アメリカン・ビューティー(映画)をネタバレ解説!あらすじや感想も紹介

映画アメリカン・ビューティーは1999年に公開されたアメリカ映画です。主演はケビン・スペイシー。監督は007シリーズでも起用されていたサム・メンデス。このアメリカン・ビューティーは公開と同時に瞬く間に大ヒットを記録しアメリカ国内、諸外国でも興行成績が良かったそうです。そしてオスカーで賞を総ナメしたこの映画アメリカン・ビューティーがなぜにそこまで話題になったのか、隅から隅まで紐解いてみましょう。

アメリカン・ビューティー(映画)をネタバレ解説!あらすじや感想も紹介のイメージ

目次

  1. アメリカン・ビューティーについて徹底解説!
  2. アメリカン・ビューティーは大ヒット映画!
  3. アメリカン・ビューティーのあらすじを紹介!
  4. アメリカン・ビューティーの内容をネタバレ解説!
  5. アメリカン・ビューティーの感想を紹介!
  6. アメリカン・ビューティーの解説まとめ

アメリカン・ビューティーについて徹底解説!

映画「アメリカン・ビューティー」は1999年にアメリカで公開され日本でも話題になったコメディ・ドラマ作品です。主演は演技力抜群のケビン・スペイシー。そして監督は映画「007」シリーズでも有名なサム・メンデス監督。この映画「アメリカン・ビューティー」はコメディ・ドラマではありますが、実はとても深いテーマで描かれている映画でもあります。それでは映画「アメリカン・ビューティー」徹底解説していきます。

こちらは映画「アメリカン・ビューティー」のオリジナル予告編です。この映画の予告編を見ると「look closer」と言う文字が黒バックに出てくのがわかりますでしょうか。解説するとこれはアメリカン・ビューティー、つまりアメリカの美と言う意味ですが、アメリカの美というものをもっと近くで見てごらんという意味だそうです。その心は、アメリカの美しさなんて近くで見たら醜いものというメッセージが込められているそうです。

この映画「アメリカン・ビューティー」ですが、元々の構想とは違う角度でヒットを生んだそうです。そもそもはミステリー映画としての脚本だったのですが、このカテゴリーに着地してしまうと、映画の規模感が小さくなってしまうということで、一線を画す作品が作れなくなるという監督の感覚で、ミステリー要素を削り、深いメッセージ性の強い作品に仕上がったとのことです。そこが功を奏してオスカーの称号を獲得したとの事です。

なぜミステリー要素を削ったのか、そこを解説すると、サム・メンデス監督はビリー・ワイルダーのような作品を構築したかったという野心があったとの事です。映像的にも深みを作る、陰影を作るなど、ハリウッド映画のど真ん中という平面的な絵を構築たくないという思いだったそうです。ビリー・ワイルダーは映像に深みを持たせ、既存のハリウッド映画とは異なる手法でアカデミーを獲得したそうです。

こちらがアメリカン・ビューティーが単なるコメディ映画でなくなった、サム・メンデス監督が好んで作品の質を寄せようとしたビリー・ワイルダー監督「アパートの鍵貸します」です。特にアメリカン・ビューティーが似ているなと、オマージュ的に思われたのは冒頭のナレーションを使うところや、そこから回想的な雰囲気で物語が始まるところだと言われているそうです。

さらにアメリカン・ビューティーがコメディ映画っぽくなくなった理由があり、それは撮影監督のコンラッド・ホールが成す画の作り方にもよるとも言われています。解説すると、撮った画には、深みがある、陰影が濃い、芸術、絵のようなものを作ると言われ、ゆえに文芸的に作品が出来上がったとの事です。コンラッドは過去にも「アメリカン・ビューティー」「明日に向かって撃て!」などでもアカデミー撮影賞を受賞しています。

また余談ですが、脚本を本来のミステリー部分をカットし、よりメッセージ性を濃くしたのですが、それゆえにアドリブなど台本がない上での演技もあったそうです。過去には名画であるカサブランカでハンフリー・ボガードがラストに「君の瞳に乾杯」という名台詞を話すシーンがありますが、そこも実はハンフリー・ボガードのアドリブだったようです。

アメリカン・ビューティーは大ヒット映画!

1999年に公開された映画「アメリカン・ビューティー」は公開と共に大ヒット。アメリカ国内で1億3000万ドルの興行成績を記録し、国外では2億6000万ドルの興行成績を獲得したようです。

1999年上映のアメリカ映画!

映画「アメリカン・ビューティー」は1999年に公開された映画です、そして写真のように第72回アカデミー賞で5部門の受賞し、主演男優賞、監督賞、作品賞、撮影賞、脚本賞に輝きました。また当初は実話の犯罪実録物のストーリーラインだったとも言われています。1992年にニューヨークで起こったエイミーフィッシャー事件がモチーフになったそうです。しかしその事件は映画化され、ドリュー・バリモアが演じたそうです。

見事に5部門を受賞したアメリカン・ビューティーですが、ライバルの映画にはそれぞれ、作品賞にグリーン・マイル、サイダーハウスルール、インサイダーなどがノミネートされており、作品賞・監督賞ではシックスセンスやマルコヴィッチの穴など、数々の素敵な映画がノミネートされておりました。そしてアカデミー賞に値しないと酷評されている状況もあるそうです。

第72回アカデミー賞で作品賞を受賞!しかし!?

確かに5部門の賞を獲得して話題になった映画「アメリカン・ビューティー」ですが、実はアメリカのエンターテイメントウィークリーという雑誌で解説では、アメリカンビューティーはマルコビッチの穴、インサイダー、マグノリア、サイダーハウスルール、グリーンマイル等の作品よりも良くはないよいう持論を展開しているそうで、上記の作品含め、1999年の映画の中ではベストテンにも入らないとも言っているそうです。

アメリカン・ビューティーのあらすじを紹介!

それでは解説に続いて映画「アメリカン・ビューティー」のあらすじを紐解いてみます。解説と共にあらすじを読む事でより一層アメリカン・ビューティーの魅力を垣間見ることができるでしょう。

シカゴ郊外に住む42歳の男

物語はシカゴの中流階級の家庭の話になります。主演のレスターを演じているケビン・スペイシーは42歳の男。仕事はテレマーケティングをしており、電話での商品セールスの仕事になります。そして妻のキャロラインは不動産を仕事としており、一人娘のジェーンは高校生。レスターとジェーンの関係はいい親子関係とは行かず、またレスターとキャロラインとの夫婦関係も冷めきっている設定になります。

実はレスターはすでに死んでいる!?

このアメリカン・ビューティーは冒頭で主人公のレスターのナレーションから始まります。ネタバレ的な要素で「私は一年後に殺されて死ぬ」というセリフを喋っています。ネタバレっぽい要素ですが、本来この映画はミステリー要素が強かったために、誰が犯人だ!?というストーリーラインが本来の脚本のプロットラインだったそうです。

娘の親友に恋!

主人公のレスター、冷めきった家庭、そこには自らの人生に鬱屈が溜まり、満足する人生を送っていない姿が見えます。それはレスターの家族全員に当てはまる事でもあります。レスターは妻に頭が上がらないような立ち位置で妻はお金に対しての執着が強く、娘も同様に満たされていない日常を送っています。そしてとある日に娘のチアリーディングを観に高校へ嫌々行き、そこで娘の同級生に一目惚れしてしまうのです。

レスターはその女子高生を本気で好きになる事で自分の生きがいを見つけたと確信し、男としての魅力をあげることに生きがいを感じます。ネタバレになりますが、レスターはその後会社を辞め、妻に迎合する事を辞め、娘にもおべっかを使うことをやめます。もちろんその反動でさらに家庭環境は悪化の一途を辿ることになります。

さらにネタバレあらすじをお伝えすると、レスターは娘に邪険に思われつつも同級生のアンジェラへの思いを一層強く持ちます。そして妻は夫の行動に今までの鬱憤が爆発し、不動産のライバルである男性と不倫関係に発展していきます。娘のジェーンは隣に越してきた高校生のリッキーと関係をもち、リッキーは彼自身闇を抱えている男の子でもあります。

こちらがリッキーの家庭です。さらにネタバレになりますが、解説すると、父親は厳格な元海兵隊。規律に厳しく、リッキーに対しての体罰も行う。が、当のリッキーはその際に「ご指導いただきありがとうございます」とセリフを言います。レスターの家族、リッキーの家族、それぞれが全く異なる家族の事情ですが、この両方の家庭共に崩壊をしているというメッセージでもあります。

さらにネタバレですが、レスターは冒頭のナレーション通り殺されてしまいます。誰が殺したのか、それはリッキーの父親でした。厳格な父親がレスターとリッキーの関係性を疑い、ゲイではないかという疑念を抱いたことがきっかけになります。しかしレスターとリッキーの関係は、レスターがリッキーから大麻を購入していたというそこの繋がりだけだったのです。

レスターの中年の危機から家庭崩壊になり、行き着くところはレスターの死。解説すると、アメリカン・ビューティーというタイトルはアメリカ中流階級の家庭の美しさという意味がありますが、そこにはアメリカの美の象徴と言われてますが、実のところにはよく見ると醜さが根深くあるという社会風刺的なメッセージが込められている映画でもあります。

アメリカン・ビューティーの内容をネタバレ解説!

そしてさらに映画「アメリカン・ビューティー」の解説とネタバレ必至なこの映画のコンセプトや裏話を紐解いてみます。

この作品における赤とは?

映画の中で赤い薔薇が使われています。妻キャロラインが庭で育てている深紅のバラ。そしてレスターがアンジェラを想う妄想の中で出てくる深紅の薔薇の花びら。アメリカン・ビューティーという薔薇の名前ですが、一つには豊かな家庭の象徴という意味と、もう一つにはレスターの妄想で表現されているような官能的な意味合い。その二つが混じることで家庭の崩壊と静けさと激しさの同居であるメッセージとも言われています。

女優が微妙に変化している!

これはジェーンとアンジェラのメイクを対照的にしたというものになります。映画のあらすじではジェーンはやや内向的でアンジェラは外向的なキャラクターとして描かれているのですが、映画をみていくと、ネタバレにはなりますが、あらすじだけでは読めない、お互いのキャラクターの変化、アイデンティティの着地点との、二人のメイクがより良い変化とギャップを生み出すための効果だと言われています。

そしてこの映画にはアメリカの社会の縮図とも言われています。美しさの裏には、冷え切った家庭、仕事へのやる気を失った夫、浮気に走る妻、親を嫌う娘、麻薬、虐待、同性愛、殺人、未成年との恋愛等々、このショートメッセージがこの映画の随所に散りばめられています。ネタバレにもなりますが、この要素が単なるコメディー映画としての見方を変えた、タイトルとは相反する映画になった理由でもあります。

アメリカン・ビューティーの感想を紹介!

それではここでアメリカン・ビューティーの色々な感想をみていくことにします。ネタバレ的な要素もありますが、作品の良し悪しがどのような感想として言われているのか紐解いていきます。

好評の感想

好評の感想については、受賞理由にも挙げられている内容が多いそうです。アメリカの象徴、アメリカン・ドリームや、成功という形の美しさを表しているタイトルでありますが、大まかなあらすじではわからない、映画を観て徐々に理解してくる感想であり、アメリカという社会の構図が表向きの部分と、中身を垣間見た時の衝撃のギャップが期待以上の作品であるという感想が多いそうです。つまりはアメリカの偶像とも言われてます。

レスターの家族、リッキーの家族、そしてそれぞれの登場人物が絡み合い、しっかりと伏線も大いに見応え上がるという感想が多いようです。アメリカという国への固定概念が見事に崩壊する様子をまじまじと体感できるという部分も好評の感想としても多いとのことです。

不評の感想

そして先ほどもお伝えしましたが、エンターテイメント・ウィークリーのように不評であるという感想を抱えているのもございます。まずは倫理的にあらすじを読んだ時点で不評であると答えた方々もいるとのことです。またあらすじだけではわからない物語を全て観終わった後に全ての人が闇を抱えている事に闇が多すぎるという感想もあるようです。

アメリカン・ビューティーの解説まとめ

アメリカン・ビューティーはあらすじだけでは予想打にできない奥深いストーリーになっています。タイトルの美しさから見ることのできないアメリカの偶像やアメリカへの観客の固定観念を崩壊させるメッセージの深さにも映画としての批評が良くも悪くもございます。オスカーを受賞するだけの作品であることは、あらすじからキャスト、そして観終わった後の後味などで納得という声も多いようです。

コメディー映画としての見方が強いアメリカではありましたが、日本ではなかなか思うように捉えられてはいなかったとも言われてます。しかし映画のメッセージ性は強く伝わっているらしく、普通であることの難しさや普通であることの必要性などの映画からのメッセージを感じてる方も多いようです。また監督と撮影監督が織りなす映像美も、映画のメッセージ性とのギャップを生み、オスカーという結果を得たとも言われております。

そんなアメリカの偶像を描いたアメリカン・ビューティーですが、日本人的感覚だとなぜにオスカーやゴールデングローブを受賞できたのかという話もネット上で言われているようですが、まずはこの解説と製作側からのメッセージを紐解いてきましたので、改めて再び鑑賞してみてはいかがでしょうか?

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