ソラニンの映画あらすじとキャスト！感想や主題歌も紹介【宮崎あおい】

本記事は、2010年に公開された映画『ソラニン』について、映画のあらすじや各キャラクターを演じたキャストについてをまとめた記事になります。ネタバレを含む内容になりますので、未視聴や未読の方はご注意ください。

映画『ソラニン』の原作は、浅尾いにお原作のコミックスになります。2005～2006年まで「週刊ヤングサンデー」にて連載され、単行本は全2巻発売されています。単行本の売り上げは90万部を越え、2009年にはアメリカで最も権威ある漫画賞の一つで、「漫画のアカデミー賞」と呼ばれている「ウィル・アイズナー漫画業界賞」の候補に選ばれています。

浅尾いにおは1980年9月22日生まれの茨城県出身の漫画家です。持ち込みをした処女作品が「ビッグコミックスピリッツ増刊Manpuku!」休載作品の代理原稿として掲載され、持ち込みからわずか1週間で漫画家デビューをするという衝撃のデビューを飾りました。

その後、『ソラニン』や「おやすみプンプン」など数々の人気作品を生み出し、一躍有名漫画家となります。漫画以外にも、「でんぱ組.inc」の楽曲の作詞をしたり、様々なバンドやアーティストのジャケットイラストデザインを担当したりなどしています。また、2018年9月には「おんなのいえ」などで知られる漫画家・鳥飼茜と結婚したことを発表しました。

『ソラニン』の映画化は、連載終了がしている2007年に「週刊ヤングサンデー」の誌面にて初めて発表され、その後2009年に宮崎あおいと高良健吾がＷ主演・三木孝浩が監督であることが公にされました。ちなみに三木孝浩は映画『ソラニン』が長編初監督作品となっています。映画は2010年4月3日公開に公開され、主題歌であるASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ソラニン」も人気となりました。

それでは映画『ソラニン』のキャストについてご紹介します。宮崎あおいなど人気俳優陣が多く出演しています！

主人公である井上 芽衣子は、社会人2年目のOA機器メーカーに務めるOLで、人間関係ややりがいのない仕事に嫌気が差し、そのまま会社を辞めてしまいます。同棲中の恋人である種田とは大学の軽音サークルで知り合い、その後付き合うことになり交際歴は6年目に突入しています。頑固者ですが芯の通った女性で、夢を追いかける種田を応援し、彼の背中を押します。

映画『ソラニン』にて井上 芽衣子役を演じたのは宮崎あおいです。2005年に公開された中島美嘉とW主演の映画「NANA-ナナ-」にて一躍大人気となり、その後NHKの大河ドラマ「篤姫」や連続テレビ小説「純情きらり」などの主演を務めた人気の女優です。2017年12月にV６の岡田准一と再婚したことを発表しました。

もう1人の主人公である種田 成男（たねだなるお）はバンドで売れたいという夢を抱き、バイトをしながらバンド活動を続けている青年です。大学時代の友人たちとバンドを組んでおり、「ロッチ」のギター兼ボーカルを務めています。恋人との芽衣子とは大学時代から6年間交際を続けており、1年前から同棲を開始しています。芽衣子に夢を追いかけろと背中を押されたことで、バイトを辞めて本格的に音楽に専念することとなります。

映画『ソラニン』にて種田 成男役を演じたのは高良 健吾です。2005年に大人気ドラマ「ごくせん」で俳優デビューを飾り、その後も「蛇にピアス」や映画版「白夜行」、「万引き家族」など様々な話題映画に出演している実力派俳優です。

種田たちの親友・山田 二郎はバンド「ロッチ」のドラムを担当しています。実家が営む薬局で働いており、昔から密かに芽衣子に恋心を抱いていたようです。小学生の時に体育の授業の跳び箱で、ズボンがビリっと破けてしまったことから、ビリーというあだ名がついています。

映画『ソラニン』にて山田 二郎役を演じたのは桐谷 健太です。2008年に出演したテレビドラマ「ROOKIES」で知名度を高め、その後もNHK大河ドラマ「龍馬伝」や「火花」などの人気作品に出演しています。またauのCM三太郎シリーズにて浦島太郎役を演じて話題となり、2015年から2年連続で「CMタレント好感度ランキング」男性部門の第1位を獲得しています。

種田たちのバンド「ロッチ」でベースを担当している加藤 賢一は、2年留年中で現在も大学に通う大学6年生です。風貌からデブというあだ名を付けられています。4年間口説き続けてようやく交際に至った、1つ年上の小谷アイという恋人がいます。バンド再開の際は、「お前についていくつもりだ」と種田に告げるなど、種田の才能を高く評価しています。

映画『ソラニン』にて加藤 賢一役を演じたのは近藤 洋一です。ドラマ「電車男」の主題歌で大ヒットとなった「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」を歌うロックバンド「サンボマスター」のベースを担当しています。映画『ソラニン』が映画初出演作品となりました。

加藤の彼女である小谷アイは、芽衣子たちより1つ年上になります。芽衣子の相談相手になってくれる優しいお姉さん的存在である一方で、恋人の加藤にはビール瓶で殴るなどカカア天下な一面も見せています。

映画『ソラニン』にて小谷 アイ役を演じたのは伊藤 歩です。1996年に岩井俊二監督の映画「スワロウテイル」にて映画に初出演し、その演技が評価され、第20回日本アカデミー賞で新人俳優賞と優秀助演女優賞を受賞しています。その後「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」や「関ヶ原」など数々の話題作に出演しています。

続いては映画『ソラニン』のあらすじをネタバレ込みでご紹介します。ネタバレ内容を含みますので、未視聴の方はご注意ください！

OA機器メーカーに務める芽衣子は、大学卒業後、バイトをしながら音楽への夢を諦めきれずにバンド活動をしている恋人・種田と同棲して共に暮らしていました。そんな中、芽衣子は面倒な人間関係ややりがいのない仕事内容に嫌気が差し、社会人2年目にして突然会社を辞めてしまいます。

その後芽衣子は種田のバンド練習に顔を出すようになり、かつての大学時代の友人たちでもあるバンドメンバーの加藤とビリーや、加藤の恋人・小谷などと大学時代に戻ったような楽しい時間を過ごします。そんな中、芽衣子は同窓会のために東京に訪れた母親に仕事を辞めたことを叱られてしまいます。大人になりきれない自分に苛立ちを覚える一方で、その不満の矛先は種田にも向けられます。

フリーターをしながら趣味程度にバンド活動をする種田。音楽への思いを表面的にあきらめ、頑張って大人になろうとしている彼に対して、芽衣子は種田に本格的にバンド活動を行い、夢を追いかけるように気持ちをぶつけます。芽衣子の言葉に感化された種田はバイトを辞め、メジャーデビューを目指し、本格的にバンド活動に専念をすることを決めます。

音楽に専念するようになった種田の姿を嬉しく思い、芽衣子は彼を優しく見守ります。その後種田たちは様々なレコード会社にデモ曲を送り、バンドデビューできるように奔走しますが、それも全て空振りに終わってしまいます。夢を諦めなければいけない現実に失望した種田は、その後芽衣子に別れを告げます。何とか和解をし、別れずに済んだものの、散歩に行くと出かけた種田はそのまま芽衣子の前から姿を消してしまいます。

種田が行方知らずの中、芽衣子は部屋から「ソラニン」という種田が作った曲を見つけます。その歌詞を見ると、それはまるで芽衣子に向けられた種田からの別れの曲のようでした。帰ってこない種田を思って悲しみにくれる芽衣子。5日後、そんな彼女の元に種田から電話がかかってきます。

以前の職場に復帰したことと、これからは夢を追いかけずに、芽衣子と二人で幸せになりたいことを告げる種田に、芽衣子は「うん、会いたい。早く帰って来て。」と彼の帰りを待ちます。芽衣子の元に帰るためバイクを走らせる種田ですが、様々な気持ちが湧き出てきます。「芽衣子や仲間たちがいる自分は幸せだ」「それって本当に幸せなのか？」と自問自答していると、種田の目から涙があふれ出てきました。

自問自答を繰り返しながら、種田は赤信号を無視して、バイクのブレーキを緩めることなくそのまま交差点で車と衝突し、病院に運ばれます。そして永遠に還らぬ人となってしまいました。その2か月後、種田を失って失意のどん底にいる芽衣子の家に、種田の遺品を整理しに種田の父親が現れます。

芽衣子の様子を見た種田の父親は、種田が死んだのは自分のせいだと責める彼女に、「どうか彼のことを忘れないでやってくれ、それが彼がいたことの証明になるから」と告げます。その言葉を聞いた芽衣子は、父親が部屋に残していった種田のギターを手に、彼の存在があったことを証明するために歌うことを決意します。

ギターを練習する芽衣子は、部屋で種田の日記帳を見つけます。「ソラニン」の歌詞とともにバンドデビューの夢を果たすための種田の決意の言葉が書かれているのを見た芽衣子は、この曲は恋人との別れの曲ではなく、過去の自分自身への別れの曲なのではと感じるようになります。そして芽衣子は、ライブハウスのステージに立ち、ビリーと加藤とともに、種田の遺作である「ソラニン」を歌い上げます。

ライブから半年がたち、芽衣子は都内の会社に転職することが決まり、種田とともに過ごしていた部屋を引き払うこととなりました。月2回のバンド練習をしながら、仲間との穏やかで楽しい日々に幸せを嚙みしめ、種田の作った「ソラニン」の歌を胸に、芽衣子は新たな人生のスタートを切るのでした。

映画『ソラニン』を見た人はどのような感想を抱いているのでしょうか？twitterなどから感想を調査しました！

主人公の1人である芽衣子を演じた宮崎あおいに称賛の声が寄せられました。社会の波にのまれ、大人になりきれない自分に苛立ち、さらには恋人を失ってしまうと女性という難しい役柄を見事に演じ切りました。また、実際映画内では宮崎あおいがギターを演奏して様々な曲を歌っており、その力強い歌声が素晴らしいとの声も数多くありました。主題歌「ソラニン」も宮崎あおいバージョンとして劇中にて歌っています。

大人になるために葛藤する人々の心情を描いたストーリーが「泣ける」「切ない」との感想も非常に多かったです。楽しい学生時代が終わり、社会の荒波にもまれる辛さを味わい現実に打ちのめされた経験を持つ大人たちの心を打った感動的な作品だったようです。

映画の主題歌でもあり、劇中では種田が作詞作曲した作品である「ソラニン」。当初は恋人との別れの曲と思われていましたが、過去の自分と別れ再出発を果たす曲でもあるということが分かり、さらに作品に深みを出した曲です。こちらもストーリー同様に素晴らしいとの声が多く寄せられていました。

以上が映画『ソラニン』に関する感想まとめになります。原作が人気コミックスなのと、宮崎あおい以外にも様々な役者の演技が光る素晴らしい作品だったことから、全体的に高い評価が寄せられていました。

前項にて評判の良かった主題歌であるとご紹介した「ソラニン」。主題歌として作曲を担当し、歌い上げたのは人気ロックバンドのASIAN KUNG-FU GENERATIONです。作中にてすでに作者の浅野いにおが歌詞を作成していたため、元からある歌詞にASIAN KUNG-FU GENERATIONがメロディーをつけて作成された楽曲になります。

映画主題歌としてはASIAN KUNG-FU GENERATIONが歌っており、劇中では宮崎あおいがコードなどを変えて歌い上げています。そのため１つの曲で2種類の雰囲気を味わうことのできる楽曲です。

映画・主題歌のタイトルにもなっている「ソラニン」とは、じゃがいもの芽に含まれる毒素のことを指します。作者の浅野いにおが当時交際していた彼女が「アジカンの新しいアルバム、『ソラニン』（実際は「ソルファ」の誤り）って言うんだって」という一言がきっかけで、このタイトルが付けられました。そのぐうぜんがきっかけで、ASIAN KUNG-FU GENERATIONに楽曲作成のオファーがされたようです。

本記事は、映画『ソラニン』のあらすじや主要キャラクターを演じたキャストの他、主題歌や視聴者の感想などをまとめましたがいかがだったでしょうか？宮崎あおいの演技や主題歌などの評判がとても良く、素晴らしい映画だったということがお分かりいただけましたでしょうか？また未視聴の方はぜひ原作・映画共にご覧ください！