犬神家の一族(2006年)のネタバレまとめ!結末までのあらすじと映画の感想は?

2006年に公開された映画「犬神家の一族」は、1976年に公開された同映画のリメイク作品です。30年ぶりの映画化にあたり、市川崑監督が再び指揮をとり、石坂浩二さんを始めとする旧作の出演俳優に加え、ヒロイン・野々宮珠世に松嶋菜々子さんを起用した、豪華俳優陣の競演が話題を読びました。以下では映画のネタバレを含むあらすじと感想・ロケ地などをを紹介しています。まだ視聴していない方も「犬神家の一族」をネタバレを含めてあらすじを辿ってみませんか。

犬神家の一族(2006年)のネタバレまとめ!結末までのあらすじと映画の感想は?のイメージ

目次

  1. 犬神家の一族(2006年)のあらすじや結末が気になる
  2. 犬神家の一族とは
  3. 犬神家の一族(2006年)の映画キャストを紹介
  4. 犬神家の一族(2006年)の映画あらすじをネタバレ
  5. 犬神家の一族(2006年)の映画の結末をネタバレ
  6. 犬神家の一族(2006年)の映画を観た感想とは?
  7. 犬神家の一族(2006年)の映画ロケ地を紹介!
  8. 犬神家の一族(2006年)のネタバレまとめ!

犬神家の一族(2006年)のあらすじや結末が気になる

2006年に公開された映画「犬神家の一族」は、30年前に公開された同映画のリメイク版として制作されました。監督・主演には、1976年の映画製作に関わった市川崑監督と俳優・石坂浩二さんが再び起用されました。以下では、映画「犬神家の一族」(2006年)の登場人物とキャスト、ネタバレを含めた映画のあらすじや結末まで、深堀りしてみましょう。

犬神家の一族とは

「犬神家の一族」とは、ミステリー作家・横溝正史原作の小説で、雑誌「キング」にて1950年1月号~1951年5月号まで連載されました。物語は、昭和2×年、信州那須に本宅を構える犬神製糸会社の創業者の死と謎の遺言状を巡る遺産相続の争いを描いた作品です。原作では、製糸会社と表記されていますが、映画やドラマでは製薬会社に変更されています。

映画「犬神家の一族」は、ミステリー作家・横溝正史の小説「犬神家の一族」を原作とし、1976年に市川崑監督を務め、主演に石坂浩二さんを迎えて映画化され、2006年には同監督と俳優によるリメイク版が制作・公開されました。2006年版では、主演の石坂さんを始め、1976年版に出演した俳優が再出演を果たしたことに加え、豪華俳優陣の出演が話題を呼んだ作品です。

原作と映画の相違のネタバレ

映画「犬神家の一族」の回想シーンにて登場した菊乃・青沼静馬の母親は、空襲により亡くなったと語られていますが、原作では、とある事故で視力を失うも、松子が師事する琴の先生として犬神家へ出入りしています。また、物語終盤にて、小説では佐智と小夜子との間に産まれた子供が成人した暁には、犬神家の経営権をその子供にも分けてほしいと乞い、珠世は快く承諾したのを見届け亡くなります。

映画化された横溝正史の小説

人間の持つ欲望がやがて悲劇を招く、現実世界でも起こりうるような世界観を小説で表した横溝正史の作品は、映画、ドラマ、舞台などの原作に起用されてきました。中でも、「犬神家の一族」は、「八墓村」に次いで映像化された回数が多い作品で、映画が3本、テレビドラマが5作品公開され、「二本映画の金字塔」とも称される名作です。

犬神家の一族(2006年)の映画キャストを紹介

映画「犬神家の一族(2006年)」には、日本を代表する豪華俳優陣に加え、主演の石坂浩二さん、加藤武さん、大滝秀治さんが30年前に演じた同配役で再出演し、1976年版に犬神梅子役で出演した草笛光子さんは、琴の先生役として再出演を果たし、女優・富司純子さんや俳優・仲代達也さんなどの豪華俳優陣の出演も話題になりました。以下で出演者と登場人物のネタバレを含めて紹介します。

金田一耕助役/石坂浩二

横溝正史のミステリー小説の主人公として多くの作品に登場する私立探偵であり、人懐っこい笑顔が特徴の人当たりが良い性格であるが、櫛を入れていない伸び放題の髪、しわだらけの絣の着物に袴とさえない恰好が難点であるとされています。石坂さんは、1976年版「犬神家の一族」でも、金田一耕助を演じた俳優であり、2006年版では年齢不詳の金田一を好演しました。

石坂浩二さんが演じる金田一耕助は、原作での金田一の姿を忠実に再現した「着物に袴」「ボサボサ頭」が特徴です。石坂さんは、1976年、2006年公開の映画「犬神家の一族」の他に市川崑監督の「悪魔の手毬唄(1977年)」「獄門島(1978年)」「女王蜂(1978年)」などの映画版・金田一耕助シリーズに出演しています。

野々宮珠代/松嶋菜々子

犬神佐兵衛の恩人・野々宮大弐の孫娘で、両親の死後佐兵衛の希望で犬神家に引き取られた女性です。頭も良い絶世の美女と謳われるも、ミステリアスな雰囲気を醸しだしています。珠世を演じた松嶋菜々子さんは2011年に放送されたドラマ「家政婦のミタ」の主演女優であり、高視聴率を記録した同ドラマは社会現象を巻き起こすほどの人気を博しました。

オリジナル版・リメイク版共に視聴したことがある方の中には、1976年公開の映画「犬神家の一族」で珠世役を演じた島田陽子さんの可憐なヒロインとは赴きが異なる、松嶋菜々子さんの珠世は、自らの運命を受け入れたたくましいヒロインに感じたファンが多いようです。
 

犬神松子/富司純子

犬神佐兵衛の長女であり、夫とは死別、戦地で顔に大やけどを負って復員してきた一人息子・佐清がいます。凛とした佇まいとは裏腹に勝気で強欲な性格が際立つ女性です。妹にあたる竹子・梅子とは、それぞれ腹違いの異母姉妹にあたり、険悪な仲が伺えます。松子役の富司純子さんは、2007年に紫綬褒章、2016年春の叙勲にて旭日小綬章を受賞した日本を代表する女優の一人です。

犬神佐清・青沼静馬/尾上菊之助

犬神松子の長男であり、珠世との恋仲をうかがわせる美青年である佐清は、作中ではマスク姿で登場していました。しかし、その正体は、犬神一族への復讐を企む顔が瓜二つの青沼静馬であり、母・松子が佐清と静馬を見間違えたことから、悲劇が起こってしまいます。佐清・静馬の2役を演じた尾上菊之助さんは、歌舞伎役者としても活躍する人気俳優であり、松子役・富士純子さんとは実の親子であります。

犬神竹子/松坂慶子

犬神佐兵衛の次女で、ふくよかな体形と直情的な性格が特徴の女性で、仮面の男の正体を疑ったことを共有したことから、梅子と結託する描写が見られます。婿養子に入った夫・寅之助は犬神製薬東京支店長を務めており、間に佐武と小夜子をもうけています。松坂慶子さんは、2009年に紫綬褒章を受章、2010年に「大阪ハムレット」にて、おおさかシネマフェスティバル主演女優賞を受賞した女優です。

犬神梅子/萬田久子

犬神佐兵衛の三女であり、3姉妹の中で一番の美人であるが、底意地も一番悪い所が難点の女性です。婿養子の夫・幸吉は、犬神製薬神戸支店長を務め、間に佐智を設けています。梅子役の萬田久子さんは、短大在学中の1978年にミス・ユニバース日本代表に選出され、同年に行われたミス・ユニバース世界大会に出場しました。後にタレント活動を経て、女優としても活動しています。

橘警察署長/加藤武

犬神家で起こった遺産相続をめぐる殺人事件の調査を担う橘警察署長役の加藤武さんは、主演の石坂さん、大山神官の大滝秀治さんと同じく、1976年版に引き続き同配役で出演しました。30年と変わらぬ容姿や気迫ある演技が、大滝さんと共に話題にのぼりました。

大山神官/大滝秀治

大山神官は、那須神社の神主を務める野々宮家の親戚筋にあたる男性です。那須神社には、出征前に佐清が納めた手形絵馬が保管されていること、佐兵衛の出自や珠世の出生の秘密など、大山神官の語り口はやがて金田一に一連の事件の糸口を与えました。大山神官役を演じた大滝秀治さんは、1976年版にも同配役で出演しており、2006年版でも変わらぬ姿が話題になりました。

犬神佐兵衛/仲代達也

映画「犬神家の一族」は当主である犬神佐兵衛翁の死から始まります。佐兵衛は、元は生まれた土地も知らない孤児であり、神社で衰弱していた所を偶然、那須神社の宮司・野々宮大弐に発見されます。後に野々宮大弐の支援を得て犬神製薬を創業・一代にして巨万の富を有する財閥へと成長させた実力者でした。

一方で、表での華々しい経歴とは反対に、私生活では正式な妻を生涯迎えることはなかったため、妾との間に産まれた3人の娘を生前は疎ましく思っていました。このような経緯と一族に残した謎めいた遺言状が、やがて佐兵衛が残した巨額の財産及び犬神財閥の経営権を巡る血なまぐさい争いを起こさせるきっかけになりました。

犬神佐兵衛を演じた仲代達也さんは、劇団俳優座にて舞台、映画、ドラマで活動を続ける傍ら、1975年からは後進の育成を目的とした俳優養成所「無名塾」を開設し、現在も舞台を中心に活動を続ける日本を代表する俳優の一人に数えられます。

犬神家の一族(2006年)の映画あらすじをネタバレ

映画「犬神家の一族(2006年)は、1976年版の脚本を元に制作されたリメイク作品です。まずは、犬神佐兵衛が残した遺言状と遺産をめぐる争い、そして争いにより巻き起こった殺人事件までのあらすじをネタバレを含めて辿ってみましょう。

あらすじ1:相続争い発端のネタバレ

昭和22年2月、那須湖畔に本宅を構える犬神佐兵衛が、一族に看取られて亡くなりました。犬神佐兵衛は、裸一貫から信州財界に多大な影響をもたらした犬神財閥の創始者であり、彼が残した巨額の遺産と犬神財閥の経営権は、一族が全員揃ってから公開されることとなっていました。しかし、佐兵衛の孫にあたる佐清がまだ戦地から復員せず、行方すら分からない状態でした。

あらすじ2:最初の殺人と遺言状

犬神家の顧問弁護士を務める若林の依頼で那須湖畔を訪れた金田一耕助は、突然、ボートが沈みかかった女性を見かけ、女性の使用人・猿蔵と共に彼女を救出します。彼女の名は、野々宮珠代と言い、半年前に亡くなった犬神佐兵衛の恩人の孫娘で両親の死後、犬神家へ引き取られた女性でした。猿蔵曰く、珠代が襲われたのは今回で3度目であり、意図的な犯行が疑われていました。

顧問弁護士・若林の謎の死

金田一が那須湖畔へ訪れたその日、彼が宿泊する旅館にて殺人事件が起こります。被害者は、金田一に捜査を依頼した若林弁護士その人で、殺害前にたばこを吸っていました。その後、厳重に保管されていたはずの犬神佐兵衛の遺言状が開封されたことが発覚します。若林殺害には、犬神家の一族の誰かが遺言状の内容を知るために若林を使ったことが推測されました。

遺言状は、犬神家の一族が全員揃った時点で、開封・発表されることになっているため、犬神家の顧問弁護士・若林と古舘によって厳重に保管されていました。そして、若林弁護士の殺害が起こったその日の夜、一台の車が犬神本宅の前に留まりました。その車からは、松子とマスクなどで顔を隠した男が現れ、屋敷の中へ消えてゆきます。

あらすじ3:最後の1人・犬神佐清の復員

犬神佐兵衛の死から半年が過ぎていたが、行方が分からずにいるもう一人のために遺言状は公開されずにいました。一族が犬神家本宅へ集結しお互いが反目しあいながら待つ中、犬神佐兵衛の長女・松子がゴム製のマスクをかぶった青年を連れて本宅へ来ました。マスク姿の青年は、戦争で大やけどを負い変わり果てた容姿の犬神佐清でした。これで、一族の人間全てが揃い、遺言状が公開されることとなりました。

そして、遺言状の開封に際し、松子の妹・竹子と梅子たちがマスク姿の佐清を見るなり彼が偽物ではないかと言いがかりをつけ始めます。この事に腹を立てた松子は佐清にマスクを外すように言います。佐清がマスクを少しばかり外した瞬間、佐清が負った傷跡のあまりの醜さに皆、気絶したり悲鳴を上げて怖がり、一旦、佐清の存在を疑うことを辞めます。

あらすじ4:遺言状の内容とネタバレ

犬神家の顧問弁護士を務める古館の依頼で、金田一の立ち合いの元遺言状が公開されます。しかし、その内容に一族は怒りを顕わにします。遺言状には、犬神家の全相続権を示す「斧(よき)」「琴(こと)」「菊(きく)」は、佐清・佐武・佐智の3人の孫から1人を配偶者に選ぶことを条件に野々宮珠世に与える、と書かれていました。野々宮珠世は、佐兵衛が生涯の大恩人と慕う野々宮大弐の孫娘にあたります。

また、諸事情により珠世が相続権を失った場合、犬神佐兵衛の財産は5等分され、その1/5ずつを佐清・佐武・佐智の3人に与え、残り2/5は、青沼静馬に与えると書かれていた。遺産が一族以外の人間の手に渡ることに納得がいかない犬神一族は怒りを顕わにし、遺産をめぐる珠世の争奪戦が始まります。そして、同時に一族を襲う悲劇も幕を開けました。

晴れぬ疑い

犬神家の相続権は、条件付きで珠世にあることが発覚してからも、竹子・梅子は、松子の長男・佐清の存在を疑っていました。ある日、佐清が出征時に願掛けとして手形を押したものを神社に納めていた過去を聞きつけ、一族立ち合いの元、佐清に手形の押印を迫ります。手形認証によりマスク姿の男が佐清本人であることを確かめるためです。しかし、その夜は松子のよそよそしい態度と反抗から手形を押収することができませんでした。

あらすじ5:最初の被害者

竹子や梅子とその家族が佐清の存在を疑う中、犬神家で殺人事件が発生してしまいます。被害者は、次女竹子の息子・佐武で、菊人形の頭の部分が佐武の生首にすり替えられていた状態で発見されました。現場に残されたブローチと珠世の証言から展望台で殺害されたと見られ、湖では犯行に使われた凶器と血のりの付いたボート、後に佐武と思われる遺体が発見されました。

珠世の証言によると、昨晩に佐武を展望台に呼び出し、以前佐清に修理してもらった懐中時計に付着している指紋と奉納手形を照合してもらうことを依頼しました。珠世が懐中時計を渡し立ち去ろうとした直後、佐武に襲われ身につけていたブローチを落としてしまいます。駆けつけた猿蔵によって助け出された珠世は彼と共に部屋へ戻り、1人残された佐武が何者かによって殺害されたと考えられました。

2人の復員姿の男

犬神佐武の死が新聞にて発表された頃、下那須のある旅館に顔を隠した復員服すがたの男が泊まりに来ました。後日、その男が泊まった部屋に、血のりが付いた手ぬぐいが落ちていました。そして、佐武の通夜の後に、復員姿の男が珠世の部屋に侵入します。部屋は荒され、駆けつけた猿蔵ともみ合うも、どこかへ逃走してしまいます。また、展望台では、何者かに殴られ気を失う佐清の姿が発見されます。

あらすじ6:佐清の手形

佐清殺害を受け、松子は佐清に手形合わせをさせます。鑑定の結果、マスク姿の男は佐清本人であることが証明されたことで松子は安堵し、一族の誰もがマスク姿が佐清本人であることを認めざるを得なくなりました。しかし、珠世だけは彼の存在をまだ疑っているようでした。それは、戦時中に狂ってしまった懐中時計をマスク姿の佐清に依頼するも、無言で突き返されたことがあったからです。

あらすじ7:2人目の被害者

犬神家の相続権は、松子の佐清、梅子の佐智の二人に絞られたある日、ボート遊びをしていた珠世の元に佐智が襲いかかる事件が起こります。麻薬らしきものを吸わされ気を失った珠世を連れて廃墟へ向かった佐智でしたが、そこで顔を隠した復員姿の男に撃退されてしまいます。その後、謎の男から電話を受け取った猿蔵によって珠世は介抱され、ことなきを得ました。しかし、その晩、第二の殺人が起こってしまいます。

被害者は、三女梅子の息子・佐智であることが確認され、絞殺された後、琴の糸を首に巻き付け中屋根の上に遺棄された状態で発見されました。佐智の死は、母親である梅子だけでなく、竹子の娘で佐智とは従兄妹同士にあたる小夜子にも衝撃を与えました。小夜子は、佐智の子供を妊娠していたのです。

あらすじ8:犬神家の一族の知られざる過去のネタバレ

佐武と佐智殺害に菊と琴が関わっていた経緯から、松子・竹子・梅子の3姉妹は、これまで謎とされていた青沼静馬と犬神家の3つの家宝にまつわる過去を明かします。今から30年前、佐兵衛は菊乃という女性に惚れ込んだ過去がありました。菊乃は、3姉妹と同世代であり、佐兵衛の男児を出産した唯一の女性でもありました。そして、犬神家財産の相続権を示す家宝「斧・菊・琴」を佐兵衛から授けられました。

この事実は、親子ほども年の離れた女性とその男児に犬神家の全財産を奪われると妾の子供として佐兵衛に疎まれて育った3姉妹の怒りに火を付けました。そして、ある年の冬、菊乃親子が身をひそめる農家に3姉妹が襲撃・折檻した挙句、3つの家宝を奪い去ります。その時、体中に傷を負った菊乃は、3姉妹に対して「3つの家宝で復讐をする」と誓い、親子共に行方をくらませました。

菊乃が出産した男児とは、佐兵衛が残した遺言状に書かれていた「青沼静馬」その人でした。しかし、佐兵衛の愛人であった菊乃は、先の大戦による空襲に巻き込まれ死亡したころが確認されたが、出征したと思われる青沼静馬の消息は、分かっていませんでした。ここで遺言状に書かれていた青沼静馬の正体が一族に初めて明かされました。

あらすじ9:犬神製薬のネタバレ

犬神家が戦争が起こるたびに躍進してきたことに目を付けた金田一は、古館から犬神製薬は、戦時中ケシの実から抽出される麻薬を軍部に売っていた過去を聞かされます。そして、金田一が依頼した薬学部の教授から若林が生前吸っていたタバコに毒が混入されていたことが明かされます。そこで、金田一は、たばこの毒とケシの関係を突き止め、ある場所へ向かいました。

犬神家の一族(2006年)の映画の結末をネタバレ

映画の後半では、複雑な犬神家の歴史と共に、犬神佐兵衛が恩人と慕う野々宮大弐の孫娘・珠世との知られざる接点、そして、マスク姿の醜い顔の男の正体と一連の事件の真犯人が金田一の推理により明らかにされます。。それでは、映画「犬神家の一族(2006年)」をネタバレを含めてあらすじと結末を辿りましょう。

結末あらすじ1:野々宮珠世の出生の秘密のネタバレ

金田一は佐兵衛の恩人・野々宮大弐が宮司を務めていた那須神社へ訪れ、犬神佐兵衛の過去を探りました。現在の神官の話によると、犬神佐兵衛が17歳の時、那須神社で行き倒れになっていた所を当時の宮司・野々宮大弐に保護されます。そして、犬神製薬創業の支援を受けながら、同性愛者であった大弐との男色関係だけでなく、大弐の妻とも関係を持ってしまいます。

やがて、佐兵衛と大弐の妻との間に産まれた女児は祝子と名付けられ、後に珠世を出産します。よって、犬神佐兵衛と野々宮珠世は、血の繋がった祖父と孫であることが発覚します。しかし、佐兵衛と珠世が血縁関係にあることは、現神官と探りに来た金田一以外に知る者はいませんでした。

結末あらすじ2:マスク男の正体のネタバレ

その頃、松子は珠世に佐清との結婚を迫っていました。しかし、珠世は、目の前にいるマスク姿の男が佐清本人ではないと言い放ち、結婚を拒絶します。困惑する松子をよそにマスク姿の男が正体を明かします。その正体は、犬神3姉妹が折檻を行なった菊乃が生んだ男児・青沼静馬であり、戦争により大やけどを負うも、犬神家への復讐だけを支えに生き延び、佐清に成り代わって犬神家を乗っ取ろうと企んでいました。

結末あらすじ3:最後の殺人

顔にやけどを負って復員してきた息子の本当の姿は、松子を含む犬神一族に復讐するために乗りこんできた青沼静馬だったことが発覚しました。そして次の日、湖では足が2本突き出た遺体が発見され、その遺体にはおびただしいやけど跡と斧で頭を割られた跡がありました。その頃金田一は、顔を隠した復員服と仮面から本物と偽物が巧みにすり替わっていたことに気が付きます。

結末あらすじ4:珠世と佐清

湖で佐清に成り代わっていた青沼静馬の遺体が発見された頃、珠世の元に復員姿の男・佐清本人が現れました。そして、佐清は珠世に自供の手紙を託しその場を去っていき、後に旧犬神邸で逮捕されます。警察の聞き取りでは、青沼静馬を脅して弟殺害に協力させたと供述していました。しかし、金田一は、佐清が静馬に脅されて犯行に及んだと反論します。

結末あらすじ5:佐清と静馬の接点とネタバレ

佐清と静馬は戦時中に所属した部隊の中で知り合い、出征中は瓜二つと称されるほど、容姿が似ていました。その後のビルマでの壮絶な戦いが行われ、静馬は、顔におやけどを追いながら日本へ帰還し、犬神家への復讐を胸に松子の元に佐清と偽って現れます。一方、佐清は、上官でありながらビルマの戦いで多数の死者を出してしまった責任感から復員することをためらい、帰還を遅らせていました。

結末あらすじ6:真犯人のネタバレ

日本へ帰還後、何者かが自分に成りすまして犬神家へ侵入した事実を知った佐清は、自分の偽物とすり替わるために犬神家に侵入します。そして、戦地であった青沼静馬と再会し、佐清と偽る静馬とすり替わろうと交渉します。その時、展望台へ訪れていた佐武の元に松子が現れ、2人は殺害現場を目撃してしまいます。

結末あらすじ7:偶然の集積と事件の真相とネタバレ

松子は、顧問弁護士・若林を買収し遺言状の内容を知ると、若林と遺産相続に邪魔だった甥・佐武と佐智の殺害を実行します。しかし、偶然にも佐武の殺害現場を佐清・静馬に目撃されてしまいます。そして、佐清は、自分の母親を庇うために静馬に脅される立場に追い込まれ、佐武の菊人形や佐智殺害の琴の糸の細工をやむなく行いました。

以外な証言者

金田一は、松子が静馬を殺害したその夜も、いつも通りに琴の先生を自室に呼び稽古に励んでいました。身内に不幸があったにも関わらず稽古に励む松子の姿に、琴の先生は異変を感じ取っていました。後に、琴の音程の乱れやケガをしたと思われる指をかばいながら引く松子の姿を、訪ねて来た金田一に話していました。

結末あらすじ8:佐兵衛の怨念

金田一による推理により一連の事件の真相と共に、珠世の出生の秘密が明かされました。犬神家の一族で起こった遺産をめぐる争いは、これにて終焉を迎えました。金田一の名推理により自分の罪を認めた松子は、父・佐兵衛の怨念から逃れられなかったと述べ、妹2人にこれまでの犯行を謝罪します。

最後に、古館が佐清の弁護を、珠世が佐清の帰りを待つ約束を聞くと、突然、その場で倒れ込んでしまいます。吸っていたタバコには、犯行に使用された毒が仕込まれていました。こうして、犬神家で起こった事件が無事解決し、東京へ戻ることとなった金田一は、予定より早い時間の汽車で帰路につきます。

犬神家の一族(2006年)の映画を観た感想とは?

2006年に公開された映画「犬神家の一族」は、1976年に公開された映画のリメイク版ともあり、ストーリーは同じ展開でしたが、CGなどのハイテク器材の使用して撮影・製作されました。しかし、視聴者からは76年版より怖さが半減してつまらないとの声が多く聞かれた作品でもあります。

時代背景にそぐわない映画だったとも

主役俳優と音楽、監督と基本的な演出が同じ映画でも、他の演者が違うだけで、かなり印象が変わる。
萎びた旅館のセットが妙にキレイだったり、三姉妹の着物が絢爛すぎたり、という物理的な事よりも、この珠代の強っぽさに代表されるような、人物の「現代感」が、本作にのめり込む心を阻害しているのだ。旧作の持っていた「大昔に、とんでもない金持ちゆえに、異常な金の亡者たちの家族が起こした話」という感じがしないのだ。

犬神家の一族は、終戦間もない日本、昭和2×年を舞台にある資産家で起こった遺産相続をめぐる事件を描いた作品です。リメイク版を視聴した多くの人が、当時の時代背景にそぐわない華美な衣装や道具類、人物たちが醸し出す「現代感」に違和感を覚え、結果、1976年版よりつまらないと思えたのでしょう。

リメイク版にがっかり

1976年版を押す声が圧倒的に多いのは事実。2006年のこれは安っぽい。
着物もそうだし、セット感まるだしの背景、車も雑。

でも平成の時代に作ったと思えばこんな感じなのでしょうね。平成映画、CG丸だし、底の浅い映画の限界点をみた。

1976年版の映画「犬神家の一族」は、マスク姿の男のやけど跡や佐武と佐智が遺体として発見された時の姿のように、生々しい描写が視聴者だけでなく出演俳優をも怖がらせる特殊メイクが人気に火を付けました。しかし、2006年のリメイク版では、佐清のやけど跡を始め、全体がソフトな仕上がりに制作されたため、76年版を最初に見た視聴者からは物足りなさを感じたでしょう。

怖いモノが苦手な人でも楽しめる映画

遺言状公開の場面、スケキヨが頭巾をとって白い仮面になるところ、旧作では日本映画史上に残るほど恐ろしい場面だったのに、今作ではあっさりしていてあまり怖くない。

旧作では黒頭巾の下がどうなっているかまったくわからず、首元からめくりあげてアゴあたりが出るまでは謎のまま、それが不気味な白い仮面だと気づいてその形状の恐ろしさにゾッとする。

1976年版の映画で、何気ないシーンひとつにも恐怖感を覚えた視聴者が多いでしょう。しかし、全体がソフトが仕上がりになった2006年版では、76年版に比べると怖さがマイルドになったため、結果、つまらないとの声が多く挙げられています。しかし、視点を変えればホラー映画が苦手な人でも楽しみやすくリメイクされたとも捉えることができる映画でしょう。

犬神家の一族(2006年)の映画ロケ地を紹介!

犬神家の一族(2006年)の舞台となった信州(長野県)那須市という架空の街の撮影は、自然豊かな長野県上田市、佐久市、大町市、安曇野市などを中心に撮影が行われました。以下に紹介する、金田一が降りたった那須駅と那須ホテル、犬神家本宅周辺と有名な両足が飛び出した湖のシーン、那須神社の舞台となった神社へ足を運んでみませんか。

那須駅

金田一が信州那須へ降りたった駅、映画で登場した「那須駅」の撮影が行われた場所は、しなの鉄道「西上田駅」北口です。犬神家の一族は、終戦間もない日本が舞台なので、その時代に似つかわしくない自動販売機などは撤去または車などで隠され、丸いポストを置いてレトロ感を演出させました。

犬神御殿の場所は

映画の舞台になった犬神家の本宅こと通称・犬神御殿は、仁科三湖の青木湖・木崎湖周辺に建てられたとされています。しかし、映画のワンシーンで、金田一が那須ホテルから湖を見渡す先に大きな屋敷・犬神御殿が見えますが、建物と背景を合成して制作されたため、そのような建物は存在しません。

湖面から突き出た足のシーン

犬神家の一族と聞いて、湖面から突き出た両足を思い浮かべる方が多いでしょう。映画の宣伝ポスターにも起用された、あまりにも有名なこのシーンは、大町市の仁科三湖の一つ青木湖で撮影されています。また、映画序盤にて、ボートに乗る珠世が溺れかかったシーンは、木崎湖で撮影されました。

那須神社

佐兵衛の出自や珠世の出生の秘密、佐清と静馬の正体など、映画では、一連の事件の重要なカギが隠されたん場所として金田一が足を運んだ那須神社は、長野県大町市に建てられた仁科神明宮であり、那須神社のシーンは、この神社にて撮影が行われました。仁科神明宮は、江戸時代に造営された築380年の日本最古の神明造の建築物であり、神明造の社として唯一の国宝に指定されています。

金田一が宿泊したホテル

映画にて金田一が宿泊した那須ホテルの撮影は、長野県佐久市にある「望月宿 井出野屋旅館」で行われました。この旅館は、1976年版でも金田一が宿泊する「那須ホテル」の撮影が行われてました。「望月宿 井出野屋旅館」は、建物自体は古いものの、隅まで手入れが行き届いた上品で古風な佇まいを変えることなく、現在も営業を続けられています。

犬神家の一族(2006年)のネタバレまとめ!

2006年に公開された映画「犬神家の一族」は、1976年に公開された映画のリメイク版で、出演した豪華俳優陣が話題となった一方、CGなどのハイテク器材の使用ゆえに、リアリティあふれる恐怖シーンがソフトに変えられしまった欠点があると指摘する声もあります。しかし、視点を変えれば、2006年版は怖い映画が苦手な方でも楽しめる映画とも捉えらることができる映画とも捉えることができるでしょう。

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