メメントのネタバレあらすじ!時系列で結末まで分かりやすく解説

『メメント』という映画をご存知ですか?今回は超難解と名高い『メメント』のあらすじをネタバレ!『メメント』はある事件によって記憶の保持に10分間というタイムリミットを持つことになった男が、猜疑心に苛まれながら犯人に復讐を誓うサスペンス映画です。名だたる映画賞にもノミネートされた秀逸な脚本と演出は、『メメント』という作品を複雑にすることに一役買っており、なかなかネタバレなしに理解することができません。そこで『メメント』を複雑にしている要因を一つずつ紐解いて結末まで徹底的にネタバレ解説していきます!

メメントのネタバレあらすじ!時系列で結末まで分かりやすく解説のイメージ

目次

  1. メメントのあらすじをネタバレ紹介!
  2. メメントとは?
  3. メメントのあらすじをネタバレ!
  4. メメントを時系列で結末まで分かりやすく解説!
  5. メメントの評価を紹介!
  6. メメントのネタバレあらすじまとめ!

メメントのあらすじをネタバレ紹介!

超難解といわれる映画『メメント』をご存知でしょうか?今回ネタバレするのは、アカデミー賞やゴールデングローブ賞など名だたる映画賞で脚本賞や編集賞、監督賞にノミネートされたサスペンス映画『メメント』です。『メメント』の最大の特徴にして、作品を難解と言わしめるのが極短い連続のカットを、結末から始まりへ時系列を遡っていく演出にあります。

その優れた演出に『メメント』は本場アメリカのフィルムメーカーの卵たちの教材として扱われることもあるほどです。しかしながら、この奇抜ともいえる演出が『メメント』という作品を難しくしているのも事実。今回はそんな『メメント』を始まりから結末まで、あらすじを時系列に順行する形で徹底ネタバレ解説します!

メメントとは?

『メメント』は2000年9月3日にアメリカで公開され、2001年11月3日に日本に上陸しました。監督は故ヒース・レジャーが演じるジョーカーが大人気のバッドマンシリーズ『ダークナイト トリロジー』やレオナルド・ディカプリオ主演の大ヒット作『インセプション』のクリストファー・ノーランです。

長編映画監督第2作目となった『メメント』は実弟ジョナサン・ノーランの短編『Memento Mori』を原作としています。作品タイトルにもなった『メメント(原題Memento)』はラテン語に由来し「忘れるな/思い出せ」との意味があります。その名の通り、ある事件により10分間しか記憶を保てなくなった記憶障害の男が、事件の犯人を追う異色サスペンス映画が『メメント』です。

メメントのあらすじをネタバレ!

『メメント』強姦強盗事件のあらすじをネタバレ

早速、『メメント』のストーリーをネタバレしていきましょう。ある夜、保険会社の調査員レナード・シェルビーは自宅のバスルームで妻が強姦殺害されている現場を目撃します。レナードは犯人の1人を射殺、もう1人の犯人と揉み合ううちに頭を強打し、記憶障害になってしまいます。

『メメント』タイムリミットは10分!前向性健忘のあらすじネタバレ

事件によってレナードは重大な障害を負うことになります。その秘密をネタバレします。事件以降、レナードは事件以前の記憶は覚えているものの、事件以降の記憶が常に10分間でリセットされ、新しいことを長期記憶していくことができなくなる前向性健忘を患うことになりました。その為、出会う人の写真をポラロイドカメラで撮ってはメモを添えたり、ノートを取るなど対処を余儀なくされます。

『メメント』6つの事実から犯人を追え!復讐の旅のあらすじネタバレ

ここまでは『メメント』の設定のような前提です。ここからは映画『メメント』本編のあらすじをネタバレしていきます。押し入った強盗の1人はその場で射殺したものの、残る1人を撮り逃してしまったレナード。しかし記憶障害を患っている為、たとえ情報を得てもそれを記憶することができません。

そこで犯人に迫る重要な事実をタトゥーとして自らの身体に刻み込み、犯人の足取りを追う決意をします。しかし記憶の障害のハンデは重く、10分という短いタイムリミットの合間に次々と忘れては追加されていく情報と取り巻く人々の思惑に、レナードは疑心暗鬼となっていきます。

メメントを時系列で結末まで分かりやすく解説!

『メメント』交差する時系列をネタバレ

難解といわれる映画『メメント』ですが、何よりも話をややこしくしているのは極短い「過去から未来へと進行するカット」と「現在から過去へ逆行していくカット」が混在しているのが主な要因です。加えて逆行していくカットがメインのストーリーとなっているため、混乱に拍車をかけています。

結論から見ているため、ある意味究極のネタバレのようにも思えますが、突然一発の銃弾で1人の男の殺害現場から見せられても、見る側は何がどうしてそうなったのか、まったく理解することができません。更に短いカットの連続で情報が小出しにされるため、結末はわかっているのに真相になかなかたどり着くことができず、10分で記憶がリセットされるレナード同様、視聴者は混乱と不安の中に置かれることになります。

そこで今回のネタバレでは、入り乱れたあらすじを時系列に沿って整理しながら、『メメント』の結末までわかりやすくネタバレ解説します!

『メメント』すべての始まり「強姦強盗事件」のあらすじをネタバレ解説

まずは物語の根幹となるレナードの復讐の起源であり、記憶障害を負う原因となった「強姦強盗事件」のネタバレから始めましょう。ある夜、2人の男がレナード宅に入り、彼の妻を強姦した末に1人が射殺され1人が逃亡したことがそもそもの始まりです。その際、レナードは頭に外傷を受け記憶障害となります。彼はこの時点で妻が殺害されたと「記憶」しているつもりですが、実はこの時点では一命をとりとめています。

『メメント』妻の死の真実「Remember Sammy Jenkins」のあらすじをネタバレ解説

では彼の妻は一体いつ亡くなったのか、その真実をネタバレしていきます。強姦強盗事件では辛くも一命をとりとめたレナードの妻ですが、その後悲壮の死を遂げることになります。それが劇中レナードが何度も戒めのように口にする「サミー・ジェンキンスを忘れるな」の真実です。

レナードはサミーが記憶障害故に妻にインシュリン過剰投与の末殺害してしまったと「記憶」していますが、サミーという人物に妻はいません。サミーはレナードが保険会社の調査員時代に保険詐欺を見抜き出世のきっかけとなった人物ではありますが、レナードが記憶しているインシュリン事件は実際はサミーではなく、記憶障害となったレナード自身に起こった悲しい事件でした。

『メメント』レナードの「記憶障害」のあらすじをネタバレ解説

何故レナードは彼の妻が強姦事件で亡くなったと記憶違いを起こしているのか、その秘密をネタバレしていきましょう。そもそもレナードは強姦強盗事件で受けた脳へのダメージによる「ある事件以降の記憶を記銘できない外傷性前向性健忘」と思われていますが、これがミスリードの原因の1つとして考えられています。

前向性健忘では要因となった事件以降の記憶が「覚えられない」症状ですが、レナードは事件より前のサミーや事件そのもので妻が殺害されたという捏造の記憶を擁しています。これは自ら意図せず妻を殺害してしまったストレスによる心因性の「ある事件以前の記憶の想起に障害が生じる逆行性健忘」の症状であるといえます。

『メメント』果たされた復讐と新たな狂気のあらすじをネタバレ解説

事件にあい障害を負った結果、愛する妻をもなくしたレナードは悲劇の男にも思えますが、真実はそう簡単ではありません。ここでは彼の心に救う闇についてネタバレしていきます。愛する妻の存在と職場ではエリートであり人生の勝ち組だったレナードですが、強姦強盗事件を機に障害を負い、妻を死に追いやったあげくその事実に向き合うことができず、存在しない殺人犯への復讐に妄執するようになります。

それを哀れんだ警官のテディの協力の元、レナードは逃走する強姦強盗犯を見つけ、殺害することに成功。血濡れで笑う姿をテディがポラロイドカメラで収めます。しかし復讐を終えたレナードに残るのは障害を負った自身のみです。10分経ってしまえば記録に残さない限り忘れてしまうレナードは記憶障害を逆手に乗り、果たし終えたばかりの復讐を「なかった」ことにし、新たなジョン・Gを求めてさまよい始めます。

『メメント』テディの陰謀と暴かれた真相のあらすじをネタバレ解説

その事実を知ったテディはレナードを利用しようと画策しました。『メメント』はこのテディが殺されるところから始まりますが、なぜは彼が殺害されるに至ったのか、その秘密をネタバレしていきます。テディは麻薬ディーラーに取引を持ち掛けては、ディーラーをジョン・Gに見立ててレナードに殺害させ大金を奪う生活を繰り返していました。

そして1年が経った頃、ターゲットにされたのはジミー・グラントでした。しかしレナードはジミーにテディとの取引を明かされ、テディに利用されていることに気づきます。ジミーを殺害した後、テディを問い詰めます。テディの話を認めれば、自分が妻を殺してしまったこと、すでに何人もの「ジョン・G」を殺害していること、犯した罪から目を背けるようにすべてなかったことにしてきた不都合な真実を受け入れることになります。

そこでレナードはテディの写真に「こいつの嘘は信じるな」とメモを残し、テディの車のナンバーを控え、テディを新たな「ジョン・G」に仕立てるよう試みます。

『メメント』ナタリーとの出会いと彼女の策略のあらすじをネタバレ解説

レナードが「ジョン・G」としてのテディに辿りついたのには、ナタリーが一役買っていました。ここではナタリーとの出会いについて、ネタバレしていきます。ジミーの服と車を奪って逃げたレナードは、刺青屋で「THE FACTS 6」としてテディの車のナンバーのタトゥー入れます。そこにテディが現れますが、レナードはテディの写真の裏に「信じるな」と書いてあった為、こっそり逃げ出します。

向かった先で出会ったのが、ジミーの恋人ナタリーでした。ナタリーはレナードがジミーの服を着てジミーの車に乗っていることを不審に思いながらも、ジミーに最悪の事態が起こっていることを悟ります。そしてレナードの記憶障害を知ると、保身のために彼を利用することを思いつきます。

レナードの妻に対する暴言で彼を激高させて暴力を振るわせ、レナードがそれを書き留めようとペンを探し回る間、その場を離れて忘れたころに戻り、ジミーの麻薬をと金を狙うトッドにやられたから彼を始末してほしいと依頼します。

『メメント』ジョン・E・ギャメルのあらすじをネタバレ解説

レナードはどうやってテディにたどり着いたのでしょうか?ここではナタリーがもたらした情報とテディに至るまでをネタバレしていきます。トッドの始末に成功すると、ナタリーはレナードのジョン・G探しを手伝うと名乗り出ます。そうして彼女が調べてきたのは、「THE FACTS 6」の車のナンバーでした。

車の持ち主の免許証のコピーには当然テディの顔写真と彼の本名ジョン・E・ギャメルが記載されており、レナードは数日前に自身が企てたように強姦強盗事件の犯人としてテディに行き当たります。そしてテディの写真に「犯人だ、殺せ」と追記しました。

『メメント』始まりのラストシーンのあらすじをと結末をネタバレ解説

ついにテディにたどり着いたレナード。時系列では結末となるこのシーンは、『メメント』の冒頭のシーンでもあります。テディを殺す引き金を引き、結末に至るまでをネタバレしていきます。始まりのシーンでレナードはテディを呼び出し、写真を確認します。

写真にはテディの名前、信じるな、犯人、殺せの文字が刻まれており、これより10分前の記憶がないレナードにとって、その言葉だけが真実です。レナードは過去の自分の筋書き通り、テディを射殺します。

メメントの評価を紹介!

好評

結末から見ているはずなのに、やはり短いカットの逆行演出は事の真相を覆い隠すのに一役買っているようです。予測不能なストーリー展開に引き込まれます。

『メメント』の感想に「難解」という言葉は外せないキーワードとなっています。しかし難しく一度で理解が及ばないからこそ、リピーターも生んでいます。

『メメント』最大の特徴の逆行演出ですが、やはり他に追随を許さない秀逸さにひかれる人もいます。

『メメント』の最大テーマとなっているのは「記憶」です。しかしレナードが意識的にも無意識にも自分に都合よく記憶を作り上げていくストーリーに「人の記憶」とはなんなのか、その曖昧さに一石を投じる作品だといえます。

不評

不評と言いきれる感想ではありませんが、『メメント』のストーリーそのものを見てみると誰しも腹に一物を抱え、レナードを利用しようとする登場人物たちや、レナード本人も事件の果てに利用される悲劇の男かといえば、現実から目を背け実体のない復讐に妄執する人物になり果てたために、すっきりしない後味を味合う人もいるようです。

『メメント』という作品自体の面白さは認められるものの、やはり難解なストーリーは気軽に見るには億劫な作品といえます。

メメントのネタバレあらすじまとめ!

映画『メメント』のあらすじについてネタバレ解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?『メメント』の感想を見てもわかる通り、ネタバレなしで一度見ただけではなかなか難解なストーリーを理解し、何が原因で何がこったのかきちんと把握することはできません。最後に、もう一度あらすじネタバレの要点をまとめてみましょう。

レナードは強盗による妻の強姦事件で10分間というタイムリミットをもつ前向性健忘を患います。レナードの記憶障害を疑ったノイローゼ気味の妻は、その真偽を確かめるために自身の命をかけます。結果、レナードは真実記憶障害だったために、自らの手で妻にインシュリン過剰投与し殺害してしまいます。

このストレスから逃れるため、レナードは妻が強姦強盗事件によって殺害されたと過去の記憶を捏造する逆行性健忘の片鱗を見せ、犯人への復讐に駆られます。しかし復讐を果たしても障害を抱え未来への展望はないため、意図的に果たした復讐を忘れ、復讐という名の殺人を繰り返す選択をします。そして自己の利益のためにレナードを利用する人間を巻き込みながら、不都合な事実から目を背け、実体のない復讐を繰り返していきます。

『メメント』は人間の弱さと狡さを凝縮した物語です。複雑なストーリーと混乱に拍車をかける演出で、超難解と呼ばれるようになった『メメント』は確かに、ネタバレなしに見るには大変難しい作品となっています。今回はあらすじを分かりやすく時系列にそって結末までネタバレ展開したので、ぜひ鑑賞の際の参考にしてみてください。

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