殿、利息でござる!のネタバレあらすじとキャスト!羽生結弦の起用理由と演技は?

今回は2016年公開の映画「殿、利息でござる!」のあらすじやキャスト、感想をネタバレ紹介していきます。「殿、利息でござる!」は実話?原作本や、原作者の磯田道史さんについてもご紹介します。また「殿、利息でござる!」は阿部サダヲや瑛太、妻夫木聡といった豪華キャストの他に、フィギュアスケート選手の羽生結弦選手の出演でも話題になりました。羽生結弦選手の役柄や起用理由、羽生結弦選手が出演を決めた理由、さらに気になる演技はどうだったのか?についてみていきます。

殿、利息でござる!のネタバレあらすじとキャスト!羽生結弦の起用理由と演技は?のイメージ

目次

  1. 殿、利息でござる!のあらすじとキャストをネタバレ紹介!羽生結弦の演技について
  2. 殿、利息でござる!はどんな作品?
  3. 殿、利息でござる!のあらすじをネタバレ紹介
  4. 殿、利息でござる!のキャスト紹介!羽生結弦の演技力・起用理由は?
  5. 殿、利息でござる!は実話だった!
  6. 殿、利息でござる!を見た人の感想・評判を紹介!
  7. 殿、利息でござる!のあらすじ・キャストをネタバレ紹介まとめ

殿、利息でござる!のあらすじとキャストをネタバレ紹介!羽生結弦の演技について

映画「殿、利息でござる!」は2016年に公開され、阿部サダヲさんや瑛太さん、妻夫木聡さん、千葉雄大さん、松田龍平さん、寺脇康文さん、竹内涼子さん、ナレーターの濱田岳さんといった豪華キャストに加え、フィギュアスケート選手の羽生結弦選手の出演でも話題になりました。さらに、羽生結弦選手の起用理由や羽生結弦選手が出演を決めた理由、気になるその演技についても詳しくみていきましょう。

今回は、映画「殿、利息でござる!」のあらすじや豪華キャスト、作品全体や羽生結弦選手の演技についての感想をご紹介していきます。また映画のもとになった実話や原作、原作者の歴史学者、磯田道史さんについても見ていきます。まずは、映画「殿、利息でござる!」の概要や監督、あらすじをネタバレ紹介していきます。

『殿、利息でござる!』大ヒット上映中!

殿、利息でござる!はどんな作品?

「殿、利息でござる!」は2016年5月14日に公開されました。この映画は仙台藩、現在の宮城県で本当にあった話です。その実話を歴史学者磯田道史さんが「無私の日本人」という本に収録し、それが「殿、利息でござる!」の原作です。下の画像の右側が磯田道史さんで、2010年に映画化された「武士の家計簿」の原作の著者としても有名です。

今回の映画「殿、利息でござる!」の監督は上の画像左の中村義弘さん。代表作は、映画「チーム・バチスタの栄光」や「映画 怪物くん」「ジェネラル・ルージュの凱旋」など多数です。最近では「白雪姫殺人事件」や「予告犯」「残穢-住んではいけない部屋-」などミステリーやサスペンスものも多く手掛けています。

主要なキャストは、阿部サダヲさん、瑛太さん、妻夫木聡さん、千葉雄大さん、寺脇康文さん、松田龍平さん、竹内涼子さん、ナレーターの濱田岳さんといった豪華な顔ぶれです。さらに「殿、利息でござる!」では、フィギュアスケート選手の羽生結弦選手が特別に出演したということで、話題になりました。以下では、羽生結弦選手が出演を決めた理由や、気になる演技について詳しくご紹介していきます。

殿、利息でござる!のあらすじをネタバレ紹介

仙台藩、今の宮城県の貧しい村で、庶民たちが殿様相手に起こした奇跡の実話とは?そして、ラストでは、宮城県の地元出身の日本中誰もが知っているアスリートのあの人が登場します。それでは、映画「殿、利息でござる!」のあらすじをネタバレ紹介していきます。

あらすじネタバレ①吉岡宿はすこぶる不景気

村一番の知恵者と言われる茶師の菅原屋篤平治が京都から嫁を連れて、生まれ育った仙台藩黒川郡吉岡宿に帰ってきます。この吉岡宿のほとんどの住民は、所有する田んぼや畑の面積が少なく、生計を立てるために商いを行っていました。しかし、吉岡宿は宿場町と言っても、旅の商人や物資は近隣のわき道を通るため、すこぶる不景気でした。

さらに、吉岡宿の住民はお上(仙台藩藩主・お殿様)から、伝馬役という使命を課されていました。伝馬役とは、街道を行き来する武士たちをひとつ前の宿場から引き継ぎ、次の宿場へと運ぶ役目のことです。しかし、仙台藩では理不尽にも伝馬役の金銭的な負担はお上や武士ではなく、吉岡宿の住民に課されていました。ただでさえ貧しいのに、そんな中で住民たちはウマと人足を揃えなければなりませんでした。

そのため、破産する家や夜逃げする者も多く、吉岡宿はますます寂れていました。京都から帰ってきた菅原屋も帰郷早々に、乗ってきた馬を伝馬役のために獲られました。そんな様子を眺めていた菅原屋のもとに、昔から仲の良い穀田屋十三郎がやってきました。穀田屋十三郎は造り酒屋を商っており、吉岡宿の現状を変えたいと願っていました。そこで穀田屋は、通りかかった武士にお上への訴状を渡そうとします。

それを見た菅原屋は、そんなものを出せば殺されると考え、穀田屋を必死で止めます。なんとか、その場を乗り切った菅原屋はその晩、穀田屋となじみの飯屋に行きます。ふたりの話の話題は、宿場町の現状と伝馬役の負担についてです。話している最中、知恵者の菅原屋は「利息でござる」とつぶやき、ある妙案を思いつきます。

あらすじネタバレ②借金返済計画「殿、利息でござる!」

その妙案とは、お金に困っているお上にお金を貸し利息をとる。利息は大体1割程度なので、1000両貸せば10両の利息がとれる。その利息を宿場の負担となっている伝馬役の費用に充てればよいというものです。当時の1000両は現在の大体3億円くらい。そのように語った菅原屋でしたが、そんな金がどこにあるのかと飯屋の女将にツッコまれ、酔った勢いの夢物語なので忘れてほしいと穀田屋に告げるのでした。

しかし、穀田屋十三郎は菅原屋の夢物語を本気で実現したいと強く決意しました。その日から穀田屋十三郎は自分の楽しみを断ち、節約するようになります。そして翌年、菅原屋のもとに叔父の穀田屋十兵衛を連れてやってきます。一人、二人では実現が難しいかもしれないが、10人の同志を集めたら、実現可能ではないかと目を輝かせながら菅原屋に説く穀田屋。

しかし、菅原屋はそれだけ出しても、自分には一切、リターンがなく、利息のすべてを宿場のために伝馬役の負担に充て、しかも話が外部に漏れると、自分の首が飛ぶかもしれないなんて話に乗る人なんて10人も集まるはずないと穀田屋とその叔父を諭します。それでも、納得しない穀田屋に対し、菅原屋は肝煎に相談することを勧めます。

あらすじネタバレ③肝煎・大肝煎が仲間に!

肝煎とは、村民を代表してお上からのお触れを民に徹底させ、年貢の取り立てや伝馬役の一切の責任を負う村役人です。怯える穀田屋だが、菅原屋に肝煎を無視してお上に金を貸すなど無理だから、まず肝煎に相談しないといけないと説得され、肝煎のもとへふたりで行き、菅原屋の妙案を肝煎に話しました。肝煎も穀田屋同様、吉岡宿の伝馬役の負担を憂いており、自分たち庶民がお上に苦しめられる現状に憤りをあらわにしました。

肝煎は穀田屋たちの同志になることを誓いました。その次は大肝煎です。大肝煎とは、約40の村をまとめる村役人で、百姓の中で一番お上に近い存在です。仙台藩では傘を差すことを許されてない百姓の中で、唯一傘を差すのを許され、その重要役割は罪人の摘発です。大肝煎は、武士に憧れているからお上にチクるかもしれないと、3人は恐る恐る大肝煎のもとへ。大肝煎に話すと、3人の心意気に感動し、同志になることを約束しました。

あらすじネタバレ④菅原屋も腹を決める

ここで吉報が届きます。お上はお金に困り、銭を造り始めたのです。同志はまだ集まっていないが、チャンスだとお金をかき集め始めます。自分が言い出したにも関わらず、それまで冷めていた菅原屋もとうとう腹を決め、私財や家宝も質に入れました。穀田屋十三郎の家でも私財や母の形見まで質に入れ、反対する息子と喧嘩しながらもお金を作りました。肝煎は私財や子どもの兜までも質に入れお金を作ります。

あらすじネタバレ⑤「殿、利息でござる!」計画が宿場中の噂に!

しかし、目標額には全然届きません。そんな中、穀田屋たちの計画が宿場中の噂になります。彼らの行いに人々は感心し、同志になる人が集まりました。新たに同志になった浅野屋は実は穀田屋十三郎の生家で、十三郎は7歳の時に穀田屋に養子に出され、弟の甚内が浅野屋を継いでいました。しかし、浅野屋は先代の頃からケチ、守銭奴、しみったれとして有名でした。そんな浅野屋が金を出すというので、一同驚きました。

さらに、先代の頃からケチで有名だった浅野屋は驚くことに、他の人の倍の額を出すと言うのでした。弟に簡単に倍額出資されて、穀田屋十三郎は良い気はしません。そもそも弟にコンプレックスを抱いていたからなおさらです。自分の父は優秀な弟を手元に残し、兄なのに出来の悪い自分のほうを養子に出したのだと拗ねていました。また、他の出資者たちも浅野屋だけに良い恰好されて黙っていません。

後から同志になった者の中には、見栄を張りたくて出資するという者もいました。それを戒めるため、大肝煎は「つつしみの掟」を作りました。喧嘩は慎み、自分が出資者であることを自慢しないこと。往来を歩くときは礼を欠かないために道の端を歩くこと。寄合では子々孫々に至るまで上座に座らないなどの戒めでした。この掟は、すべて自分たちが金を出すのは宿場のためであり、尊敬されたり売名のためではないということです。

あらすじネタバレ⑥嘆願むなしく、事務的に処理される

同志が増え、穀田屋たちは目標額の銭を集め、お上に願い出ることにしました。まず、大肝煎は代官に計画の趣旨を述べ、伝馬役の負担軽減を願い出ました。代官は、こんなに民のことを考えている大肝煎に初めて会ったと、大肝煎のことを気に入り、必ずお上に取り計らうことを約束してくれました。しかし、この嘆願はうまくはいきませんでした。妨げになったのは、仙台藩の財政を司り、絶大な権限がある出入司、萱場杢です。

穀田屋たちの嘆願は、出入司の萱場杢により、却下されてしまいました。「吟味難為成候(話になりません)」と事務的に処理され、嘆願書は戻ってきました。菅原屋と大肝煎は今後について話し合いました。何度でもお上に願い出ようという菅原屋に対し、代官に気に入られた大肝煎は何度もしつこく願い出ることをためらい、「私にも立場というものがある」と言うのでした。

あらすじネタバレ⑦先代・浅野屋の真実の姿

浅野屋の店の屋根の上で人影を見つけます。泥棒だと思い、捕まえてみると十数年前に一家で夜逃げした男でした。その男は浅野屋に借金していたが、当時どうしようもなくなり夜逃げ。それを見ていた先代浅野屋甚内は男を呼び止め、借金を棒引きし、お金も与えたのでした。みなにケチだ守銭奴だと言われていた先代浅野屋は、男を「あんたが出ていくのは世の中の仕組みのせいだから、卑屈になってはいけない」と励ましたのです。

これを励みに十数年間、男は仙台で必死に働き、お金を作って戻ってきたのでした。しかし先代はすでに亡くなっており、現在の浅野屋甚内も借金は帳消しだからと受け取りません。そこで、浅野屋に忍び込んでお金だけ置いて来ようとしていたところを町の衆に見つかったのでした。ケチだ守銭奴だと街のみんなに言われきた浅野屋の本当の姿を知り、肝煎や菅原屋含め村のみんなは心を打たれ、今までの自分たちの言動を反省しました。

穀田屋十三郎もその話を立ち聞きしていました。今まで良く思ってこなかった父や弟の心優しい話を聞き「そんなはずはない」と言いながら、真相を確かめるため、浅野屋へ。菅原屋と肝煎もその後をついていき、浅野屋甚内から、先代浅野屋甚内についての話を聞きます。ケチで有名な先代浅野屋甚内は瓶の中に銭を貯め始めました。穀田屋十三郎が生まれたころからもう何十年も、大体100貫文入る瓶が全部で7つになりました。

先代浅野屋甚内は銭を貯めて、お上に献上し、それで宿場の伝馬役の負担を減らしてもらおうと考えていたのでした。死の床で、息子に何代にわたってもいいから、志を捨てず宿場のためにこの銭を使ってくれと言い残したのだそうです。先代浅野屋甚内は、他家の養子になった穀田屋を巻き込みたくなくて十三郎にも黙っていましたが、何も知らない十三郎は父親と同じことをし始めたのでした。

「決して恩に着せず報いを求むること勿れ」陽明学の流れを汲む教えを幼い穀田屋十三郎と浅野屋甚内に聞かせていた先代浅野屋甚内は、たとえ宿場のみんなに誤解され、ケチ、守銭奴と言われようと気にせず、宿場のために決して恩に着せず、コツコツと銭を貯めてきたのでした。そこで、菅原屋が席を立ちます。そして、大肝煎の屋敷へ行き、自分と浅野屋へ向かうように言います。深夜の来訪に不機嫌な大肝煎。道中で口論になります。

もう一度、嘆願を出すなら、ある程度間を空けないといけないという大肝煎。そんな間にも民は苦しみ、新たに夜逃げする人も出るかもしれません。民のことより自分の立場を心配する大肝煎に菅原屋がとうとうキレます。「あんたはどっちを向いて仕事をしているんだ!」と怒鳴ります。気づけばそこは浅野屋の店の前、その大声で浅野屋甚内や穀田屋たちが出てきます。菅原屋は浅野屋に大肝煎にもさっきの話を聞かせるよう頼みました。

建物に入っていく大肝煎。壁伝いに歩く浅野屋。兄の穀田屋は助けながら、どうしたのか聞きます。そこで、浅野屋は自分はもともと視力が弱く、そんな彼を養子に出すことをためらった父・先代浅野屋甚内は代わりに兄である穀田屋を養子に出したのだと話しました。穀田屋は長年の父や弟への誤解が解け、涙目になり、弟の体を支え大肝煎の待つ部屋へ向かいました。浅野屋の話を聞いた大肝煎は心を打たれ、翌年、再び代官のもとへ。

今までになく、強い眼差しで嘆願する大肝煎。浅野屋で聞いた話を代官にしました。先代浅野屋甚内は、人に何と誹られても宿場を苦しめる伝馬役の負担を軽くするために毎日コツコツと何十年も続け、彼が死んでもその息子が父の名をそのまま名乗り、また銭を貯め、さらには、妻や子ども、使用人に至るまで皆で四、五十年貯めてきた銭をお上は突っ返したのだと代官に訴えたのです。

まさか大肝煎の持ってきた銭が、そんなに長い歳月をかけて人々が貯めてきたものだとは思いもしなかった代官は驚き、お上への嘆願をやり直してくれる約束をしました。代官は城付近で、出入司の萱場杢が通りかかるのを待ち伏せし、自分が大肝煎から聞いた話をまとめた嘆願書を見せました。すると、意外にあっさりと萱場杢はお上は銭は扱わないから、集めた銭5000貫文を金1000両でなら、この嘆願を認めると言うのでした。

あらすじネタバレ⑧萱場杢にやられた!

代官は大肝煎とともに穀田屋たちの前に嘆願が通ったことを報告に来ました。しかし、菅原屋は萱場杢の要求の本当の意味に気づきます。銭を金1000両に替えるためには、銭が5000貫文では足りないのです。解説すると、お上は少し前に銭を造りました。そのため、市場の銭の流通量が増え、金に対する銭の価値が下がったため、金一枚当たり従来より多くの銭が必要になるのです。穀田屋たちは追加で800貫文も集める必要があります。

嘆願をあっさり認めたと思われた萱場杢でしたが、実はもっと庶民たちから金をとれると考えたのでした。その場にいなかった浅野屋甚内にこのことを報告に行く穀田屋と菅原屋。浅野屋はさらに500貫文出すと言い出します。いくら大きな身代でもさすがに心配になり、店を潰すものがあってはいけないと止める穀田屋たち。しかし、何が何でもお金を出すと言い張る浅野屋甚内なのでした。

あらすじネタバレ⑨浅野屋はすでに潰れていた

穀田屋は造り酒屋である浅野屋の店の中の異変に気付き、問い詰めます。すると浅野屋甚内は今年は米を買う金がないため、酒を造れないと言います。浅野屋は、出資しすぎてすでに潰れていたのです。浅野屋の母も妻子、使用人たちみんな、家財道具すべて売り払うつもりで店を潰す覚悟で今までやってきたのだから、お金を出させてほしいと穀田屋達に頼みます。彼らの覚悟を見た穀田屋たちは、浅野屋からお金を受け取りました。

あと300貫文足りません。残りは飯屋の女将や街のみんなが小銭を出し合って50貫文。それでもまだ、250貫文足りません。そこで、穀田屋の息子が仙台の造り酒屋から、10年分の給料を前借りという形で250貫文を借りてきました。息子は当初、父の計画に反対していましたが、祖父である先代浅野屋甚内の話を聞き、仙台の造り酒屋への奉公を決めたのでした。こうして、ようやく金1000両が揃いました。

翌年、代官は萱場杢に穀田屋たちが金1000両揃えたことを報告しました。そのために浅野屋が潰れてしまったことも。後日穀田屋たちは萱場杢に謁見が叶い、嘆願の褒美に一人ずつ2両2部もらいましたが、浅野屋だけは先代の分もあり他の人より多い3両3部でした。皆で謁見を欠席した浅野屋甚内のもとへ報告に行きました。浅野屋甚内は目が悪く長い距離を歩けず、父の教えから馬にも籠にも乗らないため仙台まで行けませんでした。

あらすじネタバレ⑩殿様登場!

穀田屋たちは浅野屋を潰さないために褒美の金をすべて浅野屋に受け取ってほしいと頼みます。しかし浅野屋はそれを受け取らず、街のみんなに配りたいと言います。穀田屋たちは、そうだろうと納得しながらも受け取ってほしいので困ってしまいました。そこで家の外がざわつき始めます。みんなが廊下を見ると、身なりの良い若い男がこちらへ。そして「重村である」と言い、部屋へ入ってきます。彼は殿様、仙台藩七代藩主伊達重村です。

殿様は浅野屋甚内と穀田屋十三郎に声をかけ、即興で筆を持ち、「春風」「寒月」「霜夜」と書いたものを見せながら「その方らは酒屋であろう。これを以て酒名とせよ」と言いました。店を潰すことは許さない。お上に潰されたと噂されては自分の面目が立たないからと言い残し、その場を後にしました。その後、浅野屋は殿様が名付けた酒のおかげで潰れずに済んだそうです。

さらに、吉岡宿には毎年藩から利息金が支払われ、伝馬役の負担が大幅に減り、住民たちの暮らしは少し楽になりました。しかし、40年後突然、藩の身勝手な都合により支払われなくなりましたが、その際も今回のように救済事業が発足し、藩に働きかけて再び支払いを再開させ、それから宿場の家数は減らないまま幕末まで約60年間利息の支払いが続いたそうです。

殿、利息でござる!のキャスト紹介!羽生結弦の演技力・起用理由は?

ここまで「殿、利息でござる!」のあらすじをネタバレ紹介してきました。ここでは豪華な顔ぶれで話題になった主要なキャストと、仙台藩七代藩主の伊達重村役を演じたスケート選手、羽生結弦選手の起用理由や演技についてネタバレ紹介していきます。

キャスト①羽生結弦(伊達重村役)

フィギアスケート選手、羽生結弦選手は1994年12月7日生まれ、宮城県仙台市泉区出身です。2014年ソチ五輪と2018年平昌五輪で、2大会連続金メダル獲得。2014年世界選手権大会、2017年世界選手権大会をそれぞれ優勝し、グランプリファイナルでは2013~2016年で4連覇、全日本選手権も2012~2015年で4連覇という輝かしい成績を残しています。さらに、2014・2018年に紫綬褒章、2018年に国民栄誉賞を受賞しました。

そんな数々の偉業を果たし続ける国民的フィギュアスケート選手の羽生結弦選手が2016年の映画「殿、利息でござる!」に出演したことは当時、話題になりました。タレント・俳優活動のオファー殺到の羽生結弦選手ですが、フィギュアスケートの練習時間が削られるため、断っているそうです。しかし、映画「殿、利息でござる!」には出演を快諾してくれたそうです。その理由とは何でしょうか?また演技はどうだったのでしょうか?

羽生結弦の起用理由と快諾のワケ

まず、羽生結弦選手の起用理由についてご紹介していきます。羽生結弦選手の演じた伊達重村は仙台藩藩主つまり、江戸時代の庶民から見れば雲の上の存在。しかし阿部サダヲさんが主演で、瑛太さん、妻夫木聡さん、千葉雄大さん、松田龍平さんなど実力のある豪華なキャストがすでに決まっていました。彼らが雲の上の存在を仰ぎ見るという構図がしっくりくるような、威厳のあるお殿様の演技ができる若い俳優さん探しは難航しました。

そこで「殿、利息でござる!」の舞台と同じ宮城県仙台市出身の羽生結弦選手の名前が挙がりました。まさに雲の上の存在、国民的フィギュアスケート選手の羽生結弦選手なら、仙台藩主にピッタリだという判断でした。しかし、羽生結弦選手はフィギュアスケートの練習時間が削られるからと、多数のタレント・俳優活動のオファーを断わり続けていました。そのため、映画「殿、利息でござる!」出演のオファーはダメもとでなされました。

断られるだろうとオファーした映画「利息でござる!」出演でしたが、羽生結弦選手は快諾したそうです。その理由は「仙台の人のため」でした。映画「殿、利息でござる!」出演にあたり、原作と脚本を読んだ羽生結弦選手は「実話がもとになっているということですが、こんな素晴らしい話が地元宮城に会ったことに驚いています」というコメントを残しています。

映画「殿、利息でござる!」は仙台藩の伝馬役に苦しむ町の人々を救うために奔走するお話です。羽生選手自身東日本大震災で被災した経験があり、東日本大震災で傷ついた仙台の人々を元気づけたいという地元愛から、快諾してくれたのでした。それでは、肝心の羽生結弦選手のお殿様の演技はどうだったのでしょうか?次に羽生結弦選手の演技についてご紹介していきます。

羽生結弦の演技と存在感

羽生結弦選手の演技は、演技&時代劇初挑戦とは思えないほど、いかにも雲の上の存在という感じがよく出ていて、完璧だったと評判です。羽生結弦選手も自身の演技について「威風堂々とした姿と、優しさを兼ね合わせるギャップを表現できればと思い一生懸命演じました」と話しています。また、ベテラン俳優陣の中で若い藩主という役の演技を、幼く見えず、堂々とした地位のある者の知性を感じたと絶賛の声が挙がっています。

絶賛された羽生結弦選手の演技ですが、この伊達重村役には他にも重要ポイントがありました。それは、なかなか登場しないことと、出番の少なさです。あらすじでもご紹介した通り、お殿様は物語終盤まで姿を見せませんでした。仙台藩藩主、伊達重村役の羽生結弦選手がなかなか姿を見せないというのは、阿部サダヲさんたちが演じる庶民が地を這う思いで銭を集め、ようやく会えた人物であるということを表現しているのです。

羽生結弦選手ファンは彼の登場をかなりじれながら、映画「殿、利息でござる!」を見ていたそうです。そのじれったさや我慢がまさに、物語中の庶民達の我慢と重なるのです。阿部サダヲさん達演じる庶民たちがようやく会えた、という思いとともに、雲の上の存在である仙台藩藩主(羽生結弦選手)のありがたいお言葉が感動的なのだそうです。

羽生結弦のキャスティングを知らなかった共演者

物語終盤でようやく登場の羽生結弦選手ですが、実は阿部サダヲさんたち豪華俳優陣はお殿様を演じるのが誰なのかを知りませんでした。シークレットだったお殿様役が羽生結弦選手だと俳優陣が知ったのは、リハーサルの時だそうです。リハーサル中に羽生結弦選手が突然現れ、出演者全員とても驚いたのだとか。その驚きが映画内でもよく出ていて、羽生結弦選手の登場シーンがとても良かったと話題です。

キャスト②阿部サダヲ(穀田屋十三郎役)

造り酒屋の穀田屋十三郎役を演じた阿部サダヲさんは、1970年4月23日生まれ、千葉県松戸市出身です。主な受賞作をご紹介すると、2007年「舞妓Haaaan!!!」で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞、2017年「彼女がその名を知らない鳥たち」でブルーリボン賞主演男優賞を受賞しました。他にも「なくもんか」「夢売るふたり」「奇跡のリンゴ」「謝罪の王様」「寄生獣」に出演しました。

キャスト③瑛太(菅原屋篤平治役)

茶師で吉岡宿一の知恵者の菅原屋篤平治役を演じた瑛太さんは、1982年12月13日に新潟県で生まれました。主な受賞作は2009年「ディア・ドクター」で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞、2013年「最高の離婚」で放送文化基金賞演技賞、東京ドラマアウォード2013主演男優賞などを受賞しました。他にも「篤姫」「ラストフレンズ」「ヴォイス~命なき者の声~」「余命1カ月の花嫁」「ラッキーセブン」などに出演しました。

キャスト④妻夫木聡(浅野屋甚内役)

造り酒屋兼両替屋の浅野屋甚内役を演じた妻夫木聡さんは、1980年12月13日生まれ、福岡県柳川市出身です。主な受賞作は2010年「悪人」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞とブルーリボン賞を受賞、2016年「怒り」で最優秀助演男優賞を受賞しています。他にも「ウォーターボーイズ」「涙そうそう」「憑神」「ブラックジャックによろしく」「天地人」に出演しました。

キャスト⑤千葉雄大(肝煎・千坂仲内役)

大肝煎・千坂仲内役を演じた千葉雄大さんは、1989年3月9日生まれ、宮城県多賀城市出身です。この「殿、利息でござる!」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しました。他にも「天装戦隊ゴセイジャー」「幕末高校生」「アオハライド」「黒崎くんの言いなりになんてならない」「帝一の国」に出演しました。

キャスト⑥寺脇康文(肝煎・遠藤幾衛門役)

肝煎・遠藤幾衛門役を演じた寺脇康文さんは、1962年2月25日生まれ、大阪府大阪市出身です。2008年「相棒-劇場版-絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞しました。他にも「刑事貴族」シリーズ、「相棒」シリーズ、「おひさま」「超高速!参勤交代」「超高速!参勤交代 リターンズ」に出演しました。

キャスト⑦松田龍平(萱場杢役)

仙台藩の出入司の萱場杢役を演じた松田龍平さんは、1983年5月9日生まれ、東京都出身です。主な受賞作は2011・2013・2017年「探偵はBARにいる」シリーズで日本アカデミー賞優秀助演男優賞、2013年「舟を編む」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。他にも「御法度」「羊の木」「カルテット」に出演しました。今年2018年秋に公開・放送の「泣き虫しょったんの奇跡」「獣になれない私たち」で主演します。

キャスト⑧竹内涼子(飯屋の女将役)

飯屋の女将役を演じた竹内涼子さんは、1980年4月1日生まれ、埼玉県さいたま市出身です。主な受賞作は2006年「春の雪」で日本アカデミー賞優秀主演女優賞、2014年「不思議な岬の物語」で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞しました。他にも「いま、会いにゆきます」「チームバチスタの栄光」「クリーピー 偽りの隣人」「真田丸」「A LIFE ~愛しき人~」に出演しました。

キャスト⑨濱田岳(ナレーター)

ナレーションを担当した濱田岳さんは、1988年6月28日生まれ、東京都出身です。他にもドキュメンタリー「アナザーストーリーズ 運命の分岐点 Season2」などでもナレーションを務めています。俳優としての主な出演作は「杉原千畝 スギハラチウネ」「信長協奏曲」「本能寺ホテル」「視覚探偵 日暮旅人」「わろてんか」です。

殿、利息でござる!は実話だった!

ここまで、あらすじやキャストを紹介してきました。ここでは「殿、利息でござる!」の原作や原作者についてご紹介していきます。

原作は「無私の日本人」

映画「殿、利息でござる!」は実話です。歴史学者の磯田道史さんが評伝した「穀田屋十三郎」が原作です。このお話は「無私の日本人」という本に収録されています。あらすじでご紹介した「つつしみの掟」のために、長らく眠っていたお話でした。しかし、映画「武士の家計簿」(原作:磯田道史)を見た当時の宮城県大和町の町議から「この話を本に書いて広めてほしい」と頼まれた磯田道史さん。

絶対に世の中の人々に伝えたい話だと考えた磯田道史さんは、実際に子孫の人たちと相談しました。つつしみの掟は子孫が驕り高ぶることを戒めるためであって、隠し通すことが真の目的ではない。映画になることで吉岡宿に人がたくさん来て栄えたら、祖先の人たちもきっと喜んでくれるはずだと話し合って、世に出すことにしたそうです。上の画像が映画「殿、利息でござる!」で登場した穀田屋十三郎のお店、現存する穀田屋さんです。

原作者は「磯田道史」

上の画像は歴史学者の磯田道史さんで「穀田屋十三郎」が収録されている「無私の日本人」の原作者です。著書には前述の『武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新』のほか「殿さまの通信簿」「江戸の備忘録」「龍馬史」『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』「素顔の西郷隆盛」などがあります。現在放送中の大河ドラマ「西郷どん」の時代考証や、NHK BSプレミアムでも「英雄たちの選択」の司会として出演中です。

殿、利息でござる!を見た人の感想・評判を紹介!

ここまで、あらすじ、キャスト、原作・原作者についてご紹介してきました。最後に映画「殿、利息でござる!」を見た人の感想・評価をご紹介していきます。

殿、利息でござる!に対する感想・評価

この方のように「殿、利息でござる!」というコメディ的な題名に、いい意味で騙され笑おうと思って観たこの映画が、意外にもとてもきちんとした話で驚いたという方も多いのではないでしょうか?実話で、しかも磯田道史さんが原作なので、史実通りに描かれています。ストーリーの真面目さについてネット上では、映画館で観ているにもかかわらず、NHKのドキュメンタリーかと思った!という声もありました。

何度壁にぶち当たっても、諦めない主人公らの姿に感動したという方も多いのではないでしょうか?理不尽な政は現代に通ずるところがあり、普通のどこにでもいる庶民がその悪政に立ち向かい、奇跡を起こす姿に感動し、勇気をもらった方も多かったそうです。

羽生結弦の演技に対する感想・評価

私財をなげうってでも、宿場のみんなのためというテーマが、羽生結弦選手の地元やファンのことを想う姿と重なったと言う方もいます。羽生結弦選手の偉業のみならず、ストイックで努力家な姿は、日本中の誰もが知っています。フィギュアスケートの練習時間確保のために基本映画出演などしない彼が、地元愛から映画「殿、利息でござる!」への出演を決め、仙台藩藩主の演技をする姿は観ている多くの人に感動を与えたそうです。

殿、利息でござる!のあらすじ・キャストをネタバレ紹介まとめ

いかがでしたか?「殿、利息でござる!」のあらすじやキャスト、感想をネタバレ紹介してきました。宿場のために私財をなげうち奔走する庶民たちの姿に感動した方も多いのでは?また、羽生結弦選手の起用理由や演技についても紹介してきました。地元愛から出演を決め、実績ある俳優陣の中において堂々とした立ち居振る舞いは殿様の演技にふさわしく絶賛されました。ぜひ、この記事でこの映画に興味を持ち見ていただけたら幸いです。

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