日本で一番悪い奴らは実話?映画のモデル・原作となった稲葉事件とは?【綾野剛】

1996年に公開された映画「日本で一番悪い奴ら」。主演はテレビ、映画で引っぱりだこな綾野剛さん。そして監督は映画「凶悪」で日本アカデミー賞で監督賞を受賞した白石和彌監督。この映画は実話を基に制作された映画で、主演の綾野剛さんはこの映画の名演で日本 アカデミー賞で優秀主演男優賞を受賞しました。さて、この映画のモデルになったとある事件、そしてどこで起きた何の実話だったのか、映画「日本で一番悪い奴ら」をこれから一つ一つ解析していきましょう。

日本で一番悪い奴らは実話?映画のモデル・原作となった稲葉事件とは?【綾野剛】のイメージ

目次

  1. 日本で一番悪い奴らは実話の映画?原作となった稲葉事件も紹介!
  2. 日本で一番悪い奴らの綾野剛が話題に?キャストを紹介!
  3. 日本で一番悪い奴らの映画あらすじとは?黒岩のその後も紹介!
  4. 日本で一番悪い奴らの原作とは?
  5. 日本で一番悪い奴らは実話?映画のモデルとなった稲葉事件とは?
  6. 日本で一番悪い奴らは実話映画だった!

日本で一番悪い奴らは実話の映画?原作となった稲葉事件も紹介!

映画「日本で一番悪い奴ら」は1996年に公開された映画ですが、実話を基にほぼ脚色なしで制作された映画だそうです。北海道警察の話で不祥事にまみれた一人の刑事の物語です。2002年に覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された「黒い幹部」と呼ばれた刑事の実話です。柔道で警察に入った諸星(綾野剛)は、手柄が欲しければヤクザと手を組めと先輩刑事に教えられ、自らの名前を売り込みました。その刑事を綾野剛さんが演じています。

この「日本で一番悪い奴ら」が実話であり、その原作は、元北海道警察の刑事で稲葉圭昭という方の2002年に逮捕されるまでの1980年代からの自らが北海道警察として立ち回っていた時代のエピソードになります。2002年に逮捕され、その後刑期を終えて釈放されてから自伝的な本も出版し「恥さらし北海道警の悪徳刑事」というタイトルで世に出しました。実は何冊か他にもこの北海道警の不祥事の件は本にされております。

「日本で一番悪い奴ら」は稲葉圭昭氏が北海道県警にいた26年間の中で起きたことが原作となっており、通称稲葉事件とも呼ばれている、日本中を騒つかせた現職警察官による一大不祥事として有名でもあります。続いては「日本で一番悪い奴ら」の映画に注目して稲葉氏を演じたキャストを見てみましょう。

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日本で一番悪い奴らの綾野剛が話題に?キャストを紹介!

この「日本で一番悪い奴ら」で主演を演じた綾野剛さんですが、ネット上でも演技力が半端じゃないと話題になっております。この役柄は実話であり、しっかりとした原作ありきでの物語なので、役作りとして10kg以上体重を増やし、肌を焼き、顔にお酒を塗ってむくませたそうです。また北海道警が柔道で全国優勝したというエースでもある役柄なので毎日柔道の稽古も行なっていたとのことです。

綾野剛/諸星要一

主演を演じた綾野剛さんは「日本で一番悪い奴ら」に関わることができたことは監督からのオファーを即答したとのことです。映像全般を愛してやまない綾野さんはどんな役柄にもトライしたいという気概をもっており、作品を選ぶというより精一杯役を演じることに重きを置いているとのことです。そして今回は役作りとして、ヤクザ風であったり、ヤク中でもあったので「声」に注意を置き演じていったそうです。

なぜ「日本で一番悪い奴ら」を快諾したのか。綾野さんは今の時代でコンプライアンスという言葉に比重がある中で、美しさの対比にあるこういう作品に関われることが映画全ての作品の美しさがより引き立つとおっしゃっています。また題材が実話で原作ありきということでしたが、実際に映画を観た時にはダークなイメージが先行するでなくポップさを感じられた事もすっきりとした映画になったと言われてます。

そしてこの「日本で一番悪い奴ら」には脇を固める錚々たる俳優陣がおり、中村獅童さん、ピエール瀧さんをはじめお笑い芸人・デニスの植野さんなども出演しており、稲葉事件としての原作をダークなものからポップに変換している演出も見所だそうです。「日本で一番悪い奴ら」は単なる実話ではなく、映画としての醍醐味もしっかり味わえる作品だそうです。

ちなみに共演の中村獅童さんとのシーンではアドリブもちらほらあったそうです。諸星が黒岩に初めて会う場面がその一つとのことで、緊迫した空気感が作り得た最高のアドリブだとも言われております。また共演のピエール瀧さんは、この映画のテーマ性として、真面目が過ぎるとこじらせてしまうと言っているそうで、人生を真正面から走っていたのに、組織という構図の中でこじらせた結果であるとのことです。

また共演のデニス・植野行雄さんとYOUNG DAISさんはお笑い芸人とミュージシャンという違う畑のアーティストでありながらしっかりとした演技が好評だとされてます。その背景には綾野剛さん、中村獅童さんとのシーンが豊富で朝まで飲むことも多かったらしく、その中で色々と吸収したとインタビューの中で言っているそうです。違う畑でも言い訳せずに演技に体当たりする姿が素敵だと言われてます。

日本で一番悪い奴らの映画あらすじとは?黒岩のその後も紹介!

そして色々と話題沸騰な「日本で一番悪い奴ら」ですが、舞台は1979年に諸星(綾野剛)が北海道警察に就職が決まったところから始まります。柔道の腕を買われて警察官にな理、機動捜査隊に配属されましたが、全く使える人間ではなく、雑用ばかりやらされてた日々が続いていました。

そんな時に先輩刑事の村井(ピエール瀧)からヤクザと手を組んで点数を稼げと教えられたのをきっかけに、自分を売り込み協力者を作ったのです。

北海道警察本部

村井から教えをもらった諸星は協力者を獲得し、初めての覚せい剤と拳銃所持で一人のヤクザのところに押し入った。諸星は点数稼ぎのために令状を持たずに行ったが必死になり見事に検挙しました。北海道県警からは賞をもらい、村井からも褒められ、そしてクラブの女とも関係を持つようになり、諸星が徐々に変わっていく姿がここから見ることができます。

ヤクザからクレームが!

そんな時に村井から諸星にヤクザからクレームが入っていると情報をもらい、諸星一人でそのヤクザの事務所まで乗り込んで行きます。令状なしに検挙した組のヤクザで黒岩(中村獅童)という男で、黒岩は諸星に手を組まないかと言い、自分が持っている情報は下っ端連中が持っているものとは違うと諸星を説き、酒を酌み交わします。その後黒岩の仕業で村井を淫行でハメて、その代わりに諸星がすすき野で幅を効かせるようになります。

すっかり有名になった諸星は黒岩から新たに若い衆を紹介され、その男とまたその友人ともつながり、ロシアとのネットワークも作ることができます。そんな中、全国での発砲事件が相次ぐ中警視庁が銃器摘発キャンペーンを掲げ、銃器対策課に配属されます。そして諸星は拳銃摘発という元で裏側では摘発工作を行いどんどん数字を稼いでくようになります。しかし東京のヤクザなどの進出などもあり、なかなか思うように行かないのです。

銃を手に入れるためには資金が必要で、黒岩は薬をさばいて資金を作るという案を出します。それが功を奏して資金も潤沢になり、情報も増え、銃も増えていくのです。そんな中、さらに黒岩が銃を密輸するとの話を持ち出し、200丁密輸する代わりに薬の密輸を見逃すという計画で、諸星は税関と手を組み、まずは薬が到着しますが、そんな矢先に黒岩がその薬と一緒に消えてしまいます。その薬は関東のヤクザに流すものであったのです。

そして消えた黒岩と消えた薬のおかげで諸星は若い衆と共に関東のヤクザに拉致されてしまうのです。そこから気が動転した諸星は自ら薬に手を染め、若い衆の客を売ってしまい、失われた200丁の拳銃の代わりを作ります。が、しかし、若い衆からも見限られ、そして諸星の刑事生活にも大きな転機を迎えるのです。映画に出てくる登場人物の名前は違いますが、全てが実話で原作ありきなのでリアリティの描写がすごいと言われています。

黒岩のその後とは?

映画「日本で一番悪い奴ら」では黒岩が逃げてその後は全く描かれていません。しかしこれは実話で原作者でもある稲葉圭昭さんにインタビューをしたものによると、黒岩である人物は北海道におり、まだ生きているとの情報は入っているとのことです。裏事情もご本人から聞くことができたそうで、黒岩は薬を香港マフィアから仕入れて、その金すらも支払ってなかったらしいです。

日本で一番悪い奴らの原作とは?

映画「日本で一番悪い奴ら」は実話であり、原作がございます。この諸星という人物が稲葉圭昭という実際の人物であり北海道警で26年間刑事として働いていた方です。実話でありますので、2002年に覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され2011年に刑期満了し、この「日本で一番悪い奴ら」の原作となる本も執筆したのです。前述ではありますが原作以外にもこの一連の不祥事に関しては本が出版されており、稲葉事件と呼ばれています。

こちらも原作と同様に稲葉事件の真相を追う本です。北海道警察の証言などから、稲葉氏が全て悪いのではないと話しており、稲葉氏の上司連中が自らの成績の為に下を使いそして警視庁の大号令に従っていくという構図自体が腐敗であり、また悪しき風習であるとも話してます。結局は膿はどこかで出さなければ、旧体制はいつか崩れるということもあるそうです。

日本で一番悪い奴らは実話?映画のモデルとなった稲葉事件とは?

「日本で一番悪い奴ら」は北海道警察の実話であり、その一連が稲葉事件と呼ばれています。劇中の諸星がこの事件の中心にいた稲葉圭昭氏です。稲葉事件とは2002年に稲葉氏が逮捕されて明るみに出た、覚醒剤取締法違反、銃刀法取り締まり違反、銃摘発に置いての偽証やおとり捜査などの一連の事件の事を言うそうです。原作者である稲葉氏はその後刑期満了から札幌に住み、八百屋と探偵をして生計を立てているそうです。

稲葉事件のあらましとは?

稲葉事件とは2002年に起きた、かつて北海道県警の生活安全特別捜査隊班長の稲葉圭昭警部が、覚醒剤取締法違反容疑、銃砲刀剣類所持等取締法違反容疑で逮捕され有罪になった事件です。稲葉事件は「日本で一番悪い奴ら」の原作としても取り上げられています。ただ稲葉事件の内容としての一番のトピックは現職刑事による不祥事であり、日本全国の警察の「腐った制度」が明るみに出たと言うのが大きな騒動になったそうです。

そして金丸信副総裁狙撃事件や全国で続発する拳銃が関わった事件を受けて1993年頃から警視庁が全国の警察に大号令をかけた銃器摘発キャンペーンを受けて銃器対策課へ異動し、摘発に励むが、この時期ぐらいか「日本で一番悪い奴ら」として本腰が入っていったようです。銃の検挙とはとても難しいことらしく、普通に警察として仕事をするだけでは到底無理な話で、そこで銃の裏工作をはじめ、ヤクザとつながりはじめます。

しかし、単純にヤクザと繋がるだけでは「日本で一番悪い奴ら」には成り得ません。銃を調達するにも資金が必要であるからです。そこで稲葉氏は薬の密売に手を染めていくように成ります。そして銃を手に入れ、それを北海道警察の摘発として使うと言う摘発の裏工作を行います。当時の稲葉氏は密売で4000万円程蓄えることができ、そこで銃の調達からさらにはプライベートにまでその資金は流用されていったようです。

また、この稲葉事件が明るみになった事で、北海道警察の裏金流用事件が発覚もしました。本来協力者に支払われる資金が警視以上の幹部で横領されていたとのことで、これを受けて約3200人が処分を受けて、横領総額は2億6000万にもなると言われています。「日本で一番悪い奴ら」は全国の警察の体制を露呈した発端であるとも言われています。

この事件の中心とされる稲葉圭昭氏のインタビューでは、点数稼ぎや出世の為にこのような行為を行ったのかという質問があるのですが、それはキャリア組や上司には絶対に逆らえないという風習がある中で必然的におこった事であると伝えています。悪しき風習の中でおこった必然の出来事。そして現在は警察の力も弱くなっているとも話しており、この事件を風化させないと抗っているとインタビューで述べています。

また稲葉氏がなぜ逮捕されたのかという理由もあり、そこには協力者との金銭トラブルがあったのではと言われています。覚せい剤を販売し、銃を調達しそして自らの私腹も肥やしていく、そして大きな取引が失敗し、協力者の仲間を売ってしまう。そうなるとあとは悪い方向へとしか行かなくなると言われてます。金の切れ目が縁の切れ目とでも言わんばかりの大きな終焉を迎えてしまったのです。

日本で一番悪い奴らは実話映画だった!

いかがでしたでしょうか。映画「日本で一番悪い奴ら」は北海道警察の現職刑事の不祥事から、稲葉事件という大きな騒動に発展し、日本の警察のダーク部分を露呈せざるを得ない作品です。またこの「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌監督は、単純にダークな作品を撮るのではなく、ダークな部分も世の中にはあり、そのことに蓋をするのではなく、なぜこうなったのかと喚起できるような作品にもしてみたいと語ったそうです。

またこの「日本で一番悪い奴ら」としての感想はやはり何と言っても綾野剛さんの演技が素晴らしいと言う声が上がっています。そしてリアリティーであること、実際に起きた事件はどんな物語より説得力があり、作品にのめり込むと言う意見も多く上がったいるそうです。映画「日本で一番悪い奴ら」、実際の稲葉事件を紐解いたところで、再びじっくりと鑑賞するのもいかがでしょうか?

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