ブラック・スワンのネタバレあらすじ!ナタリー・ポートマン主演映画の結末は?

映画「ブラック・スワン」は、2010年12月にアメリカで公開されたサイコサスペンス映画です。監督は「レクイエム・フォー・ドリーム」や「レスラー」を監督したダーレン・アロノフスキー。主演は「レオン」でマチルダを演じたナタリー・ポートマン。バレエ「白鳥の湖」の主役に抜擢されたバレリーナが、プレッシャーにより徐々に精神が崩壊していく様を描く、美しくも悲しい、そして怖い映画です。この記事では、映画「ブラック・スワン」のネタバレを含むあらすじや結末のあらすじ、キャストや評価までを紹介していきます。

ブラック・スワンのネタバレあらすじ!ナタリー・ポートマン主演映画の結末は?のイメージ

目次

  1. ブラック・スワンのネタバレあらすじ・ナタリー・ポートマン主演の映画の結末紹介!
  2. 映画ブラック・スワンとは?
  3. 映画ブラック・スワンのキャストを紹介!
  4. 映画ブラック・スワンのあらすじをネタバレ紹介!
  5. 映画ブラック・スワンの結末をネタバレ!
  6. 映画ブラック・スワンの感想・評価を紹介!
  7. 映画ブラック・スワンのネタバレあらすじまとめ

ブラック・スワンのネタバレあらすじ・ナタリー・ポートマン主演の映画の結末紹介!

映画「ブラック・スワン」は、2010年12月3日にアメリカで公開されたサイコサスペンス映画です。監督はダーレン・アロノフスキー、主演はこの映画「ブラック・スワン」でアカデミー主演女優賞を受賞したナタリー・ポートマン。以下は、映画「ブラック・スワン」のネタバレを含むあらすじや衝撃の結末のあらすじ、キャストや評価感想までを紹介していきます。

映画ブラック・スワンとは?

2010年12月3日にアメリカで公開された映画「ブラック・スワン」。監督は「レクイエム・フォー・ドリーム」や「レスラー」を監督したダーレン・アロノフスキー監督。主演は「レオン」でマチルダを演じたナタリー・ポートマンです。数々のメディアや映画評論家から好評を得て、興行収入は世界で3億ドルを超えています。第83回アカデミー賞では作品賞を含む5部門で候補に挙がり、ナタリー・ポートマンは主演女優賞を受賞しました。

ダーレン・アロノフスキー監督はデビュー作「π」や「レクイエム・フォー・ドリーム」などにみられるように、ひとつのことに取り憑かれて精神的なバランスを壊していく人間を描くことにおいては右に出る人はいないと言われています。この映画はそんな監督の持ち味が最大限に生かされている作品となっています。

映画評論家の反応は概ね高評価で、世界的な映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」では255名の批評家のうち88%が好意的な評価をつけ、平均点は10点満点で8.2点でした。各メディア誌は「『ブラック・スワン』は今年最も愛されるかまたは最も嫌われる映画のひとつだろう」、「素晴らしく気味が悪い」と報じ、またナタリー・ポートマンの演技を高評価しています。

日本でも2012年5月、 当初は小規模映画館での公開を予定していたのですが、ナタリー・ポートマンのアカデミー賞受賞を受けて全国で拡大公開されることになり、国内で約24億円の興行成績を収めています。その後発売されたDVDとBlu-rayは、発売初週にオリコン週間ランキングでDVD&BD共に総合首位となっています。

映画「ブラック・スワン」は、バレエ「白鳥の湖」の主役に抜擢されたバレリーナが、プレッシャーにより徐々に精神が崩壊していく様を描いたサイコサスペンス映画です。主演のナタリー・ポートマンの美しさは言うまでもないですが、基本的に16mmフィルムで撮影されたという独特な映画の雰囲気は、より怖さと美しさを際立たせています。

映画ブラック・スワンのキャストを紹介!

以下は、映画「ブラック」・スワン」で主演をつとめたナタリー・ポートマンをはじめ、各役を演じた俳優を簡単に紹介していきます。少しのネタバレ・あらすじ・結末のネタバレを含む内容となりますのでご了承ください。

ナタリー・ポートマン/ニナ・セイヤーズ役

映画「ブラック・スワン」の中で、「白鳥の湖」の主役に抜擢されたバレリーナ、ニナ・セイヤーズを演じるのはナタリー・ポートマンです。とても真面目な性格で自宅でも毎日練習を欠かさず、バレエの技術は高いニナ。しかし「白鳥の湖」の黒鳥の妖艶さを表現できずに苦悩し、周りからのプレッシャーにも押され徐々に精神が壊れていく姿を美しく、リアルに演じました。

そんなニナを演じたナタリー・ポートマンは、1981年6月9日生まれ、イスラエル出身。リュック・ベッソン監督の「レオン」で2000人以上の候補者からマチルダ役に選ばれて映画デビュー。その後は「スター・ウォーズ」新三部作のヒロインパドメ・アミダラ役、「地上より何処かで」(1999)、「クローサー」(2004)ではゴールデングローブ助演女優賞を受賞。「ブラック・スワン」でアカデミー主演女優賞を受賞しました。

ハリウッド女優を代表する正統派美女と言われるナタリー・ポートマンとダーレン・アロノフスキー監督との間では、2001年から「ブラック・スワン」の構想があり10年越しでの映画化となりました。13歳までバレエを習っていたナタリー・ポートマンは、1年間にわたり本格的なバレエの再訓練を受け、約9キロ減量し、ほとんどのバレエシーンを本人が演じたと言われています。

ナタリー・ポートマンは2010年12月、アメリカでの映画公開直後に、にこの「ブラック・スワン」で共演した「白鳥の湖」の王子役のダンサー兼振付師のバンジャマン・ミルピエと結婚する予定であることを発表しました。日本ではまだ映画公開前だったので大きな話題を呼びました。その後2011年6月14日子供を出産、2012年8月に正式に結婚します。

ヴァンサン・カッセル/トマ・ルロイ役

ニナが所属するバレエ団の演出家・トマ・ルロイを演じたのは、ヴァンサン・カッセルです。 1966年11月23日生まれ、フランス出身。父は俳優のジャン=ピエール・カッセル。マチュー・カソヴィッツ監督の映画「憎しみ」(1995)で注目され「オーシャンズ」シリーズにも出演しています。日本ではオレンジ系炭酸飲料CMの「小粋なフランス人」としても有名です。

そんなヴァンサン・カッセルが演じたのは、少し女癖が悪く、でも才能はある芸術至上主義の演出家トマ・ルロイ。長年にわたり、ベス・マッキンタイアをプリマドンナにしたバレエを演出してきましたが、興行が思わしくいかないこともあり、新たなバレリーナを主役にした新たな解釈による「白鳥の湖」の上演を決め、ナタリー・ポートマンが演じるニナを見出し抜擢します。

ミラ・クニス/リリー役

ニナと同じバレエ団に所属するバレリーナ・リリーを演じたのは、ミラ・クニスです。1983年8月14日生まれ、ウクライナ出身。左右非対称の瞳の色を持ち「最もセクシーな女性」と言われるミラ・クニスは、1998年『ザット'70sショー』に出演してブレイクしました。この「ブラック・スワン」のリリー役で、ヴェネチア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)を受賞しました。

そんなミラ・クニスが演じたリリーは、サンフランシスコから来た新人バレリーナで、ニナと同じバレエ団に所属。背中に黒い入れ墨をし、薬を使って楽しんだり、性には奔放な面があるリリー。しかしそのダンスは官能的で演出家の演出家のルロイにも認められています。このリリー役はニナを演じるナタリー・ポートマンが、監督のダーレン・アロノフスキーに推薦して出演が決まったと言われています。

バーバラ・ハーシー/エリカ・セイヤーズ役

ニナの母親・エリカ・セイヤーズを演じたのは、バーバラ・ハーシーです。1948年2月5日生まれ、アメリカ出身。子供の頃から女優になりたかったというバーバラ・ハーシーは、1987年の映画「或る人々」と1988年の映画「ワールド・アパート」でカンヌ国際映画祭女優賞を連続受賞しています。その他テレビ出演も多く、ゴールデングローブ賞やエミー賞の受賞歴も数々あります。

そんなバーバラ・ハーシーが演じたのは、ナタリー・ポートマン演じるニナをかわいがる一方で子ども扱いし、結果抑圧している母親・エリカ・セイヤーズ。ニナの自室の部屋には鍵をかけさせず、自傷癖のあるニナの爪を無理やり切ったり、友人と出かけるのにもいい顔をしない母親。ニナを精神的に追い詰める原因の一つとして描かれています。

ウィノナ・ライダー/ベス・マッキンタイア役

ニナの所属するバレエ団の前プリマドンナ、ベス・マッキンタイアを演じたのは、ウィノナ・ライダーです。1971年10月29日生まれ、アメリカ出身。1986年の「ルーカスの初恋メモリー」で映画デビュー。1993年の映画「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」でゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞しました。その翌年には映画「若草物語」でジョー役を演じ、アカデミー主演女優賞候補にもなっています。

そんなウィノナ・ライダーが演じたのは、少しヒステリックで魅力的なバレエ団の前プリマドンナ、ベス・マッキンタイア。長年にわたりルロイが演出するバレエのプリマドンナを務めてきましたが、興行的に振るわないこともあり引退。でも本人は納得できずに精神的に病んでしまい、彼女の存在もまたニナを追い詰める一つの原因になります。

その他

その他主要キャストの他に、ニナの所属するバレエ団として登場するバレエダンサーたちは、ペンシルベニアのバレエ団のメンバー。バレエの練習によって、ニナの爪が割れたり、足首がつまったような感じになる姿やトウシューの使い方、レッスンの様子など、バレエの姿が丁寧に描かれた映画となっています。

映画ブラック・スワンのあらすじをネタバレ紹介!

以下は、映画「ブラック・スワン」のあらすじを、ネタバレを含め結末のあらすじ直前まで紹介していきます。ネタバレを多く含むあらすじ内容になりますのでご了承ください。また、結末のあらすじ・ネタバレを知りたくない方はこの章までの閲覧をご了承ください。

ニナは幼少期からバレエの練習に励む

舞台はニューヨーク。ここに幼い時からバレエの練習に励み、現在はニューヨークのバレエ団に所属しているニナ・セイヤーズ(ナタリー・ポートマン)が母親と2人で暮らしています。その母親・エリカ・セイヤーズ(バーバラ・ハーシー)は、28歳の時にニナを生んで引退したバレエダンサーでした。

いつかプリマドンナになるという母親の期待を一身に受け真面目に努力するニナは、高い技術力をつけバレエ団でも一目置かれる存在となっていますが、過保護に堅苦しく育った環境のせいか、どこか引っ込み思案で臆病な性格。しかしそんなニナに転機が訪れます。

バレエ「白鳥の湖」のオーディション

ある日、ニナが所属するバレエ団に練習に出かけて知ったのは、ベテランプリマドンナ、ベス・マッキンタイア(ウィノナ・ライダー)の引退と、新しい演目「白鳥の湖」のプリマ役のオーディション。しかもフランス人の演出家・トマ・ルロイ(ヴァンサン・カッセル)は、今回この古典バレエをより官能的に演出すると言い、その主役候補のバレリーナを次々と選んでいきます。そしてニナもその候補の一人に選ばれました。

しかし主役のプリマは、清廉な白鳥と妖艶な黒鳥の両方を踊れなくてはいけません。ニナはオーディションで白鳥の踊りを完璧に踊り、ルロイに「白鳥だけなら君を選ぶ」と言われます。続けてニナは黒鳥の見せ場、片足で回り続けるコーダを踊り始めますが、ルロイに「力強く!威圧的に!」と言われてもその通りには表現できないニナ。ついには新人バレリーナ・リリー(ミラ・クニス)が遅れて部屋に入って来た音で集中力が途切れてしまいます。

ニナはオーディションのやり直しを求めましたが、もうニナの黒鳥の踊りに興味がなくなったルロイ。失意のまま家に帰ったニナは、家で足の親指の爪が割れるまで練習します。そして、母親の慰めの言葉も耳に入らないニナはある決意をします。

ルロイはニナを挑発する

ニナは、元プリマのベス・マッキンタイアに憧れていました。時々その楽屋に忍び込んでは、憧れの気持ちからそこにある小物などを盗んでいました。その中の一つの口紅を塗って化粧をしたニナは、色仕掛けをしてでも主役を手に入れようと、ルロイの控室に向かいます。

しかしルロイは「もう主役はヴェロニカに決めた」と言います。しかし同時に「私を説得してみろ」と挑発します。でも色仕掛けをしようと思っていた自分が恥ずかしなったニナは何も言うことができません。ルロイは、ニナが黒鳥を踊るためには足りない激しい感情を表に出すべきだと言いながら、ニナにキスをします。思わずルロイの唇に噛みついて部屋から逃げ出すニナ。

主役の座を諦めたニナは、配役が張り出されても見に行こうとせず同僚のヴェロニカに祝福を言いますが、逆にヴェロニカには嫌味だと言われ罵られます。不思議に思ったニナがキャストが発表された張り紙を見に行くと、なんとニナが主役に選ばれていました。ルロイは、キスした自分の唇に噛みつくニナの勝ち気な部分に賭けてみようと思って抜擢したのでした。

主役に選ばれたことを喜んだニナは、トイレに行き個室にこもって母親に報告の電話をします。電話を終えて個室から出てくると、洗面所の鏡には口紅の赤い文字で大きく「アバズレ女!」と書かれていました。慌てて字を消そうとするニナ。ここからニナの日常が大きく変わりだします。

押し寄せるプレッシャー

それは些細なことから始まります。母親の部屋に飾ってある自画像の目が動いているように感じたり、プレッシャーのため寝ている間に掻き毟ってしまっている背中の傷が大きくなったり、道で自分と同じ顔をした人とすれ違ったり…。ニナはストレスから、今まで頼りきっていた母親の世話焼きさえも、少し重荷に感じてきます。

そんな中で「白鳥の湖」のレッスンが始まります。相変わらず白鳥の踊りは完璧に踊れるニナ。問題は今回ルロイが求める官能的な黒鳥の踊りの方です。そんな時リリーの奔放な踊りを見たルロイが、すばらしく官能的な踊りだと褒めます。焦ったニナはこの時からリリーを徐々に意識していきます。

パーティーの夜の出来事

バレエ団のスポンサーたちを集めてのパーティーで、ルロイは次回はベスに代わりニナが新しいプリマとして「白鳥の湖」を演じるのだと発表します。引退が本意ではなかったベスは、どういう色仕掛けでルロイの気を惹いたのか?とニナを罵ります。一方、初めて話したにも関わらずやけに親し気に声をかけてくるリリー。ニナの混乱は少しずつ幻覚となって現れはじめます。

パーティーの帰りにルロイに誘われ、彼に家に寄ることになったニナ。ルロイはあからさまにニナの性体験について質問してきます。質問に答えることのできないニナに、ルロイは家に帰ったら宿題として「自慰をしろ」と言いました。ニナは真面目な白鳥を演じるには向いているのですが、情熱的な黒鳥を演じるには、性的な奔放さが必要だという意味でした。

しかしニナの部屋には鍵がなく、ニナを子ども扱いし続ける母親エリカの厳しい監視下のもとでは、ニナは身に着けるものや爪の長さまで、何一つ自分の意志では決められないのです。結局ベッドの脇のソファーで眠るエリカに気づき、何もできないニナ。次の日、ベスがパーティーの後、自ら車道に出て事故に遭ったことを知ります。

大きくなるリリーの存在

ベスの病院にお見舞いに行き、足のケガを見てショックを受けるニナでしたが、それでも「白鳥の湖」のレッスンは続きます。パートナーの王子役にも呆れられるニナの踊りを見かねて、ルロイがニナを一人残し個人レッスンをします。ルロイを警戒しながらも踊るニナ。ルロイにキスされ、ニナが身を任そうとした途端、突然ルロイがニナを突き放します。ニナが自分から誘惑するようにならないと意味がないとレッスン場から立ち去ります。

一人レッスン場に残され、途方に暮れて泣いていたニナに近づいてきたのはリリー。悩みがあるなら自分に話してくれるよう声をかけますが、ニナはそれを振り切って家に帰ります。ニナはストレスでさらに精神的に追い詰められていき、風呂場にはリリーの幻影が現れ、知らないうちに背中の傷はさらに悪化していくのです。

リリーと夜遊びへ出かける

何度リハーサルを重ねても、ルロイの目指す官能的な踊りにはならないニナの黒鳥の踊り。ルロイは臆病者が泣き言を言うなとニナを叱ります。リリーが泣いていたことをルロイに言いつけたと思ったニナは、リリーを呼び出し余計なお世話だとリリーに怒ります。

家に帰ってもニナのイライラは収まりません。いつものように自分に過保護に構ってくる母親エリカにも反抗的な態度で口答えし、険悪なムードが流れた瞬間ドアのチャイムが鳴りました。昼間のことを謝りたいとリリーが訪ねてきたのでした。なんとか出かけさせまいとする母親に反抗して、ニナはリリーと夜の街へと出かけます。

母親からの電話を無視して、すすめられるがままに酒と麻薬を口にするニナ。クラブで激しいダンスを踊り、見知らぬ男性に体を任せ、リリーとタクシーに乗って家に帰ります。酔って気が大きくなったニナは母・エリカをドアに棒をかけて締め出すと、自室でリリーとの性行為に及びます。途中リリーが自分の顔に見える幻影、リリーの背中の黒羽のタトゥーが大きくしなるように見える幻影の中、ニナの視界はブラックアウトします。

幻影に惑わされるニナ

翌朝、怒っているエリカはニナを起こしてくれず、リハーサルに遅れていったニナが見たものは、自分の衣装をつけて踊るリリーの姿でした。ルロイがその踊りを褒めるのも、しきりとリリーを気にしているのも、ニナには気が気ではありません。そしてリリーからは、昨日はニナの家に泊ってないという衝撃の言葉を聞いて混乱するニナ。どこまでが夢で、どこからが現実なのか?

それでも「白鳥の湖」を踊り続けるしかないニナ。自分と同じタイミングで白鳥の衣装の採寸にきたリリーが自分の代役に選ばれたと知って、ルロイのもとへ駆け出します。「彼女だけはだめ!」と訴えますが、ルロイは代役は誰にでもつくし、役を狙うのは誰でも当然のことだと言って取り合ってくれません。

明日が初日だというのに、一人遅くまで練習を続けるニナ。いつまでもやめようとしないニナに、ピアノ伴奏者も呆れて帰ってしまいます。それでも一人で練習をしていると、次第に鏡に映る自分が全く別の動きで動き出します。そして突然に消えた照明。その薄暗がりの中で、「白鳥の湖」の中の悪魔ロットバルトに変身したルロイがリリーと情熱的に体を重ねている現場を見ます。急いで劇場から逃げるニナ。

ニナはその足で、事故で入院しているベスのもとへ行きます。憧れる気持ちからとはいえ、今まで盗んでいた小物を罪滅ぼしのために返しに行ったのです。「あなたのように完璧になりたかった」というニナに、「私は完璧じゃない。中身は空っぽよ!」と言いながら、爪やすりで何でも自分の顔を刺すベス。ニナは病院からも急いで逃げ帰ります。

家に戻っても幻影はニナを追いかけてきます。母親の部屋の絵や写真が全部動き出し、家でも血まみれのベスが迫ってきます。自分の背中の傷からは黒い羽根が生えてきて、脚はまるで白鳥のように折れ曲がり、ついには倒れて気絶してしまいます。

映画ブラック・スワンの結末をネタバレ!

ここから先は映画「ブラック・スワン」の結末のネタバレあらすじとなります。結末・ネタバレを多く含むあらすじ内容になりますのでご了承ください。また結末のあらすじ・ネタバレは知りたくないという方はこの章は飛ばしてお読みください。

プレッシャーはますますニナを追いつめる

気を失ったニナが目を覚ましたのは次の日の夕方でした。急いで初日の舞台に出かけようとするニナに、エリカはニナの体調を心配して「バレエ団には気分が悪いと伝えた」と言います。「私は主役よ!ママなんて群舞の一人じゃない!」。激怒して捨て台詞を残し、家を飛び出すニナ。

劇場では代役のリリーが踊ることで準備が進められていましたが、強固なニナの態度にルロイは諦めて、「自分を解き放て」とアドバイスをし、ニナが踊ることを許可します。前半のニナが得意な白鳥の踊りはうまくいきます。しかしホッとしたのもつかの間、王子役のダンサーとリリーが親しくしているのを見て再び心が揺れ動くニナ。

その後は群舞にリリーや自分と同じ顔が見えきて、動揺のあまり王子役のリフトから落ちてしまいます。泣きながら自分の楽屋に戻るニナ。するとそこではリリーが黒鳥のメイクをしている最中でした。「私が黒鳥を踊ってあげる」と言い笑うリリー。

ニナは思わずリリーを壁の大きな鏡にたたきつけ、その破片でリリーの腹部を刺します。次第に動かなくなるリリー。ニナは急いでリリーの体ををシャワー室に隠し、黒鳥の衣装に着替えて舞台に向かいます。

ルロイはニナの最高の演技に感動

いよいよ後半の黒鳥の踊りが幕を開けます。力強く狂気さながら黒鳥の踊りを踊るニナ。その踊りは観ている者すべての心を揺さぶり、魅了します。踊る腕や肩にはびっしりと黒鳥の羽が生えてきて、ついにニナは見事な黒鳥へと変化するのです。観客の拍手喝采を浴びるニナ。ニナは舞台袖のルロイに情熱的なキスをして楽屋に戻ります。

楽屋のシャワー室の下からはリリーの血が流れ出ていました。急いでバスタオルを詰めて血を隠すニナ。ニナが最終幕の準備をしていると、楽屋のドアがノックされます。戸を薄く開けてみるとそこにはリリーの姿が!リリーはニナの黒鳥の踊りを褒めますが、ニナはそれどころではありません。楽屋の中の鏡は確かに割れているし、バスタオルもシャワー室の下に詰まっています。リリーは確かにそこに倒れているはずなのです。

恐る恐るバスタオルをどけてシャワー室を開けるニナ。しかしそこに倒れているはずのリリーの姿はないのです。ふと自分の体に目を移すと、白い衣装の腹部から血が出ていて、そこには鏡の破片が刺さっていました。幻影のせいで自分で自分を刺したことを悟ったニナは泣きながら、それでも白鳥のメイクを続けます。すべては最後まで「白鳥の湖」を踊りきるために。

最後に微笑むニナ

最終幕。白鳥が自ら身を投げるシーンの幕が上がります。血を流しながら、それでも白鳥として踊り続けるニナ。最後に悪魔を見て、王子を見て、観客、心配そうに見つめる母親エリカを見て、ニナは舞台の崖から飛び降ります。崖下のマットに沈んだニナの腹部は血で真っ赤に染まっていました。称賛するために駆け寄ったルロイは慌てて救急車を呼びます。

「感じたわ」と言ってニナがルロイに微笑みます。「完璧だったわ」。ニナの目にスポットライトが滲んでだんだん白くなっていきます。観客の鳴りやまない拍手、ニナを称賛する大勢の声。その全てが次第に遠くなっていき、静かに「白鳥の湖」の幕が降ります。

映画ブラック・スワンの感想・評価を紹介!

様々なメディア、ブログ、ツイッターなどで話題となっていた映画「ブラック・スワン」。以下はその好評・不評だった感想をどちらとも紹介していきます。内容にネタバレあらすじや結末のネタバレあらすじが含まれますのでご了承ください。

「ブラック・スワン」好評な感想を紹介 ネタバレ・結末あらすじ含む

とにかく一番多い感想は「ナタリー・ポートマンが綺麗」という感想です。13歳からバレエを習っていて、この映画「ブラック・スワン」のために1年間バレエレッスンをしたというナタリーポートマンのバレエシーン。その華麗さは本物のバレエの舞台を見ているかのようです。ナタリーポートマンの綺麗さだけでも十分観る価値のある映画です。

ニナが徐々に精神的に壊れていき、ついには白鳥から黒鳥へ変化を遂げる。このシーンの表情の変化・演出がゾクゾクするいう感想も多かったです。実際のバレエ「白鳥の湖」でも白鳥と黒鳥を踊り分けるのは難しいと言われています。ナタリー・ポートマンの狂気の演技。この映画「ブラック・スワン」の結末へ向けてのクライマックスシーンです。

まさにサスペンスと呼ぶにふさわしいハラハラ感がすごいという感想も多い「ブラック・スワン」。後半、たたみかけるかのような怒涛の展開に息をつく暇もありません。どこまでが幻影で、どこからが現実なのか?鏡に映る姿は果たして真実の自分なのか?観客も主人公のニナと一緒に悩みながら、その怖さに怯える。上質なエンターテイメントです。

一方、幼い頃からバレエしか知らない「バレエ・ロボット」だったニナを追い詰めるのは、自分の夢を無理矢理我が子に背負わせようとする母親・エリカ。プリマから降ろされたことで自分の居場所を失くし傷ついているベス。芸術至上主義の演出家・ルロイ。そして、魅力的で天才肌のバレリーナ・リリー。

「完璧」を追い求めたニナの衝撃の結末。果たしてニナは幸せだったのか?と観終わった後にジワジワ考えさせられる結末です。この後、ニナがどうなったのかは映画では描かれていません。生きていたらその後もの凄いバレリーナになっていたかもしれませんし、死んでいたとしても、「完璧よ」と呟いた彼女はそれはそれで幸せだったのかもしれません。考えさせられる衝撃の結末の映画、それが「ブラック・スワン」です。

「ブラック・スワン」不評な感想を紹介 ネタバレ含む

一方、気味が悪い、怖い、痛々しい、自分が追い込まれてる時は観ないほうがいい、といった感想が並んでいるのも「ブラック・スワン」の特徴です。映画を作ったアロノフスキー監督からしたら望むところの感想なのかもしれませんが、ニナが自分で指の皮を割くシーンや、生えてきた黒い羽根を抜くシーン、ベスが自分の顔を何度もさすシーンなどは目を背けたくなるほどです。実際に映画館上映の際も、途中で席を立つ観客もいた程とか。

しかし、それらの要素を飛び越えたその先に衝撃の結末がつながっているのが「ブラック・スワン」なのです。ホラーやスプラッターが苦手な方は時々は目を逸らしながらも、あらすじだけは迷子にならずに追って頂き、映画「ブラック・スワン」の結末をお楽しみください。

映画ブラック・スワンのネタバレあらすじまとめ

以上、映画「ブラック・スワン」のネタバレを含むあらすじや衝撃の結末、キャストや評価感想までを紹介しました。人が生きていく上では必ず何かしらの競争、そして欲が付き纏います。この映画はそれをバレエという美しい世界の舞台に置き換え、その怖さと儚さ、哀しさを表現したような気がします。機会がありましたら、少し怖くて綺麗でゾクゾクする映画、「ブラック・スワン」の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?

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