聴者を震撼させました。この映画「コンクリート」は、そんな凶悪事件を元に作られた映画なのです。
1988年11月から1989年1月にかけて、東京足立区でその事件は起きました。女子高生コンクリート詰め事件は、猥褻誘拐・略取、監禁、強姦、暴行、殺人、死体遺棄事件の通称です。この凶悪な事件は、18歳の少年Aが17歳だった女子高生をだまし、無理やりホテルに連れ込みレイプした事件から始まります。
レイプしたあと、少年Aは少年Cの自宅へと女子高生を連れて行き監禁。少年たちは交代で少女を監視しようとしましたが、少年Aがみんなで輪姦しようと企て、複数の未成年である少年が加わり、女子高生を集団で強姦しました。ある日被害者である女子高生が、少年たちの隙をついて110番通報しますが、少年Aに見つかってしまい、その日からさらに暴行がエスカレートします。そして女子高生への強姦、傷害、虐待行為など、残虐な行為は続けられました。
そして暴行の末亡くなってしまった女子高生をどうすればいいか悩んだ少年たちは、ドラム缶に女子高生の死体を入れ、コンクリートを詰めて遺棄しました。これが女子高生コンクリート事件、と呼ばれる所以です。当初、ドラム缶を海に沈めようと少年たちは思っていたそうですが、怖くなり、埋め立て地に遺棄したということです。
これほどに残酷な実際に起こった事件を元にして、映画「コンクリート」は製作されました。事件が起こったのは1989年で、この映画コンクリートが上映されたのは2004年でした。たった15年しか経っておらず、被害者の遺族の傷も癒えないうちに映画化となり、そういった背景からも批判も数多く上がったようです。
コンクリート事件の加害者はその後どうしている?
加害者4人、実はすでに出所しています。ですが出所後も改心した様子はありませんでした。主犯格であった元少年Aは振り込め詐欺で逮捕されています。また別の加害者も、今回の事件と似たような監禁事件をおこしているのです。人間とは思えない残虐な行為で人を1人殺しておきながら、実刑判決は受けたものの早くに釈放され、更生とは程遠い結果となっています。
実刑を受けた少年は4人のみでしたが、複数の少年少女が被害者へ暴行などの行為をはたらいたとされています。実刑を受けなかった人も、実刑を受けて出所した4人も、大人になり何を感じているのでしょう?今年8月には、殺人未遂事件で湊伸治が逮捕されました。その湊伸治こそ、少女を監禁していた自宅に住んでいた、少年Cでした。
コンクリートの映画を観た感想や評価とは?
映画「コンクリート」は、公開前から波紋を呼ぶ映画でした。その映画が公開され、コンクリートを観た人たちは、「こんな事件を映画にするべきではなかった」と語っています。こんなのは事件を忠実に再現しただけで、映画とは言えない。そんな意見もありました。、嫌な気分になった、トラウマになった、不快感の連続など、見ても得をしないような意見が多いです。
ですがその反面、映画「コンクリート」を観た後のその不快感こそ、映画として成功しているのではないか?との意見もあります。観客が「見るに堪えない」と思うのは、映像や脚本がよく出来ていたという捉え方もあるようです。コンクリートに出演したキャストに関しても、このような話題作をよく引き受けた、というコメントもあります。
事件にあやかった形で作られた、コンクリートという映画。やはり事件の残忍さゆえ、コンクリートは観た人が後悔するほど後味の悪い作品です。コンクリートの感想を述べる人たちが口々に言うのは「絶対に興味本位でコンクリートを見ないでください」という言葉でした。コンクリートを観てしまった自分を恥じるというような感想のコメントもありました。
女子高生コンクリート詰め事件自体を知らなかった若い世代の人も、SNS等でこの事件や映画「コンクリート」を知り、DVDなどで映画を視聴しているようです。事件を忠実に再現しているコンクリートは、事件を知らなかった人たちにも衝撃を与えました。DVDはレンタル用としてはR-15指定されています。当時はレンタルチェーンにもコンクリートのDVDを取り扱わないでほしいという意見が相次ぎました。
コンクリートの映画あらすじと感想まとめ!
コンクリートという映画に対しては、かなり辛口な評価が多いようでした。映画の中ではとても表現できないような、これ以上の残酷な行為も実際の事件ではたくさんありました。最後にはコンクリート詰めされて遺棄された女子高生。映画とはいえ実際にあった事件を忠実に再現しているため、ノンフィクションのような、実際に事件を目の当たりにしているような衝撃を受けます。
ここまで作品と事件についてまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか?コンクリートは、たった1週間だけ放映された、実際にあった事件を題材にした映画でした。事件を知っている人にとっても悲惨な事件を思い出す映画であり、また、事件を知らない人も興味本位で見るべきではないという意見が多い映画です。コンクリートのような事件が二度と起きないこと、そして被害者のご冥福をお祈りいたします。