ジョゼと虎と魚たちのネタバレあらすじと感想!映画のラスト・結末も解説

妻夫木聡さんと池脇千鶴さん主演の「ジョゼと虎と魚たち」は青年と足の悪い少女のラブストーリーです。綺麗でハッピーな物語というよりは人間的で生々しさを持つこちらの映画はそのリアルさにより心に突き刺さるという感想も多くありながらもファンも多くいる作品です。今回はこちらの「ジョゼと虎と魚たち」の映画のネタバレあらすじ、結末をご紹介します。見た方の感想も合わせてご紹介するので未鑑賞の方も鑑賞済みの方もぜひ参考にしてみて下さい。

ジョゼと虎と魚たちのネタバレあらすじと感想!映画のラスト・結末も解説のイメージ

目次

  1. ジョゼと虎と魚たちのあらすじと感想が気になる!
  2. ジョゼと虎と魚たちの原作小説とは?
  3. ジョゼと虎と魚たちの映画あらすじをネタバレ紹介!
  4. ジョゼと虎と魚たちの映画のラストは?結末をネタバレ解説!
  5. ジョゼと虎と魚たちの映画を観た人の感想とは?
  6. ジョゼと虎と魚たちのネタバレまとめ!

ジョゼと虎と魚たちのあらすじと感想が気になる!

妻夫木聡さんと池脇千鶴さん主演の「ジョゼと虎と魚たち」はピュアで切ないラブストーリーです。切なく苦しいという感想も多くあるこちらは綺麗ごとだけではうまくいかない現実が描かれている映画です。こちらでは映画「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじ・結末のネタバレから、実際に鑑賞された方も感想も合わせてご紹介します。気になっていた方はこちらの記事を合わせて参考にしてみて下さい。

また、妻夫木聡さんと池脇千鶴さん、上野樹里さんや新井浩文さんといった演技派の方々がキャストとして出演されています。キャストの方々の演技もリアルで、より感情移入できる作品となっています。ジョゼ、恒夫、香苗、3人の気持ちは誰も間違っておらずリアルで理解できるものです。またその時の自分の状況で感情移入する登場人物が変わります。そういった部分も合わせてご鑑賞ください。

ジョゼと虎と魚たちの原作小説とは?

「ジョゼと虎と魚たち」は短編小説が原作

「ジョゼと虎と魚たち」は116分と普通の映画と変わらない時間ですが、実は原作となった小説は30ページほどの短編です。そのため、映画では小説では書かれなかった部分を膨らまして作られています。原作と映画の違いは後述しますのでご覧ください。

書かれた田辺聖子さんは芥川賞作家!

作家は田辺聖子さんという女性の方で、恋愛小説を中心に書かれています。多くの本を出されている作家さんですが、なんと2作目の「感傷旅行」で第50回芥川賞を受賞しています。そしてその後も数々の賞を受賞し、1995年に紫綬褒章、2000年は文化功労者、そして2008年には文化勲章を受賞するという輝かしい経歴をお持ちです。「ジョゼと虎と魚たち」以外の作品もとても素敵ですので、気になった方はぜひ一読ください。

映画と原作の違いをネタバレ

上記のように原作は短編であるため映画では内容を追加しています。大きく変わるのは始めとラストです。原作では、ジョゼと恒夫は最初から付き合っています。そしてラストも2人の愛は変わらず一緒に過ごしています。映画では付き合う前から2人の別れまで書かれているため、切ないラブストーリーとなっています。序盤とラストが変わるというあまりない展開ですが、違和感がなく、むしろしっくりくる内容になっています。

短編では終始2人の愛が書かれています。その内容はほっこりとする素敵なものですが、付き合うまでの過程、そして足が不自由なことで普通のカップルのようにはいかないリアルな葛藤から最後の決断は小説に書かれなかっただけで実際にそうであっただろうというくらいに自然な流れになっています。次からはその映画版のあらすじ・結末のネタバレを詳しくご紹介していきます。

ジョゼと虎と魚たちの映画あらすじをネタバレ紹介!

「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじネタバレ①平凡な大学生と乳母車の少女の出会い

平凡な大学生の恒夫は雀荘でアルバイトをしています。恒夫はその雀荘で近所を徘徊するという老婆の話を耳にします。アルバイト終わりのある日の早朝、家に帰ろうとする恒夫は坂から転がり落ちてくる乳母車に出くわします。乳母車の中には包丁を持った少女がおり、恒夫は間一髪のところで避けます。あとからやってきたのは噂になっていた老婆でした。孫の存在を周囲に隠す彼女は早朝の散歩を日課にしていたのです。

「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじネタバレ②ジョゼをネタにする恒夫

少女の名前はジョゼといい、原因不明の病により生まれてから1度も歩いたことがないのだと言います。2人を送り届ける恒夫ですが、お礼に朝食を食べていくようにと招かれます。歩けないゆえに家の中でダイブしながらつくるジョゼに驚く恒夫ですが、出来上がった朝食はとても美味しいものでした。食べ終わって大学に着いた恒夫は好意を寄せる香苗に会い、福祉関係を目指す彼女との話のネタにジョゼのことを面白おかしく語ります。

「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじネタバレ③世界が見たいというジョゼ

恒夫は香苗とキスをしますが、香苗にはそのまま帰られてしまいます。一方のジョゼは顔に怪我をしていました。怪我は散歩中に雀荘のお客さんにやられたものでした。恒夫はジョゼに散歩をやめるように言います。しかしジョゼは「色々な世界を見たい」と主張し、散歩をやめることを断るのでした。そんなジョゼに恒夫は魅了を感じていきます。実家から届いた野菜を持っていき一緒に料理をするなど度々彼女の家を訪れます。

「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじネタバレ④交流を深めていく2人

また、ゴミ捨て場で拾ったという本の続きが読みたいというジョゼに古本屋で見つけた続編をプレゼントします。2人は交流を深めていき、恒夫はジョゼが昼間でも散歩ができるように乳母車にスケボーを取り付け、2人で散歩をするのでした。ジョゼの幼馴染のもとを訪れたり芝生に寝っ転がって空を眺めたり、内緒で出かけたことでおばあさんには怒られますが楽しい毎日を過ごします。

「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじネタバレ⑤家のリフォームと傷つくジョゼ

福祉について調べていた恒夫は国の補助で家をバリアフリー化することができると知ります。早速ジョゼの家のリフォームが始まります。ジョゼは工事中、押し入れの中に入り本を読みながら過ごします。そんなジョゼの家に福祉関係を目指しているという理由から香苗も訪れました。そこで恒夫が面白おかしく聞かせた話をしてしまいます。自分のことをネタにしていた恒夫にショックを受けたジョゼはその夜泣きながら帰れと言うのでした。

「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじネタバレ⑥再会した2人

数か月後、就職活動でジョゼの家のリフォームをした会社を訪れた恒夫は、工事担当者からジョゼのおばあさんが亡くなったことを聞きます。面接を途中で抜け出し、恒夫はジョゼに会いに行きました。招き入れたジョゼにおばあさんがいないことで足の不自由さをどう埋めて生活しているのかを問います。ジョゼは近所の変質者に胸を触らせる代わりにゴミ出しをさせていると答えます。抗議する恒夫にジョゼは「帰れ」と言います。

「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじネタバレ⑦本音を打ち明けたジョゼ

言われた恒夫は大人しく帰ろうとしますが、ジョゼは「帰れと言われて帰るなら帰れ」と恒夫を叩き泣き叫びます。そして「本当は一緒にいて欲しい」と涙ながらに訴えるのでした。そんなジョゼのことを抱きしめ、2人は結ばれます。付き合い始めた2人は一緒に暮らし始めました。

「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじネタバレ⑧ジョゼの1番怖いもの

ある日ジョゼの希望で、動物園に虎を見に行きます。ジョゼには好きな人ができたら世界で1番怖いものを見に行くという夢があったのです。ジョゼの思う世界で1番怖いものは虎であったため、動物園を訪れたのでした。檻に入った虎に怯えるジョゼを恒夫は優しく見守ります。2人は幸せな時を過ごしていました。

「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじネタバレ⑨妬む香苗の行動

ある日、近所の小学生に散歩に連れて行ってもらっていたジョゼの前に香苗が現れます。恒夫のことを想っていた香苗は、足が不自由なジョゼに「その武器が羨ましい」と言います。しかし負けじとジョゼは「だったら切ったらいい」と言い返します。その言葉にカッとした香苗はジョゼのことを引っ叩き、ジョゼが彼女を叩けるようにしゃがみます。そして叩かれた後、もう一度ジョゼを叩いて去っていきました。

ジョゼと虎と魚たちの映画のラストは?結末をネタバレ解説!

「ジョゼと虎と魚たち」の結末ネタバレ①挫折していた香苗

1年後、社会人として働く恒夫は道すがら街でキャンペーンガールをしている香苗に再会します。福祉関係を目指していた香苗でしたがジョゼとの出会いもあり挫折していました。偏見や恒夫に対する想いからジョゼへの妬みによって挫折した自分を恥じる香苗を恒夫は慰めます。ここから香苗との交流も復活します。

「ジョゼと虎と魚たち」の結末ネタバレ②旅行に行くジョゼと恒夫

法事のために実家に帰る恒夫は親にもジョゼを紹介しようと旅行もかねて出かけることになりました。幸治に車を借り出かけますが、ジョゼは初めて見る車からの風景やカーナビに興奮してはしゃぎます。ジョゼには怖いものを見る以外にもう1つ、魚が見たいという夢がありました。その夢を叶えるためにまず水族館へ向かいますが運悪くその日は休館日でした。

「ジョゼと虎と魚たち」の結末ネタバレ③恒夫の苛立ちと怯み

休館日だったことにショックを受けたジョゼはそれでも見たいと駄々をこねます。また、車イスを持ってきていたにも関わらず、使うことを拒否し恒夫におんぶすることを求めます。そんな彼女のわがままに恒夫の苛立ちも募ります。そしてその状態で家族に合わせることに躊躇し、弟に行けなくなったと電話するのでした。事情を知る弟に「怯んだのか」と言われた恒夫は何も言い返せませんでした。

「ジョゼと虎と魚たち」の結末ネタバレ④砂浜でのデート

恒夫は障害を持つジョゼと自分との違いに気付いていました。しかし、そんな恒夫の気持ちを知ってか知らずか、機嫌を直したジョゼは海に行きたいと言います。初めて見る海にはしゃぐジョゼを恒夫はおぶりながら散歩しました。先ほどの苛立ちを忘れたかのように2人は存分にじゃれ合います。満足し、帰宅する途中で「お魚の館」というラブホテルを目にします。あそこに行きたいというジョゼの願いを聞き、泊まることにしました。

「ジョゼと虎と魚たち」の結末ネタバレ⑤心情の変化を察するジョゼ

大きな真珠貝のベッドで2人は横になります。ジョゼは天井の魚たちを見ながら自分は深い海の中にいたと話します。そして、そこから恒夫が引っ張り上げてくれたと語るとともに、「いつかあんたが居なくなったら、独りぼっちの貝殻のように転がり続けるだろう」と言います。「そんなの寂しいじゃん」と言いながら恒夫は寝てしまいます。そんな恒夫にジョゼは「でも、まあ、それもまた良しや」と微笑みキスをするのでした。

「ジョゼと虎と魚たち」の結末ネタバレ⑥別れの時

数か月後、別れの時が訪れます。荷物をまとめた恒夫にジョゼは餞別だとエロ本を渡しました。家の外で待っていた香苗と共に談笑しながら歩き出しますが、ふとこらえきれなくなり泣き崩れます。別れの理由を、自分が逃げ出しただけだと語り、「僕がジョゼに会う事はもう2度とないと思う」と号泣します。その後、ジョゼは電動車イスに乗りながら買い物をし、家で料理をしながら1人でたくましく生きているのでした。

ジョゼと虎と魚たちの映画を観た人の感想とは?

映画「ジョゼと虎と魚たち」の感想①心に突き刺ささる

映画「ジョゼと虎と魚たち」の感想で多かったのは心に突き刺さるという声でした。平凡な大学生と障害のある少女の恋は、ハッピーエンドな結末ではありませんでした。障害があっても乗り越えて結ばれるという結末が多い中、その逆を行くストーリーはモヤモヤし、心に影を落としながらもその切なさがたまらない内容となっています。

障害のあるジョゼに対し、周囲の反応は冷たいものでした。雀荘のお客さんにはけがを負わされ、実のおばあさんには存在を隠され、福祉を目指しているはずの香苗はジョゼを笑い、また妬みます。そして受け入れてくれた彼とも若さもあり現実を見てしまったことで別れてしまいます。それは厳しいながらもある種のリアルさも感じされるストーリーです。そんな内容は見る人の心をえぐるものでもあります。

映画「ジョゼと虎と魚たち」の感想②好きな邦画候補にランクイン

一方で好きな邦画を選ぶなら「ジョゼと虎と魚たち」がランクインするという感想も多くあります。それは切なくリアルな描写に理由があります。短いながらも恒夫とジョゼの付き合いはとても穏やかでした。その別れも嫌いになったわけではありません。恒夫の「別れても友達になれる種類の女の子もいるけど、ジョゼは違う」という言葉の後のもう会えないと泣き崩れる様子は誰もが経験したことのある心情となっています。

また、恒夫との別れも察知し、いなくなったら深い海に戻っていくという発言をしたジョゼでしたが、最後の場面では自立した女性へと成長していました。恒夫との出会いによって幸せを実感し、世界を見たジョゼの未来は暗くはなく、先がある終わりとなっています。そんな切なく苦しいながらも人の尊さと経験したことのあるようなリアルさを描いたストーリーに共感し、一番好きな映画という感想が多くありました。

映画「ジョゼと虎と魚たち」の感想③くるりの主題歌が合っている

「僕が旅に出る理由はだいたい百個くらいあって」という歌詞から始まる主題歌の「ハイウェイ」は優しく前向きな気持ちにさせてくれる曲です。「飛び出せジョニー気にしないで」「全部後回しにしちゃいな勇気なんていらないぜ」という歌詞は、とりあえず外に出てみればいい、なにかあったらその後に考えればいいというように捉えられます。そしてこの歌詞はジョゼの生き方ととても合っているのです。

ジョゼが本が好きなことや「世界がもっと見たい」という発言は、足が不自由ゆえに自由に飛び出せないけれども行動したいという気持ちがあふれ出ています。その結果怪我を負ったり怒られたりします。それでもジョゼはめげずに行動し続けました。結果、夢を叶えられそういった経験により1人で生活も出来るようになるのです。そんな「ジョゼと虎と魚たち」の世界にマッチした曲も合わせて鑑賞してみてください。

ジョゼと虎と魚たちのネタバレまとめ!

映画「ジョゼと虎と魚たち」の詳しいネタバレをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。心に突き刺さり、見終わった後も喪失感が残る作品ですが、同時に何度も見返したくなる内容となっています。内容を知っていても楽しめる映画ですので、未鑑賞の方はぜひご覧ください。秋の夜長に、暖かい飲み物を飲みながらこの切ないラブストーリーを鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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