涙そうそうの映画あらすじをネタバレ！結末や感想は？【妻夫木聡・長澤まさみ】

自分の店を持つことを夢見て働く新垣洋太郎（妻夫木聡）の元に、ある日高校に合格した洋太郎の義妹・新垣カオル（長澤まさみ）が離島から那覇へやってくるところから物語が始まります。念願の自分のお店を持つ目前で詐欺に遭い莫大な借金を背負ってしまっても、妹を大学へ進学させるために懸命に働く兄の姿が描かれています。沖縄を舞台に血の繋がらない兄と妹の絆にちょっと切なくて心温まる映画作品です。

いつか自分の食堂を開くという夢に向かい働く新垣洋太郎を演じたのは妻夫木聡さんです。ファッション誌の読者モデルとして活躍後、ホリプロ、アミューズ、日本合同主催のスターオーディション」でグランプリに輝き、1998年にＴＶドラマ『すばらしい日々』でデビュー。映画初主演作『ウォーターボーイズ』（01）で一躍脚光を浴び、『ジャッジ』（14）、『家族はつらいよ』（16）など数多くの映画やドラマ、CMで活躍されています。

義妹・新垣カオルを演じたのは長澤まさみさんです。第５回「東宝シンデレラ」オーディショングランプリを史上最年少の12歳でグランプリに選ばれ芸能界入りをしました。『ロボコン』（03）で初主演、同作で第27回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しました。『世界の中心で、愛をさけぶ』（04）や『モテキ』（11）、『海街diary』（15）で数々の賞を受賞する他、CMやドラマでも大活躍しております。

洋太郎の恋人・稲嶺恵子役を演じたのは麻木久美子さんです。94年に三菱電機のCMでデビューし、95年の「週刊ヤングジャンプ」の「全国女子高校生制服コレクション」でグランプリを受賞し、あいかわ翔初監督作品『BAY GUY BEACH』（95）でデビューしました。

『カンゾー先生』（99）や『モテキ』（11）などに出演されるほか、ドラマ『時効警察』（06）ではコメディな作品を初挑戦され、そのコミカルな演技が話題となりました。

洋太郎の友人・島袋勇一を演じたのは塚本高史さんです。96年にサンミュージック新人タレントオーディション俳優部門に入賞し、15歳の時にテレビドラマ『職員室』（97）でデビューします。映画初出演作である『バトル・ロワイアル』で知名度があがり、『タイヨウのうた』（06）、アウトレイジ（10）、『木更津キャッツアイ（02）、ホリデイラブ（18）などの数多くの映画やドラマ作品に出演されております。

失踪したカオルの父親役を演じたのは中村達也さんです。10第の頃から多くのバンドを組んでおり、87年～2000年までBLANKEY JET CITYのドラマーとして活動されておりました。解散した後もLOSALIOSで次々と作品を生み出しております。また、ミュージシャンの顔だけではなく、俳優としても活躍されており、『蘇りの地』（09）、るろうに剣心京都大火編（14）、悪と仮面のルール（18）などの作品に出演されております。

洋太郎とカオルのおばあ・新垣ミト役を演じたのは平良とみさんです。『ちゅらさん』（01）でのヒロインの祖母役（おばぁ役）を演じて大ブレークされ、地元・沖縄では演劇、一人芝居の講演に数多く出演されてました。『ホテル・ハイビスカス』（02）、『スシ王子！』（07）、テンペスト（11）などの映画やドラマ作品に出演する他、ラジオやCMでも活躍されておりました。

洋太郎に近づき詐欺を働く男・亀岡を演じたのは船越英一郎さんです。「2時間ドラマの帝王」異名を持ち、数多くのミステリー作品を始め、『マンハッタンラブストーリー』（03）、『黒い十人の女』（16）など数多くの映画やドラマ、バラエティに出演されるほか、18年の8月に『船越英一郎殺人事件』という船越さん自身の役で登場する2時間ドラマが話題になりました。

恵子の父親・稲嶺義郎役を演じたのは橋爪功さんです。文学座、劇団雲を経て、75年に演劇集団円の創立に参加され舞台俳優として数々の注目作に出演される一方、『源義経』（66）、『ティファニーで朝食を』（92）、『忠臣蔵』（04）、『東京家族』（13）、『永遠の0』（13）、『家族はつらいよ』（16）など数多くの映画やテレビドラマで活躍されております。

洋太郎の母親役を演じたのは小泉今日子さんです。82年に歌手デビューされて以降、数々のヒット曲を世に送り出すほか、役者としても『踊る大捜査線 THE MOVIE』(98）、『共犯者』（99）、『陰陽師』（01）、『毎日かあさん』（11）、『マンハッタンラブストーリー』（03）、『最後から二番目の恋』（12）、『あまちゃん』（13）など、数々の映画やドラマで活躍されております。

ではさっそく、涙そうそうの映画あらすじや結末、涙そうそうの映画ロケ地などを紹介していきます。ここから先は涙そうそうの映画のネタバレを含みますので、結末を知りたくない方はご注意ください。

いつか自分の店を持つことを夢見て働く洋太郎（妻夫木聡）の元に、義妹・カオル（長澤まさみ）が本島の高校に通うためにやってきました。洋太郎とカオルは血が繋がらない兄妹で、洋太郎の母・光枝（小泉今日子）が再婚しその相手の連れ子がカオルです。ある日、洋太郎の義父・昭嘉（中村達也）が失踪し、母は病気で亡くなり祖母・ミト（平良とみ）の元で暮らします。洋太郎は高校を卒業すると沖縄本島に渡り、現在の生活に至ります。

洋太郎と再会したカオルは、洋太郎の恋人・恵子（麻生久美子）を紹介されます。カオルと恵子は仲良くなりますが、恵子は兄妹の仲の良さに少し嫉妬をしていました。洋太郎のバイト先の居酒屋でカオルや恵子、友人・勇一（塚本高史）が飲んでいるときに、洋太郎が資金がたまり飲食店を出したいという話を耳にした亀岡（船越栄一郎）は、洋太郎に近づきます。

亀岡から物件を紹介され、そこの物件を塗装し居酒屋「なんくる」オープンする日を迎えます。これまでお世話になった方々を招待し、笑顔で祝福しているところへ、その土地の本当の持ち主を名乗る男があらわれました。洋太郎は詐欺の被害に遭い、亀岡とは連絡が繋がらなくなっていました。

洋太郎は多額の借金を背負うことになり借金返済のためさらに仕事時間を増やし、その姿をカオルは心配そうに見守っていました。そんなある日、恵子の父・義郎（橋爪功）が洋太郎を訪ねてきて、「恵子は義郎の病院を継ぐ医者になるため別れて欲しい」と現金の入った封筒を差し出します。洋太郎はお金の入った封筒を突き返し激怒します。そのことがきっかけで、洋太郎と恵子の仲はこじれてしまい、別れることになります。

カオルは洋太郎の役に少しでも立ちたくて、洋太郎に内緒でバイトを始めますが、その姿を勇一に目撃され、やがて洋太郎の耳に入ってしまいます。洋太郎は大学受験を控えた大事な時期に何をしているんだと叱り平手打ちをします。しかし、カオルは大好きな兄のために働いて何がいけないのか、また進学しないで働きたいと伝え、その日カオルは朝まで家に帰りませんでした。

カオルは大学に合格しお祝いをすると、洋太郎の部屋から出ていくと告げられます。カオルが中年男性と会っていたことを知りその男性へ会いに行くと、そこには昭嘉がいました。カオルが朝帰りした日カオルは昭嘉に会っていて、洋太郎を開放するよう助言されていたのです。家に帰ると、カオルが家を出ていくことを承諾します。そして、カオルが出ていく日、消えゆくカオルの背中を見送り鼻をつまみながら大声をあげて泣きます。

カオルが出て行き1年が経ちました。洋太郎の元にカオルから手紙が届きます。そこには、「成人式の時には島に帰る」と書かれていました。そんな中、沖縄本島を大型の台風がやってきます。カオルの部屋の窓ガラスが割れ、そこから激しい雨風がカオルを襲いますが、洋太郎がカオルの身を案じて駆け付けてくれます。洋太郎の助けにより部屋の窓をふさぐことができました。しかしその直後、洋太郎は倒れ救急車で運ばれます。

洋太郎は恵子の病院に担ぎ込まれました。洋太郎の身体は長年働き詰めで免疫力が落ちていて、心筋炎を併発していました。お医者さんから洋太郎の状態を伝えられたあと、カオルと恵子が廊下で会話していると、看護師から「様態が急変した」と呼ばれ、駆け付けるとそのまま息を引き取りました。

ミトとカオルは洋太郎の葬儀を島で行っていると、洋太郎からカオル宛に宅配便が届きました。中身はカオルの成人式用の着物で、洋太郎の想いを知るとカオルの目から涙がとめどなく溢れました。最後に、海辺を子どもの頃の洋太郎とカオルが手を繋いで歩くシーンが映し出され、「大きくなったらにーにーと一緒に結婚したい」というカオルに「兄妹は結婚できん」と洋太郎が答えエンドロールが流れます。

幼少期、嵐の夜に道に迷って泣いていた妹カオルを兄洋太郎が見つけ抱き合うシーンで撮影されていた場所です。映画のシーンの中では海が荒れていましたが、夕焼けが絶景な観光スポットになります。

沖縄県北谷町美浜の「アメリカン・ビレッジ」のシンボルとしてそびえ立つのが、町を一望する巨大な観覧車「SKYMAX60」です。高さ60㎝メートルの空間から見る景色は感動的です。映画のシーンではカオルが観覧車に乗り、地上にいる洋太郎と恵子に手を振ってました。

洋太郎と恵子が肩を並べ寄り添ったビーチになります。沖縄県中部の北谷町にある北谷公園サンセットビーチは、その名のとおり美しい夕焼けの風景が見られるスポットになっております。

カオルが洋太郎に内緒でアルバイトをしていたホテルになります。白い美しい砂浜、エメラルドグリーンに輝く海、そしてドラマティックな万座毛を一望できる絶好のロケーションに位置しており、多くの女性に支持されているホテルです。

洋太郎の葬儀行列が歩いていた場所になります。悲しい結末を迎えた後のシーンで使われ、どこか寂しい雰囲気が漂いますが、海もウージー畑も一度にみられるのんびりした景色が広がっています。晴れた日にはきれいで、沖縄らしい風景がみられます。

涙そうそうを見た方々の感想の一部を紹介します。『素直に泣けた。でも殺さなくてもいいのではないか』『とりあえず殺しておけば観客は泣くでしょうという典型的なお涙頂戴の結末がわざとらしかった』『涙そうそうが他界した兄を想って作詞した歌、というところに引っ張られ、中盤までは最高だっただけに結末が非常に残念』と結末の展開に残念がる感想が多かったです。

涙そうそうを観てツイートされた方の感想をいくつか紹介したいと思います。映画サイトの感想は辛口のコメントが多かったですが、こちらでは『何回見ても泣ける』『感動した』という評価の声が多く見られました。

やはり涙そうそうの結末・洋太郎の死に対するコメントが多いです。また、涙そうそうの映画を観た後に夏川りみさんの『涙そうそう』を聞くと映画の背景が浮かびあがり、歌詞の奥深さを改めて感じられる方もいらっしゃるようです。

全体的に感想をまとめてみると、『この映画を見て純粋に泣けた』、『兄妹の美しい絆に心打たれた』という感想が多い反面、制作側の意図が見えてしまい不快に思う感想も多かったです。その一番の原因が結末にあり、洋太郎のあっけない死に対する感想が多く見られました。『涙そうそう』という名前にちなみ泣かせる映画を製作したい想いが強すぎて結末に洋太郎の死をもってきたことが、評価の分かれ目になったのではないでしょうか。

今回は涙そうそうの映画のあらすじや結末、ロケ地などを紹介しました。今回この映画が作られた背景は、TBSテレビ開局50周年記念企画として、森山良子さん作詞の「涙そうそう」にスポットがあたり、視聴者から「涙が止まらない体験」を募集して選ばれた作品がドラマ化し放送され、そこに合わせて映画版が制作されました。

ドラマ版では、第1弾が05年8月に松たか子さんや長澤まさみさんが出演し、太平洋戦争末期を舞台に平成20年8月6日に原爆が落とされるまでの20日間を描いた4姉弟の物語『広島、昭和20年8月6日』が放送されました。また第2弾が同年の10月に黒木瞳さん、上戸彩さんが出演し、愛を支えに女手ひとつで娘を育て懸命に生きた主人公とその娘、孫の三世代を描いたドラマが放送されました。よければこちらもご覧になってみてください。