2018年10月09日公開
2018年10月09日更新
不能犯の映画あらすじ・感想をネタバレ解説!結末や疑問点を徹底考察
2018年2月1日に公開された映画『不能犯』。この作品は宇月新原作・神崎裕也作画による漫画作品を実写化したものであり、漫画の『不能犯』は『グランドジャンプ』において2013年10号から連載を開始、現在も連載中の漫画です。映画『不能犯』のあらすじは、漫画の第1巻を実写化したそうで、『貞子VS伽倻子』の監督として有名な白石晃士が監督と脚本を務めました。今回、映画『不能犯』のあらすじをネタバレし、同時に映画の感想についてもネタバレ、映画に関する疑問点までもを徹底考察していきます!
目次
不能犯の映画あらすじや感想をネタバレ解説!登場人物も紹介!
主演を務める松坂桃李さんが、ダークヒーロー役を演じた映画『不能犯』。あらすじの原作は漫画であり、現在進行形で連載中の作品であるだけに、どの部分のあらすじが実写化されるのかと話題になっていた作品です。予告などの段階で「松坂桃李さんの演技に観客は恐怖を感じる」と話題であり、女優の沢尻エリカさんや矢田亜希子さんも出演しているという事で、あらすじ以外にもキャスト陣の面でかなりの注目を集めていました。
そんな大注目をされていた映画『不能犯』ですが、実際に映画となったあらすじはどのような話だったのでしょうか。今回、映画『不能犯』のあらすじについてネタバレを紹介し、同時に映画『不能犯』を見た視聴者の方々の感想をネタバレ紹介します。また、登場人物についてのネタバレも一緒にご紹介していきます。
不能犯とは?
2018年2月1日に公開された映画『不能犯』。この映画は、集英社の「グランドジャンプ」で2013年10号より連載中である、宮月新(原作)・神崎裕也(作画)の漫画、『不能犯』を実写化したものです。漫画『不能犯』の第1巻の話を実写化した作品という事で、あらすじとしては、5人のターゲットが息絶えるまでの5つの話が交錯して進んでいきます。
『不能犯』の監督は『貞子VS伽倻子』などのホラー映画作品を手掛けてきた『白石晃士』が監督を務め、脚本も白石晃士監督が手掛けて作り上げた作品です。これまでB級ホラー映画で個性を出していた白石監督でしたが、彼にとって『貞子VS伽倻子』がメジャー配給作品の第1作目であり、この映画『不能犯』が、白石監督が手掛けるメジャー配給作品の第2作目にあたるのだそうです。
ここで、作品の題名にもなっている『不能犯』についてご説明します。『不能犯』とは、「犯罪を意図的にした行為でも、その実現が不可能であれば、罪に問われない」事なのだそうです。この映画『不能犯』のあらすじとして、松坂桃李さんが演じる主人公が、マインドコントロールによって他人を死に至らしめていき、依頼者から依頼があれば堂々と人の命を奪っていくため、その姿が観客に何とも言えない恐怖感を与えています。
不能犯の登場人物とキャストを紹介!
ここで、映画『不能犯』に出てきた登場人物達と、その役を演じたキャスト陣についてご紹介します。『不能犯』のあらすじを、より際立つものにしたのが、有名どころのキャスト陣。主演された俳優、女優についてご紹介すると同時に、登場するキャラクター設定についてのネタバレも加えてご紹介します。
宇相吹正/松坂桃李
それでは早速、主人公について少しネタバレをご紹介します。映画『不能犯』の主役、『宇相吹正(うそぶきただし)』を演じたのが、最近幅広い役を演じているイケメン俳優、『松坂桃李』さんです。松坂桃李さんが演じた『宇相吹正』は、別名『電話ボックスの男』とも呼ばれており、一つのネタバレとして、指定した電話ボックスの裏に殺してほしい人物の名前を書いて貼っておくと、宇相吹がその依頼を遂行してくれます。
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作品の中で宇相吹が発する代表的なセリフとして『愚かだねぇ、人間は…』という言葉があります。映画『不能犯』で代表的なキーワードと言える程、人の醜い心が見られるたびに宇相吹が発する言葉です。人の醜い心を嘲笑う演技をした松坂桃李さんのその姿は、多くの視聴者から「さすが」と称賛される程の演技力でした。
そんなダークヒーローを演じた松坂桃李さんは、1988年10月17日生まれの神奈川県出身、トップコートに所属し、2008年に「チャレンジFBモデル2008オーデション」でグランプリを受賞。雑誌「FINEBOYS」で専属モデルとして活動開始しました。彼の俳優デビュー作品は、2009年のスーパー戦隊シリーズの第33作『侍戦隊シンケンジャー』で、その中で主役『シンケンレッドの志葉丈瑠役』を演じました。
その後、様々な映画やドラマに出演し、映画『ツナグ』で演じた渋谷歩美のような、優しく穏やかな役を演じるかと思えば、『劇場版 MOZU』で演じた権藤剛のような狂気的な役を演じるなど、演技の幅をグッと広げてきた彼は、今回の『不能犯』でも非常に高評価を得ています。
多田友子/沢尻エリカ
今回、映画『不能犯』では、不能犯である宇相吹を追う刑事の一人、多田友子役を演じたのが女優の沢尻エリカさんでした。映画『不能犯』のあらすじで主人公と対峙する役である、刑事の『多田友子』という役についての面白いネタバレを少しご紹介します。沢尻エリカさんが演じた多田は、『女性』設定でしたが、実は映画と原作で設定が違います。
原作である漫画の『不能犯』の方では、実は多田は『男性』なのです。『多田友子』ではなく、『多田友樹』という男性刑事であり、パートナーの新人刑事である『百々瀬』も、映画では『男性』ですが原作では『女性』となっています。また、多田も百々瀬も映画と原作では少し性格も異なるようです。作品を手掛けた白石監督が、映画と原作で性別を変えた理由が何なのかは明らかにされていません。
この女性刑事である『多田友子』についてもう一つネタバレを。映画『不能犯』で登場する女性刑事『多田友子』は、悪事を許せないクールビューティーな女性です。実は「宇相吹がコントロールできない人間」という特別な設定を持っており、それによって様々な葛藤が生まれる中で自身のその特徴を武器にし、宇相吹と真っ向から対立していくあらすじとなっています。
ではここで、沢尻エリカさんについて簡単にご紹介します。沢尻エリカさんは1986年4月8日生まれ、東京都出身。エイベックス・ヴァンガードと業務提携しているスペインの個人事務所エル・エクストラテレストレに所属し、2001年頃からモデルや女優として活動を開始。代表作として、2005年に公開された井筒和幸監督の作品『パッヂギ』で演じた「リ・キョンジャ」役が好評であり、数々の映画賞・新人賞を受賞しました。
その後、数々のドラマや映画で役を演じていましたが、2007年9月29日公開の映画『クローズド・ノート』の舞台挨拶にて不機嫌な態度を取り、世間・マスコミからバッシングを受け、2009年9月30日付けで前事務所との専属契約が解消。翌年の春まで芸能活動を休止していました。
その後、たかの友梨ビューティークリニックのCM出演で話題となり、2012年には蜷川実花が監督する映画『ヘルタースケルター』で主演を務め、女優復帰を果たしました。『ヘルタースケルター』は大ヒットし、この作品で沢尻エリカさんは日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞しました。
不能犯の映画あらすじをネタバレ解説!
ではここでいよいよ、映画『不能犯』に関してあらすじをネタバレしていきたいと思います。犯罪を意図した行為でも、その実現が不可能であれば罪に問われない=不能犯。この『不能犯』と言う映画は一体どの様な映画なのでしょうか。
話は一つの都市伝説とも言える噂話から始まります。『殺して欲しい理由と連絡先を紙に書いて電話ボックスに貼ると、願いを叶えてくれる男がいるらしいよ』そんな都市伝説が巷で広がっていました。嫌な人間を、嫌いな人間を殺してくれる…、そんな黒い誘惑に人々は心踊らされ、その都市伝説を信じて殺人を依頼する人々が現れます。
しかしその依頼をする際に気をつけなければならない事が一つありました。それは、『依頼人の殺意が純粋なものでなければ、依頼者自身も死んでしまう』というもの。中途半端な気持ちで依頼すれば、その報いは何かしら自分に跳ね返ってくる、というものです。
そんな噂が流れる中、一つの怪死事件が発生します。ある日、都内のカフェで闇金の社長である木島が、顧客に対して借金返済の催促を電話でしていると、黒いスーツに身を包んだ男がフラリと現れ、木島の前に立ちます。そして木島に対し「貴方は人生が終わる時の事を想像した事がありますか?」と問いかけます。突然そんな質問をされた木島は、目の前の男に対してただただ不可解な反応しかできません。
そうこうしている間に、目の前の男は水の入ったグラスにガムシロップを全量注ぎ込み、座っている木島にぶっかけます。それに木島が怒号をかけようとした、その瞬間、「その匂い、スズメバチが好むんです」不敵な笑みでそう言い放った刹那、男の瞳が赤く染まり、木島と視線が交わります。それによって木島が息を乱していると、男はゆっくりと紙袋から大きめな瓶を取り出します。すると中には大量のスズメバチが…。
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男が瓶の蓋を開けた瞬間、スズメバチは木島に襲い掛かり、木島はのたうち回りながら絶命してしまいます。その後、刑事である多田と百々瀬が、他の刑事と共に現場を確認します。現場にいた人達からの聴取では、『全身黒スーツの男がいた』というものが聞かれました。署に戻り、店の防犯カメラを確認してみると、そこには不可解な光景が。
突然、全身黒スーツの男が木島の前に現れ、男の前で木島が倒れた後、木島が突然苦しみだしたかと思えばのたうちまわり、そのまま死んでしまいました。スーツ姿の男が特別に何かを木島に行った形跡は、画像上には見られません。遺体には何かに刺されたように全身が腫れ上がった状態でしたが、検死の結果、木島の死因は単なる心筋梗塞。毒物も一切検出されませんでした。
実は、今回のような事件は初めてではなかったのです。約3ヶ月程前、ある不可解な事件がありました。ある女性が『刺された!』と言って通りすがりの人に救助を求めたましたが、どこにも刺し傷なんてありません。その後すぐにその女性は死亡してしまいます。少しすると、助けを求めて来た女性の後から、木島の事件にいた人物と同じような、全身黒スーツの男の姿が確認されていました。
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画像や証言から、最近の不可解な事件について黒スーツの男が何か知っていると確証した刑事達ですが、彼の行方が不明な状態では、彼を署まで連行することはできません。短い間で発生した不可解な二つの事件について、彼が犯罪を意図して行動している事は明らかですが、それが立証されなければ罪に問うことはできません。まさしく、彼は『不能犯』だったのです。
そうこうしている間に、一つの事件が発生します。とある住宅街で起きた殺人事件。その事件の現場検証をしていた多田は、上司である夜目美冬(矢田亜希子さんが演じています)刑事に、黒スーツの男が野次馬に混じって立っていると教えられます。多田は夜目を始めとした他の刑事と共に男を任意同行させ、署にて事情聴取をすることに成功します。
『宇相吹正』。彼は自分の名前を正直に言います。しかし調べたところ、そのような名前の戸籍が見つかりません。事情聴取を担当したのはベテラン刑事の夜目刑事。その事情聴取に同席した多田は、事件の解決を期待して彼からの答えを聞きます。しかし、不相吹の事情聴取をしていた夜目の様子が可笑しくなっていることに多田は気づきます。明らかに、夜目が動揺しており、ついには夜目が事情聴取を強制終了してしまいます。
実は夜目刑事は、事情聴取の際に宇相吹のマインドコントロールにかかってしまっていたのです。その日の夜、帰宅した夜目刑事は宇相吹のマインドコントロールによって浴槽で手首を切り、翌朝、溺死体で発見されます。しかしその溺死体を見て多田が疑問を感じるのです。「右利きなのに右手首を切るのはおかしい」と。しかし殺人につながる証拠も出てこないため、この事件は自殺として処理されてしまいます。
夜目刑事が死亡した後、宇相吹の前に一人の男が現れます。それは、鑑識の河津村でした。なんと彼は、過去に夜目刑事が現行犯逮捕した高校生の父親だったのです。その高校生とは、宇相吹を事情聴取していた時に夜目だけに見えていた高校生だったのです。その子は痴漢の容疑で夜目刑事に事情聴取され、「やっていない」と主張しましたが、なかなか夜目が認めてくれず、ついに拘留所で首をつって自殺してしまったのです。
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そのことを恨み、河津村は宇相吹に夜目刑事の殺害を依頼したのでした。「お見事でした」そう宇相吹を一言賞賛した河津村でしたが、宇相村から「貴方の殺意は不純です」と言われてしまうのです。河津村は宇相吹に対し「息子を殺した夜目を殺して欲しい」動機としてそう頼んだのでしょう。しかし、実際は「準キャリアだからってノンキャリアの俺を見下しやがって」と言い、他の動機が彼の口から出て来たのです。
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「不純も何も無い。夜目を殺してくれと頼んだだけ」河津村がそう言葉にして振り返ったその時、場面は警察署内に切り替わり、そこには同じ捜査に携わった多田や百々瀬、自分の部下達の姿が…。殺意が不純だった河津村は、いつの間にか宇相吹にマインドコントロールをかけられており、皆んなの前でまんまの自白してしまったのです。
その自白により、夜目を殺害した計画犯が河津村であると分かった多田は彼を捕まえようとしますが、彼は逃走。逃げる途中、階段で転落し、そのまま死亡してしまいます。これが宇相吹の言う、不純な殺意の代償だったのです。
ある日、黒スーツの男はマインドコントロールで人を死に至らしめているのでは無いか、と百々瀬が多田に伝えます。大学で心理学を学んでいた百々瀬は、過去の戦争でマインドコントロールによって多くの兵士が死亡した事例を挙げ、3ヶ月前の事件と木島の事件についても同じなのでは、と多田に相談します。そう考えればつじつまが合う、多田も思いましたが、結局のところ立証できないことには逮捕できないことに、変わりありません。
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結局、宇相吹を逮捕することはできずに時間ばかりが過ぎていきます。ある日の夜、多田は自身が更生させた少年、川端タケル(間宮祥太朗さんが演じています)が働いている料理店で呑んでいました。その帰り道、タクシー乗車中に気持ち悪くなってしまった多田は途中下車し、路上で嘔吐していると、背後から突然宇相吹が現れるのです。
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突然宇相吹と1対1で対峙することになった多田。警戒する多田に宇相吹は赤い目を向けてマインドコントロールを仕掛けようとします。しかし、多田は宇相吹のマインドコントロールが効かない特殊な人間だったのです。そんな多田を見て怪しく笑う宇相吹は、「これ以上悲劇を繰り返したく無ければ僕を殺すしか無い」と伝え、一枚の名刺を投げ渡しながら、殺す気になったら記載された場所に来るように、と言って去っていきます。
その後も宇相吹が絡んだ事件が巻き起こり、その度に多田は『宇相吹を止めるために、彼を殺すしか無い』という思いと葛藤します。そんな中、後輩の百々瀬が爆弾事件に巻き込まれ、意識不明の重体となってしまいます。多田は百々瀬の様子を見に頻繁に病院へ足を運びますが、怪死事件の事もあり疲労が蓄積していきました。そんな多田を心配し、以前彼女が更生に導いたタケルが彼女を心配し、弁当を差し入れしに来ます。
タケルからの好意を無駄にしないよう、多田はタケルが持って来たお弁当を口にし、差し出されたお茶を飲みます。すると、突然多田は意識を失ってしまいます。そして多田が次に目覚めた時、場所は先ほどまでいた場所ではなく、院内の改装中の場所。そこにいるのは、多田と、表情を変えずに立っていたタケルの二人だけでした。そしてタケルは、一連の爆弾事件の犯人は自分である、と多田に言うのです。
更にタケルは、多田を裏切り絶望に打ちひしがれた顔を見るために今まで更生したように見せかけていた、と言い出します。『百々瀬の病室と保育園に爆弾を仕掛けた。あと10分でどちらを爆発させるか選べ。選べなければ、どちらも爆発する』多田の前に爆弾のスイッチの設定をしたケータイ電話を二つ置き、タケルは多田にそう迫ります。その時、その場に突然、宇相吹が現れるのです。
なんと、タケルは宇相吹の事を知っていました。更に、木島の怪死事件は、タケルが宇相吹に依頼したものだったのです。真相を知っている宇相吹が邪魔になったタケルは、隠し持っていた包丁を取り出し、宇相吹へ襲い掛かります。宇相吹はマインドコントロールをタケルにかけ、五寸釘でタケルの四肢を塞ぎます。その際に隙を見て動いた多田が、タケルの手から落ちた包丁で宇相吹の腹部を刺すのです。
宇相吹の動きが鈍くなった瞬間に、多田はタケルを拘束し、手錠でパイプに固定。二人を動けない状態にし、多田は急いで院内の百々瀬の病室へ駆けていきます。その途中、署に病院と保育園に爆弾が仕掛けられている事を連絡し、院内の患者が避難する中を逆走し、多田は百々瀬の病室から爆弾を持ち出して屋上へ向かいます。
その時タケルは、自力でパイプを破壊し、何とか逃走。院内の公衆電話へ向かい、病院に仕掛けた爆弾を起爆させようとしてダイヤルを押します。ダイヤルが押された瞬間、病院の屋上で大爆発が。多田は何とか屋上へ爆弾を運び、院内での爆発を防ぐことができました。しかしタケルは次へ動きます。保育園に仕掛けていた爆弾が残っている。そう思考を切り替え、今度は公衆電話で保育園に仕掛けた爆弾のダイヤルを押そうと試みます。
その時でした。タケルの側に宇相吹が立っていました。そして次の瞬間、宇相吹はタケルにマインドコントロールをかけてしまうのです。すると、タケルの足元には保育園に仕掛けたはずの爆弾が。その爆弾をタケルが見た瞬間、その爆弾は爆発。タケルはマインドコントロールによって大火傷を負った様な傷を作り、死亡してしまいます。
宇相吹の能力
ここで映画『不能犯』の主人公である男、宇相吹正の能力についてのネタバレをご紹介します。宇相吹は特殊な能力を持っており、赤く光る瞳で相手と視線を合わせると、マインドコントロールをかけることができ、思い込みによって相手を死に至らしめることができるのです。なぜマインドコントロールが使えるのか、それは原作である漫画『不能犯』のあらすじでも明らかにされておらず、詳細が一切不明となっています。
次々と起こる不審死
映画『不能犯』のあらすじにもなっている、数々の不審死。その不審死についてそれぞれネタバレしたいと思います。まず、映画『不能犯』のあらすじでは、宇相吹が依頼者から依頼を受け、ターゲットにされた人間が5人いました。その5つの殺害についてネタバレ紹介します。
ターゲット1
『ターゲット1、木島功の殺害』のあらすじとネタバレを紹介します。あらすじとしては、木島は闇金の経営者であり、映画『不能犯』では電話口で借金の返済を脅しながら催促している姿がありました。彼は宇相吹のマインドコントロールによって、大量のスズメバチに刺されたと思い込み、アナフィラキシーショックの様な状態で死亡しました。ネタバレとして、実はこの木島の殺害を依頼したのが、後に出てくる川端タケルでした。
ターゲット2
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『ターゲット2、鳥森広志の殺害』のあらすじとネタバレを紹介します。この殺害事件のあらすじとして、新婚の羽根田健は、自身の妻から隣に住む鳥森に暴行されたと聞き、羽根田は鳥森の所へ怒鳴り込みに行きますが、一切謝罪は無く、逆に何故か責められてしまいます。頭にきた羽根田は宇相吹に鳥森の殺害を依頼します。
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後日、鳥森の前に現れた宇相吹は彼にマインドコントロールをかけ、持っていたペットボトルの水を『煙草の吸い殻が多量に入った水』に思い込ませ、急性ニコチン中毒の様な状態となり、鳥森は苦しみながら死亡します。その後、宇相吹から鳥森の殺害が完了したと報告された羽根田は、宇相吹から『鳥森がお宅のゴミから持ち出していた物』が入っていると言って、一通の茶封筒を渡します。
それと同時に、羽根田は宇相吹から「今日は一度家に帰った方がいい」と言われ、宇相吹は羽根田の前からさっていきます。羽根田は宇相吹から渡された茶封筒の中身を確認します。するとそこには、羽根田が不在の際の妻の様子が。何と、妻が薬物に溺れている様子と、それを止めようとした鳥森の様子が記載されていたのです。半信半疑で羽根田が家に戻ると、そこには信じられない光景が。
何と、自分の家のリビングに見知らぬ女性二人が下着姿で床に寝ており、ソファーには自分の妻と見知らぬ男の姿が。彼らは皆、薬物を摂取してラリっている状態でした。そんな妻の姿に怒りを覚えた羽根田は、自分にベタベタと触れてきた見知らぬ女性二人を灰皿で殴り殺してしまいます。
続けて今度は、妻の隣にいた見知らぬ男性の頭を殴り、殺害。しかし今度はその様子を見ていた妻が包丁を持ち出し、羽根田の腹を刺します。豹変した妻の姿を見て、羽根田は妻をも殴り殺し、羽根田も刺された箇所が致命傷となり死亡してしまいます。何ともショッキングなネタバレとなってます。
ターゲット3
『ターゲット3、夜目美冬の殺害』についてあらすじとネタバレを紹介します。あらすじは、多田刑事の上司で、準キャリアの夜目刑事。連行した宇相吹の事情聴取を担当した際、彼にマインドコントロールをかけられ、過去に担当した高校生の事件を思い出してしまいます。宇相吹の事情聴取中、彼の言葉によって手に虫が這っている様に見え、彼から「噛まれましたね。消毒しないと」と言われた直後、右手首を彼に舐められます。
その後、精神的に夜目の方が事情聴取を続けられず、何も聞けぬまま宇相吹を解放してしまいます。彼の背中を署の入り口で見送っていた時、多田が夜目の右手首が腫れている事に気づきます。その後鑑識に調べてもらいましたが、特に何も問題となる様な物は検出できず。夜目は自宅へ帰宅します。実は、事情聴取中に見えた高校生は、数年前に偶然夜目が居合わせた電車の中で、痴漢の現行犯で夜目が逮捕した子でした。
彼は「やっていない」と必死で訴えるも、夜目は彼の言葉を信じず、「お父さんも正直に言いなさいと言っていた」と言って、彼から自供を聞こうとしました。しかし彼は認めず、拘置所内にて自殺してしまったのです。実は、その高校生の父親が、夜目と同じ部署で働く、鑑識の河津村だったのです。夜目は帰宅後、精神的に追い込まれた状態で入浴していたところ、突然右手首に痛みが走り、巻いていた包帯を外します。
すると、右手首の部分がうねり出し、高校生の顔が出現。その顔は「僕はやってません」と言葉を繰り返し、錯乱状態となった夜目は、その顔目掛けてカミソリを振り下ろしました。翌朝、夜目は溺死体として発見され、自殺として処理されます。しかしその死体を見て多田は『夜目は右利きだったのになぜ左手でわざわざ切って自殺などするのか』と疑問を感じます。これは自殺ではない、そう多田は感じますが、証拠がありません。
そんな場面から、宇相吹が一人立っているシーンに切り替わり、そこへ一人の男性が現れます。鑑識の河津村です。何と、今回の夜目の殺害を依頼したのは河津村だったのです。息子を自殺に追い遣った恨みで、宇相吹に夜目の殺害を依頼しましたが、実は河津村が夜目の殺害を以来した理由が他にもあったのです。『準キャリアだからって、ノンキャリアの俺を見下しやがって』そんな気持ちもありました。
そのため、河津村は宇相吹に「あなたの殺意は不純だ」と言われてしまいます。「不純も何も無い。夜目を殺してくれと頼んだだけ」そう言って河津村が後ろを振り向いた瞬間、場面は自分の部署に切り替わり、そこには多田を始めとする同僚達の姿が。河津村はその場から逃げ、階段から転げ落ちて死亡してしまいます。恨みは人を変える、と言う事がよくわかるあらすじとなっていました。
ターゲット4
『ターゲット4、夢原理沙の婚約者の殺害』についてあらすじとネタバレを紹介します。この話のあらすじは、ある姉妹が親の離婚をきっかけにそれぞれに引き取られる事となり、姉の理沙は母親に引き取られます。妹の優は、父親が働かないため、生計を立てるために風俗で働き、不自由な生活を強いられている一方、姉の理沙はジュエリーショップを経営。将来が約束された医者と婚約までし、何不自由ない優雅な生活を送っていました。
姉の理沙の結婚を知った妹の優は、姉に手紙を書き、今の暮らしについて報告をしますが、待てど暮らせど姉からの返事は来ません。優はしびれを切らし、姉が経営するジュエリーショップへ。そこには店頭で接客をする姉の姿がありました。優が店を覗き込んだその時、姉の理沙と目が合います。ところが、姉は優を無視して店の奥へと姿を消してしまいました。
姉に無視された恨みと、長年自分ばかり不幸な目にあって来た屈辱が一気に増幅した優は、宇相吹へ殺害を依頼します。依頼内容は、姉理沙の殺害ではなく、姉が姉の婚約者を殺す、という依頼でした。依頼を受けた宇相吹は、理沙にマインドコントロールをかけ、車で事故を起こさせます。救急搬送された先の病院は、理沙の婚約者が務める病院でした。
しかし、そこにも宇相吹が現れ、理沙はマインドコントロールによって、婚約者が看護師と不倫をしている様に見せられ、頭にきた理沙は婚約者を背後からハサミで襲い、殺してしまいます。理沙の事情聴取へ来ていた多田と部下が理沙を取り押さえ、理沙はそのまま警察へ連行されます。その後、妹の優の元へ宇相吹から、姉が婚約者を殺したと報告を受けます。喜びながら家へ帰る優ですが、玄関先に一つの茶封筒が。
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その中からは、姉の理沙から優へ送られるはずたっだ、姉の結婚式の招待状が入っていました。そしてそれと一緒に、姉から優へ宛てた手紙が。その手紙には、理沙からの謝罪や優を想う言葉が詰まっており、その手紙を読んだ彼女は、姉に対して自分が取り返しのつかない事をしてしまったと悔やみ、自分のアパートで自殺してしまうのです。
ターゲット5
『ターゲット5、川端タケルの殺害』についてあらすじとネタバレを紹介します。あらすじの部分でも簡単に紹介しましたが、タケルは多田が裏切られる瞬間の表情を見るために、今まで更生した様に見せかけて長年の彼女を騙していました。また、一つのネタバレとして、タケルは最近起こっている連続爆弾爆破事件の犯人であると、多田の前で自ら自白します。そんなタケルが、実は宇相吹のターゲットにされていたのです。
タケルの殺害を宇相吹に依頼したのは、タケルが働くお店の先輩でした。『自分より後に入ったのに、大将に気に入られて昇進している』ことが原因でタケルに嫉妬し、宇相吹にタケルの殺害を依頼しました。タケルは自身が作った爆弾によって自分が爆発に巻き込まれたと思わされ、全身火傷の症状が皮膚に現れた状態で死亡してしまうのです。一つ一つネタバレしましたが、かなりショッキングなあらすじやネタバレが多くありました。
不能犯の映画結末をネタバレ解説!
ではここで、映画『不能犯』の結末についてあらすじをネタバレしていきます。映画『不能犯』の結末のあらすじですが、連続爆弾事件がひと段落し、相変わらず宇相吹による不能犯で捜査が難航している多田達がいます。別の事件の処理中に多田が階段を登っていくと、向かいから階段を降りてくる一人の男が。宇相吹が、降りてきました。そして多田と宇相吹が対峙する場面になります。
ターゲットであったタケルの事件の際に、多田が宇相吹の腹部を刺して逃げたという場面がありましたが、多田は急所を外して刺していたため、宇相吹は生きていました。対峙した多田に対し、宇相吹はこれらかも人を闇へ導き、人を殺していく事を宣言します。しかしそれを、はいそうですか、と聞くわけにはいかない多田刑事。
「私はこれからも希望を諦めない。私はあんたを希望で殺す」そう言って宇相吹を止める決意をした彼女。そんな多田の言葉を聞いて、「愚かだね、人間は…」という決め台詞を吐きながら、宇相吹はその場をさっていきます。そして、殺害の依頼を受けている電話ボックスには、その後も依頼が届き続けており、その依頼に不敵に笑う宇相吹が写り、映画は終了します。
不能犯の疑問点を徹底考察!
それでは、ここで映画『不能犯』について疑問点を、ネタバレも含めてご紹介したいと思います。謎が多いあらすじになっている『不能犯』。現在、原作である漫画の『不能犯』は連載中であり、漫画の方でもまだ詳細不明な部分が多い宇相吹。現在分かっている事についてネタバレ解説していきます。
宇相への殺しの依頼をキャンセルする方法はある?
映画『不能犯』のあらすじで疑問点の一つ、「宇相吹への依頼をキャンセルする方法」についてネタバレしていきたいと思います。宇相吹に対して殺害の依頼を行った場合、その成功率は100%。依頼をする時点で相当な覚悟の元に依頼者はターゲットの殺害を依頼するはずですが、どうしてもキャンセルしたくなった場合はどうすれば良いのか。現在分かっている情報としては二つ、依頼をキャンセルできる方法があるのです。
出典: https://ciatr.jp
一つは、『宇相吹を殺す、又は致命傷を与える』です。映画『不能犯』の中で宇相吹は、「殺害を止めるには僕を殺すしかない」と何度も多田に宣告し、自分を殺してほしいかの様に彼女の心を揺さぶります。実行犯である彼が死亡すれば、殺害を起こす人がいなくなるので、当然といえば当然かもしれません。
そして二つ目、これは映画『不能犯』では無く、漫画の『不能犯』で発表されているものですが、依頼をキャンセルするもう一つの方法としては『依頼人を殺すこと』なのだそうです。宇相吹は映画の中のあらすじで『人間の脆さと強さ、どちらが人間の本当の姿なのか』ということが知りたいと語っており、依頼者を殺害すれば観察する対象が居なくなり興味が薄れるから、という理由が有力な様です。
宇相の正体とは?
そして、いよいよ宇相吹の正体についてのネタバレをご紹介します。宇相吹とは一体何者なのか。その答えはズバリ、『分からない』です。現在、原作である漫画の『不能犯』も連載中ですが、ネタバレするにも、宇相吹はマインドコントロールによって人を殺害できる事以外、彼の正体は明確に説明されて居ません。何故マインドコントロールができるのか。何故殺害の依頼を受けるのか。宇相吹についてはまだまだ謎だらけなのです。
しかし、グランドジャンプ2018年第5号にて『宇相吹は人間では無い』ということが原作者からネタバレされました。あらすじとして彼が人間で無いのであれば、特殊な能力で人間を死に至らしめる事は可能です。しかし、現在も尚、宇相吹の目的について不明な点が多く、彼の正体について今後注目していきたい部分です。
不能犯の映画を見た人の感想をネタバレ紹介!
ではここで、実際に映画『不能犯』を観覧した方々の感想をご紹介します。映画『不能犯』を観て、あらすじはどうだったのか、ネタバレで紹介されている部分はどの様な感想を持たれているのか、様々な方の感想を見て観ましょう。
好評な感想を紹介!
人気コミックの実写化
— mano花@趣味垢 (@aquosgb220sa) October 2, 2018
マインドコントロールでターゲットを殺害する「不能犯」と彼を追う女性刑事の対決を描いたサスペンススリラー
松坂桃李の「愚かだね、人間は」すごく良かった
あの嬉しいのか企んでるのか楽しんでいるのか分からない笑顔はなんとも言えない怖さがあった😫#不能犯#映画 pic.twitter.com/xtNQxdbbZI
まずば、映画『不能犯』を観て好評な感想からご紹介します。一番多かった感想が、『松坂桃李の演技が上手い』というものでした。過去に爽やかな青年役を演じることが多かった松坂さんですが、近年は狂気的な役や闇を持つ役など、爽やかとはかけ離れた役を演じる事も多くなり、演技の幅が広くなったことでも注目を浴びて居ます。そんな彼が今回演じた宇相吹もまたダークな役であり、ニヤリと笑う顔にぞっとした方が多かった様です。
U-NEXTで、映画『#不能犯』を見た。
— 井上裕介 (@inoueyusuke) August 4, 2018
予想していたストーリーとは全然違い、ボタン1つの掛け違いで、失われ奪われて行く思いがたくさんあるってことを痛感した。
言葉足らずだけど、心から愛しく思ってる気持ちも、言葉にしないと届かないよね。
改めて、人間って怖いなぁっと思う作品でした。 pic.twitter.com/amUEhhi18P
そして映画『不能犯』での感想で度々書かれて居たのが、あらすじから『人間って怖い』という感想でした。この『不能犯』で描かれるあらすじは、人間が生きている上で生じる心理がリアルに描かれて居ます。上記の方の感想の通り、心で思っていても言葉にしなければ届かない。ちょっとしたすれ違いが、大きな溝になる。正にその人間の心理が赤裸々に映像化され、視聴者に実感させる映画になっている、という意見が多くありました。
不評な感想を紹介!
白石監督ファンであるから当然「不能犯」を観に行ったわけだが、今回は厳しい意見を言わざるをえない。何しろ、脚本が予定調和的で、しかも「シナリオの読み合わせ会か?!」っていうくらい、アクションに欠け、退屈きわまりない。
— Makoto(ポンコツ) (@horriphile) February 7, 2018
では反対に、不評な感想をご紹介します。実はこの映画『不能犯』ですが、あらすじから好みが両極端に別れる作品で、賛否両論なのです。映画の監督がホラー映画で有名な白石監督であったため、多くの白石監督ファンもこの映画を見ています。しかし、今まで白石監督が手掛けてきた作品と比べると、あらすじもアクションも物足りないとの感想が多く聞かれました。
不能犯感想
— あるていんむ (@IV_gmpp) February 23, 2018
ハラハラして楽しめたけど終わり方がクソ
終わってみると中盤から話が進んでない
これは原作が未完だからしょうがないと思うけど最後に(おそらく)原作の台詞を言わせるのが違和感ある
実写化するならうまく映画に落とし込んで欲しかった
また、原作の『不能犯』がまだ連載中であり、原作でも宇相吹の正体が判明せず、まだまだ謎が多く残っているだけに、今回せっかく映画化となっても、恨みによって人が宇相吹に殺害されるだけのあらすじ、という意見が多く、結局宇相吹に関する謎は謎のまま。名台詞である『愚かだねぇ、人間は』というセリフを無理やり使わせただけの作品、という感想や、実写化するのが早かったのでは?という感想が多く見られました。
不能犯の映画あらすじやネタバレ感想まとめ!
映画『不能犯』についてのあらすじやネタバレについてご紹介しました。主演を務めた松坂桃李さんの演技が光り、現在も漫画で連載中の『不能犯』。映画のあらすじは、漫画の第1巻が主な内容となっている様ですが、連載中であることからまだまだ魅力的なあらすじがありそうです。
この映画は、あらすじが『善悪に対して不思議な感覚を抱かせる映画』としても話題となっており、人と人との間で如何に言葉で伝えることが重要であり、見かけや簡単なやり取りでは把握できない心理を持っているのが人間、である事を、再確認する映画にもなっています。
また、今回のネタバレとして、主人公である宇相吹の正体についてもご紹介しましたが、宇相吹にはいわゆる殺意だったりその原因となる憎しみや嫉妬といったネガティブな感情が無い、というのが特徴です。この設定が一体何を意味し、何のために彼は存在するのか。今後どの様に話が進んで行くのか、非常に気になると注目を集めています。
映画としては一旦区切りがつきましたが、漫画の方ではまだまだ宇相吹による殺害が続いています。宇相吹についてまだ多くの謎が解決していない現在、映画でリアルな映像を楽しみながら、原作で今後も宇相吹の謎を追いかけていくのも良いかもしれません。