ALWAYS三丁目の夕日'64のあらすじ・結末ネタバレ!キャストや感想も紹介

「ALWAYS三丁目の夕日'64」は「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの3作目で完結編です。東京オリンピックがいよいよ開催されることになり高度経済成長も大詰め。茶川家では竜之介が作家として窮地の傍ら、ヒロミが第一子を妊娠中。鈴木オートは自動車の普及で順風満帆。淳之介も16歳になり東大を目指し猛勉強中かと思いきや密かに執筆活動。お年頃の六子は密かに交際中。竜之介の帰郷と父親の死。茶川家第一子誕生、六子の結婚、淳之介の旅立ちを描いたシリーズ完結編が「ALWAYS三丁目の夕日'64」です。

ALWAYS三丁目の夕日'64のあらすじ・結末ネタバレ!キャストや感想も紹介のイメージ

目次

  1. ALWAYS三丁目の夕日'64のキャストは誰?あらすじ・結末や感想もまとめて紹介
  2. ALWAYS三丁目の夕日'64とは?
  3. ALWAYS三丁目の夕日'64のキャスト一覧
  4. ALWAYS 三丁目の夕日'64のあらすじを解説!
  5. ALWAYS三丁目の夕日'64の結末を解説!
  6. ALWAYS 三丁目の夕日’64を見た人の感想は?
  7. ALWAYS三丁目の夕日'64を是非ご覧あれ!

ALWAYS三丁目の夕日'64のキャストは誰?あらすじ・結末や感想もまとめて紹介

さて今回ご紹介するのは「ALWAYS三丁目の夕日'64」です。1964年、最初の東京五輪が行われた年を舞台に茶川竜之介役の吉岡秀隆やヒロミ役の小雪、鈴木オート社長の則文役の堤真一と妻トモエ役の薬師丸ひろ子、ロクちゃん役の堀北真希といったお馴染みのキャストにより涙あり笑いありの人情物語が展開されます。勿論、シリーズではお馴染みのVFXも健在です。劇場公開時は3Dでの放映。あたかも3丁目に立ったかのようです。

さて「ALWAYS三丁目の夕日'64」をご紹介するにあたり、まずは作品の概要を解説させて頂き、続いてキャストと登場人物たちのALWAYS三丁目の夕日'64版のご紹介。続いてネタバレによるあらすじ紹介とネタバレあらすじを踏まえての結末の考察。ALWAYS三丁目の夕日'64に寄せられた皆様の感想をご紹介させて頂き、感想をまとめたい次第です。観た方も観ていない方も、皆様どうか最後までお付き合いください。

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ALWAYS 三丁目の夕日'64

ALWAYS三丁目の夕日'64とは?

「ALWAYS三丁目の夕日'64」は「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの第3弾です。VFXで再現された建設途中の東京タワーや路面電車の走る町並みで観客を驚愕させ、興行収入32億円という大ヒット作となった「ALWAYS 三丁目の夕日」(05年)。その続編となった「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(07年)は前作を上回る興行収入45億円のメガヒットを記録。「ALWAYS三丁目の夕日'64」(12年)も興行収入34億円を記録しています。

ALWAYS三丁目の夕日'64でもVFXは最初から最後まで随所で活躍します。可能な限りネタバレあらすじ中の画像でご紹介しますが既に引退した新幹線0系も重要所で登場します。勿論、博物館に展示された物を合成。開通間もないのに車体が汚れているのは当時は防音対策やトンネル通過時などにつく車体の汚れを洗う設備が整っておらず、実際に汚れていたからだそうです。

ALWAYS三丁目の夕日'64のスタッフは?

シリーズ全作を通じて監督は山崎貴、脚本は古沢良平、製作会社はROBOT。主題歌は「ALWAYS 続・三丁目の夕日」から引き続きBUMP OF CHICKENが担当した「グッドラック」です。元々「ジュブナイル」や「リターナー」など和製SF映画の監督だった山崎貴監督もこの作品の翌年(13年)公開の「永遠の0」で第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。

「ALWAYS三丁目の夕日'64」ではケンジ役の染谷将太主演の「寄生獣」(14年)「寄生獣・完結編」(15年)では山崎、古沢コンビで映像化。「DESTINY 鎌倉ものがたり」(17年)ではALWAYS三丁目の夕日'64と同じ西岸良平原作の映像化に成功し、興行収入32億円の大ヒット作にしています。続編はキャストも全員フルCGだそうです。

ALWAYS三丁目の夕日'64の原作は?

「ALWAYS三丁目の夕日'64」の原作は西岸良平による日本の漫画作品「三丁目の夕日」です。1974年9月20日号より小学館「ビッグコミックオリジナル」に掲載され現在(2018年10月)も連載中のロングセラー作品です。既刊65巻。2013年4月20日号から体力の衰えなどを理由に「月イチ掲載のごあいさつ」を行い、月二回発行となる「ビックコミックオリジナル」に月1回の連載となっています。

独特のタッチで1955年から1964年までの「夕日町三丁目」を舞台としています。そんなわけで「ALWAYS三丁目の夕日'64」は原作の最後の年の物語ということになります。

ALWAYS三丁目の夕日'64のキャスト一覧

「ALWAYS三丁目の夕日'64」のキャスト一覧がこちらの人物相関図が示す通りです。ALWAYS三丁目の夕日シリーズではお馴染みの茶川家と鈴木オートを中心に物語は展開します。「ALWAYS三丁目の夕日'64」劇中でこの相関図も大きく変化します。

ALWAYS三丁目の夕日'64キャストと登場人物ご紹介

ここでは「ALWAYS三丁目の夕日'64」のキャストと登場人物をご紹介いたします。「ALWAYS 続・三丁目の夕日」での劇中展開と5年を経たALWAYS三丁目の夕日'64版として紹介します。尚、ネタバレあらすじでご紹介する内容になる部分は省略します。

茶川家(ALWAYS三丁目の夕日'64版キャスト)

吉岡秀隆演じる茶川竜之介は作家で東大卒の中年男。前作では芥川賞の最終選考まで残るも落選します。児童向けの娯楽雑誌『冒険少年ブック』で「銀河少年ミノル」を掲載中の看板作家ですが、彗星のごとく現れた新人作家「緑沼アキラ」に人気を奪われ連載打ち切りのピンチ。副業は駄菓子屋ですがこの収入では生活できないため、今は身重の妻・ヒロミの営む居酒屋の収入で養われる「ヒモ」状態です。

小雪演じる茶川ヒロミは竜之介の妻。紆余曲折あった上でついに夫婦になりました。茶川の仕事を陰で支えていますが、茶川の収入だけではとても生活できないため駄菓子屋の店舗の一部を改装した居酒屋「やまふじ」を経営しており、こちらの収入でどうにか家計をやり繰りしています。現在は妊娠中。

須賀健太演じる古行淳之介は血の繋がりはないものの、茶川夫妻に実の息子のように可愛がられます。高校1年生になり、東大を目指し勉強に勤しんでいます。しかし、将来の夢である小説家になることを忘れられず、竜之介に知られないようにこっそりと執筆活動をしています。

第一作から登場の須賀健太くんも作品と共に大きく成長しました。かつて吉岡秀隆さんがドラマ「北の国から」と共に子役から日本映画に欠かせない名優に成長した過程を見るかのようで、現在(2018年10月)は主演作を着実に増やしつつあります。また、本作から初登場の米倉斉加年演じる竜之介の父・茶川林太郎と高畑淳子演じる叔母の奈津子が登場します。

鈴木オート(ALWAYS三丁目の夕日'64版キャスト)

堤真一演じる鈴木則文と薬師丸ひろ子演じる鈴木トモエは相変わらずの夫婦。短気で粗暴、怒らせると毛が逆立つ「怒髪天モード」に突入する頑固親父と、おっとりお茶目なトモエの夫婦ぶりは相変わらず健在です。商売も順調で、カラーテレビを購入し、電柱に看板を出すほどで将来に不安はありません。唯一の悩みが長男・一平のギターが近所迷惑だということだけ。

小清水一輝演じる鈴木一平も淳之介と同様に16歳になりました。「不良」と陰口されながらもエレキギターの練習に余念が無く、鈴木オートの跡取りという親の期待なぞ何処吹く風です。親父のゲンコツにも慣れっこになっています。

堀北真希演じる星野六子。通称「ロクちゃん」もいっぱしの整備士になり、今では則文やケンジの尻を叩いて職場を仕切っています。まだ東北訛りが抜けず、垢抜けていませんがお年頃。おめかしして早朝の通りに立つのが日課になっています。

染谷将太演じるケンジは鈴木オートの社員。九州から上京して仕事に慣れ、先輩の六子に怒られる回数は減りましたが、社長の則文には頭をはたかれるなどの扱いです。

鈴木オートの面々にはケンジ役の染谷将太さんが加わった他はシリーズを通じて一緒です。須賀健太くんと同様に作品と共に成長した小清水一輝くんもALWAYS三丁目の夕日'64ではなかなか良い顔つきになりました。劇中では親友役の二人ですが、今の所は須賀健太くんが大きくリードしているようです。

夕日町の人々(ALWAYS 三丁目の夕日'64版キャスト)

もたいまさこ演じる太田キンはタバコ屋の店主。流行に敏感でポロシャツ姿やアイビージャンパー姿で元気溌剌。

三浦友和(特別出演)演じる宅間史郎は町医者。妻に先立たれ相変わらずやもめの寂しい暮らしをしています。原付バイクで診療に駆けつける様はシリーズを通じて一緒です。

この他にも電気屋の蛭子能収、氷屋のピエール瀧、肉屋のマギー、自転車屋の温水洋一、産婆の正司照枝といった面々が三丁目の住人として登場して脇を彩っています。

ALWAYS三丁目の夕日'64その他のキャストと登場人物

森山未來演じる菊池孝太郎は外科医師。早朝すれ違う六子に好意を抱いています。車がエンコするトラブルで六子の職場が鈴木オートだと知りますが、二人の恋の行方や如何に。

大森南朋演じる富岡裕一は娯楽雑誌「冒険少年ブック」の編集者で竜之介の担当。実は緑沼アキラの担当でもあります。作家と作品を見る目は確かで緑沼アキラの非凡な才能に注目しています。また、竜之介がスランプ気味だと気づいています。

森山未來は「ALWAYS三丁目の夕日'64」で報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞の助演男優賞や2013年度エランドール賞新人賞など数々の賞に輝きました。

ALWAYS 三丁目の夕日'64のあらすじを解説!

それではここから「ALWAYS 三丁目の夕日'64」のネタバレあらすじに入ります。見え見えの展開ではあるのですが佳境部分以降のネタバレが勘弁して欲しいという方向けに「注意」を出しますので、これから観ようと思っておられる方は其処を飛ばしてください。

「時代はカラー」ALWAYS三丁目の夕日'64の近況は?

茶川家の居酒屋「やまふじ」にもようやく念願の白黒テレビが設置されますが、鈴木オートでは「カラーテレビ」を購入出来るほどに羽振りが良く、得意げな則文に相変わらず憎まれ口を叩く竜之介。路面電車と共に車がひっきりなしに走り、完成した東京タワーが見下ろす夕日町三丁目から物語は始まります。

すっかり仕事に慣れ、後輩のケンジばかりか則文にも苦言を呈する程に成長した六子。あれでは嫁の貰い手がないと冗談を言う則文ですが、トモエは毎朝おめかしして早朝デートをしていることに気づいていました。一方、竜之介は結婚を機に二階まで増築したものの仕事の方はサッパリ。冒険少年に連載中の竜之介には彼を脅かすライバル「緑沼アキラ」が出現していました。勉強中の淳之介にも愚痴る竜之介。

竜之介は緑沼アキラを貶しますが、淳之介は竜之介の作品を褒めちぎります。早速、原稿の直しに取り掛かろうという竜之介ですが最近ご近所をお騒がせのエレキギターの音が、ロックにかぶれた一平が演奏の練習を始めたのです。これには父親の則文も頭が痛いところ。トモエが注意しても聞く耳在りません。竜之介は則文に東大進学を目指す淳之介の邪魔だと文句を言って則文と口論に、毎度のことでした。

朝の密会とデートのお誘い

タバコ屋のキンさんはおめかしした六子が一人の青年が通るのを待ち挨拶を交わす様子を目撃します。早速、仕事中の六子をからかいに行きますが、「構わねでください」とけんもほろろです。六子の頼みもあって則文やトモエにはしばらく内緒にすることにします。

トモエは子供たちが繰り出す「シェー」がなんだかわからりません。昼の食卓で「駆け落ち」の話をしていた則文は六子に話を振りますが、そんなことするわけがないと六子は笑い飛ばします。しかし、六子がお客を応対するとそこには朝の青年。六子は工員だとバレないようにしますが結局バレてしまいます。お代を取らない六子にお礼に休日お茶を奢ると言い、電柱の看板にある鈴木オートの番号に電話すると言って青年は去ります。

デート

六子は思いも掛けない展開にソワソワ。電話の前をウロウロします。則文に頼まれ仕事に戻る間に彼からの電話に則文が出てしまいます。案の定、不審者として対応。慌てて公衆電話に向かった六子は孝太郎に詫びの電話をいれます。

当時、「みゆき族」と呼ばれる若者を中心に休日に銀座をブラブラするデート所謂「銀ブラ」が流行っていました。孝太郎に誘われた六子はそれを初体験するのですが、なんとニュースで紹介されてしまいます。慌てて画面を隠しますがケンジにバレてしまいます。しかし、どうにかその場を誤魔化します。

一平の夢、淳之介の夢

一平はエレキギターの練習をしていて則文から注意され「こんなクソ修理屋」の一言で逆鱗に触れますが、殴ろうとした則文を軽やかにかわします。実は「鈴木一平とサンシャインブラザーズ」というバンドを組んでいましたが、リードギターの一平が下手くそなせいで女子には呆れられてしまいます。最後まで見届けたのは淳之介だけ。

氷屋の前の瓶コーラ自販機前でコーラを片手に冴えない反省会になりますが、どう逆立ちしても加山雄三にはほど遠い一平はともかく、淳之介の小説の才能は皆が認めていました。しかし、世話になった茶川夫妻に恩返しをしたいという淳之介は東大に入って安定した生活をすると語ります。

連載打ち切りの窮地と「チチキトク」

竜之介は「冒険少年ブック」の打ち合わせに出向きますが、担当の富岡に告げられたのは緑沼アキラのヴィールスから滲み出る非凡な才能と人気についてでした。漫画中心の編成になって以降、人気雑誌となりましたが漫画以外に読み物も必要だと富岡は考えますが、編集部は読み物は1本で良いという方針。茶川か緑沼かという選択になりますが、勝ち目はなさそうです。そこで茶川が思いついたのがファンレターの捏造作戦でした。

淳之介とヒロミにも協力するように頼む竜之介ですが、そんなことよりも大事なことを隠していました。竜之介の父親が危篤だという電報です。父親に勘当された身の竜之介は帰っても誰も喜ぶ者はいないと言いますが、ヒロミは父親の死に際して側に居られず後悔しています。乗り気ではありませんが竜之介は実家に戻ります。

林太郎は一時危篤状態に陥りましたが持ち直していました。竜之介は叔母の奈津子から事情を聞かされます。起き上がった林太郎は竜之介に「なんで居る」と言い放ち、カッとなった竜之介は「ボクは貴方が絶対になれないと言っていた小説家になりました」と言いますが、林太郎は「子供騙しの雑文だ。あんなのは小説とは言わん」と罵倒します。竜之介は後悔と共に東京に引き揚げるのでした。

東京オリンピック開幕

1964年10月10日、東京オリンピックの開幕です。鈴木オートではカラーテレビの前で、すずらんでは茶川一家が白黒テレビの前で固唾を呑んで見守っていましたが、上空にブルーインパルスが五つの輪を描くと、皆日の丸を手に飛び出して万歳します。

悩める三人

キンは六子が交際中の菊池孝太郎の評判を聞くため勤務先の病院を訪れます。しかし、婦長さんの話す内容を聞いてガックリ、追い討ちに菊池本人が若い看護師たちを気楽に食事に誘う姿を見て肩を落として帰ります。一方、そんなことも知らない六子は孝太郎に夢中で本日もデート。

オリンピックの開催で増えた外国人観光客に道を尋ねられた六子は困ってしまいますが孝太郎も話せないと言われ、六子はあらん限りの英語力でなんとか伝えようとしますが、すかさず孝太郎が流暢な英語で道案内します。「歌舞伎座に行きたかったんだって」と翻訳しますが、六子は怒ります。デートの後、一泊旅行に誘われた六子は戸惑います。

キンから評判を聞かされ気になった六子は孝太郎の後をつけますが、歌舞伎町でヤクザに迎えられる孝太郎の姿を見てしまいます。鈴木オートはアニマル浜口の活躍に沸いていますが六子は心ここにあらずといった具合です。

一方、竜之介もファンレターの捏造が富岡にバレて、これはいけないと諭されてしまいます。連載打ち切りを言い渡されガックリと肩を落として帰路につく竜之介。やまふじのカウンターでヒロミと淳之介に打ち切りの報告をした竜之介はうなだれます。一方、淳之介は自室の引き出しを開けます。「緑沼アキラ」は淳之介のペンネームでした。

六子はやまふじで泥酔し、ヒロミに孝太郎の件を打ち明け、遊ばれていると分かっていても捨てられると分かっていても好きだという気持ちが抑えられないことを告白します。悩みあぐねた末に「同郷の友人とのバカンスのため」休みたいと則文に申し入れます。

三つの露見劇

竜之介は煮詰まって淳之介の部屋に入り、淳之介が原稿を隠すところを見てしまいます。小説家はやめろという竜之介は「俺なんか身重の女房を働かせるヒモだぞ」と自嘲。その後、原稿に目を落とした竜之介は文体を一目見るなり「緑沼アキラの真似なんかやめろ」と言いますが、淳之介から「違います」と言われタイトルを見て、淳之介が緑沼アキラで原稿が新作のヴィールスだと知り驚愕します。

淳之介はヴィールスの連載を止めると言いますが激昂した竜之介は「同情かよ」と怒鳴った後、「どうして俺の言うことがわかってくれないんだ。東大言って良い会社に入って・・・」しかし、淳之介は「でも、ボクは」と退きません。竜之介は自分の姿を惨めだと思っていましたが淳之介はそう思っていませんでした。

竜之介は淳之介に原稿やアイデアノートなどを焼かせます。しかし、複雑な気分でした。見かねた則文が声を掛け、「親の心子知らず」という共通の話題について語り合いますが、稼業を継ぎたくない一平と、稼業を真似たがる淳之介では全く話にならず、「一平にもしも東大に合格出来る頭があったら?」というと則文はニヤニヤするばかりで想像も出来ません。帰宅するとヒロミが慌てた様子で電報を差し出します。「チチシス」。

竜之介が知らないだけで林太郎はずっと竜之介を応援していました。新作が出れば奈津子が買いに行き、芥川賞候補となった時には近所に配って回った程。落選した際はとても悔しがりました。いつか帰って来るかも知れないと部屋をそのままにし、本棚には冒険少年ブックが並べられていました。帰りの車中で複雑な物思いに沈み込みます。一方、富岡にヴィールスの連載中止を申し入れた淳之介は翻心を迫られても頑なに断ります。

六子は孝太郎と旅行に出かけます。その様子をサッカー観戦帰りの丸山と吉田に見られていました。則文は二人から「誰なんだあの男」と聞かれ、怒髪天モードに突入します。六子と孝太郎が帰るなりケンジと一平がそれを知らせにやってきますが、孝太郎は意に介しません。案の定、一発ブン殴られ扉を壊して店の外まで叩き出されます。しかし、孝太郎は暴力に訴えるならば受けて立つと退きません。

菊池孝太郎の人柄

則文を止めようと、トモエ、六子、ケンジ、一平が取り押さえようとしヒロミも駆けつけますが突き倒されて倒れ込みます。すると竜之介が乱入して則文にキック。トモエは一大事とばかりに産婆の手配や、宅間医師への連絡と的確に指示だしします。そんな中、孝太郎は産科医の心得もあると往診します。もはや、孝太郎や六子にかまけていられず、則文も大慌てです。

幸い孝太郎の診察で大事ないとわかり、一平が呼びに行った宅間医師も駆けつけます。孝太郎は旧知の宅間との再会に思わず和みます。一平が六子の彼氏だというと宅間はそれはいいと賛成します。一泊旅行の目的は千葉で診療所を営む父親に六子を紹介するためでした。鄙びた診療所での暮らしになり、贅沢はさせられないがそれでも嫁いでくれるかという意思確認でした。孝太郎は六子にプロポーズしたと伝えます。

則文は「お前の事はなんでも知っている。病院を何度もクビになった女誑しだ」と六子は弁明しようとしますが孝太郎は止めます。かわりに宅間が孝太郎の事情を明かします。クビは孝太郎の「無料診療」が問題とされたのです。お金に困った患者を見過ごせず、水商売の女性たちも孝太郎の世話になりヤクザからも信頼されたのでした。宅間も同じ活動をしています。孝太郎のことは宅間が保証すると請け合い、誰が見ても良縁でした。

しかし、六子はプロポーズを断っていたのです。それは就職の際に則文と交わした「鈴木オートで世界に打って出る」という約束を果たしておらず、恩返しも出来て居なかったからでした。則文とトモエは顔を見合わせ黙り込みます。小さく手を振って寂しそうに孝太郎を見送る六子。宅間は皆が上ばかり向いて出世を望む時代に「笑顔」のために悪評に耐えて人助けに奔走する孝太郎は得難いとし、よく考えて欲しいと言います。

宅間は「幸せってなんでしょうね?」と問いかけます。神妙な気持ちになる一同。宅間は誰も居ない我が家に帰っていきます。一方、皆、忘れてました。「ひろみぃぃぃ」と言いながら竜之介が産婆さんを背負ってきます。お産はまだだと知ると「およびでない」の一言。竜之介は産婆から「あわてもん」とはたかれます。

幸せの定義

六子を見ていてトモエは則文に嫁いできた頃を思い出します。好きな人と一緒にいるだけで幸せでした。一平が生まれ、則文は鈴木オートを建てました。大人に流れる時間は早い物です。六子も家族を持つ時期が来たのかも知れないとトモエは語り、則文は寂しそうな顔をします。

改めて正装した孝太郎と六子を並べて座らせ、則文とトモエはある提案をします。結婚しても従業員として鈴木オートで働けば良いと、世界に乗り出す頃には六子はお婆ちゃんになっちゃうとトモエは笑います。六子はケンジはまだまだ半人前というと襖の向こうで立ち聞きしていたケンジは今まで以上に頑張りますと宣言します。こうして孝太郎と六子の結婚は了承されますが、一平は決めるのは六子の青森のご両親ではとツッコみます。

淳之介が焼いたアイデアノートを見ていた竜之介にヒロミが語りかけます。そして、宅間医師の言葉を伝えて「私は幸せよ」と言います。竜之介は冒険少年の編集部に乗り込み、淳之介を諦めかけていた富岡に相談事を持ちかけます。

「注意」この先は本作の核心部分のネタバレあらすじとネタバレあらすじを踏まえた考察になります。読むと観る気が失せるという方は感想までお進みください。

東洋の魔女どころではない、ヒロミの陣痛始まる

女子バレーボール決勝、大松監督率いる日本チームとソ連チームの世紀の大一番。白黒放送ですがみんなで応援しようというヒロミに茶川家も鈴木オートに集まっての試合観戦となる筈でしたが、突然ヒロミの陣痛が始まってしまいます。みんな大慌て。男共はガレージに追い出され、ひたすら誕生の瞬間を待ちます。

宅間や孝太郎も駆けつけ、応援のため「アタック」を連呼。やがて産声が上がります。茶川家の第一子は女の子でした。我が子をヒロミに見せた後、茶川は「お前のお父さんだぞ」。続いて淳之介に抱かせ「お前のお兄ちゃんだぞ」。この言葉に淳之介は胸を熱くします。則文たちはみんなで万歳。巡回中のお巡りさんは「おっ、バレーボール勝ったかな」と呟きます。

ロクちゃんの花嫁姿

みんな晴れ姿で花嫁の登場を待ちます。タクシーも到着し、則文は急かします。トモエは嫁ぐときに母親から渡された真珠のネックレスを六子の首にかけます。「ロクちゃんがお嫁に行くとき渡そうと思ってたの、受け取って」そして「今日からロクちゃんの新しい家族が始まる。けれども私たちはずっと家族よ」。則文が入ってくると、六子は二人に「今日までお世話になりました」と挨拶します。

結婚式を教会であげることになり、皆祝福のため外で待ちます。孝太郎と六子が現れると「ライスシャワー」が始まりますが、習慣のわからない則文は豆まきのように米をぶつけます。トモエも「これお土産じゃなかったのね」の一言。

竜之介渾身の演技

茶川家に富岡がやってきます。そして、「緑沼先生に会いに来ました」と言います。竜之介は「東大一本に絞ってると言ってるだろう」と淳之介を呼びつけます。本心を言えと迫る竜之介に淳之介は「ボクは小説をやりたいです」と言います。竜之介が握りこぶしを作っても、ヒロミも富岡も黙って見守ります。おじちゃんが小説を悪く言うのは聞きたくないです。僕から書く事を取り上げないでください」と淳之介は絞り出すように言います。

竜之介は淳之介を平手打ちにし、そのまま二階へと上がり淳之介の荷物やカバンを纏めます。そして玄関先に放り出して「出て行け、お前のような恩知らずは顔も見たくない」と言います。悄然と立ち去る淳之介を見て富岡に目配せします。二人が去った後、ヒロミがすがりつきます。「本当に出て行っちゃったね」。ヒロミも富岡も了解の上での竜之介の一世一代の芝居でした。

見送り

鈴木オートの面々は新婚旅行に出る孝太郎と六子を東京駅のホームで見送ります。一平は「ハネムーンベイビー」かと六子をからかいます。六子は一曲弾いて欲しかったと言いますが一平は音楽の道は諦めていました。修理屋かとボヤく一平に孝太郎が車のエンジニアの道を教え、「カタカナの職業は女の子にモテるぞ」と言うと一平は満更でも無さそうな顔で「モテるかで人生決めないよ」と笑います。

発車のベルが鳴りドアが閉まっても見つめ合う孝太郎、六子の夫婦と鈴木オートの面々。孝太郎と六子を乗せた新幹線は西へ向かい走り出します。

忘れ物

竜之介は淳之介が去った部屋で寂しく黄昏れていましたが、ペン立てに自分がプレゼントした「万年筆」を見つけます。しばし感慨に耽る竜之介ですが突然走り出します。

淳之介は忘れ物に気づいて戻ってきていました。「これは小説家としてやっていく大事な道しるべだ」と言って学ランの胸ポケットに刺してやりますが踵を返し、「俺はお前を全力で叩き潰すからな、絶対に後悔させてやる」。淳之介は「おじちゃんの気持ち全部分かってますから、今までありがとうございました」と頭を下げ続けます。角を曲がった竜之介は「こっちこそありがとうだよ。お前がドン底から引き揚げてくれた」と言います。

三丁目の夕日

新幹線の車窓から六子は夕日を眺めます。則文とトモエは「祭り」が終わった感慨に耽りながら、一平がケンジに夢を語るのを聞きます。「富岡は本気になった茶川先生は来ますよ」と語り、淳之介は頷いて「僕はずっと側で見てきましたから」と答えます。キンさんと宅間医師も夕日を見上げます。竜之介とヒロミも赤ん坊を抱いて夕日を見上げます。こうして物語は終わります。

ALWAYS三丁目の夕日'64の結末を解説!

「ALWAYS三丁目の夕日'64」ネタバレあらすじの感想は如何だったでしょうか?完結編という事もあって色々な事柄に決着がつきます。ノスタルジィを感じさせる夕日町三丁目ともどうやらこれでお別れのようです。

「ALWAYS三丁目の夕日'64」のラストシーンは東京タワーと昭和30年代の東京を見渡し、富士山が遠くに見える夕日でした。登場人物達はそれぞれこの夕日を異なる場所で見上げることになります。VFXとは思えない自然で見事な情景です。

竜之介、ヒロミ、淳之介完結編

「ALWAYS三丁目の夕日」「ALWAYS続・三丁目の夕日」「ALWAYS三丁目の夕日'64」と3作に渡って続いてきた竜之介とヒロミの間には待望の女の子が誕生します。

「ALWAYS三丁目の夕日」ではあたかも夫婦・親子のようだった竜之介、ヒロミ、淳之介でしたが「ALWAYS三丁目の夕日'64」では竜之介自身が言うように茶川夫妻と長男・淳之介、長女の4人家族になりました。淳之介は巣立ちますが長男という地位は離れても変わることがないでしょう。

茶川竜之介を巡る親子の相克

物語のテーマの一つが「林太郎と竜之介」「竜之介と淳之介」という二つの親子の相克です。竜之介は東大卒ながら文学を志し林太郎から勘当されました。しかし、竜之介の最大の理解者は林太郎でした。この事実は奈津子の口から実は再会時にネタバレされます。竜之介は作家が楽な道でないことを痛感し、淳之介には自分の選ばなかった道を歩ませようとします。しかし、淳之介にとって「おじちゃん」が幼い頃から憧れでした。

淳之介は選ぼうと思えば実業家の実父の許で「豊かな暮らし」が選べました。それでも、竜之介の側に居ることを選んだ。ヒロミは結婚後も夫を「先生」と呼び支えようとします。竜之介は「自分が思うほどダメではない」と思っていたからで、林太郎も同じだった。結果的に竜之介は林太郎と同様に淳之介を勘当します。それは選んだ以上は「不退転の決意」を促すためでした。林太郎は自分の死で息子に財産を残します。

考えてみれば東大卒の竜之介はその気さえあれば良い就職口を得られますし、名士の父から遺産を相続出来るわけです。竜之介が淳之介に促した決意は自分への決意でもあります。竜之介はヒロミと我が子を食べさせていかなくてはならない。淳之介をライバルとして竜之介も本来の文学者に戻る。進学を断念した淳之介は才能と筆一つで食べていかなくてはならなくなります。茨の道を敢えて征く二人の作家の決意です。

六子の結婚

ロクちゃんとして三丁目の住人たちから愛されてきた六子も結婚し、医師の夫を支えることを選びます。下町親父の則文は六子の結婚に実の親以上に感情的になります。気立ての良い六子に悪い虫がつかないようにしてきた則文とトモエは我が子・一平に対するのと同様に六子を実の娘のように愛してきた。六子のためにケンジも奮起します。

2度目の東京オリンピックを控えて

2020年に二度目の東京オリンピックが開催されます。実は64年の東京五輪当時はまだオリンピックに対する認知度が低かったのです。幻の1944年、東京オリンピックは第二次世界大戦中で開催中止。終戦から19年を経て戦後の復興を印象づけるためにアジア初の東京オリンピックは招致が決定し、「柔道」が正式種目となります。しかし当時は「お家芸」と呼ばれていた「柔道」は今や参加国数なら最多を争う競技です。

警察官や軍人の育成にも役立つと途上国でも力を入れ、アジア、アフリカの小国でも選手を送り込んできます。柔道大国の日本、フランス、ドイツ、ロシア代表も研究され油断すると小国の無名選手に食われる苛酷な競技となりました。実は街の美化という日本の取り組みは64年大会が切っ掛けで小汚なかった東京が世界で一番清潔な都市と呼ばれるに至ります。また、認知度も大会を契機に高まったのです。

逆に2020年大会は開催反対派がいるほど。オリンピックに多額の予算をつぎ込む位なら震災復興や福祉の充実、ワーキングプア対策に予算を回せという意見もある程です。64年は新幹線や首都高速道路などのインフラ整備が課題でしたが、2020年大会は「如何にお金を掛けずにやるか」が課題です。サッカーW杯同様に招致活動の問題も指摘され、都市単独開催も次の大会で打ち止めとなりそうです。

ALWAYS 三丁目の夕日’64を見た人の感想は?

さてALWAYS三丁目の夕日'64のネタバレあらすじと結末解説は如何だったでしょうか?ここでは皆様の感想を様々なサイトから取り上げます。共感出来るか否かについては昭和30年代という時代背景を知っているかいないかでも変わります。しかし、世代を超えた家族の「絆」というテーマがシリーズ全体を通じて問いかけられているようです。

ALWAYS三丁目の夕日'64の劇中で三浦友和演じる宅間先生の「幸せとはなんでしょうね?」という名台詞に目頭が熱くなった人も多いのではないでしょうか?一作目から観ている方は宅間先生には妻も子供も居たけれどもいずれも亡くなっており今は独りぼっち。そうした人物の台詞だけにとても重みのある言葉です。

またALWAYS三丁目の夕日'64の劇中には出て来ない話ですがもたいまさこさん演じるタバコ屋の太田キンさん。タバコの専売権は戦争未亡人である寡婦の生活支援のために与えられたものです。つまり、明るく溌剌としたキンさんも夫や子供を亡くしている人です。この人自身の幸せは望めなくても、誰かの幸せを自分のものとして享受することは出来ます。「幸せとはなにか?」辛く苦しく見えても、本人がそう思えることです。

ALWAYS三丁目の夕日'64の感想

「ALWAYS三丁目の夕日'64」の感想を扱った国内の代表的なレヴューサイトでの感想・評価は3.7以上。辛口になりがちな邦画作品としてはとても高い数字です。今回は敢えてALWAYS三丁目の夕日'64の感想・評価を扱ったレヴューサイトではなく個人や団体の各ブログから感想を引用させて頂きます。

上の画像はALWAYS三丁目の夕日'64公開記念イベントで主要キャストの吉岡秀隆、堀北真希、薬師丸ひろ子、須賀健太と山崎貴監督が出席したときのもの。大空に333とペインティングはアクロバット飛行によるものです。作中の五輪マークは勿論VFX。

感想、とにかくよかった!古沢良太は、今、日本で一番うまい脚本家といっていいだろう。シリーズの中で一番好きな「ALWAYS」でした。

子供たちの「シェー」。漫画家・赤塚不二夫が「おそ松くん」で流行させたこのポーズが分からず、劇中で薬師丸ひろ子さんが披露しています。マサカの続編「おそ松さん」はこの映画の公開3年後(2015年)の作品ですが社会現象化するほどの大ヒットアニメになり、劇場版も製作決定(2019年公開予定)。赤塚先生もあの世で「シェー」となっているかも知れません。

本当にその場所に立っているかのような奥行きを感じさせる臨場感を体感させる”3D”なので、従来の”3D映画”で不快に思った目の疲れはそんなに意識せず自然に映画に集中出来るのは凄い進化です!

訓練では一度も成功しなかったのに本番では大成功した航空自衛隊「ブルーインパルス」による奇跡の五輪マーク。ALWAYS三丁目の夕日'64劇中ではVFXとはいえ空に五輪マークが描かれるこのシーンが中盤のクライマックスとなります。

今日より、明日はきっと良い日になる。観た人を、そんな前向きな気持ちにすることの出来る、良い映画だと思います。

この物語には、悪人はいません。善良なとなり近所の人情味溢れる話で、涙あり笑いありで、震災以来特に云われている絆がこの時代は普通にあったようです。今から考えれば、物質的には、すべてに貧しいものでしたが、精神的には、今より豊かであったかと思われます。

ALWAYS三丁目の夕日'64を是非ご覧あれ!

さて長々と「ALWAYS三丁目の夕日'64」をご紹介して参りましたがご満足頂けたでしょうか?「ALWAYS三丁目の夕日'64」はあの「東日本大震災」の翌年1月に公開されました。福島原子力発電所のメルトダウン事故や電力供給不足による計画停電などもあってとても慌ただしく、CMの自粛や「のぼうの城」の公開延期など暗い影が付きまとい「絆」という言葉が叫ばれた2011年。年を新たにして人々に勇気を与えた作品です。

今もまた日本各地は災害に見舞われ続けています。傷が癒えないあちに新たな傷を負う。そういうときだからこそ明るく勇気と元気を貰える「ALWAYS三丁目の夕日'64を」観て「日本人は何処からでも何度でも立ち上がれる」のだということ世界に向けて力強くアピールする必要があるのではないでしょうか?

2020年の二度目の東京オリンピックでALWAYS三丁目の夕日'64の登場人物達のような高揚感を味わい、夕日を見上げて「まだやれるのだ、これからだ」と決意を表明してみませんか?ご覧になられていない方は、希望を見失いかけた方は是非またご覧になられては如何でしょうか?

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