今夜、ロマンス劇場でのあらすじをネタバレ解説!評価・感想や感動ポイントも紹介

映画「今夜、ロマンス劇場で」は2018年2月に公開された日本の映画です。綾瀬はるかと坂口健太郎が共演し、監督は「のだめカンタービレ」シリーズの武内英樹監督、脚本は「信長協奏曲」の宇山佳佑という近年の話題作を生み出している豪華スタッフによるファンタジックラブストーリーです。この記事では、映画「今夜、ロマンス劇場で」のあらすじをネタバレを含みながら解説していきます。また、この映画の感想・評価・キャストもあらすじネタバレ込みでまとめていきます。

今夜、ロマンス劇場でのあらすじをネタバレ解説!評価・感想や感動ポイントも紹介のイメージ

目次

  1. 今夜、ロマンス劇場でのあらすじをネタバレ解説!評価や感想も紹介!
  2. 今夜、ロマンス劇場でとは?原作はある?
  3. 今夜、ロマンス劇場でのあらすじをネタバレ解説!
  4. 今夜、ロマンス劇場での感動ポイントを紹介!
  5. 今夜、ロマンス劇場でのキャストを紹介!竹中直人も出演?
  6. 今夜、ロマンス劇場でを見た人の感想や評価を紹介!
  7. 今夜、ロマンス劇場でのネタバレまとめ!

今夜、ロマンス劇場でのあらすじをネタバレ解説!評価や感想も紹介!

映画「今夜、ロマンス劇場で」は2018年2月に公開された映画です。綾瀬はるかと坂口健太郎がダブル主演し、話題を呼んだファンタジックラブストーリーです。この記事では、映画「今夜、ロマンス劇場で」のあらすじをネタバレを含みながら解説していきます。また、この映画の感想・評価・キャストもあらすじネタバレ込みでまとめていきます。

映画『今夜、ロマンス劇場で』公式サイト

今夜、ロマンス劇場でとは?原作はある?

映画「今夜、ロマンス劇場で」は、2018年2月10日、日本全国の映画館299館で公開されました。公開まで9年をかけて作られたフジテレビ製作によるオリジナルストーリーの作品で、モノクロ映画のヒロイン(綾瀬はるか)と映画撮影所の助監督の青年(坂口健太郎)を巡るファンタジーラブロマンス映画です。

監督はフジテレビの演出家でもある武内英樹。ドラマも数多く手掛けており「神様、もう少しだけ」(1998)、「カバチタレ!」(2001)、「電車男」(2005)など、映画では「のだめカンタービレ」、「テルマエ・ロマエ」などを監督してます。コミック原作の作品を見事に再現した実力と卓越したユーモアのセンスに定評がある監督です。

脚本は小説家でもある、宇山佳佑。映画「ガールズ・ステップ」(2015)の原作者でもあり、映画とドラマの「信長協奏曲」の脚本も手がけました。この映画「今夜、ロマンス劇場で」のノベライズ化もしています。

今夜、ロマンス劇場でのあらすじをネタバレ解説!

以下は、映画「今夜、ロマンス劇場で」のあらすじをネタバレを含みながら解説していきます。もう映画を観た方にはあらすじの復習用に、まだ見ていない方はネタバレやあらすじのネタバレをご了承ください。

昔に書いた脚本

現代の日本。余命幾ばくもないという老人(加藤剛)が入院しているとある病院。看護師たちの噂話だとこの老人の身寄りは毎日お見舞いには来るのですが、冷たい態度の孫が一人いるだけ。この老人が昔書いたという脚本のあらすじを看護師(吉川天音)に話して聞かせるところから物語は始まります。

脚本の舞台は高度経済成長期の日本

物語の舞台は昭和35年春。高度経済成長期を迎えた日本は活気にあふれていて、カラーテレビも普及し始めた1960年。そんな映画黄金末期のお話です。映画監督を志す牧野健司(坂口健太郎)は、中堅映画会社・京映に勤める助監督。しかし助監督とは名ばかりで、同僚の山中伸太郎(中尾明慶)と共に大道具の製作から俳優のマネージメント、その他様々な雑用に追われる日々を過ごしていました。

モノクロ映画から飛び出してきたお姫様

そんな健司の楽しみは、仕事帰りに町中の「ロマンス劇場」で映画を観ること。そして映画の上映が終わった後に映画館を貸切ってもらい一人で観る、戦前に作られたモノクロオペレッタ映画『お転婆姫と三獣士』。

健司は映写室の片隅で見つけたこの映画に夢中でした。白黒映画のモノクロの世界できれいに微笑むお姫様・美雪(綾瀬はるか)。健司は美雪に憧れとも好意ともつかない感情を抱いてスクリーンを見つめます。まさにこれが運命の出会いだったのです。

しかしある日、映画館主の本多正(柄本明)に『お転婆姫と三獣士』のフィルムが翌日蒐集家の手に渡ることを知らされます。どうすることもできない健司は、失意のままこれで見納めとなってしまうであろう映画を一人観続けます。劇場の外では嵐が吹き荒れる中、別れを惜しむように思わずスクリーンの美雪に手を伸ばす健司。

その時、雷が落ちて辺りは停電になります。その暗闇の中に人の気配を感じて動揺する健司。照明が戻った途端、目の前には今までスクリーンで見ていた姿そのままモノクロの美雪がいたのです。「気安く触るな!」とラムネの瓶で健司を叩いた美雪はロビーへと駆け出します。

モノクロの世界に住んでいた美雪にとって、現実の世界の色彩は珍しくてすごく綺麗なものでした。美雪はいつもスクリーンの向こう側からこちら側を見て、現実の世界を彩る色彩に憧れていたのでした。映画そのもののお転婆さに面食らう健司をよそに、はしゃぐ美雪。そこへ映画館主の本多が戻って来たので、2人はこっそりと劇場の外に逃げ出します。

道で会った警官を無礼だからといってビール瓶で殴るような美雪の粗暴さに戸惑いながらも、健司は仕方なく美雪を自分の家に連れていきます。健司に対し「今日からおまえは私の下僕(しもべ)だ」、そう高々と宣言する美雪でした。

とんでもなくお転婆なお姫様

次の日、映画の撮影現場を見に行きたいから馬車を出せ、と言う美雪をリアカーに乗せて隠しながら、健司は撮影所に出勤します。道中すべてのものが鮮やかに色づいているこの世界は、美雪の目には光輝いて見えます。

撮影所についた健司は、こっそりと美雪をメイク室に連れていきます。そこには数多くの衣装とメイク道具がそろっていました。ここで服を着替え、モノクロの肌にファンデーションを塗って王女然として現れた美雪に、思わず見惚れる健司。

しかしそんな時間もつかの間、健司が徹夜して仕上げた背景画の青空をカラフルに塗り直したのをはじめ、美雪は数々の問題を起こして撮影所内を歩きまわります。

無礼だという理由で、健司が勤める京映の看板スター・俊藤龍之介(北村一輝)や監督をを傘で殴り、悪気なくダイナマイトをスモークの円筒に混ぜ大爆発まで起こします。その度に健司は謝ったり、怒られたり殴られたり、しまいには警察に呼ばれ爆弾魔扱いです。

ついに堪忍袋の緒が切れた健司は、映画の中の世界から持ってきたお守りのオカリナがないから探してくれと言う美雪を冷たく突き放します。仕方なく一人で探しに出た美雪でしたが、天気が急変し雨が降ってきます。

冷たい態度をとってしまった事を後悔した健司は、傘を持って美雪のもとを訪れ、代わりに雨の中をお守りを探します。見つけたお守りを渡し謝る健司でしたが、美雪は今後わがままを控えることも殴るのもやめない、と言い張ります。でもお守りを手に安心したように微笑む美雪を見て、もう笑うしかない健司。

その時突然雨がやんで、空に大きな虹がかかります。健司は美雪に「空に2本の虹がかかったら願い事が叶うって言われている」と教えます。そしていつかそんな時が来たら、この場所で2人で見に来ようと言うのです。

惹かれあうふたり

それから2人の不思議な共同生活が始まります。そんなある日、若手にチャンスを与えるという社長の方針で、健司ら若手助監督たちに脚本を書いてくるようにとの話がきます。それは密かに健司に想いを寄せる社長令嬢・成瀬塔子(本田翼)の発案でした。

どういう脚本を書くか迷っていた健司は、「もし本当のロマンスに巡り合えたら、この世界も映画みたいに輝いて見えるんだろうな」というチャップリンの名言を借りた映画館主・本多の言葉で、自分と美雪の物語を書こうと思い立ちます。そして健司が脚本にのめり込んでいる間が退屈だという美雪を連れて、健司はシナリオハンティングと称していろんな所へ出かけます。

脚本をラブロマンスに進めたい健司と、頑なな態度を崩そうとしない美雪。それでも2人の日々は美しく楽しく、すべてが色鮮やかに輝いていました。

健司の書く脚本はハッピーエンドへと近づいていきます。脚本には「口づけをかわす」と書いてあっても、実際には手もつないだとこのない2人。「無理ですよね。忘れてください」と弱気に言った健司を見て、美雪は電話ボックスの中へと入ります。電話ボックスのガラス越しに手を合わせ、ほんの少しだけキスを交わす2人。

季節は確実に過ぎていき、健司は美雪に2人の物語を脚本にしていることを告げます。話の結末がどうなるのかを気にする美雪。健司はまだ決まっていないことを教えます。

塔子の密かな恋心

ついに健司の脚本が社長の目に留まり、ラストを書き直したら監督として撮影の準備をしていいとの許可が下りました。それを自分のことのように喜ぶ塔子。実はこの数日前、塔子は健司の家にいる美雪を訪れていました。

美雪と健司が一緒に出掛けているのを目撃していて、恋人なのか?と単刀直入に尋ねる塔子。塔子のその握りしめた真剣な手と自分のモノクロの手を見比べて、美雪は塔子に自分たちは遠い親戚だと嘘をつきます。

悲しいプロポーズ

脚本も採用され順風満帆な健司は、自分のとっておきの場所へ美雪を案内します。蛍の飛び交う中で「あなたと見たい景色がまだまだあるんです。だからずっと僕の隣にいてくれませんか?」健司のプロポーズに迷惑ではないと首を振りながらも、「無理だ」と答える美雪。実は現実の世界に来る代償として、人のぬくもりに触れると消えてしまう存在であるという秘密を打ち明けます。だから健司とこのままずっと一緒に暮らすことは不可能だと。

そして美雪は、そんな危険を冒してまでこの世界にきた理由は、自分の映画を見つけて喜んでくれた健司に会ってお礼を言いたかったからだと語ります。その場に取り残された健司は、美雪の後ろ姿を呆然と見送ります。

すれ違うふたり

健司の脚本のハッピーエンドのラストシーンは、いつまでたっても書けないままでした。美雪が転んでいても助け起こすこともできない、好きな人に触れることもできない。健司は次第に悩み込むようになります。そんな時、転びそうになった塔子を支えて思わず「当たり前かと思っていました。隣にいる人のぬくもりを知れるのって」と苦しい胸の内を呟きます。そんな健司に、塔子は「牧野さんが好きです」と告白します。

思い悩む健司と同僚の山中が話しているところに偶然美雪が居合わせます。山中は社長令嬢の塔子を振ると仕事がやり辛くなるし、好きな人に触れずに生きていけるわけがないと言います。それを聞いた美雪は静かにその場を立ち去ります。

そして健司のために自分は身を引いた方がいいと思った美雪は、その夜、荷造りをして「お前といると息が詰まる」と言って健司の家を飛び出します。引き留めることも、追いかけることができない健司。雨の中行く当てもなく電話ボックスの中にいた美雪を、映画館主の本多が見つけてロマンス劇場の2階にかくまってくれます。

実は本多も昔、同じように映画から出てきたヒロインと恋をし、一緒に暮らしていたことがあったそうです。しかしある日突然いなくなってしまったという彼女。空に、前に健司が「願い事が叶う」と言った2本の虹がかかった日。美雪は自分の願い事が叶ったかどうか試しに誰かに触れてみようとし、健司は美雪を探し始めます。

ラストシーンがない脚本の終わり

美雪がロマンス劇場にいることを知った健司でしたが、本多に「お前にはもう会わないと言っている」と言われ、それ以上の勇気がなく帰ってきてしまう健司。その夜、塔子が健司のもとを訪れました。

先日の返事を聞き来たと言う塔子。でもその前に簡単な遊びをしようと言いだします。でもその遊びは健司と美雪の思い出の中にある遊びだったのです。美雪は健司のために、塔子にずっと健司のそばにいて欲しいと頼んでいたのでした。でも健司の脚本を読んで美雪への想いを知った塔子は、黙っていられずにそのことを健司に告げます。

塔子に一礼して、ロマンス劇場へと駆け出す健司。夜の上映を待っていた人たちを押しのけて劇場に走り込みます。覚悟を決めた健司の目を見た本多は、夜の上映の中止を決め健司を劇場の奥へ通します。

健司がロビーで見つけた美雪に「帰りましょう」と言いますが、相変わらず「無理だ」を繰り返す美雪。「あなたじゃなきゃ意味がない」と言われた美雪は、「もう十分だ」と微笑んで、ある結論を出します。「最後に一度だけ抱きしめて」。今までにはないくらいに縮まっていくふたりの距離。満足そうに笑って静かに目を閉じる美雪と、その頬に手を伸ばす健司。

そして老人が書いたという脚本はここで終わりを迎えます。場面は現代に戻り、脚本の作者である老人が、ここまでしか書けていないことを看護師に話します。そこへ毎日お見舞いに来るという「孫」が病室に現れました。

まだ続いていた物語

現れた「孫」は脚本の中の美雪の姿そのままでした。脚本を書いていた老人は健司自身であり、時がたっても歳をとることのない映画の中の登場人物である美雪は、半世紀が過ぎてもそのままの姿だったので、周りが勝手に「孫」だと思っていたのです。しかし相変わらず健司に触れることのできない美雪は、冷たい態度の孫だと思われています。

結局健司は、あの時ロマンス劇場のロビーで美雪を抱きしめることはなく、そのまま2人一緒に長い時を重ねてきていたのでした。見舞いに来た美雪に脚本の続きを書くことにしたことを告げ、物語は再び動き出します。

2人が少し離れた不自然な結婚写真を撮った後、カラーテレビの台頭により黄金期の去った映画会社・京映はその歴史を閉じます。ロマンス劇場を継いで映画館主となった健司は、美雪と穏やかで幸せな日々を過ごしていきます。手をつながなくてもお互いに伝わる温かさと幸せ。そして時代と共にロマンス劇場も閉館を迎えます。

そして雪の降る夜、電話のベルが響きます。急いで病院に駆けつける美雪。病室では健司が臨終の時を迎えていました。最後にたくさんの「ありがとう」を告げる美雪。その美雪の最後のわがままは「お前のぬくもりを感じてみたい」。健司にもらった指輪をはめた手が、健司の手にそっと重なります。静かに抱きしめ返す健司。次の日の朝、健司の命と共に美雪の姿も消えていました。

脚本「今夜、ロマンス劇場で」の本当のラストシーン

息を引き取る前に、健司の脚本は完成していました。続きを書くことを告げた時に「幸せな結末がいいな」と言った美雪。その美雪に「最後は君の一番欲しいものをプレゼントしてあげよう」と言った健司のプレゼントとは一体何だったのか。

脚本のラストシーンは、美雪が元いたモノクロ世界の古城の大広間。懐かしい顔が居並ぶ中、健司は中央の通路をまっすぐ美雪へと歩いていきます。そのポケットから取り出したのは、モノクロの世界にたった一輪赤く鮮やかな薔薇。その薔薇を受け取った瞬間、美雪のドレスが綺麗なオレンジ色に変わります。そして瞬く間にモノクロの世界は鮮やかな色彩の世界へと変わっていきます。

キスをせがむ美雪の仕草に少し照れたように笑う健司。でもお姫様のラブストーリーのラストはいつだって決まっています。二人はキスを交わして、「いつまでも幸せに暮らしました」。健司の脚本のラストは、「二人を包む鮮やかな色は二度と消えることはない。これからもずっと…」と締めくくられています。

今夜、ロマンス劇場での感動ポイントを紹介!

映画「今夜、ロマンス劇場で」は劇場公開時、後半の2,30分はすすり泣きの声が絶えなかったという感動のラブストーリーとなっています。人によってあらすじの解釈は様々だと思いますが、その感動ポイントを復習的にネタバレ紹介していきます。あらすじ、ネタバレのあらすじを多く含む内容となりますのでご了承ください。

映画への愛

映画「今夜、ロマンス劇場で」の中には多くの映画に関する言葉が出てきます。「浮浪者、紳士、詩人、夢想家、孤独な人、皆いつでもロマンスと冒険にあこがれてるんだ」というチャップリンの言葉をはじめとして、「映画にはたくさんの喜びと感動をくれる奇跡のような力がある」「誰かの心を鮮やかに染める、奇跡のような不思議な力」など。スタッフの映画愛がたくさん詰まった映画となっています。

その映画愛は数々の名作映画のオマージュとなって表されています。お姫様がお城を飛び出すのは有名な「ローマの休日」、美雪のファッションも全てヘップバーンのように素敵です。劇中映画「お転婆姫と三獣士」は「オズの魔法使い」のようなミュージカル風。映画と現実の世界をつなぐ設定は「カイロの紫のバラ」「キートンの探偵学入門」、健司と本多の関係性は「ニュー・シネマ・パラダイス」。

劇場に雷が落ちるのは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。京映のスター俳優・俊藤龍之介のハンサムガイシリーズは、当時日活で人気映画だった「ガイ」シリーズ。電話ボックスでのガラス越しのキスは今井正監督の「また逢う日まで」。その他推測できるのは、健司の苗字が「牧野」なのは日本映画の父と呼ばれる牧野省三氏へのオマージュで、美雪がスクリーンから登場するシーンは少し「リング」の貞子を思わせます。

その他撮影所内の小道具から衣装、ロマンス劇場内の映写機やフィルム、映画のポスターに至るまで、古き良き映画黄金時代の雰囲気そのままに細部まで色鮮やかに再現したところに、この映画「今夜、ロマンス劇場で」の制作者サイドの映画愛を感じることができます。

カラフルな世界

作中のロマンス劇場は、実際に栃木県足利市で20年前に閉館した東映足利プラザ。この旧映画館を改装して色とりどりの世界を作りました。モノクロの世界から出てきた美雪が初めて触れる色のある世界。美雪だけでなく観客もそのレトロで色鮮やかな世界に魅せられます。

また映画の中で美雪が着ている服、健司と行った様々な場所にも2人の気持ちを表すかのようなカラフルな色を配置することにも拘ったそうです。美雪が最後に病院で健司に言った言葉、「お前のとなりで見た景色は、全部綺麗だった」。普段私たちが何気なく見ている色、何気ない風景をもう一度見直してみたくなる一言です。

秘密を抱えたままの切ない恋

「人のぬくもりを感じると消えてしまう」設定は物語の中盤まで明かされません。その大きな秘密を健司に隠しながら、それでも揺れ動いてしまう美雪の恋心。美雪は危険を冒してまでこの世界にきた理由は、自分の映画を見つけて喜んでくれた健司に会ってお礼を言いたかったからだと言っています。それが本当だとしたら、出会ったときにお礼を言って、少しカラフルな世界を楽しんで、それで終わっていたはずです。


でもそうはできなかった美雪の秘めた恋心。一緒に縁日に行った健司が風呂敷をマントに「王子様」に扮しまて片膝をつきます。そして「姫」と呼ばれた瞬間、美雪は一瞬の動揺を見せ、思わず目を逸らすのです。初めて気が付いた自分の中の小さな恋心。そして抱えたままの秘密は、さらに口に出せなくなっていくのです。

塔子の一途な恋

社長令嬢・塔子の一途な恋。生粋のお嬢様として大切に育てられてきたであろう塔子。その真っすぐな想いには全く裏表がありません。美雪に正面を切って「恋人か?」と尋ねたり、直接健司に自分の想いをそのまま伝えます。そして、美雪に健司のそばにいてくれるよう頼まれたことを黙っていられなかった塔子。その想いは一途に健司のために向かっていました。

「好きな人に触れずに生きていけると思うか?」

作中で美雪の秘密を知った健司が言った言葉であり、この映画最大の感動ポイントです。好きな人に触れたい、そんな誰もが当たり前に思うことが許されないと知った健司の切ない思い。そんな健司の幸せのために身を引こうとする美雪。

しかし悩んだ末に健司が出した答えは、「たとえこの世界の人じゃなくても、白黒でも、触れられなくても、僕はやっぱりあなたといたいんです」。その後、布を介して手をつなぐしかなくても、ガラス越しのキスしかできなても。二人は幸せそうな笑顔のまま、一緒に時を過ごします。そのピュアで切ない姿に涙を流した方も多かったのではないでしょうか。

今夜、ロマンス劇場でのキャストを紹介!竹中直人も出演?

以下は、映画「今夜、ロマンス劇場で」のキャストをネタバレで紹介していきます。意外な人が意外なキャストで参加しているのも紹介します。ネタバレ、あらすじに触れている部分もありますのでご了承ください。

綾瀬はるか/美雪

映画「今夜、ロマンス劇場で」で戦前のモノクロ映画「お転婆姫と三獣士」から飛び出してくるお姫様。美雪を演じたのは綾瀬はるかです。1985年3月24日生まれ、広島県出身。2000年の「ホリプロタレントスカウトキャラバン」で審査員特別賞を受賞し女優デビュー。以来、着実にキャリアを重ね、今やトップ女優として国民的人気を誇っています。

NHK大河ドラマ「八重の桜」主演をはじめ、「ホタルノヒカリ」、「JIN-仁」、「義母と娘のブルース」などのドラマ、映画は「ハッピーフライト」、「おっぱいバレー」、「海街diary」などが有名です。映画「今夜、ロマンス劇場で」については、「幸福な一時を感じて頂けるような作品にしたい」とコメントをしていました。

坂口健太郎/牧野健司

映画「今夜、ロマンス劇場で」で映画会社の京映で助監督として働く真面目な映画青年・牧野健司を演じたのは坂口健太郎です。1991年7月11日生まれ、東京都出身。メンズノンノの専属モデルとして活動する傍ら、2014年の映画「シャンティ デイズ 365日 幸せな呼吸」で俳優デビュー。

その後「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」、NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」で話題になり、「シグナル 長期未解決事件捜査班」で主演をつとめて一躍人気若手俳優の一人に名乗りをあげました。映画「64-ロクヨン-」では、日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞しています。

本田翼/成瀬塔子

健司に密かに想いを寄せる映画会社の京映社長令嬢・成瀬塔子を演じたのは本田翼です。1992年6月27日生まれ、東京都出身。2006年にファッション雑誌「SEVENTEEN」の専属モデルとしてデビュー。2012年のドラマ「恋愛ニート〜忘れた恋のはじめ方」で初ドラマ出演、「恋仲」で初主演します。映画「FASHION STORY-Model-」はじめ、「アオハライド」、「鋼の錬金術師」などに出演しています。

北村一輝/俊藤龍之介

大人気映画「ハンサムガイ」シリーズの主演をつとめる、京映の看板スター・俊藤龍之介を演じたのは北村一輝です。1969年7月17日生まれ、大阪府出身。1999年の映画「皆月」ではヨコハマ映画祭助演男優賞、「日本黒社会 LEY LINES」でキネマ旬報新人男優賞などを数々受賞。NHK大河ドラマ「天地人」をはじめ、映画「テルマエ・ロマエ」「猫侍」「羊の木」など多くの作品に出演しています。

柄本昭/本多正

健司が通うロマンス劇場の館主で健司のよき理解者・本多正を演じたのは柄本昭です。1948年11月3日生まれ、東京都出身。1974年の自由劇場を経て劇団東京乾電池を結成。1998年の「カンゾー先生」で第23回報知映画賞主演男優賞や日本アカデミー賞最優秀主演男優賞などを受賞。2011年紫綬褒章を受章しました。映画「シン・ゴジラ」「万引き家族」「空飛ぶタイヤ」をはじめ、ドラマと共に数多くの出演作があります。

中尾明慶/山中伸太郎

健司と同じく京映で働く映画青年・山中伸太郎を演じたのは中尾明慶です。1988年6月30日生まれ、東京都出身。女優の仲里依紗と結婚したことでも知られています。2000年にドラマ「ママまっしぐら!」で子役デビュー。主な出演作としては、「ROOKIES -卒業」「時をかける少女」「のぼうの城」「振り子」「超高速!参勤交代 リターンズ」など多数あります。

加藤剛/牧野健司(現代)

物語の前半ではその正体は謎のままですが、現代のシーンの牧野健司を演じたのは加藤剛です。1938年2月4日生まれ、静岡県出身。1962年のドラマ「人間の条件」で俳優デビュー。以降30年に渡って時代劇「大岡越前」の大岡忠相を演じています。主な出演作は「忍ぶ川」「沈まぬ太陽」「舟を編む」など多数。2018年6月胆嚢がんのためお亡くなりになりました。この「今夜、ロマンス劇場で」は映画出演作としての遺作となります。

その他、個性的なキャスト 竹中直人も出演?

劇中映画「お転婆姫と三獣士」に出てくる着ぐるみのキャストも、実はよく見てみると有名な俳優がいます。「ぼくら陽気な三獣士!たぬ吉!虎衛門!鳩三郎は喋れない~!」とミュージカル風に歌って自己紹介しますが、実はたぬ吉を演じているのは今や個性的ベテラン俳優の竹中直人、虎衛門はやはり個性派俳優の池田鉄洋、鳩三郎は強い個性の俳優・酒井敏也なのです。

着ぐるみで隠しても隠しきれない、これだけキャラの濃い俳優たちを惜しげもなく劇中映画で映すこの「今夜、ロマンス劇場で」は、間違いなく贅沢な映画と言えるかもしれません。

今夜、ロマンス劇場でを見た人の感想や評価を紹介!

以下は、映画「今夜、ロマンス劇場で」を実際に観た方たちの感想や評価をネタバレで紹介していきます。好評な感想・評価・あらすじはもちろん、不評だった感想・評価。あらすじまで紹介していきます。内容によってはネタバレやあらすじのネタバレを含む内容となりますのでご了承ください。

好評な感想を紹介!

やはり一番多い感想は、好きな人に触れることができないのが切ない、という感想です。王道のラブストーリーでありながら、普通の恋人たちのように触れてお互いの存在を確かめ合うことができない、その切なさに涙が止まらなかったという感想がたくさんあります。

とにかく綾瀬はるかがかわいかった、という感想・評価も多くあります。竹内監督が「綾瀬はるか史上、一番美しい綾瀬はるかを撮りたい」と挑んだこの映画は、色使い、表情、照明のすべてが美しく、主演の綾瀬はるかを輝かせています。全部で25種類あったというクラッシックな衣装もその美しさを際立たせているとの感想・評価もたくさんありました。

その他、ハンサムガイのスターぶりには登場するたびにクスクス笑ったという感想、ガラス越しのキスが美しかったという感想・評価、久々に余韻に浸れるヒット作だったという感想、評価。今まで見たラブストーリーの中でTOPに躍り出たかもしれないという感想、映画愛がある人はホロっとしちゃうかもという評価、最後泣きすぎて過呼吸なるかと思ったという感想まで、たくさんの好評な感想や評価がありました。

不評な感想を紹介!

不評だった評価には、ありがちな設定、ありがちな展開であまり惹かれる要素もなかったという評価、物語のテンポは今一つという評価、話はベタだし、伏線のはりかたも特にうまくはなくオチが丸わかりという評価、肝心の中身が平坦すぎてドラマ性に欠けるという評価、話の展開がご都合主義という評価・感想などがありました。

確かに話の展開に合わせたかのように突然降ったりやんだりする雨、水に濡れても落ちないファンデーション、絶対に無事では済まなかったであろう健司が落ちた橋など、ツッコミどころを上げたらきりがありません。しかしこの映画はより「映画っぽさ」を出すために、あえて映画的なご都合主義を取り入れて作られたのかもしれないと考えることはできないでしょうか。

この映画「今夜、ロマンス劇場で」ではあえてベタなラブストーリーをご都合主義に、でもピュアに描くことによって、映画が映画たる楽しさを観る人に訴えかけているのかもしれません。

今夜、ロマンス劇場でのネタバレまとめ!

映画「今夜、ロマンス劇場で」のネタバレのあらすじ、映画の感想・評価・キャストもあらすじやネタバレ込みでまとめてみました。作中で、映画は「誰かを幸せにするために生まれてきた」と語られています。機会がありましたら、この甘く切ないファンタジックラブストーリー「今夜、ロマンス劇場で」で、幸せな映画の時間をお過ごしください。

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