スワロウテイルの映画の評価・感想は?ネタバレあらすじも紹介【岩井俊二監督作品】

岩井俊二監督作品は根強い人気がありますが、映画スワロウテイルはその中でも名作と名高くファンが多い映画です。映画スワロウテイルは1996年公開ですが、架空の日本「円都(イェンタウン)」の確立された世界観、当時話題になった豪華な出演陣、小林武史による秀逸な音楽と主演CHARAの圧倒的な存在感は年月が経った今なお映画ファンを魅了し続けています。映画スワロウテイルのネタバレを含むあらすじや評価などをご紹介します。

スワロウテイルの映画の評価・感想は?ネタバレあらすじも紹介【岩井俊二監督作品】のイメージ

目次

  1. スワロウテイルの映画評価が気になる!
  2. スワロウテイルは岩井俊二監督作品!
  3. スワロウテイルの映画あらすじをネタバレ!
  4. スワロウテイルの映画キャストを紹介!
  5. スワロウテイルの映画を観た感想や評価とは?
  6. スワロウテイルの映画評価や感想まとめ!

スワロウテイルの映画評価が気になる!

岩井俊二監督の映画は邦画の中でも評価が高く人気がありますが、映画スワロウテイルもよく映画ファンの間で「好きな映画」に選ばれる映画の一つです。映画スワロウテイルを観た方はどういう評価をしているのでしょうか。映画スワロウテイルの作品情報やネタバレを含むあらすじ、映画のキャストと共に映画スワロウテイルを観た感想や評価をご紹介します。

スワロウテイルは岩井俊二監督作品!

映画スワロウテイルはアジアで大人気となった映画「Love letter」やネット小説を映画化した「リリィ・シュシュのすべて」、映画「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」などの監督である岩井俊二の作品です。独特の世界観と映像美を特徴とする岩井監督の作品は「岩井美学」と呼ばれ、評価が高い傾向にあります。映画スワロウテイルは1996年公開の映画で、映画としてだけてなく作中の音楽も高い評価を受けています。

映画スワロウテイルは当時人気のある若い俳優たちが出演しており、話題となりました。また後にクエンティン・タランティーノとも組むことになる種田陽平の優れた美術と、日本語・中国語・英語またそれらを混ぜた独特の言葉を駆使したことで日本でありながら日本ではないような世界が作り上げられています。また作中に出てくるバンドYEN TOWN BANDの曲はオリコンチャートで一位を取りました。

スワロウテイルの映画あらすじをネタバレ!

作品、音楽など評価が高いと言われる映画スワロウテイルですが、どのようなストーリーなのかネタバレを含むあらすじを見ていきます。映画のラストに関わるネタバレもありますので、未見の方でネタバレされたくないという方はご注意ください。

イェンタウンについてのネタバレ

映画の冒頭で、英語でイェンタウンについての説明があります。イェンタウンとは中国語で円都=日本のことであり、発音が同じ円盗(日本にいる不法移民の蔑称)のことを指します。映画スワロウテイルは日本を舞台としながら異国情緒あるいは無国籍風の雰囲気を持つ映画ですが、冒頭から既に岩井俊二の独特な世界観に引きこまれる作りになっています。

名前のない死体とアゲハ

「名無し」の死体を囲んで悲しむ女たちは円盗(不法移民)であるために名前を明かすことができない、貧しいために正式な葬式も出せない仲間のために、模造紙幣を燃やすなど中国式の葬式を始めます。名無しの死体の娘は母の遺産を盗られた上に、グリコという娼婦の家に置き去りにされます。グリコは少女を売りに行きますが劣悪な環境を知って結局一緒に住むことになります。少女はアゲハという名をもらいます。

グリコの部屋での突発的な事故のあらすじ

アゲハはグリコと一緒になんでも屋あおぞらの手伝いを始めます。ある日グリコが自分の部屋で客を取っていると、客がアゲハに気付いて襲い掛かります。友人アーロウが助けに来ますが、元ボクサーのアーロウは勢い余って客を殴り飛ばし、窓から転落させます。客は落下した際まだ息がありましたが、車に轢かれて死んでしまいます。あおぞらの仲間たちと一緒に死体を埋めようとした時、客の体内にカセットテープを発見します。

リョウ・ヤンキの探し物のあらすじ

アゲハたちが埋めた客はヤクザの須藤という男で、須藤が腹に入れていた「マイウェイ」のテープはヤクザの組長がリョウ・ヤンキから盗んだものでした。リョウ・ヤンキの手下たちが須藤の居所を探し始めます。ランはスナイパー仲間で相棒のシェンメイから、須藤の属していた葛飾組がなくなったこととチャイニーズマフィアのリョウ・ヤンキたちが須藤を探していることを聞きます。

テープの中身のネタバレ

リョウ・ヤンキたちが探している須藤のテープには一万円の磁気データが隠されていました。千円を一万円と同じ長さに合わせ磁気データを印刷すると、機会が千円を一万円だと勘違いすると知ったグリコたちは喜びます。ランはやめておくように忠告しますが、グリコたちは偽札を作って両替機に入れ荒稼ぎを始めます。その金でアーロウたちは帰国し、グリコたちはダウンタウンへ引っ越します。

ライブハウスとバンド結成のあらすじ

偽札で金持ちになったフェイフォンは、グリコのためにライブハウスを買いバンドを作ろうとします。日本語しか話せないデイヴが集めてきたバンドと一緒に、グリコはマイウェイを歌います。イェンタウンクラブが開店するポスターを貼っていたグリコは円盗二世の不良少年グループのリーダーであるホァンに絡まれますが、アーロウに習っていたボクシングで撃退します。ホァンは自分を倒したアゲハをボスと仰ぐことになります。

メジャーデビュー

ライブハウスは盛況で、大手のマッシュレコードが契約しないかと持ちかけます。マッシュレコードの社員たちはグリコを日本人として売り出すこととし、邪魔なフェイフォンを密告によって投獄します。グリコたちの「上海BABY」は大人気となりますがフェイフォンは上海へ強制送還されることになります。アゲハはホァンたちがみつけてきた麻薬を打ち意識不明になったところを、通りかかったヤンキに助けられます。

ヤンキとグリコ

アゲハの治療で訪れた阿片街の医師の部屋で、ヤンキは妹のグリコが生きており歌手になったことを知ります。アゲハが打ったのはイェンタウン・ホワイトと言う麻薬でした。フェイフォンは解放されマッシュレコードの社員から金を巻き上げますが、グリコのために離れようとします。アゲハは阿片街の医者に蝶のタトゥーを彫ってもらいます。彫ってもらいながら、アゲハはこどもの頃の記憶を思い出します。

須藤の事件

以前須藤が死んだ時に目撃していたレイコが記者の鈴木野とヤンキの手下たちに情報を売ります。アゲハはホァンや子供たちを使って偽札で金もうけをします。鈴木野はグリコが須藤の事件に関わっていることを問い詰め誘い出しますがマオフウたちに襲われ逃げ出します。フェイフォンに助けを求めますがフェイフォンのところにもマフィアの手が伸びていました。

チャイニーズマフィアの来襲

マフィアたちから逃げたフェイフォンでしたが、偽札を使ったところを警察に見咎められます。グリコと鈴木野を捉えたマオフウたちはテープを受け取りにあおぞらに向かいます。しかしテープは既にアゲハの手に渡っており、ランのところにはありませんでした。ランとシェンメイはマフィアたちを返り討ちにします。

フェイフォンの死

アゲハは稼いだ金でライブハウスを買い戻そうとしますが既に売却された後でした。警察に捕まったフェイフォンは、偽札事件の首謀者がヤンキだったと言わせる為に拷問されます。暴行されたフェイフォンはベッドの上で過去に見たイェンタウンバンドの看板を夢見ながら死んでしまいます。ランたちはあおぞらでフェイフォンの葬式を行います。

リョウ・ヤンキとアゲハ

ヤンキは手下たちがいなくなった件を調べさせ、テープを取り戻してひと稼ぎしたら上海へ戻ろうかと計画します。自転車に乗ったアゲハとすれ違いますが、アゲハは世話になったお礼にとテープをヤンキに渡し「グリコにもらった」と告げます。ヤンキはアゲハの言うグリコが妹なのかどうかわからないまま車に乗り込みますが、その先にはランとシェンメイたちスナイパーが待ち受けているのでした。

スワロウテイルの映画キャストを紹介!

映画スワロウテイルのネタバレを含むあらすじをご紹介してきましたが、次に映画スワロウテイルのキャストを見ていきます。

グリコ/CHARA

主人公グリコを演じたのは1968年生まれのシンガーソングライターで女優のCHARA(チャラ)です。CHARAは岩井俊二監督の映画「PiCNiC」で映画に初出演しており、映画スワロウテイルは岩井監督作品としては2作目にあたります。映画スワロウテイルで日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。アーティストとしてもアルバム「Junior Sweet」(1997年)がミリオンセラーになっています。

CHARAは俳優の浅野忠信との間にモデルで女優のSUMIREと俳優で長男の佐藤緋美がいますが2009年に離婚しています。映画スワロウテイルの中で組んだバンドYEN TOWN BANDは2015年以降本格的に活動しています。

アゲハ/伊藤歩(あゆみ)

グリコに引き取られ成長していく少女アゲハを演じたのは女優・ミュージシャンの伊藤歩です。伊藤歩は映画スワロウテイルでの演技が評価され、弱冠16歳で日本アカデミー賞新人俳優賞と優秀助演女優賞を受賞しています。その後も順調に実力をつけ、2014年のドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち」が脚光を浴びました。岩井作品は映画スワロウテイルに続いて映画「リリィ・シュシュのすべて」にも出演しています。

ヒオ・フェイホン/三上博史

グリコの恋人フェイフォンを演じたのは俳優で歌手の三上博史です。三上博史は寺山修二監督のフランス映画「草迷宮」(1983年)で映画デビューし、80年~90年代のトレンディドラマに多く出演しました。代表作は映画「孔雀王」「屋根裏の散歩者」「月の砂漠」やドラマ「君の瞳をタイホする」「この世の果て」など。「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」など舞台での作品にも出演しています。

リョウ・リャンキ(劉梁魁)/江口洋介

グリコの生き別れの兄リャンキを演じたのは1967年生まれの俳優で歌手の江口洋介です。江口洋介は1990年代のトレンディドラマによく出演しており、「東京ラブストーリー」「ひとつ屋根の下」などは大ヒット作品となりました。その後もドラマ「救命病棟24時」「赤ひげ」や映画「GOEMON」「るろうに剣心」など多数の作品に出演しています。妻は歌手の森高千里で二人のお子さんがいます。

ラン(狼朗)/渡部篤郎

映画スワロウテイルの中で何でも屋青空の店主であり実は一流のスナイパー、ランを演じたのは渡部篤郎です。渡部篤郎は1968年生まれで、別れた妻村上里佳子との間に息子が二人います。コミカルな役から寡黙でハードボイルドな役まで演じることのできる演者であり、しばしば難役とされるキャラクターを演じます。ドラマ「ケイゾク」「恋がしたい恋がしたい恋がしたい」など多数のドラマ・映画に出演しています。

シェンメイ(春梅)/山口智子

ランの相棒シェンメイを演じたのは山口智子です。山口智子は東レキャンペンガールとしてデビューし、1988年後半~1995年半ばまでトレンディードラマや映画などで活躍した女優です。夫は俳優の唐沢敏明で1990年代には「連ドラクィーン」などと呼ばれました。現在も女優業は続けています。代表作はドラマ「ダブル・キッチン」「ロングバケーション」や映画「居酒屋ゆうれい」「undo」など。

鈴木野清子/桃井かおり

雑誌記者鈴木野清子を演じたのは1951年生まれの女優桃井かおりです。桃井かおりは1971年にデビューし、2008年には紫綬褒章を受章しています。アンニュイな雰囲気で時に過激な役柄を演じる桃井かおりは元々バレエダンサーを目指していましたが断念し女優に転向しています。代表作はドラマ「前略おふくろ様」や映画「幸福の黄色いハンカチ」、ハリウッド映画「SAYURI」など。

スワロウテイルの映画を観た感想や評価とは?

映画スワロウテイルのネタバレを含むあらすじやキャストをご紹介しましたが、では映画を観た方の感想はどういうものでしょうか。映画スワロウテイルを見た方の感想や評価を見ていきます。

キャストが凄すぎるという評価

映画のあらすじなどは置いておいて、とにかくキャストの豪華さが凄いという感想がありました。現在も活躍されている俳優さんも多いのですが、映画スワロウテイルは公開当時に旬と言われた俳優さんが集結している映画です。

世界観が凄くて海外の映画のよう

やはり確固とした世界観が高い評価を得ています。日本が舞台なのに日本ではないという混沌とした世界が映画スワロウテイルの大きな魅力です。俳優たちがとにかく格好いいという感想も多く見られます。

音楽が秀逸

岩井俊二監督の作品は音楽と映像の融合が素晴らしいと評価されることがありますが、映画スワロウテイルもサウンドトラックがオリコンチャートで一位になりました。

昔の映画なのに面白い

映画スワロウテイルは既に公開から年月が経っているのですが、今見ても全く古臭さを感じない映画だという感想もありました。

虚構と現実が生む美しさ

映画スワロウテイルは架空の日本で起こった架空の物語です。しかし虚構であるはずの物語は次第に現実味を強くしていきます。日本の総人口が減少しつつある現代の視点からすると、映画スワロウテイルの世界はあながち全くの虚構ではなくなりつつあるのでしょうか。

スワロウテイルの映画評価や感想まとめ!

映画スワロウテイルについて作品情報やキャストの紹介、あらすじやネタバレと映画の評価など見てきましたがいかがでしたでしょうか。映画スワロウテイルは2時間半という長い映画ですが、中だるみすることなく次から次にストーリーが展開していき観客を飽きさせません。良い作品は時代を超えると言いますが、今なおファンを獲得し続けている映画スワロウテイルを鑑賞してみませんか。

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