グラン・トリノのあらすじと感想をネタバレ!クリント・イーストウッド監督映画

名監督、クリント・イーストウッドによって制作された映画「グラントリノ」ですが、その結末や、「グラントリノ」を見た人がどのような感想を持っていたかはご存知でしょうか。今回はそんな名作映画「グラントリノ」のあらすじを初めから結末、そしてその感想までネタバレ解説させていただきます。名匠イーストウッドが描く重厚な人間ドラマ「グラントリノ」のネタバレをお楽しみください。

グラン・トリノのあらすじと感想をネタバレ!クリント・イーストウッド監督映画のイメージ

目次

  1. グラントリノのあらすじをネタバレ!イーストウッド映画の感想は?
  2. グラントリノとは?タイトルは車の名前!
  3. グラントリノはどんな映画?あらすじをネタバレ!
  4. グラントリノの監督クリント・イーストウッドを紹介
  5. グラントリノのキャストを紹介!
  6. グラントリノの感想と批評をネタバレ!
  7. グラントリノのあらすじなど映画情報まとめ

グラントリノのあらすじをネタバレ!イーストウッド映画の感想は?

映画「グラントリノ」とは2008年12月12日にクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)監督によって公開された映画です。イーストウッド監督自身がプロデューサーおよび主演を務める映画となっております。巨匠イーストウッド監督の演出や長年培ったベテランの演技力が高く評価され、現在ではイーストウッド監督の代表作として高い人気を誇る映画です。

主演のイーストウッドをはじめとした、実力派揃いのキャスト陣と心に響き渡るストーリーが世界中で話題を呼んだ映画です。人生の酸いも甘いも噛み分けたイーストウッドだからこそ「グラントリノ」という人間ドラマの哀愁や深みを出すことがでたのだと言うファンもいらっしゃいます

元軍人で頑固な老人である主人公のこれまでの人生の哀愁を絶妙に描いた作品です。そんなストーリーや演出が、数多くの名作を生んだイーストウッド作品の中でも、現在に至るまでその人気が衰えない理由であるでしょう。

今回ネタバレ解説する「グラントリノ」はイーストウッドの得意とする、絶妙な心理描写がふんだんに盛り込まれた映画で、そのストーリーの意味は見た人それぞれです。また、イーストウッドはこの「グラントリノ」が役者としては最後の仕事としています。そんな記念すべき映画はイーストウッド自身の気持ちも大きく含まれています。

今回はあらすじをネタバレ解説するだけでなく、キャスト陣や視聴者の感想や批評など、「グラントリノ」を様々な視点から解説させていただきます。世界が誇る巨匠、イーストウッドの描く哀愁漂う人間ドラマ「グラントリノ」をお楽しみください。

グラントリノとは?タイトルは車の名前!

まずは今回ネタバレ解説させていただく映画のタイトルである「グラントリノ」とはどのような意味なのでしょうか。この言葉の意味を知ることで、よりこの名作映画「グラントリノ」の重厚な人間ドラマを楽しむことができます。この名作のタイトルは一体どのような意味で名付けられたのでしょうか。

主人公の愛車がタイトルに

この映画のタイトルとなった「グラントリノ」とはフォードの車種である「フォードトリノ」のうち、 1972年から1976年の間に生産されたものを指す名前です。現在でも名車として名高くクラシックカーとしてその名を歴史に残しています。また、もちろんですが「グラントリノ」は作中にも登場します。

イーストウッド演じる主役のコワルスキがヴィンテージカーとしてとても大切にしていた車です。この名車がきっかけとなり、この映画のストーリーが展開されます。この名車がどのような物語を生み出したのかは後に紹介するネタバレ解説にてご覧ください。「グラントリノ」が生み出す人間ドラマはまさにイーストウッドの職人技だとファンからは評価されています。

名車紹介「グラントリノ」

「グラントリノ」はフォード社がアメリカ向けに製造していた「フォード・トリノ」の第三世代として生まれた車種です。これまではさほど注目されることの無かった車種ですが、映画「グラントリノ」が公開されると、そのヒットと同時にこの名車も注目を浴び、クラシックカー好きから一目置かれる存在となりました。

作中に登場する「グラントリノ」は72年式のものです。「グラントリノ」としては後期の車種となります。この名車が物語の鍵、そしてテーマ全体を握る存在となります。果たして「グラントリノ」が引き起こした不思議な運命とは。ここについては後にご紹介するネタバレ解説にてお楽しみください。

グラントリノはどんな映画?あらすじをネタバレ!

それではここからはいよいよ映画「グラントリノ」のあらすじを初めから結末までネタバレ解説させていただきます。これまでに歴史に残る名作をいくつも生み出したイーストウッドですが、その中でも傑作と名高い映画「グラントリノ」の結末とは。映画を鑑賞した方々はこれを見てどのような感想を抱くでしょうか。彼の描く絶妙な哀愁をお楽しみください。

あらすじ:主人公は朝鮮戦争経験者

主演イーストウッドが演じる主人公、コワルスキーはフォードの自動車工として50年勤め上げた硬派なポーランド系アメリカン人です。最愛の妻を亡くし、大した生き甲斐もなく、デトロイトで隠居生活を営んでいました。日本車が台頭し、東洋人が増えた街にただ1つ、愛車「グラントリノ」だけが彼の唯一の誇りでした。

自分の長男が日本車メーカーのセールスマンとして働いていることや、孫娘のファッション、そして自宅の周りにはアジア人しかいないことも、頑固なコワルスキーは受け入れていませんでした。常に彼は心の中に、自分の日常に対する文句や鬱憤をためて日々を過ごしていたのです。

そんかコワルスキーはその頑固さから自分の息子たちからも嫌われ、限られた友人と日々悪態をつくのみの生活でした。亡くなった妻が頼りにしていた神父すら近づけさせない始末です。己の頑固さから誰も近づいてくれず寂しい生活を送っていました。そんな彼をここまで頑固にさせたのは、朝鮮戦争での記憶にあります。

そして彼が軍人として駐屯していた戦争である、朝鮮戦争で何名もの敵兵を殺害した記憶です。彼の記憶には少年兵の姿もありました。そんな悲しみに満ちた記憶を癒し、慰めてくれるような友人は彼にはいませんでした。せいぜいバーで知り合った同世代の人間や、行きつけの床屋のマスターぐらいです。しかしそんな人々も彼の心を開くことはありませんでした。

あらすじ:タオとの出会い

とある日の夜に、コワルスキーは自宅のガレージから不審な物音を耳にしました。ガレージに何者かが忍び込んでいると気付いたコワルスキーは、銃を持ってガレージに駆け付けました。そこには、ギャングにそそのかされていた隣の家に住むアジア系の少年タオがいたのです。

コワルスキーは自分の宝物であり誇りである「グラントリノ」を守るために彼はそこにいるタオに銃を突きつけます。コワルスキーの構えた銃と、元軍人の姿に恐れをなしたタオは、その場から逃げ去り、その日の夜は何事もなかったかのように更けていきました。

あらすじ:感謝のプレゼント

さらにその翌日の夜中に、コワルスキーの隣家にストリートギャングが騒ぎを起こしていました。ギャングらはアジア人一家の人達といがみ合っていました。コワルスキーは自分が丁寧に手入れをしていた芝生を踏み荒らされる行為に腹を立てて、騒ぎを起こしている連中に銃を突き付けて騒ぎを静めます。

事件の翌朝、コワルスキーの家に近所のアジア系住民らが食べ物など沢山のプレゼントを置いていました。隣に住んでいる英語が話せる少女、スーによると、コワルスキーが昨夜、ストリートギャングとトラブルになっている彼らの息子を助けたからと教えました。この意外な事態にさすがのコワルスキーも驚きます。

コワルスキーが救った隣家の息子は、あの時コワルスキーのガレージに侵入して「グラントリノ」を盗もうとした少年、タオでした。彼はストリートギャングにそそのかされたことで仕方なくコワルスキーの「グラントリノ」を盗もうとしていた事を話します。コワルスキーはタオと二度としないと約束をして家に戻りました。

あらすじ:ホームパーティー

近所のアジア系住民から感謝の気持ちが止むことは無かったが、コワルスキーはこれ以上自分と関わらないで欲しいと言い、彼らを拒絶していました。しかしそれから何日か経った後コワルスキーは、またもや近所のギャングに絡まれているスーを発見します。何だかんだ言いながらも彼は見捨てられずにスーを助けてしまい、不思議な事に距離が縮まっていきます。

その後、スーの無理矢理な誘いではあるが、彼女らの家で行われているホームパーティーにコワルスキーも参加することになります。家族の命の恩人であるコワルスキーを歓迎してくれたスーの家族に暖かさを感じたコワルスキーは、彼らが作った料理をたいらげ、とても楽しい時間を彼らと共に過ごしました。

そこでコワルスキーはパーティーに馴染めずにいるタオの姿を見つけました。気難しいが実は心優しい男であるコワルスキーはタオの事が気になり、男らしくしっかりしろと、彼のもとに向かいます。皮肉交じりのセリフでありましたが、そこには彼なりの優しさがありました。

あらすじ:タオとの暮らし

その姿を見たスーは、次の日母親とタオと共にコワルスキーのもとを訪れ、大切にしている愛車「グラントリノ」を盗もうとした代償としてタオをコワルスキーのもとで働かせてくれるかと頼まれす。コワルスキーは気タオを働かせたくありませんでしたが、一向に引かないスーと母親に負けてそのお願いを受け入れました。

次の日からコワルスキーは庭作業や、家の屋根の修理など、やり方を教えながら彼に仕事を教えていきます。仕事だけでなく、男らしい会話など、メンタル的な面でもコワルスキーはタオの先生となっていました。その甲斐あってタオは自信を持っていき、コワルスキーを慕うようになります。彼らの距離がどんどん縮まっていったのです。

コワルスキーもタオと心を通わせるようになり、タオが大学に進学できるよう建築現場の仕事を紹介した。コワルスキー自身もタオを信頼しており、あんなに大切にしていた「グラントリノ」を運転させる程親密になりました。孤独を抱えていた二人でしたが、いつのまにか本物の親子のような姿を見せるようになっていきました。

あらすじ:ギャングの影

タオの仕事や将来の目標も決まり、彼らの生活は充実した物になっていきました。しかし、そんな生活にある影が忍び寄ります。順風満帆なタオの様子が気に食わない彼の従兄と、ストリートギャングらによって襲撃されてしまい、姉であるスーもまた、彼らの被害を受けてしまいます。家族が襲撃されたコワルスキーは、この事件に強い怒りを覚えます。

コワルスキーはあの日のように、彼らを襲撃したストリートギャングの一人を銃で脅し、二度とタオとスーの一家に近づかないように告げました。コワルスキーはこれでギャングとの関係を絶つつもりでしたが、コワルスキーのとったこの行動がさらに深刻な事態を引き起こしてしまいます。

あらすじ:悪化する事態

ある日、コワルスキーは衝撃的な知らせを耳にします。彼が行った脅しに対しての報復として、ギャングらはタオの家に銃を乱射し、スーを暴行したのです。怒りに狂うコワルスキーは、このような愚かな行為を行ったギャングとの問題を解決しなければ、愛するタオ、スーらに良い未来が訪れることは無いと確信します。

その次の日、怒りに明け暮れるタオはコワルスキーに、今すぐにでもギャングに復讐しに行こうと提案します。ですがコワルスキーはタオを諭し、家に居るよう彼に指示します。コワルスキーの頭の中にはある計画と覚悟があったのです。

コワルスキーは行きつけの床屋で髪やヒゲを綺麗に整え、これまで何があっても拒み続けていた教会を訪れます。そこでコワルスキーは亡くなった妻が慕っていた、神父を相手に懺悔をします。これによりコワルスキーは罪の許しを与えてもらいました。それはコワルスキーの覚悟が決まった瞬間でもありました。

あらすじ:運命の時

コワルスキーはタオと4時に会うように約束していました。その約束通りタオが4時にコワルスキーのもとを訪れると、コワルスキーは銃を整備していました。そして地下室にタオを連れて行き、コワルスキーは朝鮮戦争で授与された勲章見せます。そして彼はこの背景に隠された出来事を語り、それが自分を苦しめていると明かします。そしてその勲章はタオの元に渡されます。

自分には想像することもできないような悲惨な過去がコワルスキーを苦しめていたことを知ったタオは最後、コワルスキーに、人を殺した時の気分について質問します。すると彼は、お前が知りたがるような気分じゃないと答えて、タオを地下室に閉じ込めるのです。コワルスキーはタオと共にギャングのもとに行くつもりは全く無かったのでした。

あらすじ:結末、グラントリノ

こうしてコワルスキーはただ一人ででギャング達のもとへ向かいます。コワルスキーはタバコを咥えながら、上着のポケットから銃を取り出すように手を入れます。驚いたギャングは銃弾をコワルスキーに浴びせ、彼を射殺します。しかし、コワルスキーの上着のポケットにあったのは何の変哲もないジッポーライターでした。

地下室から出てきたタオが急いでコワルスキーのもとへ向かうと、そこにはシートをかぶせられたコワルスキーの遺体がありました。その後、警察の検証により、そもそもコワルスキーはギャングたちを殺害するつもりはなかったことや、現場の目撃証言があることなどから、ギャング達には長期の刑が予想されることが明らかになります。

愛する者たちの明るい未来のために、自らの命を犠牲としたコワルスキーの遺した遺書には、「グラントリノ」をタオに譲ると書かれていました。コワルスキーの遺した名車と共に、タオは海岸線を走り去ります。彼の人生にはこれからもずっとコワルスキーが生き続けます。これにて映画「グラントリノ」は結末を迎えます。

グラントリノの監督クリント・イーストウッドを紹介

いかがだったでしょうか。あらすじのネタバレ解説はここまでにして、ここからは「グラントリノ」の主役、コワルスキーだけでなく、監督としても活躍したクリント・イーストウッドについてご紹介させていただきます。この名作を生み出した監督はどのような人物なのか、これを知ると感想もまた変わるかもしれません。

西部劇のヒット俳優から演技派へ

数多くの映画に出演しているイーストウッドですが、そんな彼にも駆け出しの頃がありました。彼はオーディションで他の役者に狙っていた役を取られたり、映画もヒットしなかったりと、苦労の日々を過ごしていました。そんな中、イーストウッドの代理人が西部劇ドラマの製作予定の情報を聞き、イーストウッドにスタジオに行くよう催促しました。

イーストウッドは、自分自身が主役として出演したキャラクターのセリフを暗唱し、オーディションに合格します。その後彼は、西部劇ドラマシリーズ「ローハイド」への出演が決定し、イーストウッドにとって大きな転機となります。しかしイーストウッドは「ローハイド」で演じた自身のキャラクターを気に入ってはいませんでした。

そんな中、後に彼の代表作となる、「ダーティハリー」の話が舞い込みます。当初、「ダーティハリー」のキャラハン役はフランク・シナトラが演じる予定でしたが、彼自身が脚本を気に入らずオファーを断ったのです。この映画がヒットしたことをきっかけに、イーストウッドの名前が世に知られるようになり、スターへの第一歩を歩みはじめたのです。

着々と俳優としての実力をつけていったイーストウッドは、これまでのような西部劇の役だけでなく、「グラントリノ」のような演技派キャラクターも演じるようになり、その役の幅は非常に多彩な物となりました。イーストウッドの演じた姿は今でも映画ファンや業界から高い評価を受けています。

グラントリノを俳優業最後の作品とする

イーストウッドはこの「グラントリノ」で自身の俳優業を最後にすると発言しました。彼が俳優業から引退する理由は、現在の映画の役は、若い役者用に作られたキャラクターばかりだからとのことです。映画界でも大きな影響を与えた役者なだけあってこの発言は大きな話題を呼びましたが、あっさりとした引き際で自分の身を綺麗に引きました。

しかし、そんなイーストウッドにもこの大きな決断には気持ちが揺れ動いていることには間違いなく、演じたい役があれば、役者としてまた映画に出演するかもしれないといった発言をしていました。また、自分自身からは引退という発言は使用しないとの言葉もあり、俳優業はやはり彼にとって特別なものであることがわかります。

また、その発言の通り、2012年に公開された映画「人生の特等席」で、主役として、前作「グラントリノ」から4年ぶりに役者として出演し、エイミー・アダムスやジャスティン・ティンバーレイク等と共演を果たしました。現在ではこの役がイーストウッドの最後のキャラクターとなっております。

監督としても才能を発揮

「グラントリノ」のあらすじを結末まで見れば自然と感想として出てきたかもしれませんが、イーストウッドは映画監督としても類い稀なる才能を発揮してきました。これまで数多くの名作映画を世に送り出しており、そのジャンルも非常に多岐に渡るものとなっています。今回あらすじのネタバレ解説をさせていただいた「グラントリノ」もその一つです。

イーストウッドの監督としての実力は、業界からも高い評価を受けています。映画「許されざる者」と「ミリオンダラー・ベイビー」で2度にわたって、アカデミー作品賞とアカデミー監督賞を受賞するなど、実績としても伝説的な記録を残しています。また、2007年には、映画監督としてこれまで残した功績が評価され、フランス大統領から勲章を授与されています。

「ミリオンダラー・ベイビー」でアカデミー賞を受賞した際はすでに74歳と、史上最年長でのアカデミー賞受賞監督となりました。イーストウッドの感性は歳を取っても衰えることなく、さらなる進化を遂げていることを映画業界のみならず世界中に知らしめました。

イーストウッドは日本とも深い交流があります。特にそれは監督業で顕著に現れました。2009年に「春の外国人叙勲」として日本国政府より映画を通して日本とアメリカの相互理解を促進した功績により、旭日中綬章を授与されています。また、イーストウッドは黒澤明監督を尊敬しており、カンヌ国際映画祭で黒澤監督と対面した際は、黒澤監督がいなければ今の私は無かったと彼に伝えたほどです。

グラントリノのキャストを紹介!

ここからは「グラントリノ」のキャスト陣を演じたキャラクターも交えながらご紹介させていただきます。キャラクターをより深く知ることで、あらすじのネタバレ解説もより理解することができます。これにより結末の意味もより深いところまで考えることができ、感想もまた違った物になるのではないでしょうか。それではお楽しみください。

コワルスキー役/クリント・イーストウッド

まず一人目は主役のコワルスキーを演じた、クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)です。1930年5月31日生まれ、アメリカ合衆国の役者および映画監督です。監督・主演とまさにこの映画の中心となっていた人物です。長年映画界を牽引してきたイーストウッドは、今や映画史に残る実績の持ち主となっています。

上述したように、役者業も監督業も最高レベルのクオリティでこなすイーストウッドですが、その他にもプロデューサーや作曲家、そして政治家など様々な方面で才能を発揮しています。音楽は自身の映画で作曲することはもちろん、他の監督の映画で作曲のみを担当するなど、その才能は他の監督からも認められています。

また、政治家としても、カリフォルニア州カーメル市の市長に2年間従事し、見事1期全てを全うしています。「グラントリノ」でも描かれた朝鮮戦争や、ベトナム戦争、イラク戦争など戦争行為への反対や、同性婚や男女平等の権利を社会に浸透させる活動も行っており、大規模な物から市民一人一人を考えたものまで意見を示しています。

2014年には「アメリカン・スナイパー」、2016年には「ハドソン川の奇跡」など80歳を超えた現在でも世界的なヒット作品を生み出すことのできる唯一無二の映画監督です。その映画に対する姿勢や考え方は多数の称賛の声が挙がっています。才能の尽きることが無い天才、イーストウッドは今後、どのような名作を見せてくれるのでしょうか。

タオ役/ビー・ヴァン

続いて物語の重要なファクターとなったキャラクター、タオを演じたビー・ヴァン(Bee Vang)です。1991年11月4日生まれ、アメリカ合衆国の役者です。両親はタイから移住してきたモン族の一人であり、その血を受け継ぐ彼も「グラントリノ」のタオと全く同じ境遇の持ち主です。

ビー・ヴァンは「グラントリノ」でタオを演じるまで、役者として特に目立った実績もなく、厳しい環境の中育ってきました。そのような中で、巨匠クリント・イーストウッドの最高傑作とも呼ばれる「グラントリノ」の重要なキャラクターを演じることができたのは、彼にとって大きなキャリアの転機でした。

現在ヴァンは、「グラントリノ」に出演してモン族を演じたことによって、自身のアイデンティティーについて深く考えるようになり、2010年からは活動家としても活躍しています。モン族のメディアや、映画監督、教育機関など様々な方面から、自身のルーツであるモン族の共同体についての問題意識を研究し、世界に発信しています。

スー役/アーニー・ハー

続いても重要なキャラクターの一人、スーを演じたアーニー・ハーです。1992年生まれ、アメリカ合衆国の役者さんです。彼女もまたモン族をルーツする人物であり、最初はイーストウッドのオファーが信じられなかったと発言しています。

彼女の役者としての初めてのキャリアは、巨匠イーストウッドの「グラントリノ」でした。当時16歳だった彼女は、複雑なアメリカ社会に生きる一人の女性として家族を守る姿を見事に演じきりました。また、彼女はこの映画の公開年に高校を卒業しています。

2011年には映画「ナイトクラブ」に出演するなど現在も役者としてのキャリアを順調に進めています。彼女の持つ演技の魅力はネタバレ解説だけではわかりません。「グラントリノ」を実際に観た際に、彼女の持つ強さや美しさを感じることができるでしょう。

グラントリノの感想と批評をネタバレ!

ここからは「グラントリノ」の感想と批評をネタバレしていきます。あらすじのネタバレ解説ではわからないような役者の細かい心理描写などが、感想では語られています。感想を知ってあらすじを読むとまた受け取り方が変わるかもしれません。それではお楽しみください。

硬派なヒューマンドラマ

「グラントリノ」は映画としてのクオリティもさることながら、テーマ性もしっかりした非常に硬派な作品となっています。そのいった面からも、この映画に対して好評な感想が非常に多いです。そういった「グラントリノ」のテーマ性を考察するとまた新たな感想が生まれるかもしれません。

このように、「グラントリノ」の持つメッセージ性を受け取り、ヒューマンドラマとして非常に素晴らしい作品といった感想が見受けられます。アメリカ合衆国の現状をリアルに描いた硬派な作品だからこそ、この映画の持つヒューマンドラマ性がより活きることとなったのでしょう。

また、こちらの感想のように、一人の人間としてどう生きて、どのような最期を迎えるかといったテーマ性に対して考えさせられるといった感想も見受けられます。お互い孤独で頑固な人間たちが、何の運命か互いを認め合って生きるようになる姿はまさに、どのように生きるかのテーマを表していることがわかります。

やはり映画のテーマとして、生と死や、生き様と言った感想が多く見受けられます。決して器用な生き方ではなかったコワルスキーですが、その奥底には筋の通った人生の考え方があり、それを見事に表現することができたからこそ、「グラントリノ」は名作として今でも愛されているのでしょう。

名作中の名作

また、感想の中には「グラントリノ」を名作中の名作と呼ぶ声も多数あります。数多くの名作映画を生み出したイーストウッド作品の中でも「グラントリノ」は何故ここまで名作と名高いのでしょうか。ネタバレ解説だけではわからないその答えを感想から紐解いていきます。

派手な演出やアクションが無いにも関わらず、この感想のように名作中の名作と述べる声は非常に多いです。演出やアクションで誤魔化すのではなく、しっかりとしたテーマを持ってそれを伝えているからこそ、このような感想が生まれるのでしょう。ストーリーがしっかりしている証拠です。

このように、明示的にメッセージを出さずに、視聴者に問題を考えさせ、映画に含んでいるメッセージを自分から引き出すことができるのもさすがは巨匠イーストウッドです。まさにイーストウッドにしかできない手法でしょう。この感想では真の傑作と「グラントリノ」を絶賛しています。

また、この感想のように、物語の結末後のキャラクター達の姿を想像している声も見受けられます。コワルスキーの人生をメインに追った作品ですが、あの後のタオやスーの生き様は非常に輝いていることでしょう。そういった想像を自然とさせるのも、「グラントリノ」が名作中の名作と呼ばれる所以です。

グラントリノのあらすじなど映画情報まとめ

このように現在までその人気は衰えるどころか、ますます名作として評価を高めていく「グラントリノ」ですが、やはりその魅力を理解するには、実際に観ることが一番の方法です。イーストウッド作品の中でも最高傑作と呼ばれる見事なヒューマンドラマは一見の価値がると高く評価された作品です。今回は映画「グラントリノ」のあらすじをネタバレ解説させていただきました。

最後に視聴者の感想もご紹介しましたが、最終的には「グラントリノ」を観た時にどう感じるかです。映画を実際に観ると、あらすじだけではわからない絶妙な心理描写や、映画に含まれているテーマ性やヒューマンドラマ性に気付くことができる作品として知られています。このネタバレ解説を読んで興味を持った方は、ぜひ一度「グラントリノ」をご覧ください。

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