善き人のためのソナタのあらすじを紹介!感想・レビューやラストまで解説

善き人のためのソナタというドイツ映画を知っていますか?1980年代の東ドイツを、シュタージの目線から描いた作品です。アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した作品でもあり、世界でも高く評価されています。この記事では、善き人のためのソナタのあらすじをラストまで解説します。また、この映画を見た人の感想や評価も紹介!善き人のためのソナタという映画の舞台となった1980年代の東ドイツの背景についても説明していきます。

善き人のためのソナタのあらすじを紹介!感想・レビューやラストまで解説のイメージ

目次

  1. 善き人のためのソナタの映画あらすじをネタバレ!感想も紹介!
  2. 善き人のためのソナタの映画あらすじをネタバレ!
  3. 善き人のためのソナタのラストをネタバレ!
  4. 善き人のためのソナタは実話に基づいて作られたフィクション?
  5. 善き人のためのソナタのレビュー・感想を紹介!
  6. 善き人のためのソナタの映画あらすじまとめ!

善き人のためのソナタの映画あらすじをネタバレ!感想も紹介!

善き人のためのソナタは、2006年にドイツで公開された映画。日本でも2007年に映画館で公開されました。1980年代の東ドイツの実情をリアルに描いており、第79回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞しています。この記事では、善き人のためのソナタのあらすじをラストまで、ネタバレも含めて紹介!また、善き人のためのソナタを見た人が抱いた感想についても触れていきます。

善き人のためのソナタの映画あらすじをネタバレ!

ドイツ映画、善き人のためのソナタとはどのようなストーリーの作品なのでしょうか。ここでは善き人のためのソナタのあらすじを、ネタバレも含めて紹介します。ラストシーンについては、次の項であらためて解説します。まずは当時の東ドイツについて見ていきましょう。

東ドイツの監視社会

善き人のためのソナタのあらすじを見ていく前に、この映画を見るうえでは欠かせない東ドイツ事情について説明します。

善き人のためのソナタの舞台となるのは、1984年の東ベルリンです。当時ドイツのベルリンはベルリンの壁で分断され、西と東に分かれていました。西ベルリンはアメリカなどの影響を強く受けた西ドイツが、東ドイツは当時のソビエト連邦の影響を受けた東ドイツが所有していました。東ドイツではシュタージという国家保安省が暗躍しており、社会主義に反する思想や西寄りの自由な思想を抱いていると思われる人間を監視していました。

東ドイツの監視社会を成り立たせていたのは、シュタージだけではありません。シュタージに協力する市民がたくさんいたことも、監視がより厳しくなっていた理由のひとつです。非公式の協力者、通称IMと呼ばれる人々が国に登録されており、身近な人間のことを常に監視していました。もし社会主義に反すると思われる者がいた場合は、それがたとえ身内であろうと報告するのが普通でした。

ベルリンの壁崩壊後にシュタージは解体されましたが、シュタージの残した機密文書は今でも保管されています。善き人のためのソナタのラストにもあるように、自分に関する監視記録を読み、監視されたことを初めて知って驚愕する人もいるようです。

主人公はシュタージの局員

東ドイツの時代背景を踏まえたうえで、善き人のためのソナタのあらすじを見ていきます。善き人のためのソナタの主人公は、東ベルリンでシュタージの局員として暮らしています。名前はゲルト・ヴィースラー大尉。演じているのはドイツの名俳優、ウルリッヒ・ミューエです。日本語吹き替え版では石塚運昇さんが声を担当しました。

善き人のためのソナタは、ヴィースラーの内面がラストに向かって変化していく部分が見どころのひとつです。ヴィースラー大尉はシュタージに忠誠を誓っており、今まで自分の仕事を正しいことと信じて行ってきました。シュタージ内部での信頼も厚く、有能な局員として認識されています。

尋問のプロでもあるヴィースラー大尉は、後進の育成のため、大学で尋問についての講義も担当していました。そんな仕事熱心なヴィースラー大尉のもとに、新たな監視対象についての連絡が届きます。

監視対象は劇作家

ヴィースラー大尉が命じられたのは、劇作家のゲオルグ・ドライマンという男の監視でした。ヴィースラー大尉はドライマンの家に盗聴器を仕掛け、ドライマンの生活を逐一監視します。報告書にはドライマンの動向をどんなささいなことでも書き、偽りなく報告していました。しかしそんなヴィースラー大尉は、ある日報告書にウソの内容を書くようになるのです。

ヴィースラー大尉の中に芽生えた不信感

ヴィースラー大尉がドライマンの盗聴・監視を続けていると、とある事実が明らかになってしまいます。それは、ドライマンの恋人である女優のクリスタ・マリア・ジーラントが、実は東ドイツの権力者であるヘムプフ大臣の愛人だった、ということ。クリスタはドライマンが監視されるようになるずっと前から、シュタージの協力者だったのです。

実はドライマンの監視任務は、クリスタを自分のものにしたいと考えているヘムプフ大臣が命じたものでした。ドライマンを貶めることで、クリスタにドライマンのことをあきらめさせようとしたのです。ヴィースラー大尉にこの任務を命じた上司のヴォルヴィッツ中佐は、報告書からヘムプフ大臣の思惑に気が付きます。

ヴォルヴィッツ中佐は、クリスタと大臣との関係を公の報告書から消すように求めます。しかし中佐はこの情報をいつか政治的に利用し、出世の足がかりにしようと考えていました。中佐は、今後大臣とクリスタのことは文章以外の方法で報告するよう、ヴィースラー大尉に命じました。

国家のために働くことに誇りを抱いていたヴィースラー大尉は、ヴォルヴィッツ中佐の言動に疑問を抱きます。大臣の不祥事は、国家のためを思えば糾弾されるべきこと。しかし国家の上層部は自分の保身や出世のために働いている。そのことに気づいてしまったヴィースラー大尉の中で、初めて任務への迷いが生まれます。自分はいったい何のためにドライマンを監視しているのか、ヴィースラー大尉は悩みながら盗聴を続けます。

ドライマンへの感情の変化

迷いながらも忠実に任務をこなすヴィースラー大尉。ある日クリスタがヘムプフ大臣の車でドライマンの家に帰ってきます。ドライマンがクリスタと大臣の関係に気づくようにと、ヴィースラー大尉はドライマンの家の呼び鈴を鳴らします。ヴィースラー大尉の思惑通り、クリスタと大臣の関係に気づいてしまったドライマン。きっとドライマンはクリスタを責めるだろう、とヴィースラー大尉は考えていました。

しかしドライマンがとった行動は、ヴィースラー大尉の予想とは異なっていました。ドライマンは全てを知ったうえで、クリスタを許したのです。ドライマンの心理が理解できないヴィースラー大尉。女性のぬくもりを感じればドライマンの気持ちを理解できるかもしれない、と思ったヴィースラー大尉は、帰宅すると家にコール・ガールを呼び出します。

ヴィースラー大尉は、わずかな時間女性と身体を寄せ合いました。しかしコール・ガールは契約時間が終われば何ごともなかったかのように帰ってしまいます。ヴィースラー大尉に残されたのは幸せな感情ではなく、ただ人恋しいというむなしい気持ちでした。このあらすじからも、ヴィースラー大尉が本当の愛を知らない人間だということがうかがえます。

報告書の偽りとシュタージへの裏切り

ヴィースラー大尉はふたたびドライマンの監視につきます。彼はドライマンの部屋に忍び込み、ドライマンの私物である本を持ち去ります。ドライマンが読んでいる本を自分も読めば、ドライマンの心理を知ることができると考えたからです。本来シュタージは監視の証拠を残してはならないため、このヴィースラー大尉の行動は異例のものでした。

ドライマンの部屋から本を持ち出した後、ヴィースラー大尉はエレベーターである男の子に出会います。男の子はヴィースラー大尉に、「シュタージの人?」と尋ねます。男の子は「シュタージはみんな捕まえちゃうって、パパが言ってた」という内容を話します。任務に忠実なシュタージであれば、この男の子の父親を反社会主義者として報告するはずでした。しかしヴィースラー大尉は男の子の身元を調べることをせず、彼を見逃しました。

上層部の自分本位な考えと、ドライマンの持つ愛と信念。どちらを信じるべきかを天秤にかけた結果、ヴィースラー大尉はドライマンを助けることに決めました。ヴィースラー大尉は、ともにドライマンの監視任務に就いていた部下を任務から外します。そして自分1人でドライマンの監視を続けることにしました。

ヴィースラー大尉は報告書に「ドライマンは反社会主義ではない」という内容を記載します。家宅捜索が失敗に終わるよう、証拠となるタイプライターを隠すこともしました。また、クリスタも助けようと、ヴィースラーは自らクリスタの尋問を担当しました。ヴィースラー大尉はクリスタにタイプライターの隠し場所を自白させ、クリスタをシュタージの協力者として釈放します。

クリスタの証言をもとに、再びドライマンの家宅捜索が始まります。家宅捜索を担当するのは、ヴィースラー大尉の上司であるヴォルヴィッツ中佐。実はヴィースラー大尉は事前に、クリスタが証言した場所とは異なる場所にタイプライターを移動させていました。そのため、ドライマンが反社会主義であるという証拠は何も出てこないはずでした。

しかし家宅捜索の最中、クリスタは突然外に飛び出し、トラックにはねられてしまいます。以前からシュタージの協力者であったクリスタですが、自分の行動に対して罪悪感を抱いていました。ドライマンの家宅捜索を見ているうちにクリスタは自分が愛する人を裏切り、償えない罪を犯したと感じていたのです。ヴィースラー大尉はクリスタの予想外の行動に驚きます。

ドライマンはクリスタの死などを通して、何か行動を起こさなければ国家は何も変わらない、と感じます。それまでドライマンは、東ドイツの上層部ともうまく渡りをつけており、あまりもめ事を起こさない作家でした。そのため、東ドイツ内で一番成功している作家とも呼ばれ、窮屈ながらも安定した生活を送っています。しかしドライマンは、東ドイツにおける自殺者についての告発記事を新聞に載せるという選択をしました。

ヴィースラー大尉はドライマンに心動かされ、シュタージに歯向かう道を選びました。ドライマンを助けるために行動したのです。ヴィースラー大尉もそれなりの地位と生活を手に入れていましたが、それよりも自らの信念や理想に従うことを決めたのです。ヴィースラー大尉はシュタージ内での地位を失い、生活は困窮していきました。ヴィースラー大尉やドライマンの生活が変わっていく中、ベルリンの壁崩壊のときが訪れます。

人間的に内面が変化していったヴィースラー。自分の理想のために行動することを選んだドライマン。2人の物語は、どのようなラストを迎えたのでしょうか。次の項では、善き人のためのソナタのあらすじを、ラストまで含めて紹介します。

善き人のためのソナタのラストをネタバレ!

善き人のためのソナタはどのようなラストを迎えたのでしょうか。ここでは物語のラストまでのあらすじを、ネタバレを含めて紹介します。

ベルリンの壁崩壊後の東ドイツ

1989年にベルリンの壁が崩壊し、表面上は東と西がひとつのドイツとなりました。それにともなって、人々の生活にも変化が生じていました。ドライマンは作家として成功し、ヴィースラー元大尉は薄給のチラシ配り。対照的な生活を送っている両者ですが、東ドイツ時代の監視社会に生きたことは忘れていませんでした。

ベルリンの壁崩壊後、東ドイツでの監視社会の実態が世界的に明らかになりました。自分が監視されていたかもしれない、ということを知った元東ドイツ市民は、自分の監視記録に興味を抱きます。

シュタージの残した監視記録は、1991年からシュタージ・アーカイブという施設で本人のみ閲覧が可能になりました。ドライマンはそこで、自分の監視記録とその監視を担当したシュタージが、ドライマンを救うために報告書を書きかえていたことを知ります。ドライマンの監視を担当していたのはヴィースラー元大尉。彼に感謝の気持ちを伝えるため、ドライマンはとある物語を執筆します。

本のタイトルは「善き人のためのソナタ」

ベルリンの壁崩壊から4年後。いつものようにチラシ配りをしているヴィースラーは、本屋に貼られているポスターを見かけます。それはドライマンが書いた新刊の告知でした。本のタイトルは、善き人のためのソナタ。ヴィースラーは本屋に入り、善き人のためのソナタを手に取ります。表紙をめくると、そこには謝辞が書かれていました。それは自分に向けて書かれた謝辞でした。

ヴィースラーは善き人のためのソナタをレジに持っていきます。「プレゼント用ですか?」と尋ねる店員。それに対してヴィースラーはこう言いました。いや、これは私のための本だ、と。ドライマンが本の中で書いた「善き人」とは、かつてシュタージの監視からドライマンを救った、ヴィースラーだったのです。このラストシーンとセリフは、善き人のためのソナタの名シーンとして高く評価されています。

邦題「善き人のためのソナタ」に込められた意味

善き人のためのソナタの原題は、Das Leben der Anderen(ダス レーベン デア アンデレン)というドイツ語。直訳すると、「他人の人生」という意味になります。あらすじからもわかるように、この映画はとある他人の人生と、その人生に触れて変化した人を描いています。しかし邦題ではタイトルに大幅に変更が加えられ、「善き人のためのソナタ」というタイトルになりました。

この善き人のためのソナタというの言葉は、もともと作中に出てくる曲のタイトルでした。ドライマンの生活を盗聴している中で、ヴィースラーが耳にしたある音楽。「この曲を本気で聴いたものは悪人になれない」という言葉とともに、ドライマンが友人から贈られた曲でした。

人間らしく自らの信念にしたがうべきか否かを悩んでいるヴィースラーに、この曲が大きな影響を与えたと言えるでしょう。また、ラストに登場する、ドライマンがヴィースラーのために書いた本のタイトルも「善き人のためのソナタ」。ドライマンとヴィースラーにとって、善き人のためのソナタは思い入れのあるものなのです。そう考えると、邦題として「善き人のためのソナタ」が選ばれたことにも納得がいくはずです。

善き人のためのソナタは実話に基づいて作られたフィクション?

1980年代の東ドイツが描かれた善き人のためのソナタ。あらすじや映像を見て実話だと思っている人もいるようですが、実話に基づいたフィクションなのです。善き人のためのソナタを手がけた当時33歳の新人監督、フロリアン・ヘンケルス・フォン・ドナースマルク監督は西ドイツの出身。東ドイツのことを知るために大量の文献を読み、多くの人々にインタビューを行ったうえで善き人のためのソナタを制作しました。

善き人のためのソナタの主演であるウルリッヒ・ミューエは、自身がシュタージに監視された経験があります。また、善き人のためのソナタのスタッフの中にも、東ドイツ出身者が何人もいました。ドナースマルク監督はこうした映画関係者からも話を聞き、善き人のためのソナタに取り入れていったようです。

善き人のためのソナタ公開後、ドイツでは賛否両論がありました。東ドイツ出身者の中には、「実際の東ドイツはこんなに甘くなかった」、「ヴィースラーのような人間的なシュタージがいたはずがない」と言う人も。一方で東ドイツ出身のウルリッヒ・ミューエは、「公になっていないだけで、ヴィースラーのような人間はたくさんいただろう」との考えを語っています。

歴史的に本当にあったことなのか否かは定かではありません。しかし善き人のためのソナタの中で描かれている東ドイツの空気感は本物だ、と多くのドイツ人に評価されています。

善き人のためのソナタのレビュー・感想を紹介!

善き人のためのソナタは日本でも公開され、DVD化やテレビ放送がされた映画。ここまではあらすじや制作背景について見てきましたが、実際に映画を見た人はどのような感想を抱いたのでしょうか。ここでは、善き人のためのソナタを見た人の感想をいくつか紹介していきます。

シュタージの恐ろしさが伝わる作品

善き人のためのソナタを見た感想として、シュタージの恐ろしさを感じた、というものがあります。東ドイツの監視社会を象徴する存在であるシュタージ。隣人だろうと身内だろうと、社会主義に反する思想の持ち主を告発し、罰していく姿を見て恐怖を感じる人もいるようです。2時間以上ある映画ですが、ラストまでずっとドキドキした、という感想も見られます。

ウルリッヒ・ミューエの演技が光る作品

ヴィースラー大尉を演じたウルリッヒ・ミューエの演技を高く評価する人もいます。自らもシュタージに監視された過去を持ちながらもヴィースラー大尉を演じたウルリッヒ・ミューエ。彼の演技に胸を打たれたという感想も見られました。ラストシーンのセリフと表情は、ウルリッヒ・ミューエにしかできない演技だと評価する声もあります。

ウルリッヒ・ミューエは、善き人のためのソナタ公開後、2007年にこの世を去りました。善き人のためのソナタは彼の代表作ともいえる作品です。

東ドイツの時代背景をよく描いた作品

東ドイツの監視社会を克明に描いた作品である善き人のためのソナタ。この映画から東ドイツの歴史を学んだ、という感想も見られます。

世界史などで学んだ歴史を映像で見ることで、より鮮明に感じることができる、という意見も見られます。善き人のためのソナタは、東ドイツで日常的に行われていた監視、盗聴、告発という事実を感じることができる作品と言えるでしょう。また、セリフがすべてドイツ語であるため、ドイツ語の勉強にもなる、という感想を抱く人もいるようです。

翻訳が素晴らしい作品

善き人のためのソナタの感想として、翻訳の質の高さを挙げている人もいます。日本語版の字幕や吹替には、東ドイツの背景を踏まえたうえで言葉選びがされているようです。

上記の感想にもあるように、東ドイツの時代背景をよく踏襲した翻訳も高く評価されています。この映画では善き人のためのソナタの映像に寄り添った翻訳にするため、翻訳を監修したスタッフもいました。映像だけでなく、セリフのひとつひとつをとっても見ごたえがある作品と言えそうです。

暗いけど良作

善き人のためのソナタの魅力として、暗さを挙げている感想も見られます。雰囲気や色の暗さが、善き人のためのソナタを象徴的な映像にしているようです。

善き人のためのソナタでは東ドイツの監視社会の雰囲気を表すため、全体的に色調が抑えられています。暗い色の多い映画ですが、それが印象的でよかった、という感想も見られました。

善き人のためのソナタの映画あらすじまとめ!

ここまでドイツ映画の善き人のためのソナタについて、ラストまで見てきましたが、いかがだったでしょうか。あらすじや感想からもわかるように、この作品は明るい作品とは言えないでしょう。しかし見終わった後に考えさせられるものがある良作として評価されています。まだ善き人のためのソナタを見たことのない人は、ぜひ映像でもチェックしてみてください!

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