シティ・オブ・ゴッドはギャング映画の傑作!あらすじをネタバレ紹介

ギャング映画の傑作であり、見るべき映画として数えられる『シティ・オブ・ゴッド』とはいったい、どんな映画なのでしょう。『シティ・オブ・ゴッド』の舞台である1960年代のブラジルの暗部がはっきりと浮き彫りにされている作品です。この映画のあらすじと評判をレポートします。実話を元にリアルを追求して制作された映画は見る者の心を鷲掴みにします。映画を見終わったあなたの心には何がのこっているでしょうか。ネタバレ注意です。

シティ・オブ・ゴッドはギャング映画の傑作!あらすじをネタバレ紹介のイメージ

目次

  1. シティ・オブ・ゴッドのあらすじをネタバレ紹介!
  2. シティ・オブ・ゴッドとは?
  3. シティ・オブ・ゴッドの映画あらすじをネタバレ!
  4. シティ・オブ・ゴッドは実話なのか?
  5. シティ・オブ・ゴッドの感想や評価を紹介!
  6. シティ・オブ・ゴッドのあらすじネタバレまとめ!

シティ・オブ・ゴッドのあらすじをネタバレ紹介!

ギャング映画も数多ありますが、いくつのタイトルを思い浮かべることができるでしょう。映画好きな人が過去の作品で名前を浮かべることができる映画の中でも、上位に位置する作品として『シティ・オブ・ゴッド』があります。2002年に公開されたブラジル映画で、その年の話題の1本です。記憶に残る実話をもとにして制作された映画をあらすじをネタバレしつつ紹介します。『シティ・オブ・ゴッド』をしっかりと紐解きます。

シティ・オブ・ゴッド | アスミック・エース

シティ・オブ・ゴッドとは?

まずはあらすじの前に『シティ・オブ・ゴッド』がどのような映画作品であるのか紹介していきます。まだ見ていない人は、こんな映画なんだという概要を知ってください。また、過去に映画を見た人は『シティ・オブ・ゴッド』の情報を確認しながら映画の余韻を思い出してください。ここにもネタバレ要素があります。

劇中の時代設定

『シティ・オブ・ゴッド』は1960年~1970年後半を時代背景として、リオ・デ・ジャネイロに数多点在する「ファベーラ」と呼ばれるスラム街を舞台にしています。強盗や殺人が日常的に繰り返されるその地域は「神の街」とよばれていて、そこを生き抜くストリートチルドレンの実態を如実に浮き彫りにしています。私たちからすると「ホント?」と首を傾げたくなる出来事と、隣り合わせに生きる彼らの日常が刻まれています。

ギャング映画の傑作!

ジャンル分けをすると『シティ・オブ・ゴッド』はギャング映画のかてごりーですが、物語はストリートチルドレンがメインです。『シティ・オブ・ゴッド』が評判になったのはいくつかの要因がありますが、リアルを演出しようとした結果が傑作となりました。映画は全ての作品においてフィクションです。しかし出演者やロケ場所、言葉や小道具などリアルを追求することで生まれる空気感があります。この映画もそんな1本です。

出演者はブラジルのスラム街からオーディションで選んで、ファベーラと言われる貧民街に住まう一人ひとりのキャラクターを自然体に作り込むことから始めました。役者は素人で演技を知りません。簡単な演技の指導を施す程度で撮影がすすめられました。狙いは彼らが他人に強制された演技をするのではなく、アドリブ主体の演技をさせることで、『シティ・オブ・ゴッド』の空気感を演出することができました。

アカデミー賞4部門ノミネート!

『シティ・オブ・ゴッド』を撮った監督はこの作品が処女作であり、その上役者がファベーラの素人を使っているにも関わらず、アカデミー賞で4部門もノミネートされるという快挙を成し遂げています。残念ながらオスカーの獲得には至りませんでしたが、作品への評価は高かったことが表れています。ノミネートされた部門は「監督賞」「脚色賞」「撮影賞」「編集賞」です。

監督はフェルナンド・メイレレス!

この監督の名前を知らなくても、フェルナンド・メイレレス監督が手掛けた仕事を世界の多くの人が画面を通して目にしています。記憶にも新しいブラジルオリンピック・パラリンピックの開閉会式の総合演出を務めた人物です。開会式では日系人がパフォーマンスをしましたが、彼らが登場した時間は日本時間で8月6日午前8時15分の時間帯に割り当てられました。監督の意向は日本に対して温かみのあるものでした。

フェルナンド・メイレレス監督はブラジルのサンパウロ出身です。もともとは大学で建築を学んでいましたが、映画製作に興味をもち自主製作映画を仲間たちと撮るようになりました。テレビ局で働いたのちに、自らプロダクション会社を設立して映画の制作に入っていきました。

フェルナンド・メイレレス監督が演出した映画は長編4本、オムニバス映画の短編1本です。『シティ・オブ・ゴッド』で監督デビューを果たし、その後『ナイロビの蜂』『ブラインドネス』『360』を世に送り出しています。また2014年にリオ・デ・ジャネイロを舞台にさまざまな愛の形をオムニバス形式でまとめた『リオ・アイラブユー』で監督の一人として参加しています。

シティ・オブ・ゴッドの映画あらすじをネタバレ!

気になる『シティ・オブ・ゴッド』のあらすじを登場人物と共に紹介していきます。ネタバレのため、これから映画を楽しもうと思っている人は注意です。多くの人から支持されるブラジル映画の『シティ・オブ・ゴッド』はどんな内容なのでしょう。

主人公のブスカペ

まずは『シティ・オブ・ゴッド』主要3人を紹介します。主人公は「神の街」で生まれて、カメラマンになることを夢見る心優しい少年のブスカペです。『シティ・オブ・ゴッド』はこのブスカペが語り部となって話をすすめていきます。彼はギャングの仲間ではなく、まじめに新聞配達に勤しみ自分の夢へと歩みをすすめていきます。しかし、子供たちが組織する街のギャングが事件を起こすことで、彼の人生に大きく関わります。

ギャングのリーダー、リトル・ゼ

『シティ・オブ・ゴッド』の最重要人物がリトル・ゼです。幼少期はリトル・ダイスという名前で、小さい頃よりギャングに魅了されていきます。早くに殺人を犯してからは、持って生まれた凶暴で凶悪な性格に任せて数々の犯罪をしていきます。「神の街」を牛耳るようになったリトル・ゼですが、その力は絶大なものとなり、大人や警察すらも彼に逆らうことができないほどでした。

一目置かれるベネ

リトル・ゼと幼いころからの親友がベネです。彼もまた、悪事の素質があり2人はともに力をつけてグループの勢力を拡大していきます。しかし、凶悪なギャングのリーダーであるにもかかわらず、リトル・ゼにはない優しい性格を持ち合わせた人物です。それは抗争する相手ギャングのチームからも一目置かれる人物で「街一番のやつ」とも言われるほどでした。ファッションセンスに富み、優しく格好いい彼の人気は絶大です。

鶏の声と共に幕が上がる

『シティ・オブ・ゴッド』の冒頭は、真っ暗な画面に刃物がカットインされて、甲高い刃物が研がれる音が冷たく響くところから始まります。若者たちが楽しそうに言葉を交わし料理をする姿と、足を括られた鶏が交互に映し出され、軽快なリズムと映像の早いカット割りで意識をぐっと引き付けられます。とてもメッセージ性の強い導入部であり、見ている者にこれから始まる映画の残虐性を植え付けつつ行く先を暗示させます。

「神の街」に生まれた少年

時は1960年代のブラジル・リオのファベーラに一人の少年がいました。ファベーラは貧困層が暮らすエリアでそこでは暴力・殺人・麻薬などあらゆる犯罪が日常として存在していました。そこには警察が入っていくこともままならない空気が漂っており、殺伐とした雰囲気が街に帳を下ろしていました。そんな街に心優しきブスカペは生まれ、死と隣り合わせの日々に身を置いていました。

貧困からの脱却は皆の望むもので、ブスカペは暴力が嫌いでしたが、彼の兄やその仲間は銃を持ち悪事を働くことでその手段としていました。そんな集団の中の一人にリトル・ダイスという少年がいます。彼は周りのストリートチルドレンたちよりも目立つ存在となっていきました。ある日、年上のカベレイラ率いる3人組と一緒にモーテルを襲撃したことで初めて殺人を犯します。笑いながら人を殺したのちに彼は行方をくらまします。

17歳になったブスカペ少年

時は流れて1970年代に入り、ブスカペは17歳の少年に成長しました。そんな彼にも心を寄せる女性が現れます。アンジェリカという名前の女性のために、ブスカペはマリファナを買い求めます。元同級生のネギーニュがバイヤーとなり用立ててくれました。ネギーニュにマリファナを卸している人物がギャングのセヌーラでした。しかし、このころになってリトル・ダイスがリトル・ゼと名前を変えて神の街に戻ってきました。

リトル・ゼは戻るなり、親友のベネと組んで麻薬ビジネスに手をだして勢力を広げていきます。彼は勢力拡大には敵対する麻薬組織を抹殺する手段すらもとり、ついには神の街を牛耳るにまで至ります。麻薬中毒者で溢れる街のトップに立ったリトル・ゼは、今度は街での安全な麻薬売買のルールを敷き、強盗や殺人の禁止するお触れをだしました。そして、この掟を破る者は子供ですら殺し、警察さえも手懐けることに成功しました。

目障りな他の勢力の排除を厭わないリトル・ゼは、ブスカペにマリファナを調達してくれたネギーニュとセヌーラをもターゲットにして排除を考えました。しかし、相棒のベネの口利きで彼ら2人はリトル・ゼの排除からは免れることができました。

ベネという壁の崩壊

ブスカペが心を寄せていたアンジェリカはベネと恋に落ちます。彼女はベネに組織を抜けて駆け落ちの話を持ち掛けます。愛する者と共に生きていく選択肢を取ったベネの送別会は神の街を挙げたとても大きなものとなり、参加者にはギャングから教会の関係者まで多岐にわたる人が参加しました。しかし、この会場でリトル・ゼを亡き者にせんとするネギーニュの陰謀が、間違えてベネを殺してしまう惨事を引き起こします。

親友を失い、親友の情けで命拾いをさせたネギーニュに対して歯止めの効か亡くなったリトル・ゼは、セヌーラともども抹殺せずにはいられなくなり、彼らのもとに向かいます。その途中で、かつて自分を袖にした女性をレイプして、その彼女の彼である元軍人のマネをも襲撃します。そこではマネの叔父と弟が命を落とします。失敗したネギーニュを殺したセヌーラは、マネと組んでリトル・ゼに挑んでいきます。

マネがリトル・ゼの部下を射殺したことで抗争が激化してゆきます。彼のもとにはリトル・ゼに身内を殺されるなど恨みを持つ者たちが身を寄せてきました。マネは当初、罪なき人を殺めることに反対をしていましたが、セヌーラと共に繰り返す悪事により感覚がマヒしていきました。そして、神の街はリトル・ゼのグループとセヌーラのグループによる争いは一般市民をも巻き込み、地獄の様相を呈していきます。

ブスカペが見た彼ら

抗争が始まって1年を経過したころになって、ようやく警察が介入し始めました。ある時マネが何者かに撃たれて警察に捕まってしまいます。この時マネの事をギャングのボスだとマスコミが取り上げたことで、知名度が上がります。そのことを面白く思わないリトル・ゼは新聞社でカメラマン見習いとなっていたブスカペを呼び出して、自分の写真を撮らせました。

この時の写真がブスカペの意に反して人の手に渡り、新聞の一面を飾ってしまいます。リトル・ゼの許可なく掲載してしまったことに、恐れをなすブスカペでしたが、リトル・ゼは渡りに船とばかりにこれを喜びました。また、新聞社はブスカペのこのスクープ写真を喜び、ギャングの写真の提供を依頼します。カメラマンにあこがれたブスカペは、これをチャンスと思い受けます。

ブスカペが依頼を受けて街に行くとリトル・ゼとセヌーラの大規模な銃撃戦が始まりました。決死の覚悟でファインダーをのぞくブスカペの前で多くのギャングが命を落としていきます。マネもそのうちの一人でした。また、リトル・ゼとセヌーラは警察の手で逮捕されました。リトル・ゼは賄賂を渡してすぐに釈放されますが、その直後に彼はかつて自分が銃を渡した子供に打ち殺されます。

物陰に隠れていたとはいえ、ブスカペの目の前で行われた一部始終に、彼はただひたすらにシャッターを切るのみでした。そして、彼の写真が再び紙面を飾ることになりますが、それは警察の不正をとらえた写真ではなく、リトル・ゼの死の写真でした。彼らが去った神の街には、平和ではなく空白になったボスの座を狙って、次の世代の子供たちが抗争を始めました。

シティ・オブ・ゴッドは実話なのか?

この映画の最大の関心点は『シティ・オブ・ゴッド』自体が実話をもとにして作られた作品なのか、それともすべてがフィクションなのかでしょう。実話です。この物語は実話をもとにして制作された映画です。作品にする上で細かい演出はありますが、ベースはしっかりと存在した実話です。私たち日本の生活からはファベーラと言われる貧民街は想像をすることができないでしょう。

しかし、海外に目を向けてみると貧民街は多くの国で目にすることができます。有名なのはフィリピンのマニラやインドのムンバイといったアジアにも見ることはできますし、隣国の韓国にもスラム街はあります。そのような地域の治安は悪く、南米では無法地帯で警察さえも手出しできない個所も多くあります。そんな中の一つにスポットを当てて実話を元に制作された映画です。

シティ・オブ・ゴッドの感想や評価を紹介!

実話を元にして制作された映画ですが、そこには私たちには未知の情報がたくさん詰まっていました。同じ人間であって、同じ時代を生きているのに、国が違うと驚くことが多いです。映画はそういった文化や生活様式を伝える素敵なツールの一つです。ブラジルの映画に映し出された生き様をみんなはどう受け止めているのでしょう。ここでは『シティ・オブ・ゴッド』の感想や評価がどのようになされているかを紹介します。

銃が当たり前のようにある社会に切なさが募る

銃という私たちの国からしたら現実味のない物騒な品物ですが、『シティ・オブ・ゴッド』の舞台であるブラジルでは身近なものなのでしょう。それの恐怖は万国共通なのかもしれませんが、「命を奪う物」と「命を守る物」の両面を持ち合わせている顔があります。日本からの平和の希求を行った時に、銃という乱暴な物への怒りと恐怖が沸き起こる映画という見方もできます。実話を元にしているからこそ抱く感情でしょう。

自分がどれだけ幸せなのか

『シティ・オブ・ゴッド』に生きる彼らと、日本の現代に生きる自分を比較することができる映画です。私たちにも各々悩みや不安、そして危険に取り巻かれています。しかし、それは映画の中の彼らとは違うものです。社会の闇にスポットを当てて敢えて映像化して世界に向けて発信することで、自分の幸せを実感することができる映画としてとらえられています。この感想はあらすじを読むだけでは起こりえないです。

素人が演じるリアル

フィクションであることが前提の映画の中で、見ている人の心を捕まえて引き込むほどのリアルがこの映画の最大の魅力でしょう。しかも、子供で素人という情報は頭の中で錯綜し、演者の銃の扱いやそこに生きる生活に見ることができる所作が、さらに私たちの心を震え上がらせます。ネタバレしているあらすじを読んだとしても、この恐怖に変わりはありません。

シティ・オブ・ゴッドのあらすじネタバレまとめ!

実話を元にして制作された『シティ・オブ・ゴッド』の迫力が伝わったでしょうか。あらすじではネタバレしてしまう内容でしたが、怖いもの見たさで手に取ってみても損のない映画です。そして改めて見終わった後に実話であったことを思い出すと背筋が凍ることでしょう。そして、ここであらすじをネタバレされたとしてもそれ以上の迫力とボリューム感で、虚脱感を覚えることでしょう。ネタバレは微塵にも感じないはずです。

関連するまとめ

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ