カメラを止めるな!をネタバレ解説!ラストの結末まであらすじまとめ

ネタバレ厳禁?!口コミで大ブレイク中の上田慎一郎監督による話題作『カメラを止めるな!』のまだまだ楽しめるあらすじと作品解説を一挙掲載。2つのラストシーンとちょっと感動しちゃう結末のワケを2つのあらすじを追いながらご紹介しましょう。まだ観ていない方は是非シアターで実際に観てから。それでも観たい方は大歓迎のネタバレ込みの『カメラを止めるな!』作品紹介をお楽しみください!

カメラを止めるな!をネタバレ解説!ラストの結末まであらすじまとめのイメージ

目次

  1. カメラを止めるな!のあらすじを結末までネタバレ解説!
  2. カメラを止めるな!とは?
  3. カメラを止めるな!のあらすじをネタバレ紹介
  4. カメラを止めるな!のラストをネタバレ解説
  5. カメラを止めるな!のネタバレ感想まとめ
  6. カメラを止めるな!の上映館紹介
  7. カメラを止めるな!大阪で初舞台挨拶
  8. カメラを止めるな!のネタバレ解説まとめ

カメラを止めるな!のあらすじを結末までネタバレ解説!

シアターを行けば黄色く目立つ背景にどうやらゾンビスプラッタか何かの映画らしいポスター。皆さん何処かで見かけた覚えはないでしょうか?口コミが口コミを呼び、公開から10ヶ月以上が過ぎた今も大ブレイクを起こしている超話題のホラーコメディ映画『カメラを止めるな!』について本日は1つのラストシーンと2つの結末についてあらすじを「ネタバレ込み」で詳しくご紹介します。

「ネタバレしても十分に面白い」、「それでもネタバレなしで観て欲しい」という特殊な構造の映画でもある『カメラを止めるな!』の魅力あるあらすじと9月末現在の上映館情報なども掲載しますので、用途に沿ってご覧ください。

映画『カメラを止めるな!』公式サイト

カメラを止めるな!とは?

「ENBUゼミナール」のシネマプロジェクト第7作目

『カメラを止めるな!』は映画監督コースと演劇・俳優コースの2コースそれぞれ1年間で映画監督・俳優を目指す養成学校である「ENBUゼミナール」で行われた、オーディションから役決め、脚本、リハーサルに撮影に至るまでを行うワークショッププロジェクトから生まれた作品です。

その7作目を飾ったのが、上田慎一郎監督率いる生え抜きの無名の役者とクルーたちによって数か月に渡るリハーサルを経て描かれた『カメラを止めるな!』になります。ホラーコメディ作品であると同時に実験的なプロジェクト作品であるのが特徴でしょう。

ワークショップ企画から「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」《ゆうばりファンタランド大賞(観客賞)》などを皮切りに8つの賞を受賞したこの衝撃の作品は人々にも愛され、今の『カメラを止めるな!』ブームを作り出しているのです。

期待の新星、上田慎一郎監督

『カメラを止めるな!』で劇場用長編映画デビューを果たした上田慎一郎監督ですが、実は『カメラを止めるな!』以前にも優秀な短編映画を多数撮っており、映画製作団体『PANPOKOPINA』のメンバーと共に国内外で46の賞を受賞するなど爆誕の期待されていた映画監督だったようです。

その野心的で情熱的な監督が『カメラを止めるな!』でクルーを家族のようにとらえながら一丸になって作り大きな評価を受けたというサクセスストーリーはとても映画愛に溢れたもの。「100年後に観てもおもしろい映画」をスローガンに、得意分野のコメディで勝ちを取りにきた珠玉の『カメラを止めるな!』あらすじを特殊な構造のラストシーンも含めて早速ネタバレありでご紹介していきましょう。

カメラを止めるな!のあらすじをネタバレ紹介

ネタバレありあらすじ:42テイク目の撮影

舞台は何処かの山奥の浄水場。ゾンビと成り果てた愛する男性がじわじわと迫り涙する女性。「こうちゃん、やめて!」そう絞り出すように叫ぶ彼女をゾンビ映画のお決まりといった流れで男性が噛み付いてしまうのですが、ここでなんと「カット」の一声がかかります。なんと、42テイク目のゾンビ映画の撮影だったのです。

呆れとも疲れともとれるため息を漏らす撮影クルーたちと、次は頑張ろうとアイコンタクトで励まし合う女優。そんな2人の間にある人物が割って入ります。

ネタバレありあらすじ:監督激怒

それはどうやら監督のようでした。「本物の恐怖はあったか?」「ホンモノをくれよ!恐怖に染まった顔!顔!顔!」と吠え立て女優に摑みかかる監督に女優は涙目に。ストレスが最大に達したクルーたちはここで休憩を挟むことにします。借金をしてまでこの映画に賭け文字通り死ぬ気でカメラを回しているという監督。胃の痛くなるような空気のなかでも長回しは続きそのまま俳優たちの休憩から噂話へと進んでいきます。

ここで監督が「屋上に血糊をもってこい」と助監督に指示を飛ばしているのも注目ポイント。空気の入れ替えか気合いの嘆願か、何かしようとしているのがチラチラと映り出します。

ネタバレありあらすじ:浄水場の謎

飲み物を飲みながら談話を始める女優と男優と、メイク係の女性。話題は監督のこだわりのひとつだったロケ地の話になります。メイク係の口から「この浄水場はかつて旧日本軍の人体実験施設だったこと」と「その人体実験の内容は、死者を蘇らせるものだったこと」が告げられます。その話題をしている3人の背後で怪音が響き渡り3人の血の気が引くような表情が映るのも忘れません。

メイク係の趣味の話題になるなど冗長な間は空きますが、おおよそはゾンビ映画や怪奇映画には欠かせない都市伝説の話がここで持ち出されるのです。ここまでは伝統的な流れに従っていると言えます。

ネタバレありあらすじ:助監、散る

一方カメラは浄水場外周でタバコを吸っていた助監督の元へ。背後からはやはりゾンビ映画ではお馴染みの白い瞳孔に青白い肌をしたカメラマンがゆらりゆらりと歩いてきます。そのカメラマンに気付いた助監督は特殊メイクだと思いジョークをいくらか飛ばすのですが、当然ゾンビなので聞き入れることなくここで助監督はシーンアウトとなるのです。

このような流れは『スケアキャンペーン』(2016)などで撮られている撮影スタッフホラーあるあるですし、それ以前に特殊メイクや仮装によりバケモノだと気付けなかったことをシュールに描くのは『ハロウィン』シリーズなどでもみられている手法ですので、至極伝統的な流れを受け継いでいると指摘する声もあります。

ネタバレありあらすじ:カメラを止めるな!

当然、この不気味な魔の手は浄水場内の3人にも忍び寄ります。突然ドアの外からさきのあらすじで死亡宣告がなされていた助監督の腕が飛んでくるのです。最初は小道具かと勘違いしますが、腕のない助監督ゾンビが乱入し次にカメラマンゾンビも乱入してきて大騒ぎになります。なんとかこれらを切り抜けると、ことの顛末と理由を語るかのように監督が入って来てこう高らかに宣言します。

「撮影は続ける!カメラは止めない」その言葉に狂気を感じた3人は監督を外へと押し出し、ここでゾンビ映画お馴染みの作戦会議が入ります。外へ出て車を使い下山しようというのです。そこへタイミングよくまたカメラマンゾンビが監督の手で蹴り入れられ、ここでメイクが撮影用の斧を使って大立ち回りを極めるのです。血に染まるバンダナはさながら『ランボー』のようで、ゾンビ映画などの伝統によく出てくるものだとされています。

ネタバレありあらすじ:大奔走&大乱闘

車に辿り着くも鍵がなく困り果てる3人。助監督が持っているのではないかというお決まりの展開に合わせて車内にまた監督が現れ「アクション!」という掛け声とともに助監督ゾンビをけしかけ大乱闘がまた起こります。今度の主人公は女優で逃げまわり固定カメラに切り替わった画面で助監督ゾンビを蹴って蹴って蹴りまくりなんとかカバンを奪って大逃走を繰り広げるのです。

この場面の最大のネタバレをするなら走り回るシーンは、もともと手撮りだったものに輪をかけてかなり手ブレが大きくなるので画面酔いしないように視点を調整する必要がある方もいらっしゃるかもしれません。

ネタバレありあらすじ:「ぽん!」

なんとか浄水場まで逃げ帰ることに成功した3人。しかし、メイク係はお互いに傷がないか確認するなかで、「女優が噛まれたのではないか?」と疑い彼女に斧を持ったまま近寄ります。その鬼気迫る表情に怯えた女優は足を引き摺りつつも遁走。

男優もそれを助けようとしてメイク係を羽交い締めにしますが、メイク係はそれを「ぽん!」という間の抜けた掛け声と共に護身術ですり抜け、ここでゾンビ映画からクライム映画へと風貌は切り替わります。狂気じみた追跡に嗚咽を漏らしながら外へと逃げる女優。遅れて出てきたメイク係にゾンビたちも襲い掛かりますが、次々と「ぽん!」という掛け声と見事な飛び蹴りなどでかわされ、女優は屋上へと追い詰められていきます。

そしてここではキリングゲームのように女優&男優vsメイク係の大乱闘が巻き起こり、その末に疑心暗鬼を起こした女優はメイク係を殺害してしまった男優から離れて小屋に隠れ、また"あれ"をみて息を殺すのです。小屋の外で意を決したように斧を手にした女優は、再び男優のいるであろう屋上へ向かいます。

超ネタバレあり結末あらすじ:ONE CUT OF THE DEAD

屋上に上がると呆然と立ち尽くす男優がいました。振り返り近寄ってくる歩はかなり緩やかな千鳥足で、奇しくも最初のシーンに戻ってきてしまうのです。必死に叫び、斧を構えて牽制する女優と歩みを止めない男優。

「こうちゃん、やめて!」そう絞り出すように叫ぶ彼女をゾンビ映画のお決まりといった展開は逃しません。しかしここで彼女は最初のシーンにはなかった言葉を呟き男優の首を斧で落としてしまいます。そして、その迫真の表情を褒める監督をも。カメラの視界は徐々に高くなり、そうして、血に取り憑かれたかのような女優がふらふらとまた歩いていくと、その足元にはどす黒い血で描かれた魔法陣があるのでした!

カメラを止めるな!のラストをネタバレ解説

これが1つ目の結末にして1度目のラストシーンです。実はというと、ここからが超ネタバレで「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」このキャッチフレーズがそのままネタバレなのです。前半部37分はホラーゾンビ映像でしたが、後半はヒューマンドラマあり!モキュメンタリーあり!コメディありな内容になっている二重構造をとった作品になっています。

エンドロールに続いて流れはじめる本当の『カメラを止めるな!』のラストシーンに向けたネタバレとあらすじを再度ご紹介しましょう。

ネタバレありあらすじ:一か月前の日暮隆之

舞台は都内のロケ現場。「早い」「安い」「質はそこそこ」。その3つを売りにして細々と妥協しながら映像監督を続けてきた日暮隆之(濱津隆之)はかねてから縁のあった古沢真一郎(大沢真一郎)ラインプロデューサーに仕事中に声をかけられます。

新規に開局するゾンビ映画専門テレビ局「ゾンビ・チャンネル」の開局記念企画だという口ぶりに、仕事の依頼かと内心色めき立つ隆之の前に現れたのはテレビプロデューサーの笹原芳子(竹原芳子)。彼女の提示してきた条件はとんでもないものでした。

ネタバレありあらすじ:ゾンビもののワンカットドラマ!?

それは、約30分ノーカット生中継のゾンビドラマ『ONE CUT OF THE DEAD』の制作依頼でした。ノーカットというだけでも難易度が高いのに、それを生中継で放映し、手垢のすでにつきまくっているゾンビものできちんと結末までつけて撮るという至難の企画をサラッと提示され冷や汗をかく隆之。それでも、妥協してしまい思わずOKを出すことになってしまいます。

ネタバレありあらすじ:キャラの濃い家族像

そんな隆之を家で待つのは元女優の日暮晴美(しゅはまはるみ)。娘の真央(真魚)は監督志望で学生をしながら現場で働き、仕事に妥協せず熱血的すぎる態度で空回りをしているのでした。難題に悩む隆之の台本をペラペラと読み込みいつも通り何事もなかったように支える晴美と、それにすら興味がないかのように振る舞う真央。そんな退くにも退けない状況に隆之はついつい押されて台本を仕上げ、顔合わせ会議に向かうことになります。

ネタバレありあらすじ:曲者揃いの顔合わせ会議

なんとか段組を組み、「ゾンビ・チャンネル」側が大半提示した条件でキャスティングを行った隆之を、『ONE CUT OF THE DEAD』の顔合わせ会議で待っていたのは予想以上に濃ゆいキャストたちでした。

主演女優の松本逢花(秋山ゆずき)はCMなどでも売れっ子のアイドル女優で、ゾンビ番組にも意欲的ですが何か嫌なことや不満なことやりたくないリスキーなことがあると「事務所的にちょっと!」と言って躱してしまいます。

主演男優の神谷和明(長屋和彰)は逆にドのつく真面目なノーカットドラマ男優で、リアリストでもありゾンビもののいろはや現実から離れた演出を良しとしない良くも悪くも神経質なイケメンです。

そして、カメラマン役の細田学(細井学)はアルコール中毒で娘に何度も絶縁を言い渡されるほどのトラブルメーカーなそこそこの大物俳優。

そのほか、腰痛持ちのカメラマンや硬水か軟水かで難癖をつける情弱な胃腸の持ち主や、気弱すぎる俳優、子連れの人妻にその人妻に手を出しはじめるチャラい男優などキワモノ揃いの会議にため息をつく暇もなく隆之は巻き込まれていくのでした。途中胃が痛くなるようなクレームNGトラブル会話を挟みつつ放送当日に向けてカメラは回り続けます。

ネタバレありあらすじ:幕間の家族会話

そして、そんな父の苦労も知らず出来上がった台本を護身術の番組を眺めながらいつも通り晴美がパラパラとめくり、真央は自由気ままに「もう1度女優としてやってみないの?」と母に問います。苦々しい顔をしながら躱す晴美は真央が大のファンである神谷和明が出演していることを告げ、真央は隆之に当日同行していいかと頼み込むのです。

このシーンのあたりから段々とフラグの回収が忙しくなってきます。細田の話を聞いて自分の家族の写真を漁って涙ぐむ隆之の手には「幼い真央(左右田陽菜)を肩車する隆之」の写真があり、これが後々番狂わせに作用することになります。

ネタバレありあらすじ:波乱の幕引き?

時間は『ONE CUT OF THE DEAD』生放送当日。舞台は浄水場外周のスタッフ控え室。祝いの酒を古沢が持参するなか、なんと監督役の黒岡(イワゴウサトシ)とメイク係役の相田(高橋恭子)が現場に向かう途上で事故に遭い欠勤することが放送開始2時間前に発覚したのです。

あわやこのまま放送終了幕引きかと思いきや、ここで同行していた真央が鶴の一声を発します。「隆之を監督役に、晴美をメイク係役に」。この提案に両親である隆之と晴美は猛反対し「晴美の現役時代を知らないから!」と暴走してしまう旨をそっと提示し、やはり却下で結末を迎えるかと思いきやそのままシーンは続行するのです。

ネタバレありあらすじ:再配置で放送開始!?

そうして物語は1番最初のシーンに戻るのです。舞台は何処かの山奥の浄水場。ゾンビと成り果てた愛する男性(神谷和明)がじわじわと迫り涙する女性(松本逢花)。「こうちゃん、やめて!」そう絞り出すように叫ぶ彼女をゾンビ映画のお決まりといった流れで男性が噛み付いてしまうのですが、ここでなんと「カット」の一声がかかります。

しかし、実際の放送カメラは止まりません。カメラマン役の細田を後ろから腰痛カメラマンの谷口(山口友和)が映し、画面外から監督役の隆之が「台本通り」に食ってかかるのです。

「アドリブ入ってるなこりゃ」そう漏らすバックヤードのモニタールームには、心配そうに両親の演技と番組の進行を見守る真央の姿もありました。なんと、あの鶴の一声は通ってしまい、メイク役は役になりきると暴走すると噂の母晴美、監督役は高校時代は演劇部だったという隆之に決まってしまったのです。

それだけではありません。空瓶になった祝い酒の一升瓶や、やけにそわそわとしだした録音担当役、腰痛に時折呻くカメラマンなど少しづつ少しづつ「台本通り」からズレた表情を画面は見せはじめ、一気に話が展開します。

ネタバレありあらすじ:浄水場の空瓶の謎

浄水場内では台本を熟知した晴美が語りはじめる形で和明と逢花に浄水場の謎についての都市伝説が語られます。その一方で、その次のシーンに出演するはずのカメラマン役の細田が失踪。

スタッフは浄水場内の3人にカンペで話を引き延ばすように指示を飛ばし、ついに空瓶を抱いて泥酔している細田を小道具用の小屋の中で見つけます。その際に、晴美は最近の趣味として護身術をやっているのだと告白。場の空気は絶妙なトークに凍りつきます。

ネタバレありあらすじ:助監、ゲロに散る

なんとか引き起こして番組に出てもらおうと躍起になる隆之。予定では自立して細田がカメラマンゾンビになり助監督役の山ノ内(市原洋)に襲いかかるはずでしたが、酔って意識も途切れ途切れな細田にはそれが難しく隆之はカメラ外から人形のように細田を支える形でなんとかシーンを成立させます。

その際、ゲロを吐かれた山ノ内は自分のシーンが終わると泣き言を言いつつもおこれもせず、1分刻みのスケジュールに合わせるため腕がなくなったように見せる特殊メイクを受けるのでした。

ネタバレありあらすじ:それでも、カメラを止めるな!

細田の酔っ払いから段々と崩れていく撮影陣。その中で、監督役が更に畳み掛けるように真相を語り出すシーンで次の問題が発生します。「あれはちょうど1年前の夏、目眩のするような暑い夏だった」そう声を張って語り出す隆之に「ちょっと」と言いながら台本にないカメラアウトを求めはじめる録音担当役の山越(山﨑俊太郎)。

「ちょっと?」「ちょっと」「ちょっと?」という漫才のようなやり取りの後、押しとめようとする隆之と咄嗟に「バケモノが外にいるから危ない」とフォローを入れる3人を余所に山越はカメラアウトしてしまいます。

なんと硬水と軟水を間違えて飲みお腹を壊してしまったのです。突如変わった流れに隆之は思わず「カメラを止めるな!」とスタッフに檄を飛ばすようにカメラ目線で「撮影は続ける!カメラは止めない!」と豪語してしまうのでした。

ネタバレありあらすじ:ラストに向けて大奔走&大乱闘

もう無理だろうと勝手なことを思いつつ、古沢が「しばらくお待ちください」という休止用のキューを出そうとするが、同じモニタールームにいた真央がここでまたひとつ思いつき父の檄に応じるように吠えはじめ、ここから加速度的にもうひとつの結末に向けてラストスパートがかかって物語は面白くなります。

車内のシーンから脱出した、逢花とそれを追う山ノ内にぶつかって転倒してしまったらメインカメラマンの谷口の腰がダウン。急遽アシスタントカメラマンの松浦(浅森咲希奈)に交代。リハーサルまで何度も谷口に却下されていたズームインズームアウトを繰り返すダサかっこいい手ブレを披露しながら嬉々として逢花と山ノ内を追いかけます。

ネタバレありあらすじ:スタッフ一同vs「ぽん!」

なんとかバランスをとり始めたスタッフ一行に立ちふさがるのは斧を手にしたランボー…ではなく、ランボーのような雄々しいアクションを繰り広げ放送禁止用語を連発するメイク係役晴美の姿でした。完全に役に入りきった晴美は「ゾンビと対決してド派手にサバイバルアクションをこなす女優」として覚醒し情け容赦なくゾンビ役たちを薙ぎ倒し弱音を吐くスタッフを叱咤激励するのです。

そうしてボルテージがマックスに高まった晴美がスタッフにとってのラスボスと化し、何とか止めようととりあえず押し出された細田、怖気付きつつ紳士に止めに入る山ノ内を蹴るや跳ね飛ばすやの大暴れをみせ、最後の壁に立ちはだかった夫隆之をも蹴りの痛打で黙らせてしまうのは非常に痛快なスラップスティック・コメディであると共にラストを無事に迎えられるのかヒヤヒヤさせられたという感想を漏らす方もいらっしゃいます。

そんなドタバタの押し問答の中で当初ラストシーンで使用を予定していた鳥瞰撮影用のクレーンが大破。撮影方法を変えるのか、放送自体を打ち切るのか。そんな結末への不安が一気にストレスと共にモニタールームを覆い、作品を完成させたい隆之に対して、古沢の口から「"そこそこ"でいいから"番組"を終わらせて」の言葉が出てしまいます。

この「そこそこ」は隆之のウリであり殺し文句でもあったためそのまま結末のカメラワーク変更と妥協の方向に転がりはじめます。しかしそこで止まらないのがこの『カメラを止めるな!』。メタなネタバレをすれば皆さんの一度見た結末に向けて、真央が見た視界に写る「あるもの」がきっかけで状況が変わるのです!

超ネタバレあり結末あらすじ:もうひとつのONE CUT OF THE DEAD

屋上で乱闘を続けなんとか晴美を気絶させ想定外に対処した特殊造形班の温水(生見司織)らのお陰でカメラ内のお話を繋げることに成功したスタッフ一同。逢花の迫真の演技もありどうにかこうにか場をもたせてお話は1番最初に、番組は終盤も終盤、結末の部分に差し掛かります。

冒頭のシーンを彷彿させる押し問答を続ける和明と逢花。そして意識を取り戻した晴美の視界には、何かが映っているようでした。どうやらカメラ外でも押し問答を繰り返しているらしく、隆之はそんなに簡単に上手くいってないらしいその装置のためにカメラ外では逐次和明と逢花にセリフを叫んでは止まり、にじり寄ればまた懇願するようにと指示を出して、ハラハラとした空気はピークに達します。

あと何秒もつか、無事ラストに至れるのか?そんな心配を他所に画面は進み、逢花は和明の首を落とした後、監督役の隆之を滅多斬りにする名目で2人揃ってカメラアウトします。この際、隆之や和明、酔いの冷めはじめた細田、プルプルと震える山ノ内、歯をくいしばる山越、果てには古沢まで駆り出された4mの人間ピラミッドを目撃することになるのです!

そうして、組み上がった人間ピラミッドの頂上に最後に合流した隆之とその上に担がれる形でカメラを掲げる真央の姿が映り、カメラの視界は徐々に高くなり、そうして、血に取り憑かれたかのような逢花がふらふらとまた歩いていくと、彼女の見上げる先にスタッフたちの結束を見るなかで、その足元にはどす黒い血で描かれた魔法陣があるのでした!

そうしてラストに『ONE CUT OF THE DEAD』というテロップが流れて数秒後「カット!」という掛け声がかかるとエンディングロールは無事流れはじめそのなかで結末部分として解決編とメイキングが綴られていくのが『カメラを止めるな!』のもうひとつにして2度目のラストシーンになります。

カメラを止めるな!のネタバレ感想まとめ

このように結末とラストシーンを同じプロット上に2つ用意し、最後に繋いでいくという特殊な構造は多くの人々の心を掴み、今の大ブレークを生んだというわけです。おそらく、最初の結末でつまらないと首を傾げた分だけ、次の結末をマジックのネタバラシのように提示された際に大手を振った方が多かったのではないでしょうか?ここで皆さんの感想を口コミの爆心地でもあるTwitterからピックアップしてご紹介してみましょう。

先が全くよめなくて面白い!

やはり読めない37分の腑に落ちなさとそこからラストの裏側を塗っていくドタバタコメディに驚き喜んだ方々は多いようです。結末のどんでん返しとはまた違う楽しみ方はかなり新感覚だったのではないでしょうか。

ホラーが苦手な方も後半で楽しめる仕様であると同時に、後半のための手ブレにカメラ酔いを起こした方もいる。そんな状態でも視聴者であり撮影スタッフになったような気分のままラストシーンでみんな笑顔になれるというのはかなりのパワーを感じます。

MOVかつモキュメンタリーだから出来る選択肢と結末!

※『ラン・ローラ・ラン』は1998年のトム・ティクヴァ監督によるこれまた構造が特殊で大胆な映画です。恋人のために20分で10万マルクを用意しなければいけなくなった女性を主人公にドタバタ劇が繰り広げられます。

前半のPOVホラーと後半のモキュメンタリー構成だからこそ同じ結末で2度違う風味のラストシーンが楽しめて後半戦特にテンションがあがった方はやはり多かったようです。モキュメンタリー形式だからこそ丁寧に拾えた伏線や空白の使い方が出来たというのは大いにあり得るのだと指摘する声もあります。

※白石監督のモキュメンタリー作品『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』もまたマニアの間ではかなり評価の高いシリーズ。POV形式でカメラマンとディレクター、アシスタントディレクターの3人が怪奇現象をカメラに収めるべく奔走する作品です。

感動できてしまうホラーコメディ!

「怖すぎず」「シンプルに」「質はそこそこ以上!」そんな『カメラを止めるな!』のラストについ感動してしまった方も多かったのではないでしょうか。何故感動してしまったかの核の部分は伏せておきますので、是非是非劇場でもう一回観たい!を体感してみてください。

様々な層を捉える秘訣が詰まっていると言っても過言ではない『カメラを止めるな!』の言いたいけれども言えないラスト。こうやってリストアップしていただくと破壊力がかなり伝わるのがわかります。こうとしか書けないもどかしさがまた口コミを生んでいるのでしょう。

カメラを止めるな!の上映館紹介

ここで、そんな話題沸騰中の『カメラの止めるな!』の熱狂をシアターでより過激により思い出深く共有出来る場所と方法を皆さんにお知らせいたしましょう。まだ観たことのない方もご安心ください。西から東まで数多くのシアターがあなたを待っています。詳しい上映館については章末のリンクをご確認ください。

生き返り割引(リピーター割引)

なんと、口コミから口コミにゾンビのように感染するこの『カメラを止めるな!』にはリピーター向けの割引プランを施行するシアターが存在します。その価格はなんと1000円!以下の劇場に生き返り鑑賞を試みる方は是非使用チケットの半券をご用意ください。

ゾンビメイク割引

ゾンビ映画ですから、やはりゾンビメイクをして「ぽん!」と叫ばれたいもの。そんな欲求を叶えてくれる素敵なシアターも存在します。ゾンビメイクをした方は以下の劇場では1,500円で歓迎されますので、こぞって感染してみてください。もちろん、割引対象外のシアターでの仮装もきっとこの時期ならではの興奮と楽しい思い出に繋がるでしょう。

映画『カメラを止めるな!』劇場一覧

カメラを止めるな!大阪で初舞台挨拶

口コミが口コミを呼びネタバレを最小限にしつつも一気に燃え広がっていった『カメラを止めるな!』。そのひとつの着地点として、2018年8月19日に大阪市内の「TOHOシネマズなんば」にて上田慎一郎監督をはじめ、濱津隆之、真魚、秋山ゆずき、竹原芳子、曽我正臣、合田純奈らキャストが登壇しました。

また、8月31日には滋賀県の大津市浜町の映画館「大津アレックスシネマ」で舞台挨拶を行い感動を多くの人々に届けるべく行脚を行なっているということです。まだまだ広がる『カメラを止めるな!』ブームから目が離せません。

カメラを止めるな!のネタバレ解説まとめ

皆さん、ネタバレを介しつつの『カメラを止めるな!』解説いかがだったでしょうか?シアターの熱狂が少しでも伝わったのなら幸いです。最後にひとつ、ネタバレ未満のおすすめ鑑賞方法をご紹介しましょう。

鑑賞が済んでから(生き返ってから)パンフレットをご購入ください。なんとそこには…?ここにもモキュメンタリーならではの憎い演出が篭っています。

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