君が君で君だのあらすじや感想をネタバレ！狂気の恋愛映画？【池松壮亮】

映画「君が君で君だ」は2018年7月7日に公開された日本映画で、原作から脚本、監督まですべてを松居大悟さんがつとめている作品です。今年公開されるや否やその特異性のあるストーリー、設定で話題になっている映画です。役を演じる俳優陣も個性的な面々で、主演の池松壮亮さんをはじめ、満島真之介さん、大倉孝二さん、キム・コッピさん、高杉真宙さん、向井理さん、YOUさんなどが出演されています。

3人の男が1人の女性を愛するというものが「君が君で君だ」でのキーとなっていて、これだけを聞くとありがちなあらすじになってしまいがちなのですが、異質、異常といわれるゆえんは他にあります。まず3人の男は、共同生活を送っているのです。その理由は、韓国人女性ソン(キム・コッピ)を見守る為。

さらにこの3人は名前を捨て、伝説になったロックシンガー、尾崎豊(池松壮亮)・ハリウッドの名俳優ブラッド・ピット(満島真之介)・はるか昔に日本を変えた男、坂本龍馬(大倉孝二)になりきっていたのです。なぜそんなことを？それは、恋の相手、ソンがあこがれている人物だからなのです。ここから「君が君で君だ」の物語が始まります。

３人の男が同じ人を好きになって、その３人が同じアパートに一緒に住み、しかもこの男たちにはもう名前がなく、恋の相手が憧れる対象になり切っています。このあらすじを見ただけで異常性が垣間見えるといわれています。

「君が君で君だ」の主人公である池松壮亮さんが演じるのは、主演女優であるキム・コッピさん演じるソン(劇中では姫と呼ばれている)のことを好きになり、彼女の好きな尾崎豊になりきっています。同じく姫のことを好きな2人の男と姫の向かいの部屋に住み、姫のことをずっと覗き見しています。

池松壮亮さんと共同生活を送る二人目の男で、髪を金髪にしてブラッド・ピットになりきります。“外回り”と称して外出先を偵察したりと、徹底した護衛体制を勤める役になっています。多少のネタバレにはなりますが、共同生活を送るきっかけを作ったのも、このブラピが一役買っています。

池松壮亮さんと共同生活を送る３番目の男です。その姿は坂本龍馬そのものといった風貌で、袴姿におでこを出した髪型で歴史上の人物になりきっています。劇中では“尾崎”と胸ぐらをつかみ合う様子や、号泣して砂利の上に横たわるなど、何かと感情が表に出ている役柄です。この「君が君で君だ」では意外な中心人物としても描かれています。

「君が君で君だ」のもう一人の主演です。3人の男に強烈に愛される可愛い韓国人女性役です。説明にもあるように尾崎豊とブラッド・ピットと坂本龍馬のことが好きで、憧れている女性です。実はこのソンにはすでに彼氏がいるのですが、この彼氏がいわゆる「クズ」です。この彼氏が作ってしまった借金が原因で、ソンは借金取りに追われる身になってしまっているのです。

では、実際に「君が君で君だ」をあらすじをなぞりながら作品を紹介していきます。もしもこの作品をまだ見ていない方は、ネタバレが含まれますので、ネタバレ苦手な方は閲覧にご注意をお願いします。

まずは簡潔にこの「君が君で君だ」を紹介するとなれば、これは３人のストーカーを描いたものということになります。登場する三人の男たちは、ソンという韓国人の女性をに恋をし、彼女の家の向かいのボロアパート住み込み、彼女を２４時間常に監視するストーカー行為を続けています。なんと10年という長い間も続けているのです。

これだけではありません。彼らは自分の名前を捨て、ソンが好む人物になりきって生きているのです。1人は尾崎豊(池松壮亮)になりきり、1人はブラッド・ピット(満島真之介)になりきっています。そして1人は坂本竜馬(大倉孝二)になったつもりで生活を送っています。その理由は、ソンはブラピのような顔が好きで、坂本竜馬のような生き方に憧れて、尾崎豊の歌をいつも聴いていたからなのです。

しかし、それぞれが彼女の好きな人物になりきったとしても、彼らはソンを遠くから見守るだけで生活に干渉しようとしません。彼らが行っていることはソンを徹底的に見守り、彼女と一緒のことをして彼女に同化しようとし、彼女の気持ちを知ろうとするものの、ただそれだけで、ソンの目の前に現れることはせずにかたくなに接触しないようにしているのです。

出会いは10年前になります。当時付き合っていた彼女に振られた男(ブラピ/満島真之介)が友人の男(尾崎豊/池松壮亮)を連れてカラオケ店に行き、二人で尾崎豊の唄を熱唱します。そこの店員であったソン(キム・コッピ)がドリンクを運んできたところが出会いの始まりです。ソンを見た男は一目で好きになってしまいます。

その後カラオケ店を出た男2人は、なんとチンピラに絡まれているソンを発見するのです。慌てて助けに入りますがここは返り討ちにあってしまい、2人はボロボロ。あろうことかソンに助けられてしまう始末。そんな出会いが、最初の出来事となりました。

後日、ソンの住むアパートを見つけた2人がとった行動とは、ソンがいつか言っていた言葉を思い出し、ブラピのような顔が好きで、尾崎豊の歌が好きで、そして坂本龍馬のような生き方に憧れているという言葉の通り、池松壮亮さんが尾崎豊に、満島真之介さんがブラッド・ピットに。そしてさらにソンの元恋人役の大倉孝二さんを無理やり加え、坂本龍馬を名乗らせたのです。

役者がそろったところで、3人はソンの住むアパートの向かいに部屋を借ります。ここからソンの呼称は「姫」になります。そしてアパートは「姫を守る国」として機能することになります。ここから行動は異常性を増していきます。ソンの会話の盗聴。盗撮。あげくソンが捨てたゴミを集めるなど、行動は行き過ぎたストーカーがやりそうなことを一通りこなしていきます。

そんな中、ソンに恋人ができます。アルバイトで生活をしているミュージシャン志望の宗田(高杉真宙)です。しかし、3人は大切に思っているソンに恋人ができても決して干渉したりはしません。ただ傍観しているばかりで、あろうことか、その彼氏に対して嫉妬することもなく、「王子」と呼んでさえいました。

完全なる不干渉を貫いている3人をよそに、ソンの生活が変わっていきます。宗太の本性はどうしようもないクズ男で、ろくでなしだったのです。そんな宗太のことも好きでいるソンは、黒髪が茶髪になり、服装が派手になっていき、生活は乱れていきます。宗太もヒモのような生活になってしまい、借金を抱えてしまいます。

ここで生活が一変します。借金を取り立てに来た星野(YOU)と子分の友枝(向井理)が、ついに宗太のもとに現れるのです。ここで取立人の激しい取り立てが始まります。それを見た坂本龍馬が思わずソンの部屋にゴミを投げてしまうのです。そう、不干渉のおきてを破ってしまうのです。これにより星野、友枝、さらに宗太までも「姫を守る国」に足を踏み入れることになってしまいます。

星野と友枝は部屋の様子を見て唖然とします。壁中にソンの写真が貼ってあり、一目見ただけで異常ということがわかります。しかし星野と友枝は3人を利用しようと目論みます。好きな人が借金作ってるんだったら、お前たちが払ってやらなきゃな、といった具合です。

さらには借金取りの二人は発端である宗太に金目の物を出すように迫られ、ソンが結婚のために内緒で買った指輪の存在、隠し場所を教えてしまい、奪われてしまいます。そしてさらにソンにまで手が及んでしまい、ソンは風俗店で働くことを余儀なくされたのです。身も心もボロボロになったソンは、やがて家出をしてしまうのです。

ここでも、3人は不干渉の掟なのか、姫がそんな仕事を選択せざるを得ないことや、大切な指輪を失ったという出来事がありながらも、決してソンの仕事を止めさせたり、指輪を何とか奪還しようとしたり、といった行動は起こそうとしなかったのです。

限界に達したソンは、自分の部屋に戻ります。理由は、首を吊るためでした。それを見ていた人物は、尾崎でした。しかし尾崎は助けることはせず、「首を吊る姫もかわいい。見届けよう。」といい、傍観していたのです。耐えかねてソンを助けようとした竜馬を尾崎はアパートから突き落とします。結局は、部屋に入ってきた借金取りの友枝がソンの行為を止めることになりました。

病院で目を覚ましたソンは、友枝からあの部屋のことを教えられます。病院を出たソンは、遂にあの部屋に入っていきます。部屋には自分の捨てたゴミ、部屋中の自分の写真。これを見たソンは激昂し、「これでも好きですか？」と言ってハサミで自分の髪の毛を切り、部屋を出ていきます。尾崎はその髪の毛を食べ、それを見たブラピは耐えきれなくなり「国」を去る決意を固めます。

「国」に残ったのは尾崎だけになりました。それでもソンに対する熱は冷めず、日々アプローチを続けますが、ソンは全く相手にしません。そんな毎日が過ぎていく中、ソンは韓国に帰国することになります。尾崎はタクシーで空港に向かいます。空港にはブラピ、龍馬、宗太らがソンを見送りにきています。そこで初めて尾崎はソンに対して本名を明かし、抱き合う二人。皆の祝福を受けるのです。

というこの一連の流れは、実は尾崎の妄想でした。空港へ着いた尾崎は、タクシーの運転手に「韓国に行く」と一言告げ、空港の中に消えていくシーンで、ラストになります。「君が君で君だ」のラストは何とも救われない、そんな結末になっているのです。以上が君が君で君だのあらすじ、ネタバレを含んだ説明でした。

JR品川駅港南口から歩いてすぐの場所にあります品川シーズンテラス。「君が君で君だ」のほかにもドラマや映画の撮影地としてよく登場する場所です。過去のツイートから探してみると、エキストラ募集情報、その指定場所の情報から、ここが空港シーンのロケ地になったことがわかっています。

このように、twitterでもエキストラさんが募集されていました。君が君で君だ、という単語は書かれていませんが、撮影時期や監督の名前から、君が君で君だ関係の募集ということがわかります。公開前に、君が君で君だのロケ地などがSNSでネタバレされています。

神奈川県横浜市にあるアパート「松藤花荘」も君が君で君だのロケ地になっていたようです。このアパートの2階が撮影地になったようです。同じようにエキストラ募集の情報などを探していくと、2017年の7月くらいから撮影で使われていたことがわかります。

ここでは「君が君で君だ」の感想やネタバレ、自分なりのメッセージを書いているところを紹介していきます。やはり人によってそれぞれ感想が多種多様ありますし、あらすじのとらえ方や感想もとても違いがあったりして、とても興味深いです。そして、池松壮亮さんへの評価が高いです。

このように、君が君で君だの世界観に引き込まれた結果、自分なりの考え方、感想をもとに、松居監督の作品としてこんなものも観てみたい！という期待を込めた感想を抱く方もいらっしゃいます。

そして、主演の池松壮亮さんに対する評価の高さもうかがえます。このような感想を言っている方は本当に多くいらっしゃいました。本当に、君が君で君だの主役としてとても良い芝居をされていたと話題になっています。

さて、これまで「君が君で君だ」のあらすじをネタバレを含みながらご紹介してきたり、感想をご紹介してきました。「君が君で君だ」が何故そこまで大きな反響を生むのか、文字だけでも伝わるといいのですが、この作品はぜひ実際に観ていただくことで、この空気感を肌で感じることができる、話題の作品になっています。文字で読むあらすじだけでは感じ取れない魅力があります。

1人として無個性な登場人物がおらず、一癖も二癖もある登場人物たちが織り成す狂気と異常性の先にある深い愛の物語は、最終的にはいい結末なのか、はたまた後味の悪い結末だったのか、それは観る人の思い方、感想が多く寄せられています。その、自分はこう思った、こういう感想を述べたい。という十人十色の感想を見せてくれるのも、「君が君で君だ」の魅力です。

ここまで、あらすじやネタバレ、感想を交えながらご紹介してきました「君が君で君だ」。ぜひ、お手に取っていただき、じっくりとその世界観を実感してみてください。「この愛は純情か、それとも異常か。」のあなたなりの答えが見つかるはずです。