2018年09月26日公開
2018年09月26日更新
ロビン・フッドの映画あらすじ・キャストは?2010年版と2018年版を比較
8年の歳月を経て、2018年版の『ロビン・フッド』がアメリカで堂々公開!?新作公開に先駆けてリドリー・スコット監督版の映画『ロビン・フッド』(2010)とレオナルド・ディカプリオ製作オットー・バサースト監督の映画『ロビン・フッド』のキャストを合わせてご紹介いたします。まだ遅くない、2010年版のあらすじもわかりやすく徹底解説。この記事で新作『ロビン・フッド』に備えましょう。
目次
ロビン・フッドの映画あらすじやキャストを徹底比較!
皆さん、英国は12世紀末、十字軍の影の立役者にして森のアウトローことロビン・フッドの物語はご存知ですか?なんとこの英国が誇る英雄は2010年に『グラディエーター』や『ブレードランナー』で有名なリドリー・スコットの手によって映画化されています。そして、今、2018年の9月にかのレオナルド・ウィルヘルム・ディカプリオ製作の元2018年版映画『ロビン・フッド』がキャストも構成も新たにアメリカで公開となっているのです。
今日は英国のみならず、世界中で愛され続ける英雄「ロビン・フッド」にまつわるこの注目度増大中の2つの映画についてキャストやあらすじなどを徹底解説していきます。日本公開はまだ先の話ですが、今のうちに復習と予習をしてロビン来日に備えましょう!
ロビン・フッドとは?
ロビン・フッドとは、12世紀末獅子心王ことリチャード1世の元で十字軍として従軍し、獅子心王の死後に失地王ジョンと対立する形で「アウトロー」と銘打たれ波乱の人生を送ったと吟遊されている英国のダークヒーローです。
ロビン・フッドは、ジョン王や納税を貧民に強要する代官などを既知や弓の腕前、仲間たちとの連携で退治するダークヒーローとして、日本で言うところの石川五右衛門のように人々に愛され様々な作品に影響を与えています。
例えば、アメリカンコミックのヒーロー「ホークアイ」はロビン・フッドを思わせるマスクをしてヴィランとして登場したり、その先輩格にあたる「グリーンアロー」は後世に語られるロビン・フッドの姿のまま現代のヴィランと闘っています。
ロビン・フッドの映画あらすじをネタバレ比較!
そんなロビン・フッドは、歌劇としては1860年と2011年に、映画としては1922年のアラン・ドワン監督の『ロビン・フッド』を皮切りになんと15本も製作されており今回のオットー・バサースト監督の2018年版『ロビン・フッド』で記念すべき16本目となる英国にとっては欠かせない英雄なのです。本日はその中でも2010年版と2018年版のキャストとあらすじにフォーカスしてご紹介いたします。
2010年版映画『ロビン・フッド』のあらすじ!
2010年版の『ロビン・フッド』の予告トレーラーと言えば中世の戦争映画っぽさの強いエキストラの多さとその最先端で闘うラッセル・クロウの姿。この2010年版『ロビン・フッド』のあらすじについてまずは読み解いていきましょう。
リドリー・スコット監督の描く2010年版の『ロビン・フッド』は十字軍遠征から祖国イギリスに帰還しようとする獅子心王の軍勢の中のひとりとして描かれはじめます。イギリスの射手は歴史的にも重要かつ有名ですが、その射手のひとりとして狩りの場から戦場へそのままの足で躍り出る剛気さや、機転の回る強面の兵士としてのロビンの姿はリドリースコット監督ならではのバランス感覚でしょう。
余談ながら、2010年版の『ロビン・フッド』の5年前(彼の監督作品の順番としては5本前)に同じ十字軍を題材とした『キングダムオブヘヴン』を製作しており、序盤の砦攻略戦の弓矢の飛び交うシーンは『キングダムオブヘヴン』をセルフオマージュするような泥臭くも雄大なものになっています。
砦攻略の最中、獅子心王に率直な意見を訴え捕縛されたロビンの鼻先でリチャード1世は不運にも死亡。その混乱の隙に逃げ出したロビンとその仲間たちは、獅子心王の王冠兜を狙ってやってきたゴドフリーにより襲撃されたロバート・ロクスレーたち騎士に遭遇してしまいます。ここでロバートからの遺言として王冠兜の帰還と父の剣をノッティンガムの領主であるウォルター卿に渡して欲しいと頼まれるのです。
出典: https://i.gzn.jp
最初は獅子心王の王冠兜があればロバートの服装を盗み騎士の称号を騙ることで安全にイギリスに帰還できるという打算で仲間たちと身分を偽ったまま船に乗り帰還を果たします。しかし、ここで託された剣の柄に彫られた「子羊が獅子になるまで」という句に何か引っかかるものを感じ、ノッティンガムのウォルター卿の元へ向かうことになります。
目の不自由なウォルター卿は不作と森のアウトローたちによる窃盗で痩せこけた領地の存続のため、ロビンに自分の息子ロバート・ロクスレーとしてノッティンガムに残るように交渉し、ロビンはロバートの未亡人マリアンと共にロクスレー卿としてゴドフリーたちフランスのスパイやジョン王の横暴と闘うことになっていきます。
2010年版の『ロビン・フッド』はこのようにあくまでも戦記の中にいたであろうドラマチックな人生を描く形に焦点を絞っています。
ここが違う?2018年版映画『ロビン・フッド』のあらすじ!
一方、まだまだ不明な点もありますが、予告などの情報を見るに2018年版の『ロビン・フッド』は2010年版ではフォーカスされなかった「義賊としてのロビン・フッド」をスタイリッシュに描くことが判明しています。主演のタロン・エガートンは2018年版メインキャストとして登用された際のことを以下のようにInstagramで語っています。
「『キングスマン』の公開後、わりとすぐに声をかけられたんです。僕の最初の反応は、正直に言うと「なぜ?」というものでした。
出典: http://i0.wp.com
でもオットーに、物語を完全に違うものにしたい、今までのパターンに縛られたものにはしたくないと言われました。最初に撮ったのはシリアでの革命シーンで、まるで『ハート・ロッカー』(2008)みたいでしたよ。ファンタスティックで、すぐに納得しました」
2010年の『ロビン・フッド』で敵役を担っていたのはジョン王の横暴さや押し寄せるフランス軍など軍記的要素の強い相手でしたが、2018年はオットー・バサースト監督のコメントによれば「現代社会で起こっていることととても関連している」ということですので、悪代官であるノッティンガムの代官が敵対する相手として描かれるのではないでしょうか?その点を踏まえて2010年版と2018年版の注目のキャストについてチェックしてみましょう。
ロビン・フッド2010年版のキャスト一覧!
ラッセル・クロウ(ロビン・ロングストライド役)
リドリー・スコット監督とは黄金タッグでもあるラッセル・クロウが勇敢なロビン・ロングストライドを演じています。
本人の気性の荒さや『マスター・アンド・コマンダー』(2004)のジャック・オーブリー艦長など無骨さがトレードマークの俳優です。
ラッセル・クロウとリドリー・スコット監督のコンビでは『グラディエーター』(2000年)の将軍から剣闘士に没落したマキシマスや『ノア 約束の舟』(2014年)の苦悩しながら荒々しくも家族を導くノアなど、「荒っぽく勇敢で人々と魅了する」シンボルとして2010年版の『ロビン・フッド』の色を決めています。
ケイト・ブランシェット(マリアン役)
そのラッセル・クロウと共にノッティンガムの女主として気高く強く弓を引くのは、1998年に『エリザベス』でエリザベス1世を演じゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ部門)を受賞し、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでは森の奥方ガラドリエルを演じたケイト・ブランシェットです。
時系列としてはガラドリエルの弓捌きや凛々しさに惹かれての登用ですが、終盤森の孤児たちを率いる姿はかなりかっこよく映ります。
マーク・ストロング(ゴドフリー役)
強力すぎるふたりをこれでもかと追い詰めるフランスのスパイにしてジョン王の重鎮であるゴドフリーを演じるのは、濃いキャストにも負けじ劣らずの「ハリウッドの悪役イギリス俳優」の座を欲しいままにするマーク・ストロングです。
2005年の『リボルバー』でステイサムを狙う殺し屋ソーターを演じた彼ですが、近年ですと『キングスマン』(2014)でエグジーを支えるエージェントマーリンの役をこなしていたりする頼もしい配役です。
8年を経て2018年版キャストのロビンをタロン・エガートンが演じるのは少しシュールとも言えます。
ケヴィン・デュランド(リトル・ジョン役)
そんな2人を支える仲間のひとり「リトル・ジョン」を演じたのは、ケヴィン・デュランド(写真一番後ろ)。『バタフライ・エフェクト』(2004)で主人公と同じ房の囚人カルロスとして世界観を固めたり、ドラマ『LOST』(2008~2010)シリーズで冷酷な傭兵マーティン・キーミーを演じたのも彼です。アウトローな仲間たちのキャストとしてはかなり最適だったのではないでしょうか?
マーク・アディ(タック修道士)
蜜蜂をこよなく愛するタック修道士を演じたのは『ゲーム・オブ・スローンズ』などドラマではお馴染みのマーク・アディです。愛くるしい表情とユーモラスでシニカルな言い回しは『フル・モンティ』(1998)から変わりません。この人もまた、アウトローな役が多い俳優だと言えます。
ロビン・フッド2018年版のキャスト一覧!
タロン・エガートン(ロビン・フッド役)
2010年代期待の新星と言えばこの人、2014年の『戦場からのラブレター』で映画デビューし2015年の『キングスマン』で主演ゲイリー・“エグジー”・アンウィンを演じたタロン・エガートンが、2018年版ロビン・フッドを華麗に演じます。
2010年版ロビン・フッドのラッセル・クロウと対極的な線の細さとトレーラーでも披露された甘いマスク、軽やかなアクションは戦記物の1将校ではなく、新時代のアウトロー、あるいは『アサシンクリード』(2016)に登場した革命者のような「若くて鮮烈な義賊」のビジョンをスクリーンいっぱいに表現してくれるのかもしれません。
特にトレーラー動画の火炎瓶を投げるシーンやマスクをした徒党は『Vフォー・ヴェンデッタ』(2005)を思わせるものがありましたが、ロビンがどんな革命を起こしてくれるか目が離せません!
イヴ・ヒューソン(マリアン役)
今回エキゾチックなヒロインを演じるのは2013年『おとなの恋には嘘がある』で銀幕デビューを果たしたアイルランドの女優イヴ・ヒューソンです。ショーガールのような覆面姿でトレーラーに登場したイヴですが、軽やかに踊るように革命を起こすであろうロビンをどのように支えどのように活躍するか、かなり期待が高まります。
ベン・メンデルソーン(ノッティンガムの代官役)
トレーラーと配役で一番驚かされたのがこの人、2012年の『ダークナイト ライジング』や2014年のリドリー・スコット監督作品『エクソダス:神と王』、そして2018年の『レディ・プレイヤー1』でことごとく悪役を演じているベン・メンデルソーンが今作でもノッティンガムの代官役というヴィランキャストを演じます。マーク・ストロングといい徹底してアイコン化された「悪」を配置するという作戦なのか、否か、こちらも期待が集まるキャストです。
ジェイミー・フォックス(リトル・ジョン役)
トレーラーでも悪辣にロビンと相対している仲間リトル・ジョンを演じるのは、これまたアウトローな役回りをがっちりこなすジェイミー・フォックスです。2004年、レイ・チャールズの伝記映画『Ray/レイ』でアカデミー主演男優賞を受賞した彼は、2011年の『モンスター上司』での元詐欺師役や2017年の『ベイビー・ドライバー』でのゴロツキバッツなどスクリーンで渋みと尖りっぷりを披露してくれるに違いありません。
ティム・ミンチン(タック修道士)
2010年版ではミードを愛し、諸説ではエールを愛したというタック修道士を2018年版で演じるのは『ジーザス・クライスト・スーパースター』(2012)で鮮烈なサウンドと共にユダを演じきったティム・ミンチン。ロックでファンキーでかっこいい名言も多い彼がスクリーンでどんな活躍をするのか期待値は高いです。
2010年版と2018年版、それぞれの映画のここは注目!
2010年版のリドリー・スコット監督の描いた『ロビン・フッド』のキャストと作風はまさに「歴史ロマンを成立させるための、重苦しい時代に耐え抜けるほど屈強で我慢強くそして勇敢に違を唱え、自分たちの大切なものを守りきる人々」の姿を浮き彫りにするものでした。そうであるからこそ画面はどちかと言えば薄暗く、埃っぽくて鉄や木々の放つ効果音も重厚に感じるものが多い印象があります。
対する2018年版の『ロビンフッド』を率いるのは期待の新星オットー・バサースト監督とレオナルド・ディカプリオ。キャストやトレーラーから読み解くに、作風は「声なき人々を象徴する『顔』としてアウトローヒーローと周りの人々を描く」ロックで華麗で今風なスタイリッシュさがキーになってくるのかもしれません。群像ドラマだけではない踊るような物語展開が期待出来るのではないでしょうか?
ロビン・フッドの映画あらすじやキャストまとめ!
2010年版と2018年版の『ロビン・フッド』のあらすじとキャスト紹介はいかがでしたか?有名で愛され続ける物語は多いですがフォーカスする部分や強調したい部分の違いや作風の違いがかなり浮き彫りになりそうなふたつの「ロビン・フッド」。
どちらも魅力的な世界観の見せ方で後世の人々に偉人の存在をアピールしてくれそうです。新作ロビンフッドが日本に到来するまで待ち遠しいですが、これを機にロビン巡りをしてみるのも楽しいかもしれません。