スター・トレック ビヨンドBEYONDの感想とあらすじ!キャストや新キャラも

スター・トレックビヨンドBEYONDは、オリジナルシリーズと異なる、通称ケルヴィン・タイムラインと呼ばれる時間軸のパラレルワールドで展開されるリ・イマジネーション・リブート作品群の第3弾の映画です。2009年公開の第1弾「スター・トレック」、2013年公開の第2弾「スター・トレック イントゥ・ダークネス」でカークを演じたクリス・パイン、スポックを演じたザカリ―・クイントら新生USS・エンタープライズクルーのキャスト達が引き続き出演する第3弾「スタートレックビヨンドBEYOND」を紹介します。

スター・トレック ビヨンドBEYONDの感想とあらすじ!キャストや新キャラものイメージ

目次

  1. スター・トレックビヨンドのあらすじと感想を紹介!キャスト情報も
  2. スター・トレックビヨンドとは?
  3. スター・トレックビヨンドのあらすじを紹介!
  4. スター・トレックビヨンドの登場キャラを紹介!
  5. スター・トレックビヨンドのキャストを紹介!
  6. スター・トレックビヨンドの感想や評価を紹介!
  7. スター・トレックビヨンドの続編は?
  8. スター・トレックビヨンドについてまとめ

スター・トレックビヨンドのあらすじと感想を紹介!キャスト情報も

オリジナルシリーズと異なる時間軸”ケルヴィン・タイムライン”で展開される事になったストーリー、新たなキャストによるエンタープライズクルー達、そして魅力的な敵役と、新作が公開される度に大きな話題を提供するスタートレック2009の第3弾、スター・トレックビヨンドBEYONDも、公開前から大きな反響がありました。今回はこのスター・トレックビヨンドBEYONDについてあらすじやキャスト、感想などを紹介します。

映画『スター・トレック BEYOND』DVD公式サイト|パラマウント

スター・トレックビヨンドとは?

スター・トレックビヨンドBEYONDは2016年7月にアメリカで公開されました。オリジナルシリーズのリ・イマジネーション・リブート作品であるスター・トレック(2009)の第3弾にあたる映画です。監督はこれまでのJ・J・エイブラムスからジャスティン・リンに変わり、エイブラムスは制作に移動しました。また脚本はダグ・ユングと、スコットのキャストであるサイモン・ペッグが担当しました。

脚本は当初、スタートレック(2009)、スター・トレックイントゥダークネスの脚本を手掛けたロベルト・オーチーが執筆していましたが、その後、オーチーが脚本執筆中止を宣言し、ユングとペッグが脚本を引き継ぐ事になりました。ペッグによると、熱狂的なファン”トレッキ―”寄り過ぎだった脚本に、西部劇やスリラーなどの要素を加えて一般の観客にも楽しめるように工夫したそうです。あらすじで確認してください。

スター・トレックビヨンドBEYONDのテーマ曲はリアーナの「Sledgehammer」です。そのMVはスター・トレック本編を思わせるもので、スター・トレック、リアーナ、どちらのファンからも絶賛を受けました。リアーナ自身も、幼い頃に父親に勧められて以来スター・トレックの大ファンで、人生の一部であり、スター・トレックに関われた事に大きな喜びを感じているとインタビューで答えています。

2016年6月19日、チェコフ役のキャストだったアントン・イェルチン氏が、自分の車によって自宅の壁と郵便受けとの間に挟まれるという事故により亡くなりました。2009年公開のスター・トレックから10年近く撮影で寝食を共にしていたキャスト達も悲しみに包まれ、その死を悼んでいました。本作「スター・トレックビヨンドBEYOND」にはイェルチン氏を悼んで急遽差し込まれたと思われるシーンが多数見られます。

Thumbスター・トレックの映画シリーズの順番・あらすじ一覧!新作も現在製作中? | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

スター・トレックビヨンドのあらすじを紹介!

ここではスター・トレックビヨンドBEYONDのあらすじを紹介します。エンタープライズ号の艦長として幾つもの任務や探査を経験してきたカークと、副長としてカークを支えてきたスポックは、それぞれの去就について思い煩うようになりました。そんな時、エンタープライズ号に最大の危機が訪れます。彼らの活躍をあらすじで確認します。

エンタープライズが任務に就いて3年

フィボナン共和国の代理として、ティーナックス星の代表団にフィボナン最高評議会からのプレゼントを渡す役を引き受けたカークは、古代の兵器の一部である遺物を代表団に見せ、兵器を渡す事で停戦の意思表示をしているのだと説明しますが、疑いを捨てきれず激高した代表団メンバーが呼んだ集団に襲われてしまい、しがみ付く小型のティーナックス人と共に、カークは転送でエンタープライズ号へ帰還します。

帰還したカークは遺物を保管庫にしまいました。エンタープライズ号が探査の旅に出て3年の月日が経過していました。誕生日を2日後に控えていたカークですが、誕生日は父親の命日でもありました。チェコフから取り上げてきたというブランデーを差し出し、誕生日を祝おうというマッコイにカークは胸の内を打ち明けます。

自らの去就について悩むカークとスポック

カークが、父が死んだ年よりも1つ年上になる事、父親を意識し意地で入隊したことをマッコイに語っている頃、エンタープライズ号は宇宙基地「ヨークタウン」へ到着しました。ヨークタウンは透明なシールドに包まれ、高層ビルが幾つも立ち並ぶ美しい宇宙ステーションです。スールーは久々の家族団らんを、他のクルー達もそれぞれの休暇を楽しんでいました

下船したスポックはかねてから恋愛関係にあったウフーラと別れました。ウフーラはスポックの母の形見のネックレスを返そうとしますがスポックは受け取りません。1人になったスポックをバルカン人の使者が出迎え”スポック大使”が亡くなった事を知らせるのでした。スポック大使は未来のスポック自身であり、失われたバルカン星の再建に携わっていました。

船籍不明の船から届いた救援要請

船籍不明の宇宙船がヨークタウンに接近しました。乗船していた女性は酷く慌てており、宇宙連邦に加盟している種族ではないため不明な言語を話していましたが、通訳ツールを使って会話を可能にしました。彼女の名前はカラーラと言い、科学調査の為に乗船していた探査船が謎の星雲内で航行不能となり、近くの惑星に不時着したため、救助船を出してほしいと要請するのでした。 

カークはエンタープライズ号であれば救助が可能だと申し出ます。捜索の打ち合わせをしている時に、宇宙基地ヨークタウンの司令官”パリス准将”が、カークがヨークタウン副提督を希望する申請をしている事について尋ねました。カークはこの任務が終わったら船長を辞任することを伝え、後任にスポックを指名するのでした。

緊急脱出!襲われたエンタープライズ号

カラーラも乗船し、エンタープライズ号は探査船の救助に向かいますが、惑星に近づいた時に、大量の小型のマシンに襲われます。大きな損傷を負ったエンタープライズ号に謎の異星人がポッドで乗り付けました。彼らは次々にクルー達を襲います。ついにエンタープライズ号は航行不能になりカークは全員脱出の命令を発するのでした。ところがクルー達は次々に異星人らに捕獲されてしまいます。

エンタープライズ号の倉庫で異星人”クラール”は遺物の入ったケースを見つけますが中は空でした。そしてエンタープライズ号は謎の惑星、アルタミットに墜落してしまいます。アルタミットに着陸したカークはチェコフとカラーラの2人と合流しました。エンタープライズ号の構造をクラール達に教えたのだろうとカラーラはカークに責められますが、仲間を人質に取られていて仕方がなくやったのだと弁明するのでした。

謎の惑星アルタミット

ウフーラ達はクラールに捕縛されていました。クラールが自分達の言葉を話すのを訝しんだウフーラに、クラールは、お前達の事は良く知っていると語り、惑星連邦が戦争を始めたのだと言い放つのでした。その頃、同じポッドで脱出したマッコイとスポックも着陸していました。スポックは着陸時に生じた破片が胴体に刺さっていましたが、マッコイの治療により一命を取り留めました。

1人でアルタミット星に着陸したスコットは、森林の中を捜索していると謎の異星人の集団に襲われそうになります。そこに助けに入ったのは全身が白い異星人、ジェイラでした。ジェイラが英語を話す事に驚くスコットでしたが、彼女は勉強したのだと言い、住んでいる家にスコットを連れていきました。そこは行方不明になっていたUSS・フランクリン号でした。ジェイラはスコットに修理の手伝いを頼むのでした。

ジェイラによりクラールの目的が明らかになりました。クラールは”アブロナス”という古代兵器の部品を探しており、そのために近隣を航行する宇宙船を襲っていました。ジェイラの父はクラールの手下によって殺されました。ジェイラはフランクリン号を修理し、アルタミット星を脱出しようとしていました。その頃、カーク達は墜落したエンタープライズ号から仲間に通信を送ろうとしていました。

捕縛そして脱走

閉じ込められていたウフーラ、スールーらエンタープライズ号のクルー達は、異星人のクルー”キーンザ”の強力な鼻水で金属製の壁を溶かし、脱出に成功します。カーク達は墜落したエンタープライズ号に戻り、通信手段を得ようとしますが、カラーラが本性を現し襲い掛かります。彼女はクラールのスパイだったのです。カラーラを倒し、カーク達は乗務員の捜索を行うのでした。

スコット達に合流したカークとチェコフは、フランクリン号を修理し、転送装置を使ってスポックとマッコイを呼び寄せる事に成功します。大けがを負ったスポックもフランクリン号に残されていた旧式の医療器具で治療を行う事ができました。旧式の転送装置の為、一度に全員を転送することはできないため、見張りの注意をカークが引き付けている間に20人ずつ転送することになりました。

救助に行くためにはウフーラ達が捕らわれている位置を特定する必要がありました。思案するカーク達に、スポックは、ウフーラに渡してあるペンダントから出ている特殊な放射線で位置がわかると伝えるのでした。複雑な表情を浮かべるマッコイでしたが、スポックと2人きりでいる時に、バルカン再興の為にはバルカン人との子孫を残さねばならないという、スポックの覚悟を聞かされるのでした。

クラールの策略

ウフーラ達はヨークタウンに向けて救難信号を発信することに成功しますが、これはクラールの罠でした。ヨークタウンから救助隊が駆け付け、警備が手薄になっているところを襲撃するつもりだったのです。ウフーラ達は再び捕まりクルーのシルは隠していた遺物”アブロナス”の部品を渡してしまいます。クラールは遺物をアブロナス本体にセットし、手始めにシルを実験台として分解してしまいます。

カークの見事な囮とクラールの野望

見張りの目をそらす囮となったカークは、フランクリン号に積載されていたオートバイに乗り、何人分もの3D映像で敵の注意を惹きました。見張りがカークと映像を攻撃している間に捕虜になっていたクルー達は20人ずつ転送されていきました。スールーはクラールの本当の目的はヨークタウンをアブロナスで壊滅させ、宇宙を再び戦争状態に陥らせる事である事を伝えます。

そしてクラールの正体は、かつてフランクリン号の船長で行方不明になっていたバルタザール・エディソンでした。100年前にアルタミッドに不時着し、生き残ったクルー2名と共に、古代遺跡の装置を使って、付近を航行する宇宙船を襲っては生命エネルギーを吸い取り、生きながらえていたのです。

フランクリン号で追ったクルー達はヨークタウンに突入した宇宙船を攻撃しますが、クラールを取り逃がしてしまいます。クラールは元の姿に近い様相になっていました。ヨークタウンを最も効果的に滅ぼすのは給気塔を使う事だと気付いたカークはクラールを発見し追い詰めます。クラールはアブロナスを作動させますが、カークが排気システムのハッチを開けたため、宇宙空間に放出されてしまいました。

そして開拓の旅は続く

エンタープライズ号はヨークタウンで再建されます。ヨークタウンの司令官はカークにヨークタウンを救った礼を述べ、副提督になる事を勧めますが、カークはそれを断わります。カークはエンタープライズ号の船長として探索を続ける決意を固めていました。マッコイに誘われてバーに向かうと、クルー達がカークの誕生日パーティを準備していました。

スポックもまた、これからもエンタープライズ号の副長としてカークを支えていく事を決めていました。そしてスコットはジェイラがエンタープライズ号のクルーとして参加できるように密かに申請しており、ジェイラにそれを伝えるのでした。皆がパーティを楽しんでいました。エンタープライズ号が再建されれば、再び探索の旅が始まるのです。カークの目は期待で輝いていました。

スター・トレックビヨンドの登場キャラを紹介!

この項では、スタートレックビヨンドBEYONDに登場する、オリジナルシリーズのキャラクター達とは異なる、”ケルヴィン・タイムライン”にいる、エンタープライズ号のクルー達や、魅惑的な造形の異星人達などについて、出自や性格、それぞれの抱えている事情などを詳しく紹介します。

ジェームズ・タイベリウス・カーク

スター・トレックの主人公で、キャストはクリス・パインです。オリジナルキャストはウィリアム・シャトナーです。しかしオリジナルシリーズとケルヴィン・タイムラインでのカークの出生から成長まで全く異なるものとなっています。そこで、2009年のスター・トレックおよび続編のイントゥザダークネス、本作ビヨンドのあらすじから、カークにまつわる部分を抜粋して紹介します。

2233年、両親が乗る宇宙船ケルヴィン号が謎の巨大宇宙船”ナラーダ号”に襲撃され、カークの父”ジョージ・カーク”は身重の妻”ウィノナ”を医療用シャトルに乗せて脱出させました。シャトルの中で産気づいたウィノナはカークを出産しました。この悲劇により、カークの誕生日は父の命日でもある事になり、これがカークに暗い影を落としていました。

自らの出生に悩み、荒れた青春を送っていたカークでしたが、ある日、酒場で暴れている時に、パイク大佐と出会います。暴れている青年がジョージ・カークの息子であると知ったパイクは、ジョージは12分間だけケルヴィン号の船長となり、自らを犠牲にして800人もの乗員を救ったと教えるのでした。そしてカークに宇宙艦隊アカデミーへの入隊を進言しました。

宇宙艦隊アカデミーで行われる演習”コバヤシマル・テスト”は、それまで誰も成功しなかったテストですが、カークはこれを不正で突破してしまいます。これによりカークは聴聞会にかけられる事になりましたが、その最中にバルカン星からの緊急救助要請が届きます。聴聞会は急遽中止となり、宇宙艦隊アカデミーの生徒達も宇宙船の乗組員として出動することになりましたが、カークは不正の為、参加できませんでした。

カークは、”マッコイ”の手引きでエンタープライズ号に潜り込む事に成功します。エンタープライズ号の艦長はパイク大佐でしたが、ナラーダ号に誘拐されてしまいます。エンタープライズ号は船長が不在となりスポックが代理になりますが、カークは近隣の惑星に放りだされます。そこで老スポックやスコットと出会い、カークはエンタープライズ号に戻る事ができ、スポックをワザと怒らせて艦長の座に就きます。

パイク大佐と地球の危機を救ったカークはエンタープライズ号の正式な艦長に就任します。数々の探査や任務を行い、時には降格されたりもしましたが、エンタープライズ号の船長として任務を遂行していました。スター・トレックビヨンドBEYONDでは30歳の誕生日を目前に、父の死んだ年齢を超える事で、父という目標を失ってしまうように感じていましたが、事件解決後に、改めて、探査の旅を続ける事を決意します。

なお、ケルヴィン・タイムラインではない、オリジナルシリーズのカークはアイオワ州リバーサイド生まれです。出生年は同じですが、ケルヴィン・タイムラインのカークとは出生日が多少異なります。しかし、コバヤシマル・テストで不正を行ったのは同じようです。オリジナルシリーズのカークは、映画第2弾「カーンの逆襲」でプログラムを書換えたと明かしています。

スポック

USS・エンタープライズの副長であるスポックのキャストはザカリ―・クイントです。オリジナルシリーズのキャストはレナード・ニモイで、ケルヴィン・タイムラインへと移行した理由に関わっており、2009年のスタートレックと続編のイントゥ・ザ・ダークネスに年老いたスポックとして出演しています。ビヨンドでは写真のみの出演となり死んだ事になっていますが、ニモイ自身も2015年に亡くなっています。

スター・トレックのメインキャストであるスポックについても、カークと同様に、2009年のケルヴィン・タイムラインでのスター・トレックと続編のイントゥ・ザ・ダークネス、本作ビヨンドのあらすじからスポックのエピソードを抜粋しながら紹介していきます。また、老スポックについても、ケルヴィン・タイムラインでのあらすじに沿って紹介します。

スポックは2030年にバルカン人の外交官である父”サレク”と、地球人の科学者”アマンダ”の間に誕生したバルカン人と地球人のハーフです。バルカン星で育ちバルカン人らしい振る舞いを身に着けており、論理的であるかどうかが物事の判断基準です。しかしハーフであるというコンプレックスを抱えていました。成績も優秀な為、バルカン科学アカデミーにも合格しますが、宇宙艦隊に入隊します。

宇宙艦隊アカデミーのコバヤシマル・テストを作成するなど、成績優秀なスポックは連邦中佐としてエンタープライズ号のパイク艦長の元で副長に就任しました。その後、パイクが誘拐された時には艦長代理に就きますが、カークの策略にはまり、その座を奪われるなど、カークと対立していました。しかし、129年後の未来からタイムワープでやってきた自分自身である”老スポック”と出会い副長として支えていく決意を固めました。

老スポックはロミュラン星が超新星爆発に巻き込まれようとしている事態をバルカンの技術で救おうとしましたが、間に合わずロミュラン星は超新星爆発に飲み込まれてしまいます。この際にロミュラン人のネロと共にタイムワープで過去の宇宙に到達しました。カークとスポックに精神融合を行い、かつて2人の間に培った友情や老スポックの経験と知識を与えます。

老スポックはネロにより失われたバルカン星を再興する為に尽力しますが、スター・トレックビヨンドの冒頭ではその死がスポックに伝えられます。バルカン星復興の意思を継ぎ、交際していたウフーラと別れてバルカン人との間に子孫を残す決意をしますが、クラールとの闘いの後、カークと共に探査の旅を続ける事を改めて心に誓います。なお、老スポックが所有するマシンは、そのまま若いスポックも所有者として認識します。

ニョータ・ウフーラ

ウフーラは2239年にアフリカ連合で誕生しました。言語に長けており、通信主任として活躍します。スポックとは恋愛関係にあり、2009年のスター・トレックでは、カークに度々口説かれていましたが、スポックと交際している事が明らかになります。カークとはスター・トレック(2009)の冒頭に出てくるバーで初めて対面しています。名前の由来はそれぞれスワヒリ語で、”Nyota"は星、ウフーラの原型”Uhuru"は自由です。

キャストのゾーイ・サルダナもインタビューで言及していますが、ウフーラは大変強い女性として描かれています。あらすじではあまり触れませんでしたが、クラールに向かって素手で攻撃を仕掛けたりといったアクションもこなす攻撃能力と、自立した女性としてスポックを愛し信頼しても依存することはない高い精神力の持ち主です。

オリジナルシリーズのウフーラ役のキャストはニシェル・ニコラスが演じています。当時、テレビの連続ドラマに黒人がメインキャストとして登場し、更に異人種間での恋愛も描かれた事は画期的でした。歌が上手という設定は、このニコラスの特技によるものです。

レナード・マッコイ

マッコイを演じたキャストはカール・アーバンで、スター・トレック(2009)から継続して演じています。マッコイについても、ケルヴィン・タイムラインでのスター・トレック、イントゥ・ザ・ダークネス、ビヨンドの3作のあらすじから抜粋して紹介します。

マッコイは2227年に地球で生まれました。エンタープライズ号の医療士官でしたが、後に主任に昇格します。2255年に離婚し、宇宙艦隊に志願しました。カークと出会った時に「離婚で全てを失ってしまい、残っているのは骨だけ」と語り、それ以降、カークからは親しみを込めて”ボーンズ=骨”と呼ばれます。宇宙艦隊アカデミー時代からのカークの親友であり、悩みを打ち明けられる相手です。

マッコイは飛行恐怖症ですが、作を重ねるにつれ少しずつ克服している様子が見られます。イントゥ・ザ・ダークネスでは医療士官の業務からは完全に逸脱した任務を余儀なくされており、光子魚雷に細工をしたりしています。ビヨンドでは、あらすじにもあるように、大けがを負ったスポックを、その場のありあわせの道具で治療するなど、医療士官としての手腕を発揮しています。

オリジナルシリーズのマッコイのキャストはデフォレスト・ケリーです。オリジナルシリーズのカーク・スポック・マッコイは3人で行動することが多く、スポックとマッコイとの間ではしばしば論争が繰り広げられていましたが、実は互いに信頼しあっており熱い友情で結ばれています。あらすじでも紹介しましたが、カール・アーバンのマッコイもまた、怪我で足手まといになるからと遠ざけようとするスポックを躊躇なく助けています。

モンゴメリー・スコット

スコットは2222年にスコットランドに生まれました。エンタープライズ号の機関部長です。元々はトランスワープ転送の研究をしていましたが、宇宙連合のアーチャー提督の愛犬を実験で消失させてしまい、辺境の惑星に飛ばされます。老スポックの計らいによりカークと出会い、開発していた転送装置でエンタープライズ号にカークと共に移動し、エンタープライズ号の機関部長に就任します。

オリジナルシリーズが日本で公開された時にモンゴメリーからチャーリーに名前が変更されているため、日本語版ではチャーリーになります。辺境の惑星からカークを転送させる際に、うっかり液体で満たされた配管に転送してしまうといったミスを犯したり、イントゥ・ザ・ダークネスでは、光子魚雷を搭載することに反対してエンタープライズ号を下船してしまうなど、トラブルを起こす事が多いです。

ビヨンドのあらすじでも触れたように、異星人のジェイラに頼まれて、スコットはUSS・フランクリンを修理しますがその速さは超人的です。オリジナルシリーズの設定でもエンジニアとしては超一流であり、カーク、スポックの両名の不在時にはスコットが指揮をとる事になっています。なお、オリジナルシリーズではジェームズ・ドゥーアンがスコットのキャストでした。

ヒカル・スールー

スールーは2237年サンフランシスコ生まれの日本人とフィリピン人のハーフで、エンタープライズ号の操舵手です。宇宙船の操縦の他、宇宙船に搭載されている武器の操作も行えます。また、格闘技にも長けています。あらすじでも触れましたが、ヨークタウンではパートナーの男性と子供との再会を喜ぶシーンが見られ、スールーに男性のパートナー”ジム”がおり、子供とヨークタウンに住んでいる設定になっています。

スールーのオリジナル・キャストであるジョージ・タケイが自らをゲイであると告白しており、新しいスター・トレックでのスールーの設定をゲイにする事については、タケイは反対していたそうですが、脚本のユングとメールでのやり取りにより、了承を得られました。クラールの攻撃により逃げ惑うシーンにも、スールーの家族の姿があります。

オリジナルシリーズの映画第7弾、スタートレック・ジェネレーションズの冒頭のシーンでは新造されたUSS・エンタープライズBのクルーとしてスールーの娘が登場しており、その髪型や人種などは、ヨークタウンにいた幼い娘を彷彿とさせます。なお、ビヨンドでスールーのパートナーを演じているのはサイモン・ペッグと共に脚本を手掛けたダグ・ユングです。

パヴェル・チェコフ

2241年、地球生まれで、クルーの中でもかなり若いキャラクターです。航海士を務めています。オリジナルシリーズでは2245年生まれでしたが、ケルヴィン・タイムラインのストーリーではオリジナルよりも若くなっています。酷い訛りのある英語で話すため、2009年のスター・トレックでは、エンタープライズ号のシステムが音声認識をできないというハプニングにも見舞われています。

イントゥ・ザ・ダークネスではスコットが魚雷を搭載することに反発してエンタープライズを降りてしまったため、チェコフが代役を務める事になりました。ビヨンドではカークと共に脱出艇で惑星アルタミットに着陸しカークのサポートを務めるなど、頼りになる存在へと成長していました。終盤のあらすじの画像でも見られるように、3年の航海はチェコフを大人へと成長させていました。

パヴェル・チェコフを演じたのはアントン・イェルチンです。記事の初めの方でも触れましたが、イェルチンが不慮の事故で亡くなった為、チェコフ役をもしこれ以降の作品で登場させるのならば、新たなキャストで演じられる事になります。オリジナルシリーズではウォルター・ケーニッグが演じています。クルーにロシア人がいないのはおかしいという投書でできたキャラクターで、ロシア訛りが酷いのがチェコフの特徴です。

ジェイラ

惑星”アルタミット”にいた異星人で言葉の通じない異星人に襲われそうになっていたスコットを助けます。ソフィア・ブテラが演じました。あらすじでも書いたように、英語を話しスコットがエンジニアである事を知ると自分が住居にしているUSS・フランクリンへ案内します。フランクリン号を修理しアルタミット星から脱出しようとしていましたが、修理の交換条件として捕獲されているクルの奪回作戦に協力することになります。

クラール

クラールと名乗っていますが、その正体は行方不明になっていた宇宙船”USS・フランクリン”の船長、バルタザール・エディソンです。アルタミット星で手下の2人と共に、周辺を航行する宇宙船を襲い、乗務員の生命エネルギーを吸い取って100年間生きながらえていましたが、元の人間の姿とは似ても似つかない姿に変化していました。自分達を見捨てた宇宙連邦を憎み、古代兵器を利用して戦争を起こそうと企んでいます。

スター・トレックビヨンドのキャストを紹介!

あらすじやキャラクター紹介でも触れましたが、ケルヴィン・タイムラインでのキャラクターを演じるキャスト達は、スター・トレックのオリジナルシリーズのキャラクター達を受け継ぎつつも、新しいエンタープライズ・クルーとして、その存在感を確固たるものにしています。ここではスター・トレックビヨンドBEYONDでクルー達と異星人達を演じたキャストを紹介します。

クリス・パイン

ケルヴィン・タイムラインのジェームズ・T・カークを演じるクリス・パインは、1980年にロサンゼルスで生まれました。両親は共に俳優です。カリフォルニア大学バークレー校を卒業後、演技をサンフランシスコで学んでいます。また、英文学の博士号も取得している秀才です。デビュー作は人気TVドラマ「ER救急救命室」で、その後はCSI:マイアミ、ワンダーウーマンなど数々のドラマや映画に出演しています。

ザッカリー・クイント

スポック役を演じるザッカリー・クイントは1977年にピッツバーグで生まれました。カーネギーメロン大学のドラマスクールで演技を学び、主にドラマを中心として活躍しています。HEROESの悪役、サイラーで大ブレイクを果たしました。2011年にゲイである事を告白しており、LGBTの若者を支援する活動にも参加しています。

ゾーイ・サルダナ

ウフーラ役のゾーイ・サルダナは1978年、ニュージャージー州生まれです。9歳までニューヨーク市で育ちましたが、父親が亡くなったため、父の故郷ドミニカへ移ります。そこでダンスなどを学んだ後、再びアメリカへと戻ります。2000年に映画でデビューし、2009年にはスタートレックのウフーラ、アバターのネイティリを演じ、一躍有名になりました。私生活では双子の母でもあります。

カール・アーバン

マッコイ役のカール・アーバンは1972年生まれでニュージーランド出身です。ロード・オブ・ザ・リングに出演し、一躍脚光を浴びました。デビュー当時はニュージーランドのテレビや舞台に出演していました。ロード・オブ・ザ・リング出演以降は知的な役柄が多くなりました。マイティ・ソーにも出演しています。私生活では2児の父親です。

サイモン・ペッグ

スコット役を演じたサイモン・ペッグは1970年にイギリス、グロスターシャー州で生まれました。ブリストル大学で演劇と映像を学び、卒業後はコメディアンとして活躍します。テレビやラジオで一躍人気者になり、ドクターフーシリーズに出演した際には11代目ドクターを打診されています。また、スター・トレック、スター・ウォーズ、ミッションインポッシブルの3シリーズに出演した数少ない俳優の1人としても知られています。

ジョン・ヨハン・チョー

ヒカル・スールー役のチョーは1972年韓国ソウル市で生まれました。その後、アメリカに移住し、カリフォルニア大学バークレー校に入学し英文学を専攻しました。テレビや映画でコミカルな演技が話題となりました。モデルの仕事もしており、私生活では女優・監督である日系人のケリー・ヒグチと結婚しており、2児の父です。

アントン・イェルチン

チェコフ役のアントン・イェルチンは1989年にソビエト連邦レニングラードで生まれました。両親共に有名なフィギュアスケーターでしたが、アントンが生後半年の頃にアメリカに亡命しています。子役から活躍しておりデビューは9歳の時です。様々なドラマや映画に出演し、ターミネーター4ではジョン・コナーの父の少年時代を演じました。

スター・トレックビヨンドBEYOND公開直前の2016年6月19日に、リハーサルに来ない事を不審に思った友人がイェルチンの自宅を訪ねた所、車と郵便受けの間に挟まれて死亡しているのが発見されました。サイモン・ペッグはインタビューで、10年間、クルー役の俳優陣は撮影時に寝食を共にしており、とても親密だったと語っており、喪失感は非常に大きいようです。

ソフィア・ブテラ

ジェイラ役のソフィア・ブテラは1982年にアルジェリアで生まれました。幼少時よりバレエのレッスンを始め、10歳の時にフランスに移住します。フランスでは新体操の選手となり、フランス代表にもなりました。その後、アメリカのバークリー音楽大学を卒業しています。映画”キングスマン”の殺し屋役でブレイクし、ザ・マミーでも妖艶な演技で観客を魅了しました。

イドリス・エルバ

クラール役のイドリス・エルバは1972年にイギリス・ロンドンに生まれました。演劇を志すも家が貧しく、夜間、フォードの工場で働きながら演技の勉強を続け、オーディションを受けていました。アベンジャーズ・シリーズの”ヘイムダル”、パシフィックリムの司令官”スタッカー・ペントコスト”など数多くの作品に出演しています。またネルソン・マンデラ首相の役も演じました。

スター・トレックビヨンドの感想や評価を紹介!

ここでは、スター・トレックビヨンドBEYONDの感想を傾向別に紹介していきます。世界中に熱狂的なファン”トレッキ―”がいるスター・トレックシリーズですが、スター・トレックビヨンドBEYONDは、スコット機関長のキャストであるサイモン・ペッグ氏らにより、一般の映画ファンにも楽しんで見てもらえる脚本になっており、それによって様々な感想が見られました。

エンタープライズ号最大の危機でハラハラした!

スター・トレックの象徴、USS・エンタープライズ号は、オリジナルシリーズでもしばしば破壊されていましたが、2009年からのリブート版では、更に激しく破損するという感想が見られました。

そして今回のビヨンドBEYONDでは、とうとうエンタープライズ号は墜落し、バラバラになってしまいます。

これについては、ビヨンドではクルーをバラバラにする必要があった為、という感想が散見されました。

旧シリーズと比べるとあまりにつまらない

スター・トレックビヨンドBEYONDの感想は、傑作という称賛がほとんどだったのですが、ごく1部ではありますが、つまらない、スケールが小さいといった意見も見られました。

特に脚本のサイモン・ペッグに対する批判が多く、娯楽映画に徹し、一般観客を取り込もうとした結果、従来からのファンの中では不満を持つ方もいたようです。

リアーナの主題歌PVが良い!

インタビューで、幼少期に父親からスター・トレックを勧められ、以来、スター・トレックのファンであると語ったリアーナの歌う、スター・トレックビヨンドBEYONDの主題歌”スレッジハンマー”のPVは、今作の舞台になったアルタミット星を彷彿とさせる場所で、映画さながらのシーンが繰り広げられます。

全編がIMAXカメラで撮影されたPVは世界初となったリアーナの歌う”Sledgehammer”はリアーナのファンからも、スター・トレックのファンからも熱い支持を受け、まるで映画本編のようといった感想など、スター・トレックビヨンドBEYONDそのままの世界感に酔いしれる感想が続出しました。

ジャスティン・リンも凄い!

J・J・エイブラムスがスターウォーズの監督で忙しくなってしまって監修に回り、代わりにワイルドスピードなどでお馴染みのジャスティン・リンが監督に就任しましたが、リン監督の持ち味である、キャラクターを大切にするという方針がビヨンドでも生かされており、さすがジャスティン・リンという感想が見られました。

前作までのJ・J・エイブラムス監督の方が良かった!という感想と、ジャスティン・リン監督も持ち味が生かされていていいじゃないか!という感想がそれぞれ散見されました。どちらの監督であっても、スター・トレックであるという感想もありました。

キャラクター達が成長している!

あらすじで紹介しましたが、ビヨンドのキーワードの1つとして、キャラクター達の成長があげられます。カークは父の死んだ年齢を超えてベテランの域に差し掛かろうとしており、スポックも種族という枠組みの中で悩みます。スールーには守るべき家族がいました。その他のクルー達もエンタープライズ号での5年計画での長期探査でそれぞれ変化しており、そこに気付いた感想が多くみられました。

カークの成長について言及した感想では、前2作ではやんちゃな面も見せる若者というイメージだったのに、ビヨンドでは立派に艦長を務めており、貫禄すら見られるという感想を持った人が多く見られました。スポックも種族の繁栄という問題を抱えており、そのためウフーラと別れる事を決意します。クルー同士の結束は固くなっていますが、年齢を重ねた故の悩みも噴出しており、その点に触れる感想も見られました。

どこか日本のアニメを彷彿とさせる設定

日本アニメ”超時空要塞マクロス”は、”超時空騎団サザンクロス”と”機甲創世記モスピーダ”と合わせて、Robotechというタイトルに変更されてアメリカで放送され大人気になりました。

マクロスといえば歌で敵をかく乱するアイドル歌手”リン・ミンメイ”でお馴染みですが、ビヨンドではロック音楽で大群の小型マシン同士が統制をとるために行う通信をかく乱しており、ミンメイを連想してしまったという感想が見られました。

スター・トレックビヨンドの続編は?

ケルヴィン・タイムラインでの3作に続き、第4弾の映画も計画が進んでいますが、ザッカリー・クイントによると、脚本が同時進行で3本書かれているという事です。サイモン・ペッグとユングによる脚本、ビヨンドの第1稿を手掛けたペインとマッケイによる脚本の他、”レヴェナント甦りし者”のマーク・L・スミスによる脚本があるそうです。

キャストは続編の出演を了承

3本ある脚本のうちの1つでは、ジェームズ・T・カークがタイムワープで父”カーク”に会いに行く話だという事ですが、カーク役のクリス・パイン、父役のクリス・ヘムズワースが報酬の条件で決裂したと報じられています。しかし、ザッカリー・クイントは現行のキャストが続投すると発言しており、続投が果たして真実なのかどうかは不明瞭なままです。

タランティーノが監督に興味?

クエンティン・タランティーノがスター・トレック第5弾を撮影すると報じられており、脚本は、マーク・L・スミスでタランティーノ監督の意向を脚本に取り入れているとの事です。スター・トレック史上初のR指定作品になるともいわれており、第4弾が先に公開され、タランティーノ版はケルヴィン・タイムラインとは異なる新たなタイムラインが舞台になる、独立した作品になるのではないかという噂があります。

スター・トレックビヨンドについてまとめ

今回はケルヴィン・タイムラインの第3弾、スター・トレックビヨンドBEYONDについて紹介しました。脚本が当初とは全く異なるテイストに書き直され、娯楽作品に徹した姿勢は、トレッキ―も一般の観客の心もわしづかみにしました。DVD、ブルーレイ、配信などでご覧になれます。第4弾を心待ちにしながら、視聴するのはいかがでしょうか。

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ