新参者の映画シリーズを完結編まで一覧まとめ！主題歌を歌っているのは？

東野圭吾の小説を原作としたTBS系の連続TVドラマ新参者シリーズは、連続ドラマシリーズ以外にも、単発の特別ドラマが2本、2本が映画化されています。映画のタイトルは、「麒麟の翼~劇場版・新参者」と「祈りの幕が下りる時」です。映画「祈りの幕が下りる時」は、新参者シリーズの完結編と位置づけられています。この2本の映画のあらすじや結末、キャスト、主題歌をまとめてネタバレ解説します。

新参者シリーズとは、2010年阿部寛主演で、TBS系日曜劇場で放送されたミステリー・ドラマ「新参者」、2011年1月にスペシャルドラマとして放送された「赤い指」、2012年1月に公開された映画「麒麟の翼～劇場版・新参者～」、2014年1月にスペシャルドラマとして放送された「新参者加賀恭一郎眠りの森」、2018年1月に公開された映画「祈りの幕が下りる時」の4つの総称です。

主人公で警視庁日本橋署に勤務する刑事加賀恭一郎が、加賀の従弟で警視庁捜査一課の刑事松宮脩平とコンビを組んで、日本橋人形町界隈で起こった事件を解決します。TVドラマシリーズでは1回完結のストーリーで毎回多彩なゲストが出演しています。

ドラマシリーズ、映画ともに原作は東野圭吾の同名の小説で、2009年9月に「新参者」、2006年7月に「赤い指」、2011年3月に「麒麟の翼」、1989年5月「眠りの森」、2013年9月に完結編「祈りの幕が下りる時」が発売されています。主人公の加賀恭一郎は、東野圭吾の作品に度々登場しますが、大学生であったり、警視庁捜査一課の刑事であったりとその時々によって設定が異なります。

新参者の映画「麒麟の翼~劇場版・新参者」と映画「祈りの幕が下りる時」のあらすじをまとめて説明します。映画「麒麟の翼~劇場版・新参者」のあらすじ解説の前にゲスト登場人物をまとめます。日本橋で殺される「カネセキ金属」の製造部長：青柳武明と息子・悠人。容疑者の疑いをかけられる元「カネセキ金属」の派遣社員八島と同棲中の恋人香織。悠人と高校時代の水泳部の顧問糸川、後輩吉永、同級生杉野が主な登場人物です。

東京日本橋の麒麟像の前で、ナイフが胸に刺さった瀕死の男性が発見され、その後死亡が確認されます。男の身元は「カネセキ金属」に勤める青柳武明と判明しますが、血痕から地下道で刺され、瀕死の状態で日本橋の麒麟像の元まで歩いてきたことが分かります。事件直後不審な若い男が逃走し、トラックにはねられ意識不明の状態に陥っていることが判明します。男は八島と言い、八島の所持品から被害者の財布と鞄が発見されます。

警視庁日本橋署の刑事加賀恭一郎とその従弟松宮脩平は事件解決に奔走します。事故の直前、八島は恋人の香織に「どうしよう。俺、えらいことをやってしまった。」と電話をします。八島は福島から恋人の香織と上京し、「カネセキ金属」で派遣社員と勤務していましたが、半年前にリストラされたことが分かります。警察は八島が福島の施設育ちで素行く、「カネセキ金属」の工場の責任者であった青柳に恨みをもって刺したと見立てます。

青柳の遺品の中に家族が見慣れないメガネケースがあり、それは人形町で購入されたものでした。加賀恭一郎は、青柳の勤務先が新宿、工場が国立、自宅が練馬であったことから生活圏から大きく異なる日本橋に来たことに疑問を持ちます。事件の日、人形町の喫茶店でカフェラテを2つ注文したことが分かります。加賀は、そのカフェで働くルポライター見習の亜美から、青柳が何かの目的をもって頻繁に日本橋を訪れていたことを聞きます。

意識がなかった容疑者の八島が死亡し、ショックを受けた香織は意識を失い妊娠していることがわかります。労災隠しが発覚したカネセキ金属は、労災隠しの責任の亡くなった青柳に押し付け、それがもとで青柳の娘は自殺を図ります。学校で同級生たちに責められ、深く傷ついたのです。ギリギリの生活をしていた八島と香織、香織は八島のことが分からなくなります。

福島から上京した八島と香織には、日本橋は二人の東京でのスタート地点で大切な場所です。「日本橋の麒麟には翼がある。日本中へと飛び立っていけるよう、翼をつけた。」と加賀は香織に説明します。その時、麒麟像のところに青柳の息子の悠人が佇んでいました。青柳と何者かがカフェにいた時刻の日本橋の街頭カメラに八島の姿が映っていたことを加賀が見つけ、凶器のナイフの出先も不明で八島を犯人とする決定打がでません。

加賀恭一郎は、青柳が休みを使って日本橋の七福神巡りをしていた事実を突き止めます。それは、かつて青柳の息子・悠人が行っていたことでした。高校の時、水泳部だった悠人は試合に負けた腹いせに同級生と3人で後輩の吉永をしごきます。顧問に見つかった悠人と友人は溺れた吉永を見捨ててその場を去ります。学校は事故と言い張り、吉永は命をとりとめましたが、重い後遺症が残り寝たきりの状態です。悠人は水泳を辞めます。

吉永の母が吉永の回復を願い、水難事故にご利益がある七福神巡りを行っていることをブログで知り、贖罪のため悠人は、鶴を折って七福神めぐりをし、その様子を「東京の花子」として吉永の母へ知らせました。偶然、青柳にパソコンを覗かれた悠人はその後、七福神めぐりを辞めてしまいます。悠人が悩みをかけていることに気づいた青柳は高校の事故に原因があると感じ、真実を探りつつ悠人にかわりに七福神めぐりを続けます。

青柳は吉永の父と名乗りカフェへ水泳部の仲間だった杉野を呼び出します。杉野は3年前の水泳部の事故の件を聞かれ、全てを悠人へ押し付ますが、悠人と一緒に罪を償うといった青柳に自分の行いがばれるとナイフで青柳を刺したのです。一部始終を目撃した八島は金が必要だったため、青柳の鞄と財布を盗んで逃げたのです。青柳は重傷を負いながらも、麒麟の像まで歩きそこで息絶えました。青柳のダイイングメッセージだったのです。

「麒麟くん」は、事故で障害を負った吉永のブログ上での呼び名で、ブログの名称は「キリンノツバサ」でした。ブログでは、「麒麟の翼は勇気の翼」と書かれていました。青柳は、悠人が悩んでいることを知りながらも向き合うことができなかったことを悔やみ、悠人とへ勇気をもって事件と向き合ってほしいという思いを込めたのでした。事件が解決し、香織は故郷の福島へ旅立ちます。

映画「祈りの幕が下りる時」のあらすじのネタバレに入る前にゲスト登場人物の説明をします。加賀の蒸発した母百合子、その母と仙台で暮らしていた恋人綿部、事件のカギを握る演出家浅居博美と父忠雄。博美の旧友で殺される押谷道子が主な登場人物です。

東京小菅のアパートの一室で女性の腐乱死体が死亡してから3週間が経過して発見されます。警察はこの部屋の持ち主の越川が犯人だとして、行方を追います。捜査一課の刑事松宮は越川の部屋に違和感を持ちます。8年住んでいても冷蔵庫一つない部屋、ホームレスを連想した松宮は荒川の河川敷で考察された上、燃やされたホームレスの事件と関連付け、DNA鑑定を依頼しますが、一致しません。

一方殺された女性は滋賀県で清掃会社の営業として働く押谷道子でした。押谷は、旧友で舞台演出家の浅居博美と会ったことが分かります。松宮は浅居博美に事情を聞くために訪ねますが、やけに明確に証言する浅居博美に違和感を覚えます。松宮は浅居博美の事務所で、加賀恭一郎と博美が一緒に写った写真を見つけて加賀と博美に接点があることを知ります。

博美の芝居を見た帰りに加賀恭一郎は松宮に偶然会います。DNA鑑定が一致しなかったという松宮へ加賀は証拠のすり替えを疑います。加賀は越川の部屋に残されていたカレンダーに書かれた12の日本橋界隈の橋の名前を聞き、血相を変えます。それは加賀の母の遺品にあったカレンダーのメモと同じでした。母の恋人綿部と越川が同一人物と疑った加賀は筆跡鑑定を要求します。

ホームレスの焼死体と越川のDNAとカレンダーの筆跡が一致したことで、越川と綿部が同一人物だと断定されます。越川は一体何者なのでしょうか。女川の原発で勤めていたことから越川が横山一俊として働いていたことが分かります。越川は浅居博美の父の忠雄であることが判明します。忠雄は借金取りに追われ娘の博美と逃げますが、金が付き能登半島で自殺しようと思い立ちます。

その日、たまたま食事をとった店で原発の作業場を転々としている横山と知り合います。横山は博美に金を代償に相手をするよう誘いますが、博美は我慢できず横山を殺してしまいます。娘の殺人を隠すために横山の遺体に自分の服を着せ、岸壁から投げ捨て博美に自殺したと証言させます。忠雄は横山に成り代わって人生を生きることを決めます。

27年前の事件を隠すため、忠雄の存在に気が付いた博美の恋人と押谷を忠雄は手にかけます。すべては娘を守る為です。忠雄は疲れたので死にたいと、博美に言います。博美は、父を抱きしめその手で父の首を絞めて、火を放ちます。明治座での舞台の千秋楽の日、加賀が浅居博美をたずねます。加賀がすべてを知っていると感じた博美は、なぜ父を殺したか話します。そして、父の手紙を加賀に渡し、拍手が鳴りやまない中連行されます。

加賀は綿部の手紙で、母が失踪当時うつ病を患っていたこと、自分を殺そうとしたことに恐れて家を出たと知ります。そして、母が死の間際まで自分を愛していたことを知ります。失踪後の母の様子、母の恋人綿部のことが分かり、加賀恭一郎は日本橋にこだわる理由がなくなります。警視庁捜査一課への異動が決まり、日本橋署での残りの時間を楽しみます。

映画「祈りの幕が下りる時」の主題歌を歌っているのはJUJUです。主題歌のタイトルは「東京」で、2018年1月にシングルとしてリリースされています。JUJUは、映画「祈りの幕が下りる時」の主題歌だけでなく、映画「麒麟の翼~劇場版・新参者」の主題歌「sing」も担当しています。新参者シリーズの完結編として映画「祈りの幕が下りる時」では、事件の謎だけでなく加賀恭一郎が自ら抱える謎が明確になります。

母や亡き父、加賀恭一郎自身と対峙する映画「祈りの幕が下りる時」の主題歌は、JUJUの優しくエモーショナルな歌声が心を揺さぶります。歌詞の一節に「さよならは別れじゃなく永遠の約束」とあります。JUJUの歌う主題歌は加賀恭一郎と浅居博美の心境だけでなく、加賀の父、博美の父忠雄の子へ対する深い愛情を表しているように聞こえます。

新参者シリーズの主人公で映画「祈りの幕が下りる時」で加賀恭一郎を演じるのは阿部寛です。シリアスからコメディまで幅広い役を演じる演技派俳優です。代表作は、映画初出演作の「はいからさんが通る」、日本アカデミー賞主演男優賞を受賞した映画「テルマエ・ロマエ」、独身男をおもしろおかしく描いたドラマ「結婚できない男」、ドラマ「下町ロケット」など多数あります。

新参者シリーズ全編、映画「祈りの幕が下りる時」で加賀恭一郎の従弟の松宮脩平を演じるのは若手俳優の溝端淳平です。1989年生まれでジュノンボーイ出身の彼は「花盛りの君たちへ」に代表されるイケメンを前面に出した役柄から演技力の求められる役柄へと幅を広げています。

映画「祈りの幕が下りる時」のヒロイン浅居博美を演じるのは松嶋菜々子です。フジTV系の「救急救命」シリーズでの医師役や「やまとなでしこ」で演じたキャビンアテンダント、近年は「家政婦のミタ」で演じた訳アリの家政婦など代表作は数多くあります。

ここまで新参者シリーズの映画について解説してきましたが、簡単にまとめます。新参者シリーズの映画は2編あり「麒麟の翼～劇場版・新参者～」と「祈りの幕が下りる時」で、映画「祈りの幕が下りる時」は完結編にあたります。映画「麒麟の翼～劇場版・新参者～」では、日本橋の麒麟像の前で刺殺された青柳の事件を解決します。

映画「祈りの幕が下りる時」では、荒川で発見された腐乱死体の事件で、母の恋人だった綿部である越川を追います。映画の主題歌は、両方ともJUJUが担当しています。キャストは、主人公の日本橋署の刑事：加賀恭一郎に阿部寛、加賀の従弟の松宮脩平に溝端淳平、ヒロインの浅居博美に松嶋菜々子が出演しています。気になる方は、ドラマ「新参者」、映画「麒麟の翼～劇場版・新参者～」映画「祈りの幕が下りる時」をご覧下さい。